背中下部の痛みに効く簡単なストレッチ

背中下部の痛みに効くストレッチ

早分かり -

  • 簡単なストレッチで動作性と柔軟性がよくなり、背中下部の痛みが発生する潜在性を削減できます。今回ご紹介するヨガポーズは筋肉の凝りや不正な姿勢による背中の痛みを軽くするのにも有用です
  • ストレッチは背筋を動かすのに有用であり、体幹が安定化すると脊柱を支持し易くなります。このため痛みも減ります。日常ストレッチするとき椎間板に負荷が大きくかかり、痛みや不快感が増すおそれがあるつま先立ちは除きましょう
  • 座っている間や立っている間に全身の姿勢をよくできます。こうすると背中下部へのストレスを解放するのに有用で、体幹筋力をつけ、負傷するリスクが減ります。質のよい睡眠を取り、ストレスレベルを下げることで痛みは減り易くなり、依存症や死亡もありうる大きな健康へのリスクがあるオピオイド系の処方鎮痛薬を避けるのに有用です
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Dr. Mercolaより

背中の痛みは病気ではなく、原因不明のいくつもの症状として現れます。年齢層や人種、性別を問わず起きます。背中の痛みを生来ている間に体験する生涯蔓延率は工業国で60%~70%と推計されます。

この蔓延率が三十代に増加し、身体障害の最大原因であり、多くの人が日常行動をできなくなっていることが研究から判明しています。さらに欠勤の最大の原因であるほか、医師の診察を受けに行く三番目の主要な原因です。

多くの症例は機械的あるいは無機的原因によっており、すなわち、関節炎とか骨折、あるいはがんなどの異常や病気によって起きていません。13本の研究に関する、背中下部の痛みの蔓延率と発生状況を調べたあるメタ分析で、年齢、性別、人種を含むリスク要因を特定した研究が9本ありました。

残り4本の研究からは高強度の肉体活動、脊柱への高負荷、持ち上げ動作、体を曲げる動作、捻りが背中下部の痛みのリスク要因として特定されました。年齢、性別、人種は制御しえないものですが、活動要因は制御でき、ライフスタイルを調整するとよい方向に変えられます。

ストレッチで背中下部を動かす

背中と脊柱は体重の大部分を支持する一方、腹部の体幹筋肉が脊柱を支持します。背中下部の痛みが発生すると、立ち上がって動くのがおっくうになりますが、衝撃の少ない活動がよく痛みを軽減できることを以下でご説明します。また、速く治ります。痛みの原因である張った筋肉を運動と活動で解しやすくなります。

痛みは悪循環に陥り易く、動くのがおっくうになるような痙攣がおき、さらに背中の痙攣が増えます。筋力トレーニングとストレッチを行う日々の運動プログラムで筋力と柔軟性をよくできると考えられ、早く回復でき、再発しにくくもなります。

下部の背筋を解すのに使いたくなりそうなストレッチは立ったまま前屈してつま先に触ることです。しかしこれには背中のためによくない多くの理由があります。つま先タッチの前屈をする目的は大腿屈筋を伸ばし、背中下部への負荷を減らそうとすることです。しかし、このストレッチは背中下部への負荷が増え、椎間板を圧迫します。

両脚をいっしょに押し伸ばし、膝をぴんと張る姿勢で前屈すると背中下部のみ屈曲することになり、椎間板に応力が掛かります。椎間板をすでに痛めている場合、悪化や負傷が進行するリスクが高まります。これをせずに、以下のストレッチで背中下部を働かせてください:

コブラポーズ — この伝統的ヨガポーズは床の上で行う運動で、顔を床に着けた姿勢から少し背を剃らせて起こす姿勢です。目的は胸郭を開くと同時に脊柱を強化することです。また、座業で頻繁にある伸び過ぎた背中上部と凝った胸筋を解放するのに優れる対策となる動きでもあります。

