Dr. Mercolaより
サンスクリーンを使った方が賢明な状況はありますが、こうした製品は一般的に過剰に使用されており、ビタミンD不足に寄与しています。私の見方では、サンスクリーンは、日焼けしない程度に適度に日光に当たる限り、ほとんど不要です。陽光の当たらない所へ移動するか、皮膚が薄くピンクがかってきたら何か羽織ればよいだけです。
それにも拘らず、全米皮膚学アカデミーは海浜で寝そべっているときだけではなく、天候や皮膚の色素に関わりなく毎日サンスクリーンを使用するよう強調します。いくつもの健康に悪い影響があるビタミンD不足を促進する他にもサンスクリーンの使用は有毒な暴露の原因でもあると考えられます。
合衆国食品医薬品局(FDA)によるあるパイロット研究が、サンスクリーンによく使用されている四種類の有効成分は健康リスクになりうるほどの濃度で血流に吸収されていることを示しました。同研究が特定したこれら四種類の有効成分とはアボベンゾン、オキシベンゾン、オクトクリレン、エカムスールです。
24人の参加者にローションかクリームのスプレー2種類のいずれかで1 cm2当たり2 mgのサンスクリーンを全身の75%に塗ってもらいました。 この量はほとんどのサンスクリーンメーカーが推奨する最大推奨用量に匹敵します。
7日間塗り続けた参加者一人当たり全部で30本の血液試料を採取しました。最大血漿中濃度の幾何平均は物質ごとに次のようになりました:
有毒化学物質を皮膚に塗れば血液に吸収されることは想像がつきますが、こうした結果に照らしてサンスクリーンの使用継続というFDAの行政指導には驚きます!
四種類の化学物質全てが一日でも塗ると、「安全」と想定されている濃度を超えて血流に侵入し、最後に塗ってから少なくとも24時間全身に残留することがわかっているのに、これはどうしたことでしょうか。通年毎日欠かさず塗っていればどんな結末になるのでしょうか?
2008年に2003~2004年全国健康栄養調査の一環として疾病管理予防センター(CDC)公開のある研究によると、2,517尿試料の96.8%から検出可能な濃度のオキシベンゾンが確認されており、まさしくサンスクリーンをどれほどたくさん使っているかの証左です。しかも、これは15年前のデータに基づいています。今ではさらに悪化しているはずです。
FDAの薬剤評価研究所応用規制科学部部長でありFDAのパイロット研究の共同執筆者、Dr.デビッド・ストラウス氏はTime誌で「その臨床的意味を把握するためにさらに研究する必要がある」としています。これらの成分に重篤な健康への悪影響があるかについてデータが不足しています。
全米皮膚学アカデミーのスポークスマンで皮膚科医のデビッド・レフェル医学博士はFDAの推奨に同調しており、CNN Healthで「この事実を評価し特定成分の吸収について医学的意味が真に存在するかについて見極めるるためにはいくつも研究が必要です。[一方では]陽光からは積極的に保護し続けていただきたいものです」と述べています。
環境作業部会(EWG)によるとオキシベンゾンにより「アレルギーや内分泌攪乱が発生し、細胞が損傷する」ことがわかっています。その前日に公表された附随研究がこの化学物質に妊娠中暴露された母親から生まれる新生女児の体重不足を引き起こすことが暴露されました。オキシベンゾンは浸透促進剤でもあり、つまりその他の化学物質が皮膚を通過し易くします。」
オキシベンゾンは思春期男子のテストステロン濃度を「大きく低下させ」、精子数を減少させ、男性のホルモン濃度変化(特にテストステロン、エストラジオール、インヒビンB)をきたすこともある研究で判明しています。女性の場合、この化学物質は子宮内膜症、妊娠期間の短期化、男児の出生時体重不足につながります。
オキシベンゾンはカブトガニの卵を含む一部の海生生物を死なせる影響もあり、オキシベンゾンを含むサンスクリーンが普及していることでサンゴ礁や海生生物に重大な脅威となっていると研究者らが警告しています。
ハワイ州議員はこうした影響が原因で重大なサンゴ礁の損害につながっているオキシベンゾンやオクチノキサートを含むサンスクリーンの販売を禁止する法律を制定しました。
すでにご説明しましたが、0.5 ng/mLはFDAが定めた吸収による全身濃度の閾値ですが、これ未満であれば、メーカーは毒性検査を行わなくて済みます。
0.5 ng/mLという閾値は食品の包装から食品に浸潤する化学物質の規制が起源で定まったものであり、消費されることを前提にした値であることを銘記する必要があります。皮膚に塗る化学物質は胃腸管を経由しないので直接血流に浸透し、食事で入る化学物質より異なる、健康への脅威があります。
端的に言うと、0.5 ng/mLという閾値がこれらの四種類(及びその他の)サンスクリーン化学物質について真実適切な値かについて根拠はありません。今後の研究が明らかにすることに期待せざるを得ない現状です。
注意喚起的アプローチをせず、安全なサンスクリーン(酸化亜鉛と二酸化チタン含有製品)を勧めず、FDAは単に、「これらの結果はサンスクリーンの使用を控えるべきであることを意味しない」としています。私の見方では以上の結果は文書化が進んでいる健康への危害があるこうした製品を使うべきではないことを意味する警告フラッグです!
