自宅で発酵させるためのヒント

発酵食品

早分かり -

  • 高価な機器は不要で、野菜を発酵させるなら広口のメーソンジャーが最適です
  • 野菜を自分で選び、漬け汁を作り、ジャーに詰め込み、野菜が数日後「熟成」するのを待つ
文字サイズ:

Dr. Mercolaより

プロバイオティクスとして知られる善玉菌が市販されるよりずっと前から世界中の文化では発酵食品により細菌が豊富な食事の恩恵を享受してきました。

数千年前、発酵食品や発酵飲料が初めて食された頃、発酵過程に関与する細菌や酵素についてはほとんど知られていませんでした。

知られていたことは発酵すると食品のもちがよくなることで、医療用や栄養によい特性が貴重がられるようになりました。

発酵食品を食事に採り入れるメリット

発酵食品の調製はほぼ失われた芸であり、こうした食品がまだ普及している地域でさえ失われていく危機に晒されています。FAO(国連食糧農業機関)がこう説明しています:

「食糧保全のために土着文化の発酵果物や野菜が極めて重要な役割を果たし、世界の増大する食糧需要に寄与しうることからして、その生産についての知識が失われないことは重要です。

グラマーなイメージを持つ『西洋の食品』の導入が伝統的食品の座を奪う危険があります。」

発酵食品にはほとんどの人が他では得られないような善玉菌がたくさん含まれます。腸には免疫系の85%が詰まっていることに多くの人が気づいていません。

この免疫力は腸内に生息する100兆の細菌によるもので、善玉菌も病原菌いるので、免疫応答を促すIgAの分泌を促します。

消化管が適正に平衡していないと、アレルギーや自己免疫疾患を含む多くの健康の異常が出ます。実際に、過去数年間の間にバクテリア、真菌、果てはウィルスも含むあらゆる種類の微生物が身体の機能のために必須の役割を持っていることを研究が解明してきました。

例えば、善玉菌には以下のようなメリットがあります:

  • 炎症と闘い、病原菌の増殖を抑える
  • ビタミンや(たんぱく質の前駆物質)アミノ酸を生産し、ミネラルを吸収し、毒素を解消
  • 喘息を制限し、アレルギーリスクを軽減
  • 気分や精神的健康メリット
  • 体重によい影響

腸内の健康をよくするために最も速く簡単な方法は食事によることです。有益な細菌は健康にメリットのある食品を餌にすること、悪玉菌はこの逆が言えることはすでにわかっています。

例えば、糖分は酵母菌感染や副鼻腔炎をきたすような真菌の恰好の餌ですが、発酵野菜等の健康的なプロバイオティクスが豊富な食品は健康増進する細菌を増やし、この際潜在的に病原となるコロニーに占領させません。

発酵食品の健康メリット

発酵食品は効能があるキレート化物質(デトックス物質)であると同時に、プロバイオティックサプリメントより遥かに多くの善玉菌を含み、最適な腸内細菌叢のために最適です。体内の重金属やその他の毒素を分解したり解消するのに加え、腸内の善玉菌は次のような想像していなかったほどの機能をします:

  • ミネラルの吸収、ビタミンB群やビタミンK2 (ビタミンK2とビタミンDはカルシウムを骨に統合するために必須で、しかも動脈からカルシウムが除かれるので冠動脈疾患や脳卒中のリスク軽減になる)
  • 肥満や糖尿病の予防、食物から摂る脂肪の吸収調節
  • がんリスク低の下
  • 気分や精神的健康をよくする
  • 湿疹予防

米国ではおり、高糖分高度加工食品の食生活によるだけではなく、薬と従来式に飼育されている家畜からの抗生物質への暴露によっても腸内細菌の不均衡が蔓延しています。

その解決策は簡単で – 糖分と抗生物質を減らす(可能な限り有機食品を選ぶ)、発酵食品を食べると腸の健康をオーバーホールでき、病原菌種を絶やし、癒す、栄養になる微生物が増殖します。

