Dr. Mercolaより
妊娠中女性は自分の健康とまだ生まれていない子供の健康の両方に注意しなければなりません。いくつもの研究が育つ胎児の健康は遺伝子に依存するだけでなく発育する環境にも依存することを実証しました。妊娠中の小さい変化が誕生後の生活に大きく影響することがあります。
例えば、21,500人の遺伝子を追跡したある研究で、子供に伝わらない遺伝子が教育や健康に大きく影響することが判明しました。母親の心理状態が発育する子供にいかに影響するかを評価した別の研究が最もよく発育した乳児は産前産後ともに一貫した環境の中にいることを特定しました。
言い換えると、母親が産前産後に健康であるか産前産後にうつ状態の方が、産前に健康で産後にうつ状態だった母親から生まれた子供より、よく発育しました。母親の肥満は子供が喘息になるリスクが高まることに関連することはすでにわかっています。二次喫煙も喘息や呼吸の問題に産前に受けた場合であってもつながります。
ビタミンD不足は誕生時糖尿病、子癇前症、新生児の体重低下リスクを高くします。屋外大気汚染は誕生時の体重不足や子供時代の肺発育及び機能の生涯リスクを高めると考えられます。妊娠中運動させたマウスの子供のほうが産後に体重増大リスクが低いことを近年のある動物実験が特定しました。
現行の研究は妊娠中運動が出生時糖尿病の予防と妊娠中に体重過剰や肥満の女性の成果を改善する効果を評価した過去の研究に基づいてます。今回取り上げたその研究は全米生理学学会年次会議で発表されました。
女性は今肥満であるか糖尿病があるかを問わず、子供の将来の健康的代謝に効果があるので、妊娠中規則的に運動すべきであるとその科学者らが推奨します。
以前の研究は肥満の妊婦が運動すると子供によいことを証明しましたが、「これは肥満でない妊婦が運動する場合にも当てはまることを実証した初の研究」と、全米生理学学会のプレスリリースに述べられています。
この動物実験において、妊娠したマウスに毎朝60分の適度な運動をさせました。運動しなかったマウスから生まれた子を対照群にしました。離乳後、運動した群の子供は褐色脂肪組織を含むタンパク質濃度が高くなっていました。
さらに、運動した群のほうが体温が高く、運動しなかった群の子供より褐色脂肪が効率的であることが示されました。この熱生成機能の高さは代謝機能障害を予防することがわかりました。
離乳後、マウスに8週間高脂肪食を与えました。運動した群の子は体重増加が少なく、代謝病症状も少なかったのです。これらの事実を基に、こうした効果に関わる保護的生物的メカニズムをよりよく把握しようとした追加研究が計画されました。
着座行動が多くなる傾向があるほど妊娠中は相当の生理的、心理的変化があるとはいえ、活動不足は高血圧や体重増加、出生時糖尿病、長期的肥満や心臓血管病リスク増大に関連します。
妊婦が適度な運動をできないのが困難な一つの理由は、妊娠中に体験すると考えられる倦怠や吐き気、合併症が増えることです。肉体活動と誕生後の状態改善の間の関係に関する初の研究のなかの数件の研究が20世紀初頭に公表されました。
産前体操は1920年から1930年に出産と分娩をしやすくすることを目的に導入されました。1949年に米国児童局は妊娠中合併症が無い限り肉体活動の標準的推奨を公表しました。これらの推奨事項には家事や園芸、毎日の散歩、水泳が挙げられ、スポーツ参加は避けるように勧められました。
1970年代と1980年代にこれらの推奨事項が極めて具体化され、出産と分娩をしやすくすると同時に体のフィットネスを改善することに焦点を当てました。2002年までに全米産科婦人科学会はガイドラインを更新し、一週間の間ほぼ毎日適度な肉体活動を30分勧めました。
また、初めて、妊娠前に高強度集中運動をするのが習慣だった女性には同種の運動をガイドラインに含めました。妊娠中の肉体活動推奨により母親にも子供にも明確によい効果があることがわかりました。
運動すると過度の体重増加や帝王切開リスク削減、背中下部の痛みや尿失禁リスク削減、同時に膣経由分娩率増大につながる傾向があります。カミロ・ホセ・セラ大学肉体活動スポーツ科学学部によるある研究の主任執筆者マリア・ペラレス氏によると残念ながら次のようなことが判明しています:
妊娠中運動の推奨を満たしている女性の比率は極めて低い。部分的にはどの種類の運動を勧めるかについて、どれを避けるべきかについて不確実な点にもよる。」
今回取り上げている研究では実験群では子供の褐色脂肪組織が増加した、という運動のよい効果を特定しました。体脂肪は悪いものとお考えかもしれませんが、二種類あり、いくつかの部位に見つかります。
白色脂肪は褐色脂肪より多く、エネルギーを貯蔵し、ホルモンを血流に分泌する機能があります。しかし、スマートな人は肥満な人より褐色脂肪が多い傾向があります。褐色脂肪を刺激するとカロリーを燃やすことが研究でわかっています。
