最適な調理油に関する最新研究

調理油

早分かり -

  • ある最近の研究が試験の結果、- ココナッツオイルやピーナッツオイル、アボカドオイルではなく -エクストラバージンオリーブオイル (EVOO)が、酸化安定性や加熱時に有害化合物が発生しないことにより、調理に最適であるとしていますが、調理油としての安定性についてさらに研究が必要です
  • どの調理油は最適な調理油かを決める方法には加熱したときの油の態様を含むことや、加熱による有害化合物の発生についても検討する必要があります
  • 高温での調理には次に安全であると見られるココナッツオイルは自然に含まれる抗酸化物質濃度を比較したら調理油に適さないとその研究がしていますが、ココナッツオイルには有益な中鎖トリグリセリド(MCT)も含まれます。この点をその研究は除外しています
  • そのオーストラリアからの研究は発煙点はもはや問題にならないとしますが、調理油から出る煙は潜在的に発がん性があることをいくつもの研究が示しています
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Dr. Mercolaより

どの種類の調理油が最も健康的か、また使い方について多くの推奨に関してはどれが本当だろうかと首をかしげたことがあると思います。ピーナッツオイル、サンフラワーオイル、ココナッツ、アボカド、グレープシード、オリーブオイル、その他にもいろいろな種類があります。ではどれが最適でしょうか?

今日何らかのオイルを調理のために必要とするほとんどのレシピは、通常「サラダ」油とかカノーラオイルを勧めています。しかし最近のオーストラリアからの研究では、種子から抽出するサラダオイルは2つの要因のために最も適さないことが判明しました:

  • 加熱すると不安定になる
  • 加熱による有害化合物の発生

その研究は次のようにして行われました:オーストラリアで最も普及している10種類の調理油を様々な方法で熱してから室温に下げ、次に後の科学的分析のため貯蔵しました。試験したオイル:

エクストラバージンオリーブオイル(EVOO)

バージンオリーブオイル

オリーブオイル

サンフラワーオイル

ピーナッツオイル

ココナッツオイル

アボカドオイル

グレープシードオイル

米糠油

カノーラオイル

近年行われた他の研究と比較するとその研究者らはオイルについて興味深い観察方法を行いました。実際に結果の中には想像していなかったものや他の研究と矛盾するものがあります。EVOOを最適な調理油と評価した根拠は酸化安定性と加熱時に有害化合物が発生しないことでした。

高温での調理に次に最も安全とされたココナッツオイルは自然に含まれる抗酸化物質の比較においては失格となりました。ところで、発煙点とはオイルがフリーラジカルを放出して安全でなくなる温度です。この状態では酸素と反応し有害な化合物を生成し、これが細胞や果てはDNAも損傷することが健康科学アカデミーによるとわかっています。

アボカドオイルは他の研究からして期待しうるほど高く評価されませんでした。しかしHealthy Home Economistの評価ではアボカドオイルの発煙点のほうが未精製油で248℃、精製油で271℃と高いのです。Healthy Home Economistは実際に「ギー、獣脂、ラードを含む他のオイルは高く評価されず、アボカドオイルが高温での調理や揚げ物に優れる選択肢である」としています。

しかし、オーストラリアからの研究は発煙点は調理油の加熱安定性を見るには有用ではないのが現実であるとして、反対します。実際に、煙点が高いオイルは加熱後に発生する有害化合物が多い傾向があり」ました。

オーストラリアからの研究による興味深い結論

この目的のためにオーストラリアで使用された10種類のオイルはオーストラリアで認証された科学分析機関で2種類の試験によって解析され、加熱時の酸化安定性を判定しました:

  • 最初の方法は各オイルを250 ccずつ、25 ℃から240 ℃へ段階的に加熱し、 加熱の異なるレベルでの試料を取りました。
  • 2番目の試験ではオイルを3 Lずつ深いフライパンで180 ℃で6時間加熱しました。

