LEDは健康を害することがフランスのある研究から判明

(映像は英語のみ)
LED

早分かり -

  • 省エネ発光ダイオード(LED)光から出ている青い光は多量の酸化ストレスを体内で引き起こし、この光を見る時間帯が不適だと視覚が弱くなります
  • 特に夜に過剰のブルーライトは網膜細胞の素地が修復や再生されなくなり、失明の主な原因である加齢黄斑変性(AMD)等の視覚の問題を引き起こします
  • 特に視覚に及ぶLEDのリスクは2010年にフランスの食品環境労働衛生安全機関(ANSES)が発行した282ページの報告書に特記されており、同局はLEDへの暴露を制限し、就寝前にLED画面を見ないように勧告しました
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Dr. Mercolaより

省エネLED光にはいくつかの生物学的に破壊的影響があります。例えば、光生物学者Dr.アレグザンダー・ヴンシュが2016年に当方との会見(上記参照)の中で次のように説明していました:LED光は

  • 視力を弱くする多量の酸化ストレスを発生させる侵撃的ブルーライトを発し、この損傷を一部相殺しうる近赤外線光が無い。
  • ミトコンドリア機能に障害をきたし、代謝異常やがんを含むミトコンドリア機能障害が原因の病気を悪化させる。
  • 夜見ると、メラトニン分泌を抑制し、睡眠に支障をきたすことで、健康に多くの悪い影響を及ぼし、これにはインスリン抵抗性(このため近視リスクが増大するほか、多くの異常や疾患のリスクが高まる)。
  • 網膜細胞の素地が修復や再生できなくなり、50歳以上の失明の主な原因である加齢黄斑変性(AMD)等の視覚の問題を引き起こす。AMDとは鮮明な中央の視覚のために必須の網膜の中心近くにある小さい班である網膜黄斑の損傷です。

フランスの評価がLED光は光毒性があると特定した

ANSESの報告書によると、強いブルーライトに暴露されると — 新品のフラッシュや車のヘッドライトから出るものなど — 光毒性があり、網膜細胞が不可逆的に損失することにより視覚の鮮明さが衰えます。しかし「暖かい白い」LED光の光毒性は低く、このことはブルーライトがはるかに減っていることから容易に想像がつきます。

主な危険は明るさの密度及びブルーライトの多さ

ANSESによる2010年の英語版意見要約にこう説明されていました:

「LEDが発する光のスペクトルのうち青の部分に含まれる強力な要素及びこれにともなう照射強度がこうした光源に関連する新たな健康リスクの問題を高めている。数件の科学研究[Dawsonその他、2001年Uedaその他2009年]は青LEDを使った猿に対する実験に基づき、発光ダイオードへの暴露に関連する網膜に対する危険を疑う根拠を挙げている。

これまでの科学的文献及び追加的聴取から集めた情報の解析結果、LEDの使用にともなう健康への害が特定された。

LEDの普及の結果として生じる危険及びその実現確率からして最大の懸念事項は、ブルーライトによる目への光化学的影響及びグレア現象に関連する。これらは次のことに起因する:

  • LEDにおけるスペクトルの不均衡(白LEDの高いブルーライト比率)
  • LEDの非常に高い輝度(これらの非常に小型の光源から発せられる表面単位当たりの高い輝度密度)。

特定されたハイリスクグループ

ANSESはLED暴露により特に高いリスクに晒されているとして以下のグループを特定しました。これらのグループはLEDから出る光に特に敏感であるからかこれらのグループが特に暴露レベルが高いことによる:

  • 子供、目の水晶体の透過性が高い
  • 無水晶体症の人、すなわち、負傷または潰瘍、先天的異常または手術による切除により片目または両目の水晶体が無い人
  • 偽水晶体を持つ人、すなわち、人工結晶レンズを持つ人々であって、「その結果短波長光(特にブルーライト)をよくろ過できないか全くろ過できない」
  • AMD及び特定の皮膚病がある人を含め光過敏症の人及び光敏感化薬を服用中の人
  • 照明設営業者、劇場照明係、映画業界専門職等極めて高いブルーライトに暴露される労働者

調整が必要な規格

ANSESは、波長範囲200 nm~3,000 nmの「ランプ及びこれらのランプを使用する装置の光生物学的安全性」を規格化した2009制定のEU規格、NF EN 62471はLEDに対しては三つの理由により不適切であると結論づけました:

  1. 「リスクグループの特定に使用されている最大暴露限界値は、8時間労働日における暴露を対象として計算されたものであり、生涯暴露の可能性を除外している点でブルーライトの反復暴露に関しては不適切ある。
  2. リスクグループを割り振るのに使用した測定要綱はあいまいである:同じLEDでも個別にとらえるのか、照明システムに統合されるかによって、同規格が課す評価距離が異なるので、異なるリスクグループに割り振られやすくなる。
  3. 同規格は(子供や無水晶体症の人、疑似水晶体を持つ人等)特定の人たちの敏感性を考慮していない」

公衆及び労働者の保護のためANSESは多くの勧告の中でも以下のことを特に提案しています:

  • 家庭用LEDの販売は「暖かい白」LED電球と低リスクLEDデバイスに限定すること
  • LEDへの全体的暴露制限及び就寝前にLED画面を見ない
  • 車のヘッドライト輝度を下げる
  • 「プロ用でリスクを防止しうる条件の下で」の使用に制限するなど特定の高リスク照明システムの接地を規制すること

ブルーライト阻止眼鏡は有用でしょうか?

