午後の倦怠感を無くす方法

疲労した眠そうな女

早分かり -

  • 午後の倦怠感を訴えることはよくあります。最も一般的な原因の一つは低血糖症でこれは脂肪を効果的に燃やせないことによります
  • 燃料として主に炭水化物を燃やさず脂肪を主に燃やすようにするか、「脂肪に適応」するようになることで、こうしたエネルギーの下落をほぼ解消できます
  • 炭水化物の代わりに健康的な脂肪を摂るのに加え、間歇的絶食は炭水化物主体ではなく脂肪を代謝するように体質を変えられる最も効果的な手段の一つであり、こうすることで気力も肉体的スタミナもアップします
  • 日中運動すると3~4時間持続するエネルギーのプッシュを得られます。夕刻以降の運動を好む人なら就寝の2~3時間前以降の運動を避け、睡眠障害を予防するのが最適です
  • よく眠れないと、体力が冴えなくなるのはほぼ避けられなくなります。規則的な運動プログラムを継続するとそのうちよく眠れるようになることを最近の研究が特定しました
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Dr. Mercolaより

午後になり始める頃体力が落ち込む人が多くいます。いくつもの要因がこの現象に寄与すると考えられます。最もよくある原因は昼食後の低血糖症で、これは脂肪を燃やせないことと関わっています。

食餌はエネルギーレベルを維持するためのカギ

身体は糖分と脂肪の二種類を代謝します。悲しきことに、先祖は脂肪を主な燃料源にするように適応していたのに、現代人類の99%以上が砂糖やグルコースを主な燃料源にするように適応しています。

ほとんどの人は燃料に炭水化物を燃やすので、午後の倦怠感は通常昼食後の低血糖症によるものです。

燃料として主に炭水化物を燃やさず脂肪を主に燃やすようにするか「脂肪に適応」するように体質を変えることで、こうしたエネルギーの下落をほぼ解消できます。炭水化物ではなく脂肪を代謝する体質にすると次のようなメリットがあります:

  • 利用可能なエネルギーが十分備蓄されているので貯蔵した脂肪を終日効果的に代謝可能 — 脂肪に適応した体質になっているかを確認する一つの方法は一食抜いてみてどう感じるかを見ることです。ひどく飢えたりいらいらしたり(または、炭水化物をとても欲しくなる)せずに食事を抜くことができるなら、あなたは脂肪適応状態にあるでしょう。
  • インスリンやレプチン感受性が改善しているので、事実上既知のあらゆる慢性的変性疾患のリスクが減少しています。
  • エネルギーのために効果的に脂肪を燃焼させると、脂肪組織に格納される食物脂肪を減らすので、脂肪適応状態による減量のメリットを享受できます。
  • 無理が掛かってもエネルギーを脂肪にもっと頼ることができ、本当に必要となるまでグリコーゲンを節約できます。こういうふうにアスリートは記録を伸ばしより多くの体脂肪を燃やすのです。炭水化物をたっぷり摂り込む必要なく運動をやり通せれば、おそらく脂肪に適応しています。絶食状態でも効果的に運動できれば、必ず脂肪適応体質になっています。

最初は、炭水化物を健康な脂肪で置き換える

有害な炭水化物について取り上げている意味は、ただ穀物や糖分について言っているだけで、野菜の炭水化物についてではないことに留意してください。穀物や糖分の炭水化物が必要だとしてもそれはごくわずかで、野菜の炭水化物はたくさん必要です。

実際に、糖分や穀類を食べなくしたら、数量の点でいうと、野菜より高密度な食べなくした穀類を補償すべき野菜の量を大幅に増やす必要があります。次に挙げるような健康に良い脂肪を一気に増やす必要があります:

オリーブとオリーブオイル(冷菜用)

ココナッツ、ココナッツオイル(調理や焼き物、炒め物すべてに使える)

