新研究が示すスカルキャップハーブの脳損傷修復効果

スカルキャップ

早分かり -

  • アメリカン及びチャイニーズスカルキャップは同属ですが異なる損傷の処置に利用できます。両種に含まれるフラボノイドの一種スクテラリンは脳の外傷後の細胞死を抑制し、神経行動機能を改善することを研究者らが特定しました
  • その作用は、Nrf2は抗酸化物質の発現のために重要であり治癒開始のために必須の要素なので、スクテラリンからのNrf2の増加、その効果を生じさせる下流のタンパク質の増大によるものであることを研究者らが特定しました
  • スカルキャップの心臓血管系や肝臓、腎臓保護効能及びアレルギー、喘息、湿疹の治療に有用なことを別の研究は実証しました
  • スカルキャップは副作用が出たり、サプリメントや薬と反応するので、医者の監督の下で使用すべきです。庭で簡単に育ち、お湯に浸しておいしい落ち着くティーにすることができます
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Dr. Mercolaより

スカルキャップ ハーブ(猛毒キノコのRebrasta patuljaricaと混合してはならない)にはアメリカンスカルキャップ (Scutellaria lateriflora)とチャイニーズスカルキャップ(シベリアンマジック、Scutellaria baicalensis)の二種類あります。これらは同属で医用にも利用されますが、同義のものではありません。

アメリカンスカルキャップは北米に生息しますが、欧州その他世界でも栽培されます。スカルキャップに関する研究はほとんどチャイニーズスカルキャップというロシアの一部と中国が原産のものを使用してきました。こちらのスカルキャップは伝統的中国医療では感染や頭痛、炎症、アレルギーの治療に利用されきました。

アメリカンスカルキャップは重たく枝分かれした本体に優しさを与えるような紫または青い花が帽子のような形をしているのでこう呼ばれます。高さは約1.3mまで伸び、茂みの中で野生に育っているのが見つかるはずです。チャイニーズスカルキャップは高さ約33cmに育つ一本の茎に花が咲きます。これらのハーブともに粉状のエキスで売られますが、アメリカンスカルキャップには液状のものも売られています。

フラボノイド化合物 — スクテラリン — が含まれるのはScutellaria属とErigeron属です。ハーブ エリゲロン・ブレビスカプスから取れるエキス — ブレビスカピン — は伝統中国医療でいくつもの病気の治療に利用されてきました。ブレビスカピンには高濃度のスクテラリンが含まれ、スクテラリンはアメリカンとチャイニーズスカルキャップ ハーブにも含まれています。

スカルキャップに含まれるフラボノイドは脳損傷後に神経保護効能がある

ブレビスカピンはハーブErigeron breviscapusからのフラボノイドエキスであって、85%のスクテラリンはスクテラリアすなわちスカルキャップに含まれます。Journal of Cellular Biochemistryに近年掲載されたある研究は、脳の外傷傷 (TBI)後にブレビスカピンの神経保護的効能があることを分析で特定しました。

その研究では閉鎖型拡散TBIをラットに誘発させてからブレビスカピンを30分後に腹腔に注入しました。研究者らは神経損傷の指標として行動にどう表れるかを測定するための神経学的スコアで評価しました。次にラットの脳の細胞病理学的組織断片を使って細胞の損傷を評価しました。

核因子様2タンパク質(Nrf2)及び下流のタンパク質を脳の組織から研究者らは特定しました。ブレビスカピンはTBI後の細胞死を軽減するあるいは減少させうること、神経行動機能がNrf2の増大によって改善される可能性があると、研究者らは結論づけました。

Nrf2は「酸化応答の主な調節因子」として説明されてきました。この物質は炎症緩和のための主な媒介物質の一つとして認識されており、治癒が始まるために必須の抗酸化物質の発現を誘発することが確認されました。

Journal of Cellular Biochemistryのある研究は、下流のタンパク質(HO-1とNQO-1を含む) が細胞学的組織断片から検出されたことはNrf2が増大していることを示すものと結論づけました。Nrf2の発現及び信号経路との相互作用は慢性炎症病を軽減するための治療手法開発に有用であると考えられます。

Nrf2は複雑な抗酸化防御システムの一部として、細胞の酸化物に対する抵抗力を調整します。さらにデトックスや反応性酸化物の解消に関与する遺伝子の発現も制御していると考えられます。

心臓や肝臓、腎臓の研究でわかったスクテラリンの保護効能

ブレビスカピンが、負傷後NRF2経路において細胞死及び酸化ストレスに対して開始する保護効能は、心臓や肝臓、腎臓のためにもプラスの効能があると考えられます。スローンケタリング記念がんセンターはスクテラリンがアテローム性動脈硬化や炎症、てんかん、肝炎に応用されうることを伝えています。

Journal of Cardiovascular Pharmacologyに掲載されたある研究で研究者らは、スプラグドーリーラットを利用してブレビスカピンかスクテラリンで処置後に局所的脳虚血と心臓虚血を誘発しました。スクテラリンの心臓と脳を保護する効能はブレビスカピンでの混合物より優ることをその研究結果が示しています。

Frontiers in Pharmacologyに掲載されたある研究は、ブレビスカピンが心筋梗塞、心房細動、慢性心不全、肺心臓疾患を含むいくつもの心臓血管病に効く薬と併用しうることを特定しました。

