Dr. Mercolaより
健康を破壊するために最速な方法とは正味炭水化物とタンパク質が多く、健康的脂肪が少ない食生活です。アメリカ人の80 %にインスリン抵抗性があり、こうした食生活をしていることを考慮すると、肥満率が着実に増加していることは想像がつきます。
誰にもよい完璧な食事があるわけではありませんが、原則的に言うと、ほとんどの人は一日正味炭水化物(総炭水化物から繊維質を控除する)を50 g以下に抑えると効果が得られるはずです。よく運動したりとても活発な方ならこれを100 gに増やしても構わないでしょう。
例えば、穀類、米、パスタ、じゃがいも、野菜はすべて炭水化物です。しかし野菜は繊維質を多く含むので正味炭水化物は少ないです。低炭水化物食では野菜ならほぼいくらでも食べて構わないのはこのためです。実に、「善玉」炭水化物が「悪玉」炭水化物と異なるよさの基準は繊維質含有量です。
正味炭水化物をどれだけ摂っているかを見るには総炭水化物から繊維質を引くだけです。これが総非繊維質炭水化物すなわち「正味」炭水化物です。
しかし野菜だけが高繊維質食品ではありません。しらたきは食べたことがない方もいるかもしれませんが、低正味炭水化物食品の代表格であり、約97%が水分、3%が繊維質で、カロリーゼロ、消化される炭水化物を含みません。
しらたきは別名細切りこんにゃくとか奇跡の麺と言われることもある長く白い半透明の麺です。その成分はこんにゃく(英語ではデビルズトングヤム)の根から取れるグルコマンナン繊維質です。Authority Nutritionが次のように説明しています:
「グルコマンナンは高粘度の繊維です。粘性繊維質は一種の溶解性繊維質であり、その特徴の一つは水を吸い込んでジェルになることです。実際に、しらたきの極めて多い水分に見られるようにグルコマンナンは自重の最大50倍の水を吸収します。
この麺は消化系をとてもゆっくりと進むので、満腹感が続き、血流に栄養素が吸収されるのを遅くします。さらに、粘性繊維質はプレバイオティックとして機能します。これは腸内細菌叢とか細菌叢ともいう腸内細菌の餌になります。」
体内の細菌は食べる物と同じ物を消費するわけで、概して言うと善玉菌は健康によい食品を餌にする傾向があり、悪玉菌の場合はその逆です。
腸内細菌の一部はしらたきだけではなく果物や野菜にも含まれる溶解性繊維質を発酵させ、発酵反応の副産物は腸内壁の細胞に栄養を与えます。こうして腸管壁浸漏症候群に関連する健康の問題を予防します。
最も重要な発酵副産物は、酪酸塩、プロピオン酸塩および酢酸塩のような短鎖脂肪酸です。これらの短鎖脂肪酸に以下の働きがあります:
残念ながら、一日推奨繊維質30~32 gを食べているアメリカ人はほとんどおらず、繊維質が不足すると、善玉菌が枯渇し、健康を悪くします。
かつては腸管壁浸漏症症候群が「実際にある」疾患なのかどうかについて疑義が持ち上げられたことがあります。近年の研究から実際に腸壁のバリアをなす細胞の間に物理的なギャップが生じ、未消化の食品粒子が血流に入る現実の腸の漏れが存在することが確証されました。
ゾヌリンという腸内タンパク質は腸壁細胞のこうした孔の開閉を調節します。この隙間が開くと、食物粒子など大きい分子は通過し、アレルギー反応を起こしたり、1型糖尿病やセリアック病、過敏性腸症候群等の問題を起こします。
さらに神経系の問題にもつながります。例えば、Dr.ナターシャ・キャンベル-マクブライドによる研究から自閉症の子供のほぼすべての母親の腸内細菌叢は異常であることがわかっています。新生児は腸内細菌叢を誕生時に母親から受け継ぐので、この事実は大きな意味を持っています。
腸の機能障害はうつや行動障害の要因であり、これは子供でも成人でも共通した問題です。
グルコマンナン — しらたきの繊維質 — には以下のようにいくつもの健康メリットがあります:
食物繊維は一般的に溶解性と難溶性のいずれかに分類されます。しかし発酵しうる特性など他の特徴は実際の健康メリットについて言うなら重要です。
Today's Dietitianに「自然界の耐性でんぷんは大腸の中でゆっくりと発酵される低粘性繊維質のグループです。名前からわかるように、耐性でんぷんは小腸内で消化されないでんぷんです」と説明されています。