オイルを加熱すると酸素との反応率が増え、オイルは酸化するので分解することを忘れないでください。ある研究が説明する通り、オイルが酸化に耐える時間が長いほどオイルを熱した食品を最も健康的に食べることができます。

しかし、オーストラリアからの研究では、従来の認識に反して、調理油の発煙点は安全性と安定性を見るのに「極めて不適切なマーカー」であるとしています。通常の場合、オイルに含まれる飽和脂肪と一価不飽和脂肪が多いほど酸化安定性に優れます。Diet v.s. diseaseによると:

「この研究のデータがココナッツオイルは酸化安定性が最高なことを示しました。これはとても飽和脂肪成分が多いからで(約92 %)、室温では固まります …」

さらにこのように説明されています:

「発煙点が高いことでオイルの高温安定性を示すのだとしたら、種子オイルは調理後の極性化合物が最大ではなく最も少ない。」

ピーナッツオイルは酸化安定性の点では次で、その後にエクストラバージンオリーブオイル、バージンオリーブオイル、オリーブオイルと続きます。カノーラオイルはアボカドオイルより若干安定性がよく、米糠油(チポトレでの調理に使用される工業脂肪と言われる)、グレープシードオイル、最後にサンフラワーオイルと続きます。

調理油の極性化合物と抗酸化物質濃度

オイルが加熱過程で分解されると発生する過酸化脂質やアルデヒド等の有害な極性化合物の発生率を科学者らが観察しました。これらの化合物は神経萎縮性や加齢に伴う疾患、発がん性及び高血圧症関連の疾患を含む重病を発生させます。

結局その研究の結論は、EVOOが加熱時安定性の点で最優秀であり、次にココナッツオイルとなりましたが、EVOOは有害な極性化合物の発生の点では最も優秀でした。EVOOは加熱後の有害極性化合物が最も少なく、これにほぼ同じのココナッツオイルが次席でした。それにも拘らず研究の執筆者らがこう述べています:

「実験は食品を調理せずに実施した。調理すると水分や蒸気が食品から出るので、加水分解プロセスを促進する。これらの試験で食品を使用しなかった点は他の悪化反応と比較した場合、オイルの酸化により大きく影響したことは否めない。」

バージンとエクストラバージンオリーブオイルの間に大きな差異があることもその科学者らは報告しています:3種類とも他のオイルよりはるかに多くの抗酸化物質を含み、EVOOが最多でカノーラオイルの18倍、ココナッツオイルの700倍あった。EVOOはバージンオリーブオイルや精製オリーブオイルとは大きく異なる。

抽出法や生産工程によりはるかに優れる製品であってはるかに多くのよい属性を含む。Diet v.s. diseaseは、「エクストラバージンオリーブオイルはその他全てのシードオイル、アボカドオイル、ココナッツオイルを合わせたより圧倒的に多くの抗酸化物質を含む」と強調しています。しかし、ココナッツオイルには中鎖トリグリセリド (MCT)が豊富であるようにその他の有益な品質があることを忘れないでください。

オリーブオイル:真実のスーパーフード

オリーブオイルは数千年以来浄化や祭式、さらに純粋さや豊穣さ等の象徴として等いくつかの用途に利用されてきました。オリーブオイルは、古代のヘブライ語やギリシア語の手稿によると、人気の高い貿易商品であったし、正しく調製し冷却すれば長年貯蔵できました。

オリーブオイルはランプオイルに利用されたえい、ドライスキンを癒すのに利用されてきました。生野菜すなわちサラダやチーズとブルシェッタ等のハーブ添えパンには今でも振り掛けて使います。しかし古代に揚げ物への使用は通常行われていませんでした。「1,000 Jewish Recipes」(ユダヤのレシピ1000種類)の著者フェイ・レビ氏は次のように説明します:

「パリで共に学んだフランスのシェフはデリケートなオリーブオイルを優先し、主に料理に最後に振り掛ける「仕上げ」のオイルとして取っておきました。 … 真によいオリーブオイルなら最適なのはオイルの味を感じるようにディップやサラダに使用するほうがよいです。