自宅で発酵食品を作る9つのヒント

野菜ならほぼ何でも発酵できますが、きゅうり(ピクルス)やキャベツ(ザウアークラウト)が最も一般的で。自分で野菜を発酵させるのは気が引けそうに思えるかもしれませんが、基本的な方法がわかれば簡単です。以下に手始めのヒントを9つ挙げます:

1. 有機の具を使う — 新鮮な毒素のない食品で始めると結果がよりよくなります。自分で育てない限り、自分でたくさん作るつもりなら、地元の有機農家がキャベツやきゅうりその他の野菜をケース単位で販売しているはずです。

2. 野菜を洗い正しく準備する — 冷たい流水で野菜をよく洗います。野菜に細菌や酵素、その他の残骸が残ると発酵の成果に影響するので、よく除去する必要があります。

野菜を削り降ろすか薄切りにするか、ぶつ切りにするあるいは単に丸ごと使うかを決めます。これをどうするかは自分が最終的な野菜をどう食べたいかによって変わってきます(漬物、おかず、前菜?)。

しかし、「鉄則」は各単位ごとには野菜のサイズを揃えることで、これはサイズや形が発酵の速さに影響するからです。削り降ろした野菜は旨味のある質感があります(漬け汁を添加不要)。ぶつ切り野菜は発酵に時間がかかり、汁を加える必要がありますが、きゅうり、かぶ、サヤインゲン、花キャベツの芽はまるごとにしておけます。

3. 一リットルからその4分の1程度のジャーで試す — 容器にお金を掛けるほどのことはありません。しかしその素材は重要です。プラスチックは化学物質が食品ににじみ出るし、金属では塩で腐食するので避けましょう。自閉式蓋のある大型のガラス製メーソンジャーが最適な発酵容器で、ほとんどの家庭でちょうどよいサイズです。

具を緊密に詰め込むために手や道具を入れるので、口の広い製品を選びましょう。

4. 石製の容器を試す — たくさんお作りになりたい方は漬物石を試してください。約3.75リットルの容器に約2kgの野菜を発酵させられますので、約5リットルの容器なら約2.6kgの野菜一回分を入れられます。

5. 漬け汁の調製 — 発酵野菜にはたいていの場合漬け汁で浸します。生のままの発酵(野菜の何でも自然な物にまかせる)も可能ですが、この方法では時間がかかり、どんな成果が得られるかは不確実です。むしろ、以下の漬け汁を使った発酵方法をお試しください:

塩 — 塩は悪玉菌の増殖を抑制し、塩耐性のあるラクトバシリ菌種が繁栄しやすくなります。塩は野菜の中のペクチンを硬化させるので、歯当たりのある質感につながります。ヒマラヤ塩等天然未加工塩なら野菜に加えるとよい納得のいく理由がニ、三あります。

例えば、塩には以下のようなメリットがあります:

発酵物が潜在的な病原菌を除去しやすくなる

風味が増す

自然の保存料として機能し、一年の間に何カ月も保存するつもりで多くを一回に作るときに必要です

野菜の酵素による分解を遅くするので歯当たり感が残る

表面のカビ防止

無塩 漬け汁 — 野菜を塩抜きにしたければセロリージュースをお試しください。開始培地をセロリージュースに解かすとよいです。

開始培地 — 開始培地はそのままでも使えますが、塩を加えてもよく、こうするとメリットがさらに増えます。例えば、ビタミンK2の最適化用に作られた開始培地を私はお勧めします。私の研究チームはこの開始培地を使い400~500μgのビタミンK2を約56gの発酵野菜から得られることを特定しました。この量は臨床上の治療的用量に匹敵します。漬け汁に使う水も重要です。汚染物質や塩素、フッ化物が除去されたろ過水をご使用ください。