生の草で育った有機のミルクで作るバター

生のナッツ、例えば、アーモンドやピーカン

有機的解放飼育で育った鶏の卵黄

アボカド

牧場でと殺して得る牛肉

パーム油

非加熱有機ナッツオイル類

オメガ6/3比を崩す高度に加工され遺伝子操作されたオメガ6オイル(とうもろこし、カノーラ、大豆オイル等)を使わないことです。

トランス脂肪も避けるべけですが、一般的な忠告に反し、飽和脂肪は健康的な食生活の主な要素です。合理的な目標は、毎日のカロリーの50~70%を健康に良い脂肪から摂ることで、こうすると炭水化物の摂取が大幅に減るはずです。

脂肪は、炭水化物よりもはるかに満腹感があるので、炭水化物を減らしても、まだ飢餓感があれば、健康に良い脂肪をもっと摂り込む必要があります。。ほとんどの人はこのアプローチで健康がよくなり体力がアップするでしょう。

間歇的絶食がいかに役立つか

食生活を正すことができたら、次は、間歇的絶食をお試しになるとよいです。これで身体は効果的に炭水化物から脂肪を代謝するようになります。

まだ加工食品やファストフードが主食の人は絶食規律を初めてはなりません。絶食は食を抜くので、食べるときは栄養価の高い物を食べる必要があり、何を食べるかが決定的になるからです。

間歇的絶食は定期的な絶食期間を設けるタイミングで食生活を送ることです。体内に貯蔵されたグリコーゲンを代謝するには6~8時間を要しますが、その後は脂肪を代謝するようになります。グリコーゲンを8時間(またはこれより短い時間)おきに補給し続ければ、身体は備蓄した脂肪を代謝することが困難になります。

間歇的絶食の規律スタイルには数種類ありますが、最もし易いのは毎日の食事時間帯を6~8時間の間に限定して、終日何かを食べ続けないようにすることです。

こうすれば16~18時間は毎日絶食していることになり、身体は備蓄した脂肪を代謝するモードになりやすいです。脂肪を主な燃料として代謝するようになれば、糖分や駄物を食べたくてしょうがない渇望がほぼなくなることにご自分で感心されると思います。

低血糖症、糖尿病、副腎枯渇の異常があったり妊娠(ないし授乳)中なら、血糖とインスリン濃度が正常になるか、赤ちゃんが乳離れするまでは絶食とか時間帯限定の食生活をしないほうがよいです。

絶食を避けるのが最適なその他の部類の人には慢性的ストレス下で生活している人やコルチゾール調節障害がある人です。

間歇的絶食は高強度インターバルトレーニング(HIIT)ともよく相乗効果があります。絶食とエクササイズを組み合わせると、細胞要因や触媒(環状アデノシン3',5'一リン酸及びAMPキナーゼ)の効果を最大限に生かし、脂肪もグリコーゲンも代謝できてエネルギーを作り出すことができます。

運動の疲れに強くなる

Wall Street Journalに最近掲載されたある記事では、午後の倦怠感の問題について運動に焦点を当てていました。私個人的な考えでは、食生活を変え、さらに間歇的絶食を実行すると、運動スケジュールだけを変更するよりはるかに大きな効果が得られると思います。しかし、食生活の変更に伴い、ご紹介するアドバイスの中には有用なものがあると思います。

前記の特集記事には次のように報告されています;

「研究者ら及びフィットネスコーチは、朝か昼、または夕刻運動するかを問わず、自分のルーチンを少し変えると日中の倦怠感から解放される可能性があると言います。

フィットネス専門家の中には、日中こそ運動するのに都合よい時間であるという人がいます。運動すると3~4時間もつ程度の体力増強につながります。夕刻以降の運動を好む人なら就寝の2~3時間前以降の運動を避け、睡眠障害を予防するほうがよいです。

その一方、朝運動する人で7~9時間寝ない人の場合、テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターで臨床栄養学のロナ・サンドン助教授いわく、早く寝るか夕刻運動するように変えるよう勧めます。