こうしたでんぷんは腸内の善玉菌の餌になるプレバイオティックとして機能する繊維質です。耐性でんぷんはゆっくりと発酵されるので、お腹にガスがたまらず、不快感なくもっと耐性でんぷんを食べることができるようになります。
消化耐性でんぷん質は、便の嵩を大いに増し、定期的な便通を維持する働きもあります。消化されない耐性でんぷんなので血糖が急増しません。
実際に、消化耐性でんぷんが インスリンの調節を改善し、インスリン抵抗性リスクが下がります。科学者が植物その他の食品を人工的に改造して耐性でんぷんを生産したり同化できる方法を研究するほど耐性でんぷんは注目されています。 Time Magazineが次のように説明しています:
「ゆっくりと消化されたり脂肪酸に変換されたり、腸内細菌コロニーを持続させるなどのメリットが耐性でんぷんの差別化点です。
耐性でんぷんは2型糖尿病患者の健康によい食品として研究されており、これを食べると2型糖尿病に先行することがよくある異常として起きる特定の炎症項目が改善したほか、2型糖尿病の女性の脂質組成が改善したことを2015年のある研究が示しています。」
「特定の人口や文化では耐性でんぷんの恩恵を長年受けてきました」とスキッドモア大学健康運動科学のポール・アルシエロ教授が説明しています。「私の考えではこうした食品が現代の高炭水化物食による害悪から保護してきたのでしょう。」
耐性でんぷんを豊富に含む食品には一部の末成り果物特にバナナ、ロールドオーツ、白豆、レンズ豆、種子類、じゃがいもスターチ、タピオカスターチや玄米粉などの製品が挙げられます。興味深いことに、じゃがいもやパスタ等の普通に消化されるでんぷんを料理して冷蔵すると、食品の化学組成が変化し、耐性でんぷんに転換します。
しらたきは耐性でんぷんの好例です。消化性炭水化物が少なく繊維質が多いしらたきは腸内細菌によいばかりではなく、減量や糖尿病及び大腸がん等の病気予防にも有用です。それ自体ほとんど味がないしらたきは味付けやソースの風味をすぐ吸い込みます。
多くの人はしらたきの質感を楽しみ、これは普通の麦系パスタとは異なりくっつき合わないからです。調理の手間がかからないのでとてもよい「コンビニエンス食」でもあります。.冷食なら単に水を切り、すすぎ(これでこんにゃくの少々ある根の魚臭さが取れる)、お気に入りの味付けをするだけです。
温食なら煮汁に加え(自分で煮汁を作るのが最適)ると、しらたきが汁の風味を吸収します。もっと普通の麺の質感がお好みなら、油を入れずにフライパンで数分温めます。こうするとしらたきの水分が蒸発し、おかゆのようなジェル状の質感が減ります。
Serious Eats and Authority Nutrition に しらたきのレシピや簡単なヒントがありました。YouTubeでもいくつものしらたきレシピが見つかります。しらたきはアジア料理に最適ですが、どんな食事でもお米やパスタを代替できます。
ますます多くの研究も、繊維質の多い食事は、全原因による早死率を低下させることができると示しています。おそらく、2型糖尿病や心臓病、脳卒中、がんといった慢性疾患のリスクの減少を助けるためでしょう。繰り返しますが、これらのメリットは部分的には腸内の善玉菌による発酵活性によるもので、この過程で生じる健康によい副産物のおかげです。
糖分を避け、加工食品を食べないことも同様に大切です。これらの食品は半分でも機会があれば簡単に優勢に増殖する真菌その他の悪玉菌を増やします。しらたきのとてもよい点はすべて繊維質で消化される炭水化物が無いことです。本質的にしらたきはたくさん食べても正味炭水化物ゼロの代替食品として最適です。
米国農務省は1,000 kcalの消費当たり繊維質を14 g摂るように推奨しています。1,000 kcal当たり25~50 gの繊維質を摂るのが健康的なターゲットです。概して言うと一日に20~30 gの繊維質を摂るようにすることです。 しらたきの他にも以下のような溶解性及び不溶性繊維質の健康的な摂取源があります:
オオバコの種子外皮、亜麻、チアシード
ベリー類
野菜のなかでもブロッコリーや花キャベツ
根菜や塊茎類:玉ねぎやさつまいも、ヒカマ
マカダミアナッツ
エンドウ豆
グリーンビーンズ(サヤエンドウ)
カリフラワー
豆
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