Dr. Mercolaより
睡眠中無呼吸症は寝ている間に呼吸を阻害する気道閉塞により睡眠中呼吸ができなくなると発生します。空気の流れが一部阻止されたり、完全に流れなくなることさえあります。睡眠呼吸障害はよくある問題で、全男性の半分以上、女性の四分の一以上に発生しています
厄介なことに、睡眠中無呼吸症は主に加工食品中心の食生活と乳房からの授乳欠如が原因でますます蔓延してきました。子供の睡眠中無呼吸症は子供の行動や認知力に悪影響する脳の変成に関連することが判明しました。
推定で最大5%の子供が睡眠中無呼吸症に罹っています。これよりはるかに多くの子供が鼾や睡眠中の雑音を伴う呼吸あるいは口を開いたまま呼吸することを特徴とする睡眠呼吸障害を受け易いと考えられます。
幸いにも睡眠中無呼吸症を最初から防止する方法はあり、持続的気道陽圧(CPAP)装置に頼らず対処する方法があります。
睡眠中無呼吸症及び睡眠呼吸障害は口や歯、顔が最適に発育していないことに関連します。この異常は生後少なくとも6か月乳房からのみ授乳し、加工食品を食べなくすると防止できると考えられます。
妊娠中の方は乳房から授乳して育てることを考えてください。さらに、乳幼児期に子供の食生活に慎重な注意を払いましょう。いくつかの簡単なことを変えるだけで快適に呼吸し睡眠できる生涯の能力が発達するほど、想像以上の効果があります。
お子様がすでに呼吸障害に苦しんでいれば、口腔筋肉機能療法と起きている間に鼻で正しく息をする方法を身に付けることという二つの治療法で大いに望みが持てます。
子供に呼吸の異常があれば健康や学業成績に重大な影響が及ぶ場合があるので、放っておくことはできません。こうした呼吸障害があると睡眠が妨害されるだけではなく、以下のようなことが起きて健康が悪くなったり慢性病も起きやすくなります:
血中の酸素量が減り、体内器官の機能に支障が発生したり、その他すでにあれば健康上の問題を悪化させたりします
脳の老廃物排出系(脳内のグリンパティック系として知られるリンパ系システム)は深い睡眠中しか機能しないので、脳組織からの不可欠なデトックスを減速又は阻害します
概日リズムの障害によりメラトニン生産が減り、その他体内の化学的プロセスに障害を起こします
成長ホルモンの分泌阻害、最適な発育や成長の阻害
交感神経系の活性化により、おねしょ、夜間の発汗、悪夢、落ち着かない睡眠、不安を伴う問題が起きます
深い睡眠が妨げられ、日中注意力が欠如します
深い回復できる睡眠が阻害され、酸素化が減り、脳のデトックスが妨害される睡眠中無呼吸症は子供の精神的機能に重篤な影響を及ぼします。
近年のある研究によると、睡眠中無呼吸症の子供は思考や問題解決に係る脳野に問題がある脳の変成を起こします。これらの脳野は睡眠中無呼吸症が無い子供より睡眠中無呼吸症のある子供では小さいことが判明しました。
以前の研究は睡眠中無呼吸症で神経細胞が死に脳に異変が起きることを発見しました。
睡眠中無呼吸症の子供が睡眠中無呼吸症や呼吸障害の無い子供よりも学校で苦労し、語学や美術、数学、科学の成績が悪い - テスト成績が平均11%悪い - ことも研究からわかっています。
ここで取り上げている最新研究では、核磁気共鳴画像処理法(MRI)を使い、睡眠中無呼吸症のある子供の白質量を正常な子供と比較しました。
白質は脳の表層で、問題解決や言語、記憶、人格、計画性、判断等高度な脳の機能を司っています。実際に睡眠中無呼吸症の子供は睡眠中無呼吸症が無い子供より白質がかなり少ないことが判明しました。
ロサンゼルス介護学校技術・革新学部長で同研究の執筆者の一人、ポール・メーシー氏が「脳に変成があるあるいは脳が悪影響を受けているらしいことが実際に見えます」とReutersで説明しています。
肥満は睡眠中無呼吸症リスクを高めるよくある要因ですが、ますます増えている共通の根本原因は口の形が不適切であることや舌の位置がずれていることに関連しています。
この点は乳児食や加工食品で育った若い世代には特に該当します。
