Dr. Mercolaより
がんは世界に蔓延しています。米国がん学会によると米国では170万以上の新たな症例が発生し、606,880人のアメリカ人ががんのために2019年中に死亡する見込みです。すなわち毎日1,662人が亡くなる計算です。これだけの死亡数を凌駕するのは心臓病のみです。
米国がん学会の推計によると2019年中にも肺がんと直腸結腸がんはがんによる三大死因に含まれる見込みで、男女とも新たながんの最も発生しやすい部位になります。大腸がんと直腸結腸がんは同義のように使われているのを見かけることがありますが、二つは異なります。
直腸結腸がんは結腸と直腸で発生し、大腸がんは大腸でのみ発生します。肛門がんは別の種類の細胞から発生し、特徴が異なるので別個に分類されます。
米国がん学会によると肺がん発生率は州ごとに異なり、喫煙の蔓延率の相違を反映します。喫煙する男女ともに非喫煙者より25倍高い率で肺がんになります。
死亡率は減少していても、米国では81%の肺がん死はいまだに喫煙が原因で発生しています。ライフスタイル要因及び環境毒素はがん発生の主な原因です。研究者らによると、全がん発生の90%から95%が環境及びライフスタイルに根本原因があり、これには喫煙、食生活、アルコール、環境汚染物質、肉体活動が挙げられます。
ミシガン州デトロイトに本拠を置くヘンリー・フォード・ヘルスシステム及びジョンズホプキンズ大学医学部による最近の研究によると、最も健康的な成人は肺がんと直腸結腸がんのリスクが最も低いことがわかっています。
研究者らによると心臓呼吸器系の健康と直腸結腸がん及び肺がんの相関性はいまだ立証されていません。その研究者らが1991年から2009年の間に運動ストレス試験に参加した49,143人に関する研究を行いました。ストレス試験実施時点に参加者はがんはない40歳から70歳でした。
運動の代謝当量(MET)で参加者の心臓呼吸系の健全さを測定しました。その結果をMETレベル6未満、6~9、10~11、12以上の4つに分類しました。研究者らはがん診断に関する情報を登録簿及び全要因死亡率データを国家死亡指数から取得しました。
研究者らは参加者をフォローアップし、データを年齢、人種、性別、BMI、糖尿病で調整しました。7.7年をメディアンとするフォローアップ期間中の MET測定値が12を超す最も健康なグループは肺がんリスクが77%下がっており、直腸結腸がんリスクは61%減りました。
さらに、いずれかのがんと診断された人のうち、肺がんと診断された最も健康的な人は死亡確率が44%低く、直腸結腸がんと診断された人は死亡確率が89%低かったのです。
研究者らはこの研究ほど女性や有色人種が参加した研究は他にないと考えています。参加者は女性46%、白人64%、黒人29%、ヒスパニック1%でした。
ジョンズホプキンズ大学医学部がん学のDr.キャサリン・ハンディー・マーシャル助教授によるとその「健康レベルのがん発生に対する影響を調査した最大規模で最も多様な人口部分について研究した初の研究」です。
運動は最適な健康のための主な基盤です。高強度インターバルトレーニング (HIIT)はいくつもの理由から私は支持しています。Journal of Physiologyに掲載された近年のある研究によると、HIITが直腸結腸がんを生き延びた患者の死亡率削減に寄与することがわかっています。
過去の研究は長期間運動するとがん予防に有用であることを明らかにした一方、本稿で取り上げる研究は短期的集中運動によい効果があると考えられることを示しました。研究チームは直腸結腸がん患者にHIITを一回または12回のHIITを4週間行ってもらいました。
研究者らは運動直後にペトリ皿に取った血液サンプル中に検出された大腸がん細胞が減っていることを発見しました。免疫応答及び炎症応答を調整するサイトキン信号伝達タンパク質が大幅に増大していることも確認されました。
心臓呼吸系の健全さは日常の肉体活動の客観的尺度の一つです。これが全要因死亡率及び心臓血管病の強力な予測因子であることも判明しています。ある研究で精神的及び感情的障害のある男性のうち心臓呼吸系の健全な人のほうが死亡確率が低いことがわかりました。
Journal of the American Medical Associationに掲載された別の研究は心臓呼吸系の健全さはメリットに上限がないほどよい長期的死亡率の可変指標であることを確認しています。高度の有酸素健康状態は最も生存率を高め、高齢患者や高血圧の高齢者にメリットがありました。
心臓呼吸系の健全さが全要因死亡率を下げるのに有用であるというエビデンスを裏付ける科学研究が増加し続けています。この関連性は健常人や高血圧、2型糖尿病 、心臓血管病の患者ともに有意であるようです。
運動の種類、強度、持続時間、頻度別の要因は死亡率減少と明確に相関性があるとはいえない一方、一週間当たりの運動による消費カロリー1,000kcalが全要因死亡率の減少開始の閾値であると多くの人が考えています。
