Dr. Mercolaより
興味深い考慮すべき点:睡眠改善委員会(Better Sleep Council)によるアンケートからアメリカ人の半数が十分寝れていないことがわかりました。にも拘らずその半数以下が睡眠改善のために何ら対応策していません。
おそらくそれは男性の45%がより少なく寝れば済むように慣らすことができると信じているとも回答した理由でもあるのでしょう。私も以前はそう信じていました… しかしそれは間違っています。身体は適正な睡眠が必要で – 夜間8時間程度 – あり、これを「騙す」ことはできず、この基本的ニーズを満たさずに済ますことはできないのです。
さらに、多くの人は睡眠不足による極度の健康リスクを認めようとしません。成人の30%しか睡眠不足が記憶損失、心臓病、脳卒中、糖尿病等に寄与することに強く同意していません。
1. 真っ暗な寝室、日中の明るい光 — 電球が生まれて以来、人間はますます夜に「暗闇不足」な状況に置かれており、同時に屋内で仕事するという「厚意」によって日中はあまりにも僅かにしか光に当たらないようになりました。
光の強さをルクスで測りますが、日中の屋外ルクスは正午で100,000 luxあります。屋内では典型的な平均値が100~2,000 luxの範囲にあり — 屋外より二桁も少ないのです。
松果腺は夜はメラトニンを、明るい日光への暴露と完全な暗闇とのコントラストのにより分泌するので、光の明るさが重要です。
終日比較的暗い場所にいると、松果体は差異を評価できなくなり、メラトニン分泌が最適化されず、健康及び睡眠にかなりの悪い結末をもたらします。
身体は暗闇の中にいると、体温低下以外にも代謝の遅延、メラトニン増大等その他の変化が身体に生じます。例えば、空腹調節ホルモンのレプチン濃度が上昇し、空腹感が減ります。
遺伝子発現も、また細胞の増殖や修復、ホルモン分泌も同様に内生的概日リズムに影響を受けます。たとえ短時間でも夜間光に暴露されるとこれらのプロセスが阻害され、肥満、糖尿病、がん、鬱病などの病気になりやすくなります。
2. 賢い昼寝 — 日中規則的にしかも長く寝ると概日リズムに支障が出ます。これは体内時計と呼ばれる24時間周期です。
ある研究では、規則的昼寝を含め日中寝る人は遺伝子発現が低減しており、参加者の遺伝子の最大1/3が睡眠周期阻害により変性しました。
また短時間の昼寝なら実際には効果的であるというエビデンスもあります。臨床倫理学者、作家、教師、睡眠と夢に関する統合的医療手法のリーダーでるルビン・ネイマン医学博士によると、人間は日中通常午後の中頃に昼寝するように生物学的にプログラムされています。
欧州にもまだ毎日のシエスタを守り続けている国があり、最も気温が高くなる午後の一時期お店を数時間閉めます。
しかし、欧米諸国の大部分の雇用主は昼寝を組み込まないので、自然な傾向である眠気が出ると、コーヒー等でこれを抑えようとし、あるいは単に眠気と闘って逆らいます。しかし午後眠気が差したら逆らわずに寝たほうが安全です。
成人の「最適な」昼寝時間は20分前後のようです(これより長くなると深い眠りになり、起きたときもうろうとします)。
3. 8時間睡眠を目標にする — ほとんどの成人は真実、毎晩およそ8時間寝る必要があります – 8時間ベッドにいるということではなく、正味寝ている時間です。これを達成するには心に8時間目標をまず刻み、次に実生活のロジスティック的変更を行います。
起床時間が一定(これはよい習慣です)で十分寝る時間を取れない方は、なるべく就寝時間を早めるように予定を変更する必要があります。
テレビやコンピュータ、電話機を切り、起きなければならないまで確実に8時間睡眠できるだけの就寝時間から寝始めるように取り組んでください。毎晩何時間寝ているかよくわからなければ、Jawbone UP等着用できるフィットネストラッカーをお試しになるとよいです。こういうトラッカーは実際の睡眠時間を追跡するので、それに応じてスケジュールを調整できます。
4. 運動 — 運動によるメリットのひとつは夜間以前よりよく眠れるようになることで、このことは運動する時間帯に関わりなく言えます。例えば、2011年に公表されたある研究は、就寝直前の35分間活発に運動した人は運動しない晩と同じくよく眠れることを特定しました。
同じく全米睡眠財団によるあるアンケートから、83%の人は運動した日はしなかった日より(たとえ遅く寝ても)よく眠れたと答えています。適度またはきつい運動をした人の半分以上が運動しなかった日より運動した日はよく寝れたと答え、晩遅くに運動した人の3%だけが運動しなかったときより運動したときは睡眠の質がよくなかったと答えています。
5. 正しい温度にする — 体温調節 - 体の熱分配システム - は眠りのサイクルに強く関わっています。寝そべるだけでも体内熱が体幹から抹消へ分散するので眠気が出ます。寝ているとき、一般的には寝付いてから約4時間後に、体内温度は最も低くなります。従って涼しい寝室は体内の自然な温度降下に似た状態になるので最も良い結果をもたらすと、科学者らは考えます。
