上位10種類の薬草とハーブ

ハーブ

早分かり -

  • 合成薬の登場前は薬草こそ頼れる薬だったし、昔同様今でも同じように効果があります。その多くを自宅で栽培できる上位10種類の主要なハーブや薬草の使い方及びメリットを今回はご紹介します
  • アロエベラは火傷や発赤、切傷、すりむき、さらに乾癬等の重篤な皮膚病を和らげるほか、レモングラスは伝統的に胃痛や高血圧、よくある風邪、痙攣、傷み、嘔吐の治療に利用されてきました
  • たんぽぽの葉の茶は利尿効果があり、軽度の下剤効果や消化補助効果がある一方、たんぽぽの根の茶は解毒効果があり、肝臓や脾臓、前立腺の異常を軽減するのに有用です
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Dr. Mercolaより

以下に主な10種類のハーブ及び薬草をご紹介しますが、その多くはご自分で栽培して常備できるものです。

No. 1 — アロエベラ

アロエベラは火傷や発赤、切傷、擦り傷などの皮膚の異常や乾癬等重傷の皮膚病を特に和らげることで周知の肉厚のジューシーな植物です。

収穫するには外側の成熟した葉を選び、鋭いナイフでなるべく根本に近いところから切り取ります。とげとげの縁を両側とも切り落とします。

  • 局部用には — だいたい2.5~5cmの大きさに切って中央で薄切りにすると中のベラが出てきますので、これを直接皮膚に塗ります。日焼けを含む火傷や切傷、擦り傷以外にも男性のアフターシェーブに最適です。日焼けには切りたてのアロエベラが私の知る限り予防をおいて最も効果的です。
  • 内服用には — 食べるならじゃがいものピーラーで外の葉の層を剥き取り、中身のベラを掬い取って小さいガラス容器に入れます。私はこれにライム果汁を少々混ぜます。ハンディーなブレンダーでかき混ぜるだけでおいしい免疫力増進アロエドリンクが出来上がりです。

No. 2 — レモングラス

レモングラスの葉や抽出したエッセンシャルオイルがよく利用され、形態しだいで経口でも局部に塗るあるいは吸引(アロマセラピーなど)して、以下の異常に効きます:

レモングラスエッセンシャルオイル数滴を拡散させるとストレスや不安、いらいら、不眠を軽減します。

エッセンシャルオイルに担体油を混ぜて数滴を部位に塗るかアロマセラピーのように拡散させると、筋肉を解し調子をよくし、筋肉痛や生理時のけいれん、頭痛を軽減できます。

エッセンシャルオイルにエプソムソルト大さじ2をぬるま湯を入れたボウルで混ぜ、疲れた足に塗ると足の疲れが取れる — レモングラスオイルをココナッツオイル等の担体油で薄めたり、スイートアーモンドやゼラニウム、サンダルウッド等他のエッセンシャルオイルを加えて混ぜたもので足をマッサージすることもできます。

少量の希釈したエッセンシャルオイルを部位に擦り込んで切傷や擦り剥きを処置する — レモングラスエッセンシャルオイルにはブドウ球菌に対して生物膜を発生させず、体内でこの細菌を増殖させません。

レモングラスティーやレモングラスを煎じた水で胃腸障害を処置する — レモングラスエッセンシャルオイルには抗潰瘍効果があり、 消化を促進し、大腸機能の調節を助けます。

レモングラスティーかレモングラスを煎じた水を寝る前にコップ一杯飲むとよく眠れるようになります。

希釈したエッセンシャルオイルを局部に塗ったり、そのエッセンシャルオイルを拡散させて香りを嗅いだり、レモングラスティーかレモングラスを煎じた水を飲んだりすることで頭痛、筋肉痛、関節痛、筋肉の痙攣やねんざの痛みを軽減できます。

レモングラスティーかレモングラスを煎じた水を飲むとインスリン感受性がよくなる — レモングラスに含まれるシトラール成分には血中グルコースを調節し、インスリン感受性を改善する特性があることは実証済みであり、 試験によると煎じた水や浸出させた液に含まれるシトラール成分に新鮮なレモングラスのシトラール成分と変わらないことがわかっています。

薄めたエッセンシャルオイルを数滴頭皮に垂らしてマッサージして油っぽい髪をトリートメントして15分そのままにしてから、いつものように洗髪します。

体臭を自然に消す — 薄めたレモングラスエッセンシャルオイルには抗真菌、抗菌作用があるので、自然なデオドラントとして利用できます。

No. 3 — たんぽぽ

たんぽぽにはビタミンA、B、C、Dが含まれ、発熱、おでき、下痢、糖尿病の治療に利用可能です。たんぽぽの葉の茶は利尿効果があり、軽度の下剤効果や消化補助効果がある一方、たんぽぽの根の茶は解毒効果があり、肝臓や脾臓、前立腺の異常を軽減するのに有用です。