子供も大人より褐色脂肪をよく燃やすので、体温が高く維持されます。褐色脂肪を活性化すると白色脂肪を燃やします。身体は皮膚直下の皮下脂肪に脂肪を蓄えるか、内蔵器官の回りに絡みつく内臓脂肪に貯蔵します。お腹の脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪の組み合わせです。
褐色脂肪を肥満と糖尿病に対して使用する治療についてはこれまで研究されてきました。たとえ僅かな褐色脂肪の熱発生容量があると、はるかに大きい効果が得られます。
褐色脂肪組織を移植すると同化異常を逆転しうることが研究でわかっています。しかし、褐色脂肪の蓄積は錠剤や外科手術なしで増やせます。
技術進歩のおかげで、今や褐色脂肪の位置を特定して研究が可能になっており、既存の褐色脂肪の活性を増やし、貯蔵量を増やすための方法を自分で決められるようになっています。
褐色脂肪による熱発生によりエネルギーを生み出して使用する人体の能力を改善しうるいくつかの方法は研究からすでに特定されており、これには次のものがあります:
• 温度 — たいていの人は環境の方から肉体のニーズに合わせてくれる楽な状態を渇望します。西洋式生活は屋内配管、集中暖房、人工灯によりこれを実現するために多くのことを可能にしました。実際に多くの人は毎日数分しか屋外で過ごしません。
低温への暴露は体脂肪を燃やすのを促し、ミトコンドリアの生体生成を促し、脳内のノレピネフリン生産を増やします。興味深いことに、低温だと思考が明瞭になり、課題をよりうまく処理できるようになります。
涼しいと寝るのにも都合がよく、これは体幹温度が寝付くと下がるからです。生殖行動前に低温の中で過ごしたオスの動物は活性化した褐色脂肪組織を持つ子供を作れることが研究から判明しています。
寒さに暴露されると体内では次に寒い気候に暴露されたときのためによりよく準備されるようにいくつかの機能が改善されます。この馴化は身体が熱を生成する能力の結果です。
男性は低温に暴露されると、体内の褐色脂肪量が増え、これに伴って代謝が増加することがすでに研究で実証されています。
ご自分の褐色脂肪を活性化するなら、背中上部と胸に毎日30分アイスパックを当てたり、冷水シャワーを浴びる、あるいは水風呂に腰まで週に3回10分浸ることをご検討ください。
• 運動 — 2012年にハーバード大学の研究者らがこれまで未知のホルモン、イリシンがマウスの仕事中筋肉の中で生成されること、これが白色脂肪を褐色脂肪に返るプロセスを突然起こすことを発見しました。科学者らはこのホルモンには人間の細胞にも効果があるのか特定しようとしました。
Journal of Physiologyに掲載されたある研究では、フロリダ大学の研究者らが乳房削減手術を受けた女性の白色脂肪組織をと腎臓がんの治療のために手術を受けた女性の褐色脂肪を利用しました。
これらの細胞を4日間イリシン浴し、白色脂肪を褐色脂肪に換えるタンパク質UCP1濃度を測りました。適度から多量のイリシンに暴露させた白色脂肪は大幅にUCP1細胞を多く生産し始めましたが、このホルモンは褐色脂肪に全く作用しませんでした。
このことは適量から多量のイリシンを生成させる適度からきつい運動が褐色脂肪の貯蔵に寄与しうることも示しました。
• 睡眠 — 睡眠はホルモンのメラトニンによってとても影響されており、メラトニンは身体の褐色脂肪の使い方にも作用することが研究からわかっています。このことは十分な質のよい睡眠が取れないと減量の取り組みが失敗しやすいことに部分的な答えを与えています。
Journal of Pineal Researchに掲載されたある研究のデータは、メラトニン濃度が高いラットは活性化した褐色脂肪が多く、カロリーを燃やす能力が高いことを示しています。食べる量や活動に影響せずに、メラトニンはラットの肥満度を減らすのに有用であるように考えられました。
運動は身体及び胎児の健康のために重要です。女性の人生の中で妊娠中以上に要求度の高い時期はほとんどないので、栄養も重要です。栄養素は身体が機能し続け、早く成長する胎児に栄養を与えて支持するために必要です。
加工食品を食べず、野菜、健康的な脂肪、高品質なたんぱく源を増やしましょう。
今まで加工食品やレトルト食品中心だった方は自然食品の調理は難しいしおいしくないと思うかもしれません。これは間違っていることに感謝してください!
私たちの運営するレシピの部を検索すると健康的かつ満足のいく方法で増大する栄養ニーズを満たせる主食、おやつ、朝食、デザートが見つかります。妊娠中の重要な食品概要は以前の私の記事「妊娠中に最適な食品」をご参照ください。
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