玉子はコレステロールのためによい

玉子

早分かり -

  • 玉子は世界中で最も最適な食品の一つと見なせますが、医学界のエリートによる誤った理屈が原因で、黄身を食べ過ぎるとコレステロールが増加するという見当はずれの標的になってしまいました
  • 1940年代の終わり頃に主食として鶏肉に注目した新たな発想が、鶏をもっと利用する方法を見つけようとしていた食品業界のイニシアチブに基づいて、普及し始めるまでは、鶏は玉子生産以上のものとしては見られませんでした
  • 体内に高密度の小粒子LDLコレステロールがあると心臓病リスク要因になりますが、大型のふわっとしたLDL粒子ならリスクが低いです。ここに決め手の選手がいます:玉子は小粒のLDL粒子を大きい粒子に変換します
  • 今回取り上げる研究で、2型糖尿病あるいは前期糖尿病患者に一年間週に12個、8個ないし2個の玉子を食べさせた後、一連の検査を行ったら何ら健康にマイナスな影響がないことが判明しました
  • 113 mgのコリン(推奨摂取日量DRIの約25%)は脊椎破裂を含む特定の奇形を防止したり胎児の脳の発達を支持するので妊婦には欠かせない量です
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Dr. Mercolaより

おいしい自宅で調理する料理の基礎として鶏肉は何十年来アメリカの主流であり続けてきました。何世紀以来ではないか、と問われでしょうか? 実際には1920年代まで、自作農家では玉子を生産するという唯一の目的のために鶏舎を鶏で満たしていました。

1940年終わり頃に主食として鶏肉に注目した新たな発想が普及し始めるまで、鶏は玉子生産以上のものとしては見られませんでした想像できるように、この変化は食品業界が鶏の利用法を見つけるイニシアチブを開始したのがきっかけでした。今ではナゲットはもちろん、煮汁から煮物、フライまで様々な鶏の献立があります。しかし玉子には何が生じたのでしょうか?

玉子は医学界のエリートによる誤謬のあるテーゼが原因で黄身を食べ過ぎるとコレステロールが増加し、頸動脈にプラークを充満させるという誤認の標的になってしまいました。つい最近の2012年でさえ、カナダのある雑誌によると、玉子はいまだに中傷の対象であり、喫煙同様に健康を害するものとさえ見なされていました。多くの人は未だにこのことを信じていますが、誤った情報こそ健康に害があり、玉子の消費が害悪なのではありません。

American Journal of Clinical Nutritionに掲載された。、オーストリアのシドニー大学でニック・フラー氏が率いた近年のある研究によると、玉子は「世界中で相変わらず相対立するエビデンスがあるにも拘らず」、心臓病や高コレステロールの原因ではありません。

実際には玉子は食卓で最も栄養価の高い食品のひとつです。フラー氏は同研究の第一部の主任であったときに、こう記しています:玉子は目や血管、心臓の健康、健康的な妊娠期間や脂肪の調節等いくつかの健康の側面を支持しうるものである、さらに:

何十年も悪玉扱いされてきたのに反し、食品中のコレステロールは科学者が当初考えていたほど健康に害がないことは把握された。食品中のコレステロールによる体内コレステロールへの影響は実際には極めて僅かしかない。」

玉子を2個食べようが12個であろうが、玉子を食べてもマイナスな結果が出ない

前記の最新研究は、2型糖尿病や前期糖尿病患者が一週間に玉子1ダースを一年間食べたところ、一連の検査で全くマイナスな結果が出なかったと説明しています。その研究の参加者は多量(12個)、中量、少量(2個)の玉子を最初の3か月間毎週食べました。Times Now Newsがこう説明しています:

「その研究は3か月間最適体重を維持するのが目的でした。減量のため同じ参加者に以前と同量の玉子を食べながら減量計画を開始するように依頼しました。6か月間、参加者は研究者の監視と平行して玉子を食べ続けました。」

その研究以前に、Australian Men's Healthは研究者が結果を回収する際に、玉子を食べることに関連するリスク要因と見なされる血糖値や血圧等の心臓血管リスク要因を考慮した、と説明しています。

興味深いことに、その研究の参加者128人はたとえ玉子をたくさん食べても減量でき、研究終了後も減量を継続できました。その研究結果を支持するかたちでオーストラリア心臓財団は、「玉子はとても栄養価が高く、高品質なタンパク質を含み、オメガ3脂肪を含む健康的な脂肪が摂れる」と説明しています。 コレステロール成分についてはこう説明しています:

