Dr. Mercolaより
強く艶のある頭髪及び指爪(及びつま先の爪)さらにスムーズで色が均一になり、そして柔らかく輝く皮膚は通常、健康が目に見えてわかる徴と見なされます。
子供はほとんどがこうしたよいものを全て持っていますが、ストレスホルモン, 酸化ストレス、不健康的な食生活などの要因のために頭髪と爪が乾いて脆くなり、皮膚はがさがさで汚点が増えます。
サプリメントのコーナーを歩いて通ったことがあれば、きっと気が付いたはずですが — そしておそらく試したかもしれませんが —、毛髪や頭皮及び爪によいと宣伝されているビタミンやミネラルがあります。しかも何十種類もの製品の前を素通りしたこともあるかもしれません。どれに効能があるのか、どれがお金の無駄なのかなかなか判断つきにくいです。
カプセル入りの商品に何か違いがあるのでしょうか? 頭髪によい商品は皮膚にもよいのか、さらにこの逆のことも言えるのでしょうか? このような疑問をさらに複雑にする一つの事実は、米国の食品医薬品局は市販前のサプリメントを規制する権限がないことです。
皮膚科医は健常人にサプリメントを普段勧めない傾向があるのでしょうが、だからといってサプリにメリットがないわけではありません。実際には、以下のようなことにおいてサプリメントには利点があります:ライフスタイルを変えるほか、自分がすべき栄養やサプリの選択を把握すると大きな違いが出ます。
健康的毛髪や頭皮及び爪は可溶化ケラチン、コラーゲンペプチド、エラスチンの主に3つの構造タンパク質に依存します。その他の統合介入には、ハーブのダイオウウラボシ(Polypodium leucotomos)エキス(PLエキス)があり、これは敏感肌にいい植物系サプリメントで、皮膚がん予防によいニコチン酸アミド(ナイアシンアミドとも)、さらにフィトセラミド(植物から得る脂質)があります。問題につながる要因には二種類あります:
処方薬フィナステリドは特に男性型禿を中心として脱毛のための「優良標準」薬として医療業界がしつこく勧めますが、 臨床検査によると、前立腺肥大にも処方され、その副作用が頭髪が逆立つような悪いことであると注目しています。最も悪名高き副作用の一つは性的機能を抑制しうることです。Harvard Healthがこう説明しています:
「2012年4月にFDAはフィナステリドの警告を発した。この薬を止めた後も性的副作用は持続するとしている。その副作用には性欲減退、射精障害が挙げられる。その警告はほぼ20年に渡りFDAが受けてきた約100本の報告書に基づく。
フィナステリドを飲む前に男性は性的症状その他もっと深刻な副作用について検討すべきである。例えば、いくつかの研究はフィナステリドを長期服用し、前立腺がんが発生した男性は、このがんが悪性となり急激に増殖する傾向がある。
但し書きに、フィィナステリドには瑕疵がなかったものと考えられ、性的副作用はこの薬を飲んだ男性の4%~6%に発生したように「おそらく稀」であり、副作用は「通常は」回復した、とあります。これだけの数字の内でその体験した男性の中にその副作用の甲斐があったという人はいないであろうと言っておくのが無難です。
頭髪に関するその他の問題には、ビタミンやミネラルの欠乏によるもので例えばビタミンD及び鉄の不足、甲状腺機能低下症、脱毛症も挙げられます。
男性型脱毛症は男性の場合頭髪の生え際が退いていき、女性の場合頭髪全体が薄くなるタイプの脱毛です。円形脱毛症は円形のパッチ状または全体に想像だにしていなかったような禿になります。けん引性脱毛症はタイトなポニーテールや「コーンロー型」などのヘアスタイルが原因でおきますが、回復するケースはままあります。2017年のある研究が「今後効果的な治療法が可能になる」ことを示しています。
ウェイル・コーネル医科大学の医療インストラクターDr.ミシェル・ヘンリーは薬を避けたい人は、次のような組み合わせを含むサプリメントの特定な混合を勧めます:
• ビオチン — ヘンリー氏によると、ビオチン(ビタミンB7)に関する以前の研究は爪の成長に注目していましたが、頭髪と爪は似たシステムなので、ビオチンは両方に効能があります。この物質は「爪の成長に必須であり、おそらく頭髪の伸びるのにも」必須のビタミンBの一種なので、一日に2,500~5,000 mgを取るように同氏は勧めます。
