毎日の昼寝で血圧が下がるでしょうか?

昼寝で血圧が下がる可能性がある

早分かり -

  • 昼寝するとお酒を飲む量が減ったり、降圧剤の用量を下げるなどのライフスタイルの変化と同様に、血圧を下げる効果があると思われます
  • 昼寝した人は24時間平均最高血圧が5.3 mm Hg昼寝しなかった人より下がり、最高最低血圧ともに昼寝する人は昼寝しない人より低いことがわかりました
  • 昼寝一時間ごとに24時間最高血圧が3 mm Hg下がりました
  • 一酸化窒素(NO)レベルを特定のエクササイズや食生活で改善すると、血管が解れるので血圧を下げるために自分でできる最も効果がある対策です
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Dr. Mercolaより

ギリシアのヴォウラにあるアスクレピエイオン総合病院の研究者によると、昼寝を少々するのは血圧を安上がりで下げる方法であると考えられます。

全米心臓学学会第68回年次科学研究会議で発表されたその研究は、昼寝がアルコール摂取を減らしたり、降圧剤用量を下げるなどのライフスタイルの変化と同様に血圧を下げる効果があると思われることを示しました。

睡眠障害の人か、通常よく夜眠れる人かによって結果が異なるのか明らかではありませんが、昼寝は高品質な睡眠ができない人には特に有用であると考えられます。

世界で11億3千万人、米国成人の3人に1人が高血圧に罹っています。(米国では)さらに3人に1人が前期高血圧ですが、多くの人はこの「忍び寄る殺し屋」により健康リスクに晒されていることに気づいていません。

幸いにも、昼寝の他、 後半で説明する一酸化窒素濃度の改善等降圧のために強力な戦略が存在します。 しかしまずは、昼寝を毎日すると高血圧が下がる人も中には確かにいるようです。

昼寝で血圧が下がる可能性がある

その研究は高血圧の200人以上について血圧、昼寝時間、ライフスタイル週間や動脈の硬さの尺度である脈拍波速度を監視しました。

昼寝した人は、24時間平均最高血圧が昼寝しなかった人より5.3 mm Hg下がり、最高最低血圧ともに昼寝する人は昼寝しない人より低いことがわかりました。昼寝一時間ごとに24時間最高血圧が3 mm Hg下がる傾向にありました。

「確かに日中一時間いっぱい寝ることをお勧めするわけではありませんが、短時間の昼寝をすることができるために罪悪感を持つ必要はなく、むしろ健康メリットがあると考えられます」と、全米心臓学学会(ACC)でDr. マノリス・カリストラトスが発表しました。「両方のグループに同数の薬を投与し、血圧をよく管理した場合でも、 日中寝る人の血圧はさらに下がっていました。」

その研究は対象者の血圧をよく管理したので、昼寝のメリットについての優れる説明であると考えられます。管理されていない高血圧の人は処置すると大幅に降圧したようですが、管理された群を使った場合、「血圧が下がったのは昼寝によるものであると自信をもって考えられる」と、カリストラトス氏が言っています。

その研究は睡眠中の自然な血圧降下も追跡した結果、自然な降圧は参加者に共通なことが判明しました。この事実は研究で注目されている降圧が昼寝を挟むことによるものであると考えられることを示しています。カリストラトス氏がACCで次のように語りました:

「これらの事実は血圧が2 mm Hgだけでも下がると、心臓発作等の心臓血管異常リスクが最大10%下がるので、重要です。研究結果に基づくと、日中に昼寝する贅沢を享受できる限り、高血圧にもメリットがあると考えられます。昼寝は容易に始められ、通常費用が発生しません。」

昼寝で機能、思考、記憶力がよくなる可能性がある

血圧が下がるほか、昼寝には、睡眠時間が短く頻繁に夜間目が覚める傾向にある60歳以上の人にとって、その他の健康メリットがあります。全体としてみれば高齢者は若者より平均二時間睡眠時間が短いです。

高齢者はそれほど睡眠が必要ではないと以前考えられていましたが、今では、ほとんどの人は毎晩7~8時間寝ることで元気でいられることができるものと考えられます。研究者が