Dr. ウェストン・プライスの先駆的業績は食生活が口全体にいかに影響するかを実証していますが、ほとんどの人はいまだにこの影響についてや、口腔のサイズと形がいかに舌の位置や正しい呼吸能力に影響するかを把握していません。
歯科医で米国歯科睡眠医学理事会の渉外担当者Dr. アーサー・ストラウスによると、私たちの口は、乳房で授乳する育児の不足やよく噛まずに食べること、幼少期の貧疎な栄養のために、何世代にもわたりだんだん小さくなってきたそうです。
母乳育児は実際に、子供の口蓋を拡張し、あごの発達を助けます。この二つが、呼吸のためにじゅうぶんな空間を作り出して、睡眠時無呼吸を防止する重要な要因です。
2015年に公表されたある小児患者についての研究から明らかになったように、舌の位置も重要な役割を担っています。新生児の口蓋はドラムのように柔らかく、口の中にビンやおしゃぶり、口つきカップを入れると、または、赤ちゃんが自分の親指を入れると、口蓋は変形し、鼻腔の気道が狭くなり、さらに舌が正常に出なくなります。
異常に短い舌小帯を持つ子供は、幼小期に口腔顔面の成長が阻害され、上気道の幅が狭くなります。上気道は、とてもしなやかなので、睡眠中につぶれるリスクが高まります。
その研究では、短い舌小帯を治療していない子供が、早期に舌機能の異常を発症し、また、口腔顔面の成長が阻害され、結果として、睡眠中の呼吸障害に至ることが明らかになりました。
研究者らは小児科医や耳鼻咽喉科医は、吸引障害、発話障害、いびき、その他の呼吸障害のような問題のある子供の舌小帯を組織的に検査すべきだとしています。
さらに、舌小帯を除去すると効果がありますが、それだけでは呼吸パターンの異常全体を解決できないので、術前・術後の口腔筋肉機能療法によって鼻で息を正しくできるようにするのがよいでしょう。
口腔筋肉機能療法は、一種の顔面筋肉療法であり、口腔の形を直し、舌や頭、首を正しい位置にして睡眠中無呼吸症を和らげます。4年前私はこの形態の療法では先端の専門家ジョイ・メラー氏とインタビューし、その多くのメリットについてうかがいました。
9つの研究について最近実施されたあるメタ分析は、120名の閉塞性睡眠時無呼吸患者を含むものでしたが、口腔筋肉機能療法が、大人で約50%、子供の62%で睡眠時無呼吸の症状を緩和しました。
この療法は、舌を口蓋に当てて休めておき鼻で息することを教えます。この点はビューテイコ呼吸法(下記参照)でも取り上げている正しい呼吸法の重要な側面です。
歯ぎしりも、睡眠障害があることや顔面筋肉を訓練し直す必要があることを示すもうひとつのよくある兆候の一つです。
より具体的に言うと、歯ぎしりは上部気道閉塞の兆候であり、このため身体に顎を動かして気道を開こうとさせるので発生します。口腔顔面筋肉および首の筋肉全部を正しく働かせるようにすることで、この症例では大幅な改善ができるのです。
この手法を開発したロシアの医師の名前にちなんで名づけられたビューテイコ呼吸法は睡眠中無呼吸症を緩和しうるもう一つの強力な手法です。
口ではなく鼻から常に呼吸する方法を学べば、呼吸量は正常に戻ります。こうして、脳を含め組織や細胞の最適な酸素化が可能になります。
呼吸パターンについて言えば、食事がここでも重要です。加工食品を食べると、正常なpHを維持しようとして血液を酸性にする傾向がありますが、その結果、呼吸が深くなり、慢性的な過呼吸になる可能性があります。その理由は、血中の二酸化炭素の役割の一つがpHを調整することだからです。
水以外に、生の果物や野菜は呼吸への影響は小さく、調理した野菜がこれに次ぐ効果があります。高タンパク高穀物の加工食品は、呼吸に最悪の影響を与えます。
過剰呼吸の典型的な特徴としては、口呼吸、胸郭上部式呼吸、ため息、休憩中の荒い息づかい、話す前に深呼吸するなどがあります。あなたがこれらの兆候に気づいた場合、私はビューテイコ呼吸法を勧めます。なぜなら、目覚めているときに正しい呼吸ができないなら、寝ているときに呼吸障害が起きるリスクが高まるからです。