フルーティーで若干辛味があるオリーブオイルを少々掛けるととても風味が付きます。エクストラバージンオリーブオイルの風味は少し加熱したり全く加熱せずに最も繊細なので、最適なのは最も高品質のオリーブオイルボトルを最後に料理に掛けるほうがよいです。」

残念ながら、エクストラバージンオリーブオイル生産は巨大な事業になったので、世界中で偽物が横行しています。「エクストラバージン」というラベルのあるオリーブオイルでさえ上記のシードオイル等の劣等オイルを混ぜて操作され、混ぜ物が売られています。信憑性を見極めるには味と香りが最適な方法です。

オリーブオイルがそれほどよい理由

「南アフリカのオリーブ業界ポータル」Olive Centralはエクストラバージンオリーブオイルにいくつもの健康的メリットがあるとして、真実スーパーフードである根拠を列挙しています:

  • オレオカンタル — このフェノール化合物にはいくつかの経路で関節や神経萎縮、特定のがんを軽減する効果があると言われます。炎症を起こす酵素COX1、COX2を阻害し、脳からベータアミロイドプラークを消しアルツハイマー病予防すると考えられます。
  • 抗酸化物質 — オキシダントによる細胞の損傷を防止し、がん等の重病を起こすフリーラジカルによる損傷から肉体を保護し、心臓病リスクを下げます。
  • 一価不飽和脂肪酸 — この種の脂肪酸は細胞膜の弾性を増やすことで病気から守り、このため心臓病や糖尿病、アテローム硬化症、大腸がんのリスクを低くし、インスリン濃度に効果があります。
  • ビタミン K — 血栓のために機能する脂溶性ビタミン。強い骨作りに寄与し、心臓病を予防すると考えられます。EVOO大さじ1杯には成人の推奨日量(RDI)の10 %が含まれます。
  • ビタミン E — トコフェロールとして知られるビタミン Eは脂溶性ビタミンで、皮膚や目の異常から保護し、がん、糖尿病を予防でき、さらにアルツハイマー病等の神経病からも保護します。ビタミンEはよくスキンクリームに含まれ、皮膚の癒しや傷跡を減らします。

調理油:使うとよいオイル、避けるべきオイル

調理油となるとまず注意すべき点は水素化処理してあるかエステル交換油脂化(トリグリセリド分子をエンジニアリングしてオイルの融点を変えた)してあるかを見分けることです。オーストラリアからの研究が試験しなかった一項目はアメリカ人がよく使うもので、草で育てた有機のバターですが、これは調理に最適な脂肪のひとつです。ギーというもう一つのおいしい代替品は太古から利用されており、もう一つのよい調理油です。

動脈閉塞に至る代用物としてのマーガリンを暴露した情報は古いですが、ご存知でない方のために、マーガリンや精製調理油とサラダオイルでの調理は避けること、また、サラダオイル系ショートニングも避けましょう。多価不飽和脂肪は最悪で、例えばオメガ6脂肪酸は損傷されやすいので — コーンオイルや大豆油、サンフラワーオイル、綿実油、カノーラオイルも避けるべきなのはこのためです。

ココナッツオイルにはオーストラリアからの研究が解明したよりはるかに有利な点がある.脂肪成分の半分はラウリン酸で、体内でこれがモノラウリンに変換されます。これには強い抗ウィルス、抗菌、抗寄生虫特性があります。

いくつもの研究がココナッツオイルとアボカドオイルは発煙点が高いので食品加熱にはオリーブオイルよりはるかに優れることを示していますが、最も卓越した健康に関する情報提供者らは健康的脂肪に関していまだにこうした事実を把握しておらず、中には最新研究を実際に無視しているようでます。

さらに、注目すべきはオーストラリアからの研究がオリーブオイル業界にサービスを提供する先端オリーブラボサービス(Modern Olives Laboratory Services)の研究者が行ったことです。オリーブオイルは確かに健康によいですが、調理油として適切かはさらに研究が必要です。