背中の痛みに効く運動

背中の痛み改善運動

早分かり -

  • 座り過ぎは背中の痛みにつながり、これだけが原因で病気や早死にしやすくなります
  • ファウンデーション・トレーニングは長時間の着座による害を補償し、背中の痛みをとてもよく軽くできます。このトレーニングは簡単でも力のいる構造動作で、姿勢を強くし、正すのに有用です
  • ファウンデーション・トレーニングの焦点は体幹と背面筋肉の連鎖で、これには骨盤につながっている全ての筋肉を使います。この運動では、これらの全筋肉が統合された動きの連鎖により協調して動き、これが体が本来動くようにできている動作であることを教えてくれます
  • ファウンデーション トレーニングのどの動きも、多くの筋肉にできる限り本来あるべき動作をさせ、全身への力の分散を促し、摩擦から関節を解放し、摩擦の緊張を筋肉へ逃がします
  • 構造的呼吸法でさらに姿勢が、特に座る姿勢がよくなります
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Dr. Mercolaより

ファウンデーション・トレーニングは整骨医Dr.エリック・グッドマンがご自分の背中の痛みに対処するために開発したもので、背中の痛みが大きく減る簡素でも強力な方法です。さらに、背中の痛みがまだあるかいなかに関わらず、一日に3時間以上着座していることの多い人なら誰にもとても有用です。

長時間の着座は分子レベルでいくつもの基本的身体機能を無くすので、これだけでも慢性病や老化の加速、早死ににつながるリスク要因です。特に姿勢が悪く、長時間座っていることは背中の痛みの主な原因でもあります。

座っている方が立っているより楽なように見えるかもしれませんが、立っているときより座っているほうが背中は40%から90%余計に圧迫されストレスを受けます。

猫背で前へのめる格好で座っているあるいは立っていても首、肩、顎、膝、脛等他の部位が痛くなります。頭痛も生じる場合があります。これらのすべての痛い問題は前面の筋肉のつながりと首の後ろの後頭下筋の短縮を含むアンバランスな姿勢が原因です。

体幹の筋肉は骨盤の上下とも。全て骨盤に繋がっており、これには大腿屈筋、臀筋そして内転筋を含みます。.ファウンデーション・トレーニングは、これらの筋肉が統合された動きの連鎖により一緒に動き、体が本来そう動くようにできていることを教えてくれます。

身体の筋肉連鎖を統合するファウンデーション・トレーニングは脊柱と体幹を強化し、整列し直し、これが背中の痛みを和らげるものと考えられます。道具は不要なので、いつでもどこでもこの運動はできます。

ファウンデーション・トレーニングの三原則

ファウンデーション・トレーニングの三原則:

1. アンカー — この運動は裸足で行い、最適にはできる限り裸足で歩きます。靴を脱いだら両足を地面に押し付けてください。たいていの人は地面を噛む力が足から抜けています。両足を重力の海にある全身の錨だと思いましょう。つまり、重力に逆らって押し返すのです。自分でできる限り堂々と幅広く背筋を伸ばして立ちましょう。足のアーチ、つま先、足首をしっかり働かせて足で大地を実際につかもうとしてみてください。

2. 圧迫からの解放 — この動作の基本は胸郭を積極的に上げ、胸鎖乳突筋(SCM) (首にある頸部表層の筋肉、頭の回転や傾斜を担う)を働かせ、腹を引き締めつつ胸郭に息を吸い込むことです。息を吐くとき腹と上体がふにゃっとならないようにしっかりしていましょう。

3. 統合 — この原理はファウンデーション運動の本筋で、身体の前面と背面の筋肉列を統合します。

Dr. グッドマンによると、たいていの人は一週間から二週間以内に身体に違いが出ることに気づきます。この運動を毎日5~10分行えば3週間以内にすっかりよくなったと感じるはずです。この運動では筋肉の微小繊維が破断しないので運動による筋肉の故障回復のために煩わされません。

身体にもっとよく動くパターン回復、トレーニングをしているだけです。ここでご説明している姿勢を正す運動は日常活動の中で枠組を正しく支持できるために欠かせないことで、姿勢動作が悪いために負傷するリスクがなく高強度集中運動を安全に行えるようにもなります。