6. 野菜を「熟成」する — 発酵する野菜を詰めたら、風味が出るまで一週間かそれ以上「熟成」させます。野菜を錘で押し詰め、続け汁に浸った状態を維持します。

7. 発酵した野菜を冷蔵庫に入れます — 野菜が発酵したら冷蔵庫に移します。「できあがり」のタイミングはいつでしょうか? 容器の中が泡だらけになっていれば、それがよい兆候です。さらに、心地よい酸っぱみのある香りがするはずです。腐ったまたはだめになった臭いがしたら野菜を捨て、容器を洗って最初から新たにやり直してください。

最適なのは、望みの風味と質感になるまで毎日野菜を試すことです。発酵がうまくできていれば鼻につんと来る酸っぱみがあるはずですが、好みによってはさらに一、二日漬けておくこともできます。

8. ラベルを付ける — どれをいつ作ったかまた具が何だったかは忘れやすいです。ラベルに具や作成日、さらに発酵まで何日置いておいたかも記入できます(この日数記入で「最適な」レシピができやすくなります)。

9. 地元の教室に参加する ——多くの地区ではピクルスや保存のし方教室を開催しており、食品保存の伝統的方法を学べます。おばあさんから伝えられたほどのレシピがなくても、発酵食品の作り方をまだ 学べます。

発酵野菜の実演

素敵な発酵野菜を自分で作れるすべて必要なことを以下にご紹介します。

1. 野菜とハーブの選別 — 最初に野菜を集めます。全て有機品をお使いください。キャベツ(紫でも緑でも)具の「主役」にし、約8割はキャベツにします(私は緑キャベツを使います)。ぎっしりした硬い玉を選びましょう。ジャーにして10~15リットルほどの発酵野菜を作るなら中玉キャベツが5~6個必要です。容器の中で最後に上に被せるためキャベツの葉を数枚とっておきます(手順3)。

にんじんやゴールデンビート、大根、カブ等お好きな硬い根菜を添加します。野菜の皮は苦みにつながるので剥きましょう。私は赤ピーマンやグラニースミスリンゴ、さらに、ハバネロのような唐辛子さえ(手袋をしてください!)加えます。一回分に唐辛子一つでも多いくらいです。芳香性の具も微量なら添加できます — 発酵過程で辛味が濃縮されるので少量でじゅうぶんです。

おいしい添加物には皮をむいたにんにくや皮をむいたしょうが、さらにバジルやセージ、ローズマリー、タイム、オレガノといったハーブが挙げられます。たとえ微量でも玉ねぎは効きすぎるので私は避けます。最後は海藻類や藻を添加してミネラル、ビタミン、繊維質を増やします。自然のダルスやフレークを数個加えてもよいです。

わかめやシーパームは魚臭くありませんが、最初に水でもどし、望みのサイズに切る必要があります。アラメやひじきは魚臭いです。

2. 培地と漬け汁 — 漬け汁にはビタミンK2が豊富な開始培地をセロリージュースに解かしてお使いになるとよいと思います。セロリージュース約250ccで発酵野菜約2.5~3.5cc分量に最適です。

3. 容器に詰める — 刻んだ野菜と汁の混合物を大きいボウルでかき混ぜたら、これをメーソンジャーにぎゅうぎゅう詰めにし、マッシャーで圧縮して気泡を除去します。キャベツの葉を上に向け、両側を押し込みます。野菜が完全に覆われ、汁が容器の縁までいっぱいになりいかなる空気の隙もないようにしてください。発酵過程で生じる気体のために内部が膨張するためふたは緩めにしてください。

4. 発酵 — 最適には約22℃で数日間比較的暖かい場所に容器を置いておきます。通常は夏なら野菜が3~4日で熟成します。冬は7日かかることもあります。発酵野菜ができたことを確認する唯一の方法は容器を開けて味見することです。風味と質感に満足できるようになっていれば、冷蔵庫に移します。

5. 保管 — 野菜を冷蔵すると急に発酵が遅くなります。何カ月ももちます。

6. さあ、召し上がれ! 容器から取り出すには清潔なスプーンを使いましょう。容器から直接取って食べないようにしましょう。こうすると口内細菌で全部腐ってしまします。残りの野菜が容器内の汁に全部浸るようにしてから蓋をしてください。