「玉子で血中LDL濃度は悪化しない。玉子にはコレステロールが212 mgしか含まれておらず、この量はコレステロールの許容推奨日量の半分にも満たない。肝臓が毎日大量のコレステロールを生産するので、玉子の消費により肝臓の生産量との比を均衡させる。実際に、玉子は体内にHDLすなわち善玉コレステロールを増やす。」

LDLという血中コレステロールには高密度の小粒子と低密度のふわっとした大粒子の二種類あります。高密度の小粒子LDLは心臓病リスクを高めるリスク要因と見なせる一方、大きいLDL粒子が多い人はこのリスクが低いです。しかし、ここには決め手が存在します:玉子は小粒のLDL粒子を大きい粒子に変換します。

飽和脂肪とコレステロールによる問題というのは捉え方の問題

飽和脂肪とコレステロールに関する議論で最大の問題の一つは、医者のコミュニティーはおそらくこの集団としての多数派側に混同が多いため公衆にうまく伝達されていないことです。

実際には、ロンドンのクロイドン大学病院で心臓外科コンサルタントのDr.アシーム・マルホトラによると、玉子がコレステロール濃度を上げるとはいっても、体内の脂質組成は実際には飽和脂肪をより多く食べると改善しうるのであり、特に、炭水化物を少なくすることで改善します。

飽和脂肪でHDLが増えるばかりではなく、大粒のふわっとしたLDLも増え、これこそ起きて欲しい状況なのです。さらに、LDLは遺伝子異常がある人を除き、心臓病のリスク要因として粗野に誇張されてきました。マルホトラ氏はこう説明します:

心臓血管病リスクを下げるには飽和脂肪を無くすべきというお経同然の屁理屈が食生活アドバイスやガイドラインをほぼ40年以来支配してきました。しかし科学研究によるエビデンスがこのアドバイスは逆説的に心臓血管病リスクを高めることを示します。

さらに、総コレステロール濃度のみを強調する政府のこだわりが何百万人ものスタチン薬過剰投与につながり、アテローム性脂質異常[トリグリセリド濃度増大、小さい高密度LDLの増大、HDLコレステロールの低下]というこれよりはるかにおそるべきリスク要因から私たちの注意を逸らせました。」

興味深いことに、玉子を多く食べることとその「高コレステロール」につながる役割に注目する多くの科学者が飽和脂肪を未だに敵かの如く取り上げています。Body and Soulは次のように説明します:

「実は、コレステロールは身体のとても重要な部分であり — よい健康のために必須の要素である。どの細胞膜にも必須の部分を為す構造分子である。これをもとにテストステロン、(エストロゲン)やコルチゾール等のステロイドホルモンが生産され、効率的代謝を助け、脂肪の消化と重要な栄養素の吸収を助ける胆汁酸を生産する。実はコレステロールがなければ私たちは生きていけない。」

玉子を食べ始める(または食べ続ける)理由

コレステロールの摂り過ぎに不要な心配をさせた似非科学から目を叛け、玉子を食べて楽しむいくつもの理由があります。ビタミンやミネラルが豊富です。実際に、たった一個の茹で玉子に次のような基準摂取日量(RDI)に関して健康によい栄養素が含まれています:

ビタミンAのRDIの6%

葉酸塩のRDIの5%

ビタミンB5 (パントテン酸)のRDIの7%

ビタミンB12のRDIの9%

タンパク質ののRDIの15%

ビタミンB2のRDIの15%

リンのRDIの9%

セレニウムのRDIの22%

また、玉子には健康的な量のカルシウムや亜鉛、ビタミンD、K、E、B6ほか健康的な脂肪もあります。ルテインとゼアキサンチンは目の網膜を組成する重要な抗酸化物質です。これが白内障や加齢黄斑変という世界で最もよくある重篤な目の病気のなかの二つの発生を阻害して視力を保護します。

豊富なビタミンAに加え、玉子を食べると視力がさらに防御されます。同大学のニュースリリースのなかで、フラー氏は「カロテノイド(目の健康によい)、アルギニン(健康な血管のため)、葉酸塩(健康な妊娠と心臓の健康のため)等の微量栄養素」によるその他の栄養面でのメリットを繰り返し強調します。