体幹の安定性に寄与する筋肉

すでにご説明した通り、骨盤につながっている全ての筋肉が体幹を成します。ファウンデーション・トレーニングをすると以下の筋肉が強くなり、長くなります:

  • 臀筋 — 臀筋は身体の原動力を生みますが、単独で機能していません。
  • 内転筋 — 内腿の筋肉は身体に内蔵された推力を生むシステムです。内転筋の筋肉グループが強い限り、臀部は安定し、足のアーチが強く、骨盤は身体で最も強い筋肉ペアを使って把捉されています。
  • 背中最下部の筋肉 — これらの筋肉により背面筋肉列の適性な統合がされやすくなります。背中の下部が弱くなると身体の動作パターンのあらゆる側面が悪化します。
  • 腹部と臀部の屈筋 — 身体の前面は脊柱と骨盤で生じている現象が現れる窓ととらえましょう。前面が硬すぎると、背筋は正しく機能できません。
  • 体の前後に渡る腹筋— 体の前後に渡る腹筋は内蔵された保持システムとして機能します。体の前面と背面を結ぶ腹筋がこの体幹筋グループの中で他の筋肉に対して締め付けられた状態だと、全身が強くなります。

体幹ファウンデーション・トレーニング— ファウンダー

体幹ファウンデーション・トレーニングの主な動きのひとつは「ファウンダー」です。ビデオで実演をご覧ください。この運動は体重を背面全体に分散することにより、背中全体を強化しつつ、適正な動作を補強します。その結果、体重は踵の方へ移り、骨盤を弛緩させます。

こうすると股関節屈筋が強化され、身体前面を長くするので、臀部が適正に蝶番で動くようになります。Dr.グッドマンの説明する通り、体幹のすべては臀部に集約されます。アスレチック能力、柔軟性、バランス、強度は全ての強力な臀部に依存します。

次に、同時にストレッチと強化を行えるファウンダーのしかたをまとめました。今回取り上げているビデオで実演ををご覧ください。各姿勢を10~20秒保持する。

1. 両足を肩幅広げて立つ。お尻を後ろへ突き出し、ヒップで曲げながら上体は伸ばし、胸を広げて胸骨を上げ、両腕を後ろへ伸ばし、伸ばす方向を親指で指す。

お尻を後ろへ突き出すことで前に寄っかかる格好ではなく、前へ体を折る格好になるはずです。両膝は踵の真上に維持し、つま先より前へ出さないのはスクワットと同じ要領です。膝はしなやかなままであるべきですが、あまり曲げ過ぎてはいけません。この姿勢で背中の下部が緊張するのを感じるはずです。

2. 両腕を前へできる限り高く頭上へ伸ばし、親指は相互に向かい合うように内側を剥き、お尻を突き出しながら、背中を伸ばす。これで背中への圧力が強くなります。両膝を合わせるように引き締め両脚を若干伸ばすことで大腿屈筋を働かせる。

3. お尻で体を屈曲し、両手が床に着く(か自分でできる限り床に近づく)まで前へ曲げていく。この間ずっと体重がつま先ではなく踵に載ったままにする。

4. お尻を踵から離しながら両膝をゆっくりとできる限り真っすぐにする。脚の背面の筋肉が震え始めるのを感じるはずです。この震えは長くなった緊張に身体が適合しようとしていることを意味します。

5. お尻と両手が可能な限り離れ合うように両手を前へ伸ばし、お尻を後ろへ突き出す。この間両膝は少し曲げておく。

6. 両手を脛に当て、体重を踵に戻す。胸をゆっくり上げるに伴い肩甲骨を引き合わせて胸を広げる。背中を伸ばすことに注意する。背中下部の筋肉に効いていると感じたら、1でしたように両手を後ろへ押し出す。両膝を戻して体重が踵に掛かかり続けるようにする。