ブルーライト阻止眼鏡を使用することがブルーライト暴露を一切解決できるかについて、研究の結果はまちまちです。

しかしいくつもの研究が睡眠の質に関してはブルーライト阻止眼鏡が有用な効能をもたらすことを特定しました。以下に数例を挙げます:

  • 2006年のある研究は、ブルーライト阻止眼鏡が「この光により誘発されるメラトニン分泌抑制を防止するための有効な手段」であるが、「これらの眼鏡で夜間業務に適合しやすくなるかを示すには、さらに研究が必要である」としています。
  • 2010年に公表されたあるパイロット研究がこの任務を果たし、日中にブルーライト阻止眼鏡を使用して夜間にブルーライトに暴露された場合、「睡眠、注意力、業務効率」が改善して夜間シフト業務に適合しやすくなることを特定しました。
  • 2009年にChronobiology Internationalに掲載されたある研究は、琥珀色のブルーライト阻止)眼鏡を就寝前3時間、2週間使用したら睡眠の質と気分は、黄色に着色した(UV阻止のみ)レンズを使用した対照群より、大幅によくなったことを特定しました。
  • 2015年にJournal of Adolescent Healthに掲載されたある研究は、15~17歳の男子において「ブルーライト阻止眼鏡が夕刻になるとLEDによって誘発されるメラトニンの分泌抑制を大きく減少し、就寝前の意識的な注意力及び主観的明敏さが減少する」ことを特定しました。

ブルーライト阻止眼鏡は目の無理を軽くするのを助けると考えられる

2017年に公表されたある研究は、ブルーライト阻止眼鏡が目への無理を軽くしうることを示す質の高いエビデンスは存在しないというコチレーングループの評価も覆しました。この研究の場合、短波長光を阻止する眼鏡をコンピュータ作業中2時間使用した参加者は透明眼鏡をかけていた人より目の疲れが軽く、視覚の不快さの症状が少なかった。

最適な健康のためには毎日の光暴露対策をする

私の見方からすると、冷たい白のLED光は健康の見地からはよくないことを示す、豊富なエビデンス及び確固とした科学的研究が存在します。電気代が僅か数百円節約されるのかもしれませんが、長い目で見ると、生活の質は当然のことながら、医療費に多大な影響が及ぶ可能性があります。

しかし、頻繁に使用しない領域ではこれらの電球は弱めであるべきです。私の家にある電球の大半はLEDですが、常に自分が使う領域にある電球 — 寝室やキッチン、風呂・トイレ — はすべて白熱電球です。他の部屋にあるLEDはお客様や掃除の人が忘れて点けっぱなしになっていることが多いですが点けっぱなしになっていても多くの電力損失につながるわけではありません。

幸いにもこの領域は少なくとも、白熱電球を買えなくなるまではほとんの人がまだ自分で大半管理できる部分であることです 。毎日の光暴露を最適化するには、以下の四点を念頭に置いてください:

1. 夜間照明を使用する主な領域ではLEDではなく、白熱電球を使用する — 日中も夜間も自分がよく過ごす領域、例えばキッチンやトイレ、寝室にはLEDではなく、普通の白熱電球に置き換え、LEDは玄関から家の中へ渡る廊下部分や押入れ、ガレージ、 ベランダといった暴露が最小限の場所に限ることです。

2. 日中は明るい自然光に当たる — よく寝るには概日周期が適正であることが必要であり、そのためにまず行うことは日中に明るい光に十分当たることです。松果体はメラトニンを生成するのですが、それは、日中の明るい日光を浴びた時間と夜間の完全な暗闇との対比に基づいています。

3. 夜は青い光が多い灯りを避ける — メラトニンは概日フェーズや生物クロックのマーカーとして機能します。正常なら脳は夜9時から10時頃にホルモンのメラトニンをますます多く分泌し始め、このため眠気を感じます。50~1,000 luxの間の光はメラトニン分泌を抑止し始める活性化範囲です。

ライフスタイルや個人的好みに応じてブルーライトが多い光を避ける方法はいくつもあり、次のヒントをご参考にしてください。

  • 日没後は全ての照明を消すか暗めにし、就寝前遅くとも1時間前まで(理想的には2時間かそれ以上前まで)にテレビを視るのを止めたり光を出す電子機器を使用しないこと。
  • 日没後に光が必要な場合は黄色やオレンジ色または赤系の低ワット数の照明に切り替えてください。5ワットの電球が照らす塩ランプは、メラトニンの生成を妨害しない理想的な解決策です。
  • コンピュータやスマートフォン、タブレットを使用するなら、Iris等のブルーライト阻止ソフトウェアをインストールするかブルーライトを阻止する琥珀色の眼鏡を使用する。

4. 真っ暗闇の中で寝ること — 寝る時間になったら、寝室をできる限り真っ暗にしてください。睡眠中に室内光に当たっているとメラトニンが50%以上抑制されることはすでに実証されており、たとえ僅かな光でもメラトニンを減らします。光はまぶたを通るので単に目を閉じても不十分です。