床に腹ばいになり、両脚を体の後方へ伸ばし、足の甲を床に置きます。両手は肩の下に付き、肘を胴に着けた状態にします。足の甲から腿、さらに骨盤下部を床にぴたりと着けたままで両腕を真っすぐにして胸を起こします。

骨盤下部からつま先までが床に着いたままのつながりを維持しつつ、自分で可能な範囲でのみ起こします。最初はこの姿勢を15秒保ち、力が着いてきたら次に30秒行います。起こすときに息を吸い、床へ上体を戻すときに楽に息を吐きます。

猫牛ポーズ — この基本的ヨガポーズは呼吸と同期しており、脊柱の筋肉をウォームアップします。始めに床に膝と手を突き、背中は卓のように平らにします。両肩を手首の真上にし、両膝は臀部の真下に、体重を四つん這いの四肢に均等に配分します。

腹式呼吸しながら凹の姿勢になり、お腹を床に向けて突き出し、目を天井を見上げます。おへそを脊椎に引き寄せながら息を吐き、顎を胸につけたまま元のアーチ姿勢にゆっくりと戻ります。猫または牛の姿勢にロックせず、両方の姿勢を通してゆっくりと流れるように動きます。

子供のポーズ — これはきついヨガ運動の間に取る休憩のポーズです。踵を着けて立った姿勢から両足を揃えてひざを曲げ始めます。両膝を腰幅に広げていきます。

腿の間に体を沈めながら息を吐きます。背中下部を骨盤から伸ばして両手を床に着き、手の平は体に沿わせて上へ返したかたちです。最初は、30秒から始め、楽になるにつれて2~3分に増やします。

姿勢を変えると背中下部へのストレス軽減になる

よい姿勢を使うことは直立して自分でできる限りよく見えるようにする以上のことが必要です。これは長期的な健康のために必須です。姿勢はバランスに影響し、食物の消化や呼吸にインパクトがあります。身体を正しく使わないと、背中から臀部、膝への応力が増え、傷みや負傷のリスクが増えます。よい姿勢のためのカギは脊柱を自然な位置にすることです。

座業で前かがみなったり無理な姿勢でいると、背中や首が痛むリスクが高まりますが、人間工学を利用して作業姿勢を変えるとこうしたリスクが減ります。正しく立ち、背中下部への応力や無理を減らすには、両足の球点で体重を受けて立ち、膝を少し曲げます。

立って歩くとき、両足がおよそ肩幅でつま先が真っすぐ前を向くことが必要です。直立して肩甲骨を引き下げ、胃は引き締まった姿勢になります。頭と耳たぶが肩と直線上に並ぶ姿勢にします。頭は重いので、前に出ていると背中上部への負荷が増えます。

座っている間両足が床に着いており、脚を組まないことです。膝の背面と座面の縁の間には少々隙間を維持します。次に、椅子の背もたれを背中下部と中部が支えられるように調整します。.長時間同じ姿勢で座ったままでいないようにしましょう。

むしろ姿勢を頻繁に変え、頻繁に立ってストレッチしたり歩くことが必要です。肩は引いたリラックスした姿勢を維持し、屈み込まないようにしてください。姿勢をよくすると脊柱への摩耗やせん断力を減らすのによいだけではなく、首や肩、背中の痛みも減ります。

靴も姿勢にインパクトがあり、背中下部、脚、さらに首にさえ余計な応力が掛かることもあります。例えば、ハイヒールだと姿勢の整合性が変わり、背中下部が痛むリスクが高まります。足を支えてくれる正しく自分に合い、楽な履物を選びましょう。必要なら足病医や足のスペシャリストに相談しましょう。

氷で炎症と熱が下がる癒しが早まる

背中下部の痛みを無くすには冷熱ともに効果的な方法です。冷やすか温めるかで異なる効き目があります。アイスパックを当てると炎症や痛みを減らすのに有用です。しかしこれでは部位への血流が減るので、しばらく動く予定がないときに使うのがよく、例えば、就寝前に適します。