7. 2の姿勢に戻り、両膝を押し戻しつつ両腕を出来る限り頭上へ延ばす。数秒この姿勢のままでいて、次に立つ。

急性の背痛ですか? 毎日この運動を2分してください

次にDr.グッドマンが実演する運動はファウンンダーを少し変えた動きで、年齢や痛みあるいは体重オーバーが原因であるかを問わず、慢性的な背中の痛みがある人や動作範囲が限られている人には特に有用です。急に背中が痛むときは、一日にできる限り10~20回この運動を行うようにDr.グッドマンが勧めます。各姿勢を10~20秒保持する。

  1. 椅子に向かって両足を肩幅広げて立つ。少しスクワット姿勢になり、臀部を後ろへ押し出し、背中を真っすぐに保つ。手指先を椅子の座面の前の縁に置く。
  2. 両膝を少し曲げ、体重は踵に載せ、指を座面を横切るように這わせ、自分から離していきつつ、お尻はさらに後ろへ突き出す。
  3. ストレッチの限界に達したら、上体を起こし、脊柱下部を伸ばし、両手を後ろへ押し出し、出来る限り胸を広げる。肩甲骨を合わせるように絞ることを忘れない。
  4. 両腕を前へできる限り高く頭上へ伸ばし、親指は相互に向かい合うように内側を剥き、お尻を突き出しながら、背中を伸ばす。これで背中への圧力が強くなります。両膝を合わせるように引き締め両脚を若干伸ばすことで大腿屈筋を働かせる。
  5. 上体を起こしながら両腕を下げつつゆっくり立つ。

ビデオで説明されているように、この運動をいかに一生懸命しているかのバロメータは汗が出て来るか否かです。その理由は、筋肉を使うほど、負荷が大きく、発汗につながるからです。

この運動に馴れて力がついてきたら、筋肉連鎖の中でも小さい筋肉をさらに使い始めるように自然になります。小刻みな震えや身震いは最適な指標であるとDr.グッドマンは言います。強くなるほどに身震いも増えます。

内転筋支援運動

三つ目のファウンダーはスタンスを広げて行い、さまざまな筋肉特に内転筋(腿の内側の筋肉)も使います。

この運動では前記の通りの2の位置に達するに従い、膝を押し戻しながら足を横にゆっくりずらすことで動作の開きをさらに広げられ、脚の外側と内側を交互に伸ばします。この動きは膝ではなく足首を動かします。

内腿を使うもう一つの運動は内転筋支援バックストレッチです。この運動は内転筋と大腿屈筋を使う体内の推力系統を使います。

  1. 床に腹ばいに寝る。両膝を45°曲げつつ膝どうしを絞ってくっ付けるようにする。足首を背屈する(つま先を向う脛に向かって引く)。
  2. 腕立て伏せを始めるかのように、両腕を曲げ、膝と手を胸に近く保持したままにする。
  3. 同時に曲げた膝で両膝を締め合わせ、背筋だけで、両腕を使わず、床から上体を起こす。
  4. さらに筋力を大きく使うには、両腕を頭上にいっぱいに伸ばし、手の平を上に向け、上体は上げる。

構造的呼吸法で姿勢をよくする

呼吸は姿勢に影響するもう一つのよく無視されるツールです。上のビデオの中で、Dr.グッドマンは構造的呼吸法を実演しており、これで姿勢、特に着座姿勢がよくなります。その主な手順を以下にまとめました:

  1. 着座して親指を肋骨のいちばん下に当て、小指はウェストで骨盤の出た部分に当てる。ものさしとして親指と小指の距離に意識を向けてください。
  2. 顎を引き、3回深呼吸。
  3. 息を吸うときは、親指と小指の間が広がるはずです。
  4. 息を吐く時は腹筋を引き締め、体幹が後ろへ下がらないようにする。

この呼吸は正しく行うと、呼吸で股関節屈筋を強化し、体の前面と背面に渡る腹筋を使うので体の芯を支持するのを助けます。これで背中を強化し、胸を高く開がった状態に維持するに役立ちます。この運動は30秒程行い、普通の着座姿勢に戻ります。時が経つにつれ、これらの筋肉は強くなり、着座姿勢がだんだんよくなっていきます。