Consumer Reportsも当局と同じく非合理的推奨を行っています。FDAのパイロット研究の結果公表の数日前に、「その結果はFDAのサンスクリーン安全性に対する要請を強める」としつつも、Consumer Reportsは年次Best Sunscreensレポートを発表しました。目を見張るべきことは、Consumer Reportsが勧めるサンスクリーン全製品にオキシベンゾンが含まれることです。
ローションとスプレーリストの上位製品:
Consumer Reportsの製品安全性部長ドン・フーバー氏はオキシベンゾンに関して人々が抱くと考えらえる懸念について注釈し、こう言っています: 「オキシベンゾンには懸念があることは認識していますが、サンスクリーンは陽光からの保護計画全体の中では必須の部分であるという認識です。サンスクリーンが日焼けを予防し、皮膚がんリスクを下げ、皮膚の老化を軽減することは証明されており、ここで行っている検査は製品が紫外線を通さない能力を見ています。」
Consumer Reportsが勧めるオキシベンゾンを含まないサンスクリーンは、Walgreens Hydrating SPF 50 ローション及びHawaiian Tropic Sheer Touch ローション SPF 50ですが、その代り両方ともアボベンゾンを含みます。
しかしアボベンゾンが実際に安全な選択肢であることを確認した研究はまだありません。最近のデンマークからのある研究によると、米国と欧州連合で認可されている29種類のサンスクリーン化学物質のうち13は男性の生殖力を低下させ、アボベンゾンがその一つです。
毒素成分について懸念がある方のためにEWGのSkin Deep Databaseはサンスクリーンの選択評価に有用なサイトです。2017年に私ブランドのDr. Mercola Sunscreen SPF 30は最も安全という格付けをいただきました。
オキシベンゾン以外にも少なくとも8種類のその他のサンスクリーン成分に内分泌攪乱作用が疑われます。前記の通り、最近のデンマークからのある研究は、米国と欧州連合で認可されている29種類のサンスクリーン化学物質のうち13は男性の生殖力を低下させるリスクを強調しています。
その研究者らはこれらの化学物質が部分的にプロゲステロン様の作用をし、精子の中のカルシウム信号伝達に悪影響して男性の生殖力を弱める機能をすることを特定しました。その化学物質13種類のうち、以下8種類が米国では使用認可されています:
アボベンゾン
ホモサラート
メラジメート
オクチサラート(サリチル酸エチルヘキシルとも呼ぶ)
オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
オクトクリレン
オキシベンゾン(ベンゾフェノン-3とも)
パジメート O
「以上の結果は懸念され、部分的には原因不明の不妊症が蔓延していることの説明要因であるかもしれません」と、デンマークのコペンハーゲン大学ニールズ・シャケベック教授(同大学病院の研究員)が言います。
多くのサンスクリーンにはビタミンAやその派生物質、レチノール、パルミチン酸レチニルも含んでおり、これらは悪性細胞の発生と拡散を速めることで皮膚がんリスクを高めることがわかっています。
2017年にToxicology Reportsに掲載されたある研究もサンスクリーン成分 — オキシベンゾン等 — が神経毒性がある(脳に対して有毒)ことを警告しています。その筆者らは次のように説明しています:
この研究で特定された神経毒性があるサンスクリーン成分:
オキシベンゾンの内分泌攪乱及び神経毒性作用、高い吸収性、安全なサンスクリーン(非ナノサイズの酸化亜鉛と二酸化チタン含有製品)があることを考慮すると、FDA、全米皮膚学アカデミー、Consumer Reportsがオキシベンゾンを含むサンスクリーンを毎日使用して親子が全身に塗りたくるよう勧めていることは全く無責任かつ不条理にしか見えません。
サンスクリーンを選ぶなら、安全なサンスクリーン成分には実に2つしかない — 酸化亜鉛と二酸化チタン — ことを忘れず、しかもこれらがナノサイズではないことが必要です。
安全な選択肢は酸化亜鉛入りローションやクリームです。これらは陽光の中で安定しており、UVAから最適に保護します。次の最適な選択肢は二酸化チタンです。製品にナノサイズ粒子が含まれず、UVAとUVBの両方とも遮断することだけは確認してください。
さらに、SPFはUVBからの保護グレードを意味しており(FDA提案の規則が制定されれば、SPFが15以上ならUVAとUVBからの保護が義務づけられる)、この紫外線は皮膚がビタミンDを生産するために必要な紫外線スペクトルの一部なのです。
皮膚の損傷や皮膚がんの原因になるUVA紫外線が最も危険な光線です。SPF 50以上のサンスクリーンを避けましょう。本質的に有害でなくても、SPFが高いと安全性について誤解を招きやすく、本来いるべきでないほど長時間陽光に当たっていたくなる傾向があります。
さらに、SPF値が高いからといって通常それだけ保護が優れるわけではありません。SPF値が高いサンスクリーンを使用してもSPF値が低い製品と同じだけ紫外線に暴露されることが研究からわかっています。
さらに、Consumer Reportsによる最近の分析では多くのサンスクリーンはラベルに記載の文言よりはるかに効果がありません。2019年レポートの対象になった82種類の製品のうち32は表示のSPFによる保護を提供しないことが判明しています。Consumer Reportsは「前年のサンスクリーンテストと同じようなパターン」であったとしています。
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