鎮痛用に設計されだアイスパックを買ったり、冷凍野菜入りのパックを使うあるいはイソプロパノールと水をプラスチックバッグに入れて自分でアイスパックを作ることを検討しましょう。バッグにイソプロパノールと水を半々ずつ入れて冷凍します。アイスパックが固くなり、体によく合います。どんなアイスパックを使うにしろ、皮膚を保護するため布を使ってください。

加熱すると部位への血行が増し、時間が経つにつれ炎症を抑える効果があります。加熱パッドや熱水入りボトルで火傷しないように注意しましょう。炊けていないご飯を布袋に入れてレンジでチンし、自分でホットパックを作ることもできます。皮膚に当てる前にバッグの熱具合を試してください。

鎮痛クリームは筋肉を解すのに有用

時には直ちに痛みを解消し、終日働ける状態になることが必要です。クリームにはカプサイシンが含まれ、鎮痛効果がありますが、メンソール入りのクリームは背中の痛みを一時的に和らげ冷やす効果があります。

変形性関節症の痛みにカプサイシンを使ったある研究で、局部への塗布が痛みを経らすために最長20週間「適度な効果」があることを研究者らが記述しています。

メンソールを鎮痛剤として分析した別の研究ではメンソールが動脈の直径に影響する(血管作用性がある)ことがわかり、これが冷やす効果を生むことがわかりました。局部に塗ると鎮痛中枢経路が活性化しますが、塗り過ぎると痛みに敏感になり過ぎることも特定されました。

三つ目の方法は皮膚に直接塗るホメオパシー療法である雲母オイルです。雲母入りのクリームやジェルは市販されています。この化合物は副作用が少なく、多くの人は有用であると見なしています。

体幹を鍛えて背中を守る

強い体幹を作り、維持すると背中下部が安定化し、慢性的な背中の痛みを軽減するのに有用です。体幹安定化運動の効果を日常の肉体活動と比較したある研究で、不特定な慢性的背中下部の痛みがある120人を募りました。

その結果を処置の第二週と第四週、さらに第六週目に記録し、その後、両方のグループで痛みが大きく軽減しました。日常的肉体活動より体幹安定化運動をした人のほうが安定化と痛みの軽減度が大きかったのです。

自分の慢性的背中の痛みに対処するためにエリック・グッドマン医学博士が開発したファウンデーショントレーニングは簡素でも強力なテクニックであり、一日に三時間以上座っている人なら誰にもよい効果があると言われます。

ファウンデーショントレーニングは統合された一連の動きを通して骨盤と大腿屈筋、殿筋、内転筋が強調し合って機能するように教えます。

一連の動作を統合することで、このトレーニングは脊柱と体幹を強くし、自然な状態に直し、背中の痛みを軽減すると考えられます。ファウンデーショントレーニングの背中の痛みへの効き目について詳しくは、私の以前の記事「背中の痛みに効く運動」をご覧ください。

睡眠を改善しストレスを減らす

睡眠阻害は痛みを悪化させ、痛みへの耐性が弱くなります。楽に寝れないマットレス、寝る姿勢の悪さ、睡眠習慣の乏しさ等質のよい睡眠の妨げとなるいくつもの要因が質のよい睡眠不足につながります。快適な背中と整った状態は高品質の睡眠にとって欠かせず、翌朝の痛み軽減のために必須の要因です。

慢性的痛みは睡眠阻害につながり、睡眠阻害は痛みの増加につながります。こうした悪循環はよい睡眠習慣によってよくなります。

日常の睡眠にはいくつかの要因が影響しており、これには室内の灯り、温度、電磁場、食生活が含まれます。睡眠不足の悪影響や睡眠改善についての情報やヒントは私の記事「毎日の睡眠を最適化する33の最適なヒント」をご参照ください。