活性抗酸化物質も肝臓の虚血再灌流損傷を軽減します。ラット40匹についてのある実験では、細胞病理分析を再灌流から24時間後に実施しました。ブレビスカピンは肝臓の酸化ストレスを阻害して損傷を軽減することを、研究者らが特定しました。虚血すると細胞死が始まります。血液供給が再開されると、さらに損傷がフリーラジカルの活性が原因で発生します。

ブレビスカピンの腎臓保護効能が動物実験と人体実験でわかった数件の他の研究が説明しています。あるメタ分析で、ブレビスカピンを注入すると腎臓保護効能を含み糖尿病性腎症のある患者に治療効果があることを研究者らが特定しました。

別の研究は、降圧剤と併用してブレビスカピンを注入すると、高血圧性腎症の患者によい臨床効果があがること、患者のために腎臓保護戦略として使用しうることが判明しました。

スクテラリンによるさらに他の健康的効能

Journal of Cellular and Molecular Medicineの編集長へのメッセージの中で研究者らはブレビスカピンがある動物実験では肺塞栓症に対して効能があることを説明しています。その結論は、肺組織の炎症が軽減され、このために血管収縮が軽減されやすくなったことでした。

スクテラリンは強力な抗血小板剤として伝統的に使用されてきました。子宮内膜症を誘発させたマウスを使ったある研究で、研究者らは、スクテラリンが血小板の凝集を抑制し、拡散や線維成長、血管新生を阻害することで効率的治療になると結論しました。こうした要因のため、マウスの病変サイズが減少し、痛みが軽くなりました。

アメリカンスカルキャップはストレスや不安の処置に使用される伝統的薬草でもあります。43人の健常人が参加したある無作為二重盲検プラセボ対照試験で、研究者らがアメリカンスカルキャップは「体力や認知力を下げずに全体的気分を大幅に高める」ことを特定しました。

スクテラリンの効能はニューロンやシナプス機能を損失させる伝達性海綿状脳症(TSEs)に薬効がある治療薬の開発において有望な候補にも挙がりました。人の場合、TSEにはパーキンソン病アルツハイマー病等の神経萎縮性疾患が挙げられます。

さらに、チャイニーズスカルキャップには抗ヒスタミン特性があり、アレルギー性鼻炎、喘息、湿疹の治療に伝統的に利用されてきました。スクテラリンはさらに、試験管試験では抗菌性、生体実験では抗炎症性が実証されています。

スクテラリンの抗炎症性は広範囲に適用可能な抗腫瘍薬であるブレオマイシンによる治療を補完することを研究者らが特定しました。その研究は生体実験と試験管検査を動物について行う組み合わせ治療手順の調査が目的でした。

その研究結果は、スクテラリンがブレオマイシンの抗がん作用を強化すると同時に、肺線維症というこの薬の持つ副作用も軽減することを示しました。このハーブは伝統中国医療では次の治療にも利用されてきました:

下痢

赤痢

出血

高血圧

呼吸器感染症

神経保護

不眠症

がん

ウィルス

炎症

肝臓の保護

細菌

発作

ニキビ

関節炎

スカルキャップの潜在的副作用

ハーブは免疫系の強化や病気の治療に利用されてきた伝統的手法ですが、中には副作用を発生するものやサプリメントあるいは薬と反応するものがあります。ペンシルベニア州のミルトンSハーシーメディカルセンターはアメリカンスカルキャップは過去汚染されたことがあるので、信頼できる調達先から取得するように注意しています。

糖尿病の人は、チャイニーズスカルキャップに葉血糖レベルを下げ、低血糖症リスクが高まるおそれがあるので、医師の監督の下でのみ使用してください。チャイニーズスカルキャップは胃や脾臓の問題を悪化させることもあり、妊娠中や授乳中は使用しない方がよいです。

アメリカンスカルキャップは大量に摂取すると精神的混乱、不整脈、ひきつけを起こす場合があります。療法とも鎮静効果があり、抗発作薬、バルビツール酸系催眠薬、ベンゾジアゼピン類、三環系抗うつ剤、アルコール及び不眠症薬による影響を増幅させることがあります。

花は美しく、ティーはリラックスさせ、その他の健康メリットがある

スカルキャップは粉やチンキ状でも買えますが、熱いスカルキャップティーを夕刻味わうこともできます。鎮静効果があるので日中飲むときは気を付けましょう。運転や機械操作を飲んだ後行うのは危険になる場合があります。

高品質のカルキャップ ハーブ小さじ1と沸騰したお湯2カップで2杯分のティーを作れますティーは約10分急須に浸し、好みに応じて生蜂蜜、羅漢果、ステビアで甘く味付けしてもよいでしょう。

アメリカンスカルキャップは通常4~8のゾーンで5月から8月に花が咲き、陽に当たり続けるよりは一部陰になる場所を個のみ、チャイニーズスカルキャップは常時陽が当たる乾いた砂地を好みます。スカルキャップは層化すると特に、自然に高率で芽が出るので、種から簡単に育ちます。

この過程で種を処置することで発芽を刺激するのです。寒冷層化処置は冷蔵庫で簡単にできます。ミキシングボウルに砂を1/4カップ入れ、水を加えてボールにします。砂に好みの量の種を加えて完全に攪拌し、一週間バッグに入れ冷蔵庫で冷やしておきます。

種は屋内なら初霜以前に撒けるほか、屋外なら霜のおそれが過ぎ去った頃撒くとよいです。土壌が湿気ており、水はけがよいことにご注意ください。根や切り株を分けても広めやすく、増えていきます。スカルキャップは満開になったらはさみか剪刀で花と葉を収穫します。

+ 出典および参考資料