Dr. Mercolaより
セロリーはニンジンやパセリーと同類のセリ科であると知れば想像つかないかもしれませんが、根菜の根セロリの仲間でもあることはご想像がつくでしょう。
セロリーはパーティープレートに載せてニンジンやカブとよく合う心地よいさくさくした野菜とよく考えられています。しかし最近の研究からアピウム・グラヴェオレンズとも呼ぶ暗い緑色の茎には小さい種と同じほどの様々な健康への効能があり、茎は95%が水分であるにも関わらずジュースにもよい効能があることが判明しました。
研究からわかったことは、セロリー ジュースは最新のスーパードリンクの一つとしてもてはやされ、The Guardian紙によると2018年10月頃にはケールジュースより売上があたかも15分間で起きたかのように、4倍に急増していました。実際に米国での売上高は近年454%増で、この流行りはイギリスへ飛び火しています。
この現象はグローバルセロリー ジュース運動の発起人と自ら称するアンソニー・ウィリアム氏が元祖で、同氏はセロリージュースを「どんな症状や異常でも癒せるツール」であるとしてマーケティングしたら何とか成功できたからです。ウィリアム氏によるとセロリージュースは朝のうちに胃が空の状態で飲むと最も効能が得られ、他の物と混ぜたりせずに飲み、他の物を食べるのはジュースを飲んでから15分以降にするとよいそうです。
同氏が掲げる効能は「自己免疫性の異常、ニキビ、湿疹、乾癬、偏頭痛、胃液の逆流、依存症、不安、鬱病、倦怠、体重の異常、鼓腸、便秘」と多岐にわたります。
消化管や心臓血管系にセロリーは効能があると科学者らは考えており、種は自然の鎮痛剤として利用されてきました。セロリーに含まれる最も効能がある化合物は、抗がん作用があると考えられるので注目を集め始めたピゲニンという分子です。
アピゲニンはパセリやタイム、カモミール等多くのハーブに含まれるフラボノイドです。それほど意義がある一つの理由はこの物質が脳内のニューロンを強化するからです。実際にある研究がヒト幹細胞を含むペトリ皿にアピゲニンを塗布して25日間培養したところ、幹細胞がニューロンに転換したことを実証しました。
ニューロンを繋ぐシナプシスは「前より強くなり高度化して」おり、アピゲニンが無ければ生じなかった現象でした。そのメリットはニューロンが強くなるといくつかの脳機能がよくなることです。新たな脳細胞を成長させるのに加え、アピゲニンは乳がんを中心に抗がん作用があると考えられてきました。
この化合物は炎症による身体のダメージを軽減するとも考えられてきました。セロリーやその他のアピゲニンを成分に含む食品を食べるとどうなるかをPloS Oneに掲載されたある研究が追跡した結果、炎症があっても免疫のバランスを復元させることがわかりました。その研究はこう説明しています:
「アピゲニンはLPS (lリポ多糖体)誘発炎症応答をマクロファージ内の複数の経路により阻害する。以上の結果から炎症性疾患に治療薬としてアピゲニンを応用する可能性があることを示す重要な科学的根拠が得られた。」
Online Textbook of Bacteriologyによると、リポ多糖体は大腸菌やサルモネラ、赤痢菌その他のグラム陰性病原体の外側細胞膜に関連しています。つまり、アピゲニンは毒素の影響を軽減し、LPS誘発発現を削減することで生体内で効果的抗炎症活性を発揮し、このため免疫バランスを取り戻す」と、オハイオ州立大学のある研究が示しています。
セロリーには健康的な血液凝固のためや動脈石灰化の予防に必要なビタミンKが健康的な程度に含まれており、1カップでこのビタミンの一日推奨栄養摂取量(DRI)の37%を得ることができます。セロリーに含まれるこの次に多い栄養素は重金属の解毒のために必須の微量ミネラル、モリブデンを一日必要量の11%摂れます。以前私は4つの必須酵素の補酵素としてのモリブデンの機序について記事を書いたことがあります:
セロリーにはこの他、ビタミンA、C、葉酸、カリウムがあげられ、抗酸化物質、フェノール酸、フィトステロール、フラボン、フラボノールが豊富な他にも、数種類のあまり知られていない植物栄養素を含みます。
セロリーだけが食べると健康によいのではなく、その種も健康的です。セロリーは簡素な食材であるようですが、降圧を助ける弛緩、拡張作用を生む成分から成る複雑な化合物です。ここで取り上げた記事にはこう説明されています:
「セロリーの種エキスは抗高血圧特性があり、NBP (n-ブチルフタライド) 等の疎水性有効成分の活性に寄与していると考えられ、高血圧の長期治療のために降圧剤として検討する価値がある。」
3nBという物質は脳卒中や血管性認知症等の脳から発生する血管疾患の管理に有用な化合物として認識されています。Journal of Medicinal Foodに掲載された物を含め複数の研究がかつて有効な降圧効果がラットで得られることを示しましたが、その後人体での研究からセロリーの種で実際降圧効果があることが立証されました。
重点事例: 軽度から中度の高血圧参加者30人が6週間一日2回セロリーの種エキスを75 mg処方されたところ、結果は一目瞭然でした:平均血圧基線は収縮期で8.2 mm Hg、拡張期で8.5 mm Hg下がりました。しかし、同じ効果を得ようと思えばセロリーの茎を約22.5 kgまたは530本も食べなければなりません。