コリン:玉子が主な摂取源

玉子のとても大切な側面の一つは、コリンの豊富な摂取源であること — 約113 mgがたった一個の玉子に含まれ、DRIの25%に相当する — で、この要素は細胞壁の被膜形成や脳内信号伝達に必須の分子の生産、記憶の貯蔵に係る脳内化学物質アセチルコリンの生産に必須です。

さらに血中のホモシステン(心臓病に関連)生成を阻止し、慢性的炎症を軽減します。コリンは脊椎破裂を含む特定の奇形を防止するのを助けるので、妊婦のために不可欠な機能を果たしており、繰り返すと、胎児の脳発達のために極めて重要です。

Nutrients誌に掲載されたある研究によると、米国成人のたった8%しかコリンをじゅうぶんに摂れておらず、妊婦のたった8.5%しか適正量を摂れていません。

「本研究は玉子を食べずにあるいは栄養補助食品を摂らずには適正量のコリンを摂ることは極めて困難であることを示す」と、その研究者らが記しています。 これとは逆に、コリン不足に関連する症状には、記憶力減退、無気力、脳霧が含まれます。体内では一回に少量しか合成しないので、規則的に食事から摂る必要があります。

玉子:朝食用だけに留まらない

玉子が健康のためによいのと同様に食品にも玉子の効果が現れます。玉子は朝食用だけに留まらず、ヘルシーなホットケーキや玉子サラダまで様々な物を作るのに使えます。Incredible Eggに玉子の最大の調理機能のうち5つが挙げられています。玉子は:

玉子の献立
  • ハンバーグや鮭バーグなどの調理食品で成分を結合する
  • スフレーやスポンジケーキ等の焼き物「膨張料理」の発酵
  • マヨネーズやサラダドレッシング、ホランデーズソースの乳化
  • スープの透明度を増し、カスタードを濃くする
  • 焼き物の色、風味、水分、栄養素追加

玉子自体や黄身あるいは全てはおろかこれまで避けてきたような玉子料理の一部が再び食卓に挙がるようになってきたのはよいことです。そうは言っても、古い玉子は食べるのに「ふさわしく」ありません。有機の野放し飼いの玉子はCAFOすなわち集約的家畜給餌事業所で生産されていないので、これまでで最適です。後者の玉子はむしろサルモネラ菌などの病原菌に汚染されている確率が高いです。

玉子生産のあらゆる側面及び農場から取りたての玉子に含まれるものについて知りたいことなら こちらに記載されています。有機の野放し飼いの玉子を食べる最適な方法は生で食べるか、目玉焼きや半熟の茹で卵、黄身がまだ生ほどの両面焼き半熟などごく僅かだけ調理することです。少しは変わったものが欲しければオーストラリア国立心臓基金の情報をもとにした健康的なおいしい献立がこちらです:

さつまいもとほうれん草フリッタータ

材料

  • 3~4本 (または3 1/5カップ) の中さつまいも、皮を剥き、さいころカット
  • ココナッツオイル大さじ3
  • 大紫玉ねぎ1個、半切り、スライス
  • ベビーほうれん草約42g
  • 削ったモツァレラ約96g
  • 削ったチェダーチーズ約96g
  • 玉子8個、室温
  • 平らな葉のパセリみじん切り大さじ2
  • 風味用に潰した黒胡椒

手順

  1. さつまいもを175℃前後で45分焼く。
  2. 油を重い長柄のフライパンに入れて中火で加熱。玉ねぎを入れ、柔らかくなるまで8分ほどかき回す。さつまいもを入れてフライパンを揺すり淡い黄金色になるまで5分焼く混合したものをフライパンに均等に広げ、ほうれん草を載せる。モツァレラとチェダーを振り掛ける。火を中弱に落とす。
  3. 玉子をボウルに割りよく混ざるまでかき混ぜる。パセリを入れ胡椒で風味を付ける。玉子の混ぜたものをさつまいもとほうれん草に掛ける。速く出来上がるようにフライパンを少し振りながら玉子を広げる。10分または基礎と縁が硬いが上はまだ柔らかい程度になるまで加熱し続ける。火から降ろす。
  4. オーブンをあらかじめ約175℃に熱し、振り(フライパンに入ったまま)をオーブンに入れ、5分または上が硬くなり少し黄金色になるまで熱する。縁から解して楔状に切り分ける。これで4人分です。