日中の倦怠感を予防し、終日体力を保持するなら、適度な運動、つまり目標心拍数の70~80%になる程度の運動をもっと行うことであるとたいていのトレーナーは勧めます。

最適なスケジュールは、週に2~3回の高強度運動を行うとともに、ヨガやウォーキング、ウェートトレーニング等の軽度の運動も混ぜて行うことであると、フィットネス専門家は言います。」

勤務日に運動以外の動作が重要

長時間座業も倦怠感の原因になりえます。さらに、長時間座っていることはそれだけでも本質的にも、日常運動をしていても、慢性病や短命の主な原因であることを説得力ある研究が示しています。

座っていることによる健康への悪影響を打ち消すには、10分ぐらいおきに立ち上がる癖をつけることです。NASAの生命科学部元部長で著作「Sitting Kills, Moving Heals」もある Dr.ジョーン・ヴェルニコスが、こうした悪影響の原因は、座っている限り重力と作用し合っていないことによると、説明しています。

同氏の画期的研究のおかげで、大事なことは毎日座った姿勢から立ち上がるといったような、重力との相互作用回数であることが判明しました。立ち上がるという動作は重力に逆らおうとすることで、これが有益な健康への効果があります。

興味深いことに、 リポプロテインリパーゼは不活発でいる間は大幅に減少し、活動を開始すると増加し、最も効果的な活動は座った姿勢から立ち上がることです。

リポプロテインリパーゼは血流の中で脂肪と結合し、燃料として使用する筋肉まで運びます。従って本質的に、立ち上がるだけでも、身体が脂肪を燃料として代謝するのを積極的に助けているわけです。

私の場合10分おきにコンピュータでタイマーが知らせるように設定してあり、椅子から立ち上がり、4回ジャンプスクワットします。ベルニコス氏が説明するように、スクワットは立ち姿勢の延長です。スクワットして立つと、重力に反する作業からの最大のメリットを受けることができます。10分おきぐらいに動くことで血液が細胞に送る込む酸素が増え、このため倦怠感を防ぐこともできます。

倦怠の明白な原因:睡眠不足

睡眠は当然のことながら無視できません。よく眠れないと、体力が冴えなくなるのはほぼ避けられなくなります。

規則的な運動プログラムを継続するとそのうちよく眠れるようになることがある最近の研究で判明しました。よく寝れば認知力も高まることは多くの研究が実証しました。

別のある研究の結果は、よく寝ると翌日、運動が睡眠に影響するのではなく、運動の成果がよくなることでした。しかし時が経つにつれ、運動は睡眠パターンをよくする傾向があり、これは重篤な睡眠障害に苦しんでいるときでも言えます。

いくつかの睡眠の基本

そうは言っても、睡眠も運動の成果も上がるポジティブな循環を確立するにも有用なことは明らかなようです。よく寝られない人が念頭に置くとよい2つの主なポイントには次のものが挙げられます。その他のヒントについては私の記事、33 Steps to a Good Night's Sleep(夜よく寝るための33段階)をご参照ください。

睡眠の聖域を作る — 娯楽や仕事、趣味関連のアイテムを取り除き、寝室を睡眠のための単一目的の空間にすること。

最も重要な点:寝室は涼しく、暗闇であり、静寂であること。これらの3要因は睡眠に大きく影響します。温度に関しては睡眠のために最適な室温は15.5~20℃とかなり低温であることを研究が示しており、寝室の温度を約20℃以上にしないことです。

照明については、とても微量の光さえ、体内時計と、体内の睡眠と覚醒状態の概日リズムに関わる松果腺のメラトニンおよびセロトニンの分泌を妨害してしまいます。

従って寝室のドアを閉め、夜の光を全てシャットアウトし、最も重要な点として、窓を覆いましょう。ブラックアウトシェードがお勧めです。その代りに、どんな零れ光も遮断できるアイマスクを使用することもできるでしょう。

就寝よりかなり前から機器類をオフにする — 繰り返しになりますが、テレビやコンピュータ、スマートフォンから出る人工的輝きはメラトニンの分泌を阻害することにより就寝時間を過ぎても眠くならなくする刺激となります。私は寝る前遅くとも1時間前までにすべての電子機器をオフにするお勧めします。