ヒマワリの種、クルミ、ピーカン、アボカドは皆優良な植物由来ビオチン摂取源ですが、タンパク質由来のビオチン摂取源には有機的解放飼育で育った鶏の卵黄や同様の牛乳、草を食べさせて飼育した牛乳から作るバター、チーズ、肝臓や腎臓等の草で育てた肝肉類や野生捕獲したアラスカ鮭が挙げられます。
• コラーゲン — 多くのビューティーサプリメントに含まれるコラーゲンは頭髪や皮膚にもよく、ヘンリー氏によると、「頭髪の成長に欠かせないタンパク質が摂り易い摂取源」なので、海産物のコラーゲンサプリは脱毛がある菜食スタイル派や本物の菜食主義者向けに有用であると考えられます。
コラーゲンを構成する必須アミノ酸を体内で作れないので、食事又はサプリメントによって得る必要があります。50 mgのコラーゲン系製品を毎日、60日間飲んだ女性は12週間後に皺が減り、乾燥肌が軽減したことをある業界出資の研究が示しました。
• ビタミンD — 脱毛のもう一つのよくある原因はビタミンD欠乏で、場合によっては脱毛症にまで悪化します。ビタミンDは頭髪の小胞を刺激して成長させるので、このビタミンが不足すると頭髪に悪影響が及ぶ場合があります。
健康当局は時としてはるかに低い値で十分であると言いますが、実際には、ビタミンD濃度を維持すべき範囲の60~80 ng/mL (150~200 nmol/L)をお守りください。そこで、ビタミンDの濃度を定期的に検査することは重要であり、少々の日光浴でこのビタミンを得るのが最適です。
• ノコギリヤシ(ソーパルメット) — 薄くなる頭髪の治療にこのサプリが男女とも人気ある理由をいくつもの研究が示しています。ヤシの木から抽出され、米国原住民が何世紀も利用してきたもので、5α還元酵素という酵素を阻害します。
この酵素はテストステロンを強力なアンドロゲンホルモンDHTに変換します。ソーパルメットは男性型脱毛症の人によいとヘンリー氏が言います:「この脱毛症は基本的に自分のテストステロンに過敏になることで発生します。」
米国皮膚科医学会(AAD)によると、「円形脱毛症は指爪及びつま先の爪にも影響しうる。爪には微々たる先のずれ(欠け)が発生しうる。こうした欠けには白い斑点や線、ざらざらになったり、艶が無くなったり、あるいは薄くなり割れるようになる場合もある。」
レーザースキンクリニック、スキンピーリング、ケミカルピーリング、無線周波治療、ボトックス注入、ビタミンA派生体、局部エストロゲンその他の治療等の「最小限に侵撃的」コスメ処置で、皮膚の弾力性改善、皺減少、毛穴の大きさ減少という最も欲しい成果を3つとも実現できると勧める医者がいます。
こうした医者らは外出する前にサンスクリーンを塗るように勧める場合がありますが、こちらには固有の問題が伴います。米国で使用されている16種類の製品のうち14のサンスクリーン成分は危険であり、このうち12種類についての研究が臨床的に実証されたことはないことをFDAは認めています。多くのサンスクリーンに含まれるオキシベンゾンは男性の不妊につながる内分泌阻害剤であり、これは多くの問題のうちの一つでしかありません。
しかし、食生活やライフスタイルの変更は一部の人には面倒なように見えても、ほとんど費用がかからず、毛髪や頭皮及び爪に関するばかりではなく、他にも健康によいです。
最も効果的戦略の一つは加工食品と砂糖を両方とも削減し、健康的脂肪をよく食べる食生活です。全米睡眠財団によるともう一つはじゅうぶんに寝ることで、すなわち、毎晩少なくとも7時間から9時間は寝ることです。
ある研究は質の悪い睡眠で内生的老化が加速し、皮膚が過度の紫外線への暴露等の外的ストレス要因から回復する機能を劣化させることを特定しました。
その他の天然物質は皮膚と頭髪のためにメリットがあります。アシュワガンダはコラーゲンの生産を促すDHEAの濃度も上げます。皮膚は自然な皮脂のおかげで若々しい輝きを維持することでメリットを受けます。この物質は皺や染み、汚点を起こすフリーラジカルとも闘って解消します。
さらに、ある小規模なイタリアの研究は、サンダルウッドオイルの合成派生物質が禿頭に髪を復活させ、成長ホルモンとケラチン濃度を増やすことで禿の治療になることが証明され、頭髪の成長と皮膚の再生信号伝達ともに注目しています。
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