前半でご説明したように、現在睡眠中無呼吸症の子供が増え始めている原因の一つは、乳房での授乳が減ったために子供の口腔の異常なできかたの基礎ができたことにあります。
幼少期の加工食品生活が口腔の形状異常により生じる問題に輪を掛けます。
赤ちゃん主導の乳離れを提唱するシカゴのルリー子供病院歯科医Dr.ケビン・ボイドは現代の欧米化した乳児食と同氏いわく「先祖型」オンデマンド方式乳児食生活をそれぞれの口腔及び顔面骨格の発達の相違について比較しました。子供が本来食事を摂るべき方法で食事すれば、口や顔の骨の構造が最適に発達するように刺激されます。
このためにはまず乳房のみで授乳することを最適には生後半年行い、次に乳房授乳を続け普通の固い食べ物に移っていくことから始めます。米国小児学アカデミーによると、乳房授乳は固形食と平行して少なくとも一年間継続すべきですが、世界保健機関(WHO)ではこの期間を二年としています。
原因は何であれ乳房授乳が無理な場合、特殊な形状のカップで代用できます。
WHOとボイド氏によると、ジュースサイズのカップで子供に食事を与えるのが合成ゴムの乳頭付き哺乳瓶を使うよりはるかに優れています。
赤ちゃんの下唇に合わせてカットした小さいアーチ型があるカップの縁を当て、舌にお乳の小さい雫を載せると、口の解剖学的形状に合うので、赤ちゃんは母親の乳房をしゃぶるのと同じように吸い始めます。
舌が口蓋に休み易くなり正しい幅をなして気道を発達させることを含む正しい口の機能は、よくある口つきカップでは妨げられるので避けた方がよいです。
哺乳瓶を避けるべき理由は赤ちゃんが自然に母親のお乳にしゃぶりつく動作ができなくなるからです。つまり赤ちゃんの舌が哺乳瓶の乳頭を押す少々の圧力で乳を飲めてしまうので、口の解剖学的特長を正しく使えなくなります。
乳児はお乳を蠕動動作によりマッサージして、乳頭を口蓋に当てることで飲むものと考えられていました。しかしこれらの想定は全て著名な授乳研究家ドナ・ゲデスPh.Dによって完全に反証されました。
子供が睡眠中無呼吸症になった、あるいはそう疑われる場合、最初に根底的に睡眠中無呼吸症に対処し易くしてくれる有資格睡眠専門医を見つけてください。多くの人はCPAP装置の処方箋以外にほとんど手段がないので、ご自分で調べ、少々検索してみてはいかがでしょうか。
扁桃腺やアデノイドが大きいと、医者は切除を勧める場合も時にはあるでしょう。しかし、それでは鼻で息する機能や、噛んだり飲み込む機能は治らず、構造が崩壊してしまいます。
CPAPは症状を緩和できるでしょうが、根本の問題には対処できず、使い方や洗ったりメンテナンスして再起動する手間が面倒です。さらに、顔にマスクを掛け、うるさいEMFを出す機械がベッド脇にあるのでは深い修復する睡眠はほとんどできなくなります。
CPAPは顔を押し込み、「潰れ顔症候群」を生じさせることがあるので、子供のための長期的解決策としてはまず無理です。
子供が肥満なら減量で問題をかなり改善できるかもしれません。睡眠中無呼吸症が舌やあごの位置に関係しているなら、専門研修を受けた歯科医が、口蓋を広げ、顔を前に出して問題を解決するお子様専用の口腔器具をデザインしてくれます。筋肉機能療法を治療計画に含める限り、こうした器具ならはるかによく機能します。
成人向けには、これらの器具には、あごを前に移動するようにデザインされたあご位置調整器具を含みます。その他の器具にはあごを前に移動させずに舌を前に保つものもあります。筋肉機能療法は器具をさらに快適にするのに有用でもあり、側頭顎関節(TMJ)異常の予防が可能です。
こうした口腔器具による方法は、1995年以来、成人の睡眠時無呼吸症の標準的な対策として認められいます。また、口腔器具は、軽度から中度の睡眠時無呼吸症の初期治療法として勧められることが多いです。
口腔器具に精通した治療のスペシャリストを見つける方法の一つは、米国歯科睡眠医学会に当たることです。
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