No. 4 — セージ

セージは数千年以来薬草として利用されてきたもので、以下のものを含む様々な健康へのメリットがあります:

消化を助ける — セージのロスマリン酸は抗炎症剤として作用し、胃を落ち着かせ、胃けいれんを予防します。セージは下痢や胃炎の発生率を下げます。

認知力を強くする — たとえ少量のセージでも食べたり、エッセンシャルオイルとして嗅ぐだけで集中力、想起力、記憶力を上げ脳を強くする効果があります。

骨の健康改善 — セージはビタミンKが豊富で、カルシウムも豊富なので骨や歯を強くするのに有用です。

糖尿病管理がしやすくなる — セージには糖尿病管理のためによく処方される薬に似た化合物が含まれています。すなわち、肝臓に貯蔵されているグルコースの放出を調節して阻害すると考えられており、血糖バランスを取り、2型糖尿病の予防を助けたり、既往であればこの病気の管理をしやすくします。

健康な皮膚 — セージには多くの抗酸化特性があるので、老人性色素班、小じわ、皺等老化の兆候を予防する効果があります。これらの抗酸化物質は皮膚の細胞を損傷し、若いうちから老化してしまうフリーラジカルから保護します。セージをチンキや局部用軟膏にして利用し、ニキビや湿疹、乾癬等の皮膚病治療で成功した人もいます。

免疫力の強化 — セージには研究者らがエッセンシャルオイルとして塗るとブドウ球菌等の細菌増殖を阻害することを示している抗菌作用があります。

炎症を治す — セージに含まれる抗酸化物質はフリーラジカルを中和し、体内で酸化ストレスを生じさせません。 セージは脳や心臓、関節、筋肉、器官系統、皮膚を悪くする炎症を防ぐ効果があります。炎症を減らすにはセージの摘み立ての葉を噛む、セージティーを飲む、またはセージチンキとして塗ります。

痛み止め — セージエッセンシャルオイルはお風呂に入れたり、マッサージオイルに混ぜて筋肉を解しやすくします。担体油と混ぜ、下腹部に塗るとセージエッセンシャルオイルは生理時のけいれんや生理痛も和らげます。

No. 5 — カモミール

カモミールCD38という人体の細胞の表面にある酵素をよく阻害するポリフェノールであるアピゲニンが豊富な食物です。CD38は免疫機能に有用であると同時に、体内で最も重要な補酵素NAD+の主な消費者でもあります。

さらに、カモミールの花に含まれる揮発油は、以下のような効果を含む有益な特性を多く含みます:

  • 神経鎮静作用、全身のリラグゼーション促進、ストレス軽減、不眠症制御
  • アレルギーや炎症、感染の軽減
  • 筋肉の痙攣緩和
  • 吐き気と鼓腸の解消
  • 胃の異常や胃炎、潰瘍性大腸炎、憩室疾患、クローン病、過敏性腸症候群の軽減

No. 6 — ムラサキバレンギク(エキナセア属)

抗生物質が登場する以前、ムラサキバレンギク(エキナセア属)はマラリアやしょう紅熱、梅毒等異なる感染症や傷の一般的治療薬として利用されていました。数世紀前、米大陸原住民はよくある風邪の治療にムラサキバレンギクを主に利用していました。

今日のよくある利用法:

  • 免疫系の強化 — ムラサキバレンギクの成分が免疫系を強化すると考えられています。Integrative Cancer Therapiesに掲載されたある研究で、,ムラサキバレンギクは風邪の症状が出たらすぐに投与する限り、風邪の重さと期間を減らすことが証明されました。しかし、風邪を引いてすでに数日経過してからムラサキバレンギクを使ってもあまり効果はありません。
  • 抗菌性、抗ウィルス性 — ムラサキバレンギクにはエキナセインという化合物が含まれ、これが細菌やウィルス感染を予防するのを助けると考えられます。Pharmaceutical Biologyに掲載されたある研究によると、ムラサキバレンギクは抗菌性を発揮し、15種類の病原菌、2種類の病原真菌に対して効果があります。
  • 傷の治癒を早める — ムラサキバレンギクを傷口に塗ると新生皮膚細胞の形成を早めると同時に、抗菌性により感染予防を助けます。Ethnopharmacology誌に掲載されたある研究によると、ムラサキバレンギクの傷を治す効果を生む化合物はエコキナコサイドといい、この属の花のうち数種類に含まれます。