就寝前90~120分の間の暖かいお風呂で温まると寝やすくなるのはこのためです。入浴で体幹温度が高まり、お風呂から出ると急減するので、身体には寝る準備が出来たという信号が送られます。何度なら最適に睡眠できるかについてにはコンセンサスが形成されていませんが、たいていの場合、23℃を超えたり12℃より下がると睡眠を阻害します。
この範囲内であれば、パジャマや寝具等多くの要因が睡眠に影響します。多くの人は自宅を暖かくし過ぎています(特に二階の寝室)。最適な睡眠時室温は15~20 ℃であることを研究が実証済みなので適時サーモスタットまたは毛布やファンを使用する)を調節しましょう。
興味深いのは室温と体幹温度が低いとよく寝れる一方、手足が冷たいとその反対です。血流は全身に熱を分散する主な手段なので、抹消器官が冷たいとき血行がよくない兆しであり、これが眠れなくさせます。その解決策は簡単です:温かい靴下を履いたり、足の近辺に熱いお湯を入れたボトルを置いておきます。
これまでご説明してきた自然な睡眠の助けるになる補助は身体の自然な概日リズムとともに作用することであり、本当に休める睡眠を確保できます。実際に生命に危険がある処方睡眠薬ではこううまくはいきません。2012年のある研究が睡眠薬を飲むと、特定のがんリスクが増大する(飲まない場合より35 %高くなる)だけではなく、こうした薬を飲まない人よりほぼ4倍死ぬ確率が高いことを明らかにしたのには驚きます。睡眠薬による健康リスクのリストは常時長くなり続けており、以下の害悪を含みます:
睡眠障害のために薬(ベンゾジアゼピンを含む)を服用した10,500人以上から得られたデータを使ったある研究でも、「予想通り、睡眠薬を処方された患者は睡眠薬を処方されなかった人よりはるかに死亡率が高かった」ことを示しており、この関連付けは、患者の健康状態がすぐれないこと– 並びに患者が年間18錠未満しか服用していないことを考慮してさえ、正しかったのです。
まずは、次の変更を考慮してください:
夕方以降、特に、就寝前の遅くとも1時間前にはテレビの視聴、パソコン等の使用を止める — すでにご説明した通り、これらの機器は青光を放ち、このため脳がまだ昼間であると勘違いします。普通なら、脳は夜9時~10時にメラトニンを分泌し始めるので、これらの装置から出る光がこのプロセスを阻害します。
明るい日光を必ず浴びるようにする — 松果腺は、明るい日光への暴露と夜の完全な暗闇とのコントラストにだいたい従ってメラトニンを分泌します。1日中暗闇にいる場合は、違いが判らないため、メラトニン生成に適しません。
完全な暗闇または、可能な限りそれに近い中で眠る — 極めて微量の光さえ寝室にあると、体内時計と松果腺のメラトニンおよびセロトニンの分泌を妨害してしまいます。ラジオ付き時計からのわずかな光でさえ眠りを妨げるため、夜はラジオを何かでカバーするか、すべて部屋の外に出してください。電子機器はベッドから最低90cmは離してください。窓も掛け布や毛布で覆い、外からの入光を避けるべきです。これができなければ、アイマスクを付けて寝ましょう。
夜の道案内に光源が必要な場合は、低ワット数の黄色、オレンジ、または赤の電球を取り付る — これらの帯域幅の光は、白や青の帯域幅のライトと異なりメラトニン分泌を止めません。塩ランプは、このためには便利です。F.luxという画面を自動的に減光するフリーアプリもダウンロードできます。
大きな音がする目覚まし時計は使わない — 毎朝突然びっくりして目覚まし時計に起こされるのはとてもストレスを感じるでしょう。常に十分な睡眠を取っていれば、目覚まし時計は不要になります。
可能な限り午前中に日光浴する — 概日システムは明るい光でリセットされる必要があります。朝10~15分日を浴びれば、「その日が始まった」という強いメッセージが体内時計に送られ、後で弱い光信号で混乱する可能性が低くなります。老化にともないさらに日光に当たる必要があります。
規則正しい睡眠スケジュールを維持する — 週末であっても、毎日定刻に就寝し、起きてください。こうすると身体が睡眠のリズムに乗るようになり、寝付き易くなり、朝は寝起きがよくなります。
就寝時間前の毎日決まった規則を作る瞑想、深呼吸、 アロマテラピー やエッセンシャルオイルを使ったり、パートナーからマッサージしてもらう。大切な点はリラックスできることを見つけ、一日の緊張から解放できるように毎晩行うような習慣を身に着けることです。
眠れない限り、ベッドにいないこと — ベッドに横たわったままでいて眠ろうと努力するのは葛藤を産み、不安につながります。眠れないときはベッドを離れ、イージーリスニングの曲を聴くか眠くなるまで読書し、またベッドへ戻って眠ろうとする。
寝室内の電磁場(EMF)に注意 — EMFは松果腺とメラトニンの生成を阻害し、他の負の生物学的影響ももたらします。家の様々な場所のEMFレベルを測定するにはガウスメーターが必要です。 最適なのは寝ている間はワイヤレスルーターをオフにすることです。睡眠中にインターネットは必要ありません。
睡眠が足りないと、翌日食べ過ぎることになります
薬に優る睡眠療法(睡眠セラピー)のメリット
睡眠不足であなたの脳に起こること
睡眠遮断されたとき体に何が起きるでしょうか?
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