ニューロンの生成に関して、アピゲニンはマウスの神経細胞成長と増殖も刺激し、学習能力及び記憶力ともに改善するほか、神経病や障害、神経負傷の治療に有用でもあることをアイルランドのダブリン市バイオテクノロジー専門校で実施されたある研究が示しました。
セロリーにはアピゲニンの他にも、フラボノイドのルテオリンが含まれており、これは抗がん作用があります。その研究の筆者らが説明するところによると、このことはルテオリンが存在することでがん細胞が治療薬に対して弱くなるからだそうです。アピゲニンは膵臓がん細胞の4系列で増殖を阻害することも明らかにされました。
さらに、2017年に研究者らはルテオリンは女性におけるトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の転移リスクを削減する効果もあると考えられることを発見しました。サルマン・ハイダー教授(腫瘍血管新生・生体医科学、獣医学大学・ダルトン心臓血管研究所)は細胞をペトリ皿で試験し、こう説明します:
「トリプルネガティブ乳がんは現在の化学療法の標的である3つの受容体が欠如したがん細胞です。これらの受容体が欠落しているので、よく使われる抗がん剤が細胞を「見つけられない」ので、医者はがんを極めて侵撃的で毒性が高い処置戦略で処置せざるを得ません。
この種の乳がんに罹った女性は薬剤耐性細胞に起因する転移病変も頻繁に併発し、(これらの細胞は)体内で活発に動き回り、全身の器官に転移しやすくします。ルテオリンがこの移行を阻害し、ガン細胞も殺すことを特定しました。」
その他の効能はセロリーの効果に関する歴史的文献からわかります。科学者らはその用途についてはさらに裏付けが必要であるとは言いますが、セロリーの成分は神経系統を鎮静し、痛みを緩和し、関節炎、痛風、 水分保持、筋肉のけいれん、風邪やインフルエンザ等いくつもの病気を治せると考えられます。
セロリーはしゃきっとしてかすかな風味もあるほか、繊維質が多いので昔からとてもよいスナックとして知られてきました。Live Scienceは次のように肯定しています:
繊維質は消化によいことでよく知られています。排便を規則的に維持できるようになので、便秘が減り、腸を健康に保ち、体重維持を助けます。1カップのセロリーで一日の繊維質必要量の約6%が得られます。セロリーの抗酸化物質は胃壁を改善し、胃潰瘍リスクを低下させる可能性があることをある近年の研究が示唆しています。
セロリーを食べるときいくつかのことにご注意ください。まず、セロリーは生で食べれる健康的スナックないし食品ですが、その調理法が栄養素の属性に影響します。セロリを茹でたり湯通しすると抗酸化物質の38%~41%は失われ、これではかなりの損失になるわけですが、一方、10分ほど蒸かすと抗酸化性栄養素の83%~99%は残ります。
Medical News Todayによると、セロリーは重篤なアレルギー反応を起こしうる食品群に含まれ、こうした反応が起きると全身性アレルギーショックという潜在的に致命的状態にもなりうること、また、「セロリーアレルギーの人はよく注意し、食品のラベル表記をよく読み、セロリーが微量でも混じっていると反応が起きる可能性があります」と、注意を促しています。
どんな自然食品も食べすぎたり、一度に全部食すれば有毒な要素はあるもので、セロリーはその一つです。実際にセロリーは甲状腺腫を引き起こす可能性があり、このため首に腫れが生じ、呼吸障害や甲状腺機能低下症にもなるおそれがあります。
「セロリーは特に生で食べる場合、極度に多く食べると甲状腺腫誘発物質として作用する場合があります。生のセロリーを大量に食べると甲状腺でのヨウ素の機序に干渉する場合があるからです」という説明がSF Gateに掲載されていました。
さらに、多くの植物には人体の紫外線への感度が増す可能性があるプソラレンという天然化合物を含んでおり、セロリー ジュースが皮膚に垂れ落ちてから12~36時間以内に陽に当たると皮膚に反応や発赤が生じる可能性があります。
2000年に公表されたベロア大学医療センター論文集に実際に、発赤や色素沈着過剰が焼けつくような漢字を起こして3~5日続く可能性があるという記載があります。
さらに一点:農薬は巨大産業になりましたが、残念ながら、農薬の中でもグリフォサートのような物質は世界中でほぼ2,267,961.85トンが農場に散布されており、このうち米国にはの136,077.71トンがばらまかれています。有機リン酸(OP)という部類の農薬も注意障害や記憶障害、自閉症、低知能等の脳を破壊する健康リスク要因です。
不幸なことに、セロリーは環境作業部会による最も残留農薬が多い最悪の汚れた十二品目リストに挙がる果物・野菜類で10位です。有害な農薬を使用する従来式農法で栽培され地元のスーパーで販売されている産物より有機食品を常に優先しましょう。
有機セロリーが入手できなかったり、単によくわからない場合、食べる前に皮を剥くとしても果物や野菜をよく洗うことです。有機的に自分でセロリーを育てるのが最適です。
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