No. 7 — アシュワガンダ

多目的ハーブであり「若返り剤」として知られるアシュワガンダは古代のアユルベーダや中国の医療では数千年の間利用されていました。これは強力なアダプトゲン的特性があるハーブですが、すなわち、免疫系、代謝、ホルモン系統のバランスを取ることで身体のストレス管理やストレスへの適合を助けます。

No. 8 — CBD油/天然麻油

カンナビジオール(CBD) の医療用効能は益々認められており、人体が内生的カンナビノイド類を生産していること、このエンドカンナビノイド系(ECS)が呼吸、消化、免疫、心臓血管の各系統等体内系統の間のホメオスタシスを調節して人の健康のために欠かせない機能をしていることはすでにわかっています。

No. 9 — オオアザミ

オオアザミの全ての部分は食べることができますが、シリマリンは種にのみ含まれています。自分で栽培できるかを問わず、有機オオアザミは安価であり、地元の健康食品店がたいてい置いています。このユニークなハーブを食生活に摂り込むための方法をいくつかご紹介します:

  • 粉にする — すり鉢とすりこ木でオオアザミの種を粉にすり潰し、これをスープや炒め物、その他の料理に加える
  • サラダ — 植物全体を食べられるので、オオアザミの花、葉、根、茎をサラダに含めたり、煮物に混ぜることもできます。
  • スムージー — 肝臓の健康によいスムージーを作るには、オオアザミの種大さじ2杯をろ過した水に一晩浸し、翌朝、オオアザミ(とその浸けた水)、レモン果汁1カップ、 クコの実1/3カップ、氷1カップ半をミキサーに入れてスムーズになるまで攪拌する
  • おやつ — 次第に好きになるようなものかもしれませんが、オオアザミの種はそのままでも食べれます
  • ティー — オオアザミの種と乾燥させた葉のいずれかまたは両方とも潰し、お茶煎じ器に入れた熱湯に浸して薄めのティーブレンドを作る。これにお好みの健康的な甘味を付けて少々苦みを弱めるか、ペパーミントティーバッグも入れて味覚に変化をつけることもできる

No. 10 — トゥルシ

ホーリー・バジルとも呼ばれるトゥルシはインドでは生命に有用であると考えられるアユルベーダハーブ。アシュワガンダと同じく、いくつかの特長を挙げるだけでも抗菌、抗ウィルス、抗真菌、抗炎症、鎮痛、抗酸化、アダプトゲン的特性がある強力なアダプトゲンです。

今日、トゥルシ製品は豊富にあり、ティーや錠剤、粉、エキス、トゥルシエッセンシャルオイルもあります。トゥルシには多くの効能がありますので、主なものだけ挙げます:

血中グルコースレベルの管理 — トゥルシには血糖降下及び脂質低下効果があり、糖尿病に効能があると考えられます。トゥルシの葉の粉を与えた糖尿病のラットが「空腹時血糖値、ウロン酸、総アミノ酸、総コレステロール、トリグリセリド、リン脂質、総脂質とも大幅に低下」したことをある研究が示しました。

免疫力強化 — トゥルシの葉から取るエキスには哺乳類被験動物の免疫療法への利用効果があることが発見されました。「カミメボウキ(の葉)の粗水性抽出物に抗菌性かつ免疫調節性の生物学的活性があること」をその研究者らが説明しています。

ストレスと不安の軽減 — トゥルシの葉のエキスに含まれる化合物、オシマリンとオシムサイドAとBにストレス軽減効果があります。人の被験者に対して行ったある実験で、この植物のエキスを服用すると全般不安症(GAD)を和らげると考えられそうなことが発見されました。

歯の健康増進 — トゥルシティーで口を濯ぐと口腔衛生の効果があると考えられます。ニーム、クローブ、トゥルシその他等の天然ハーブ製リンスで口を濯ぐとアクチノマイセス属やE.ノダトゥム、プレボテラ・インターメディア等の口内細菌を阻害することがある研究で判明しました。

認知機能の強化 — 認知症を誘発させたラットにトゥルシの葉のエキスを投与したら認知力が改善されたことをある研究が発見しました。

肝臓の健康増進 — トゥルシには肝臓を保護する効果があるようで、ラット被験動物において肝臓障害を誘発させない保護効果が認められました。

感染防止 — トゥルシは尿道炎、ブドウ球菌その他の細菌が起こす皮膚感染症、肺炎等の呼吸器官感染を含む細菌感染症を軽減すると考えられます。

鎮痛効果 — トゥルシティーをすすると解熱効果や抗炎症効果、鎮痛効果が得られると考えられるようです。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)に替わる物としての可能性があることをある研究が説明しています。

+ 出典および参考資料