いくつかの研究は心臓呼吸系の健全さが従来のリスク要因と同じく有意であり、死亡率と深く関連すると考えられることを示してきました。過去の研究でも心臓呼吸系の健全さが優れるほど肥満による死亡確率が下がると考えられることもわかっています。
死亡りリスクを下げると考えられる心臓血管呼吸系の健全さに関連する生物的仕組みにはインスリン感度や血中脂質特性の改善、炎症応答減少、正常血圧維持が含まれます。
運動不足以外にも他の要因が腫瘍増殖に寄与します。抗生物質は細菌叢を根本的に変成するばかりではなく、炎症も増大させます。Digestive Diseases and Sciencesに掲載されたある研究では頻繁に抗生物質を投与すると直腸結腸がんリスクが高まることが判明しました。
腸内細菌の健康は直腸結腸がんの処置と予防のために主な機能を果たします。 研究者らはラクトバチルス・ロイテリ菌は大腸がん腫瘍を削減することを特定しました。
研究によると炎症性腸病を含む直腸結腸がんの発生率はいくつかの要因で増加することを特定しました。換言すると腸内細菌叢は全体的健康のために主な機能をしているほか、特に直腸結腸がんの発生においては要です。
研究者らは腸内細菌が悪性胃腸病において主な機能をすることを明らかに示す根拠を特定済みです。別の研究でも腸内細菌が腸内ホメオスタシス及び抗腫瘍応答を促進すると考えられることをデータが示しています。3つ目の批評的検討では科学者らが細菌性の病原に焦点を当てて現状の研究を調査した結果、直腸結腸がんとの関連性があるというエビデンスを提唱しています。
酪酸塩、プロピオン酸塩等の短鎖脂肪酸は上皮細胞を保護することがわかっています。短鎖脂肪酸を産生する細菌を追加すると栄養に効果があり、宿主の代謝をよくし、胃腸管を保護するのに有用です。炭水化物や砂糖が多い食生活では有害な細菌が増殖しますが、繊維質が多い食品は主に善玉菌によい餌になります。
喫煙は肺がんの主な原因です。自分が喫煙しなくても二次喫煙も危険です。屋内大気汚染物質も肺の組織を損傷します。世界保健機関(WHO)は世界人口の90%以上が汚染レベルが同機関による安全ラインを超えている地域に生活しているとしています。
汚染物質への暴露により早死にする人の推定数は前回の推計値のほぼ二倍になりました。その新たなデータから2015年には大気汚染が原因で880万人が早死にしたことがわかります。比較までに、WHOでは喫煙が原因の早死に人数が年間700万と推計しており、これは大気汚染によって死ぬ人の数より少ないです。
屋内汚染物質は建材やカーペット、家具、衣類、清掃用品からも出ています。米国肺学会は屋内空気汚染への暴露も避けるように勧めています。日々の大気汚染格付けを把握し、汚染物質が多い日に屋外で運動しないようにしましょう。
疾病管理予防センター(CDC)によると、米国人の76.5%は有酸素活動及び筋肉強化活動の肉体活動ガイドラインに達していません。本稿で取り上げた研究はHIITが直腸結腸がんおよび肺がん予防に効果があることを示していますが、運動には他のメリットもあります。
運動すると気分がよくなり、精神衛生が改善されます。運動すると身体から気分に影響しリラックスした気持ちになる神経伝達物質が出ます。ある研究は運動が精神分裂病と患者によい影響があることを特定しました。
成人に関するある研究は肉体的に活発な人は脳の活性や認知機能改善に関連するパターンがよいことが判明しています。運動は加齢プロセスの遅延に寄与し、若く感じるし若くも見えるようになります。運動するとミトコンドリアの酵素組成及び促進細胞のエネルギー生産が変わります。
運動すると循環がよくなり皮膚への血行が盛んになり、このメリットは僅かな時間で実感できます。昔は病人や慢性病患者が運動してはならないとされていました。しかし、運動したほうがよいことはよくあります。変形性関節症またはがん患者は 運動プログラムが治療プログラムのために必須であることがわかります。
運動プログラムを減量やスタイルアップのために始める人は多いが、健康状態にメリットを実感すると運動し続けることを研究が示しています。
運動と情緒面の健康の関連性を認識すると、運動直後や運動中に精神的によい気持ちになるので運動を続けました。運動を続けるにつれ、ほぼ健康のどんな側面にも浸透する効果を得られます。
だからこそ動き始め、動き続け、最善の結果を得てください。運動から最適な効果を得るにはHIIT運動、筋力トレーニング、ストレッチ、体幹運動、毎日10,000歩のウォーキングからなる包括的プログラムをお勧めします。
ほぼどこでもできる一酸化窒素ダンプを生活に取り込むとあらゆる健康状態に適します。運動は一種のHIITであり、典型的な中度から軽度のジム運動より瞬時により優れるフィットネスになり、健康を増進するものであることが研究からわかっています。実演は下のビデオをご覧ください。詳しくは、私の以前の記事「一酸化窒素ダンプを生活に取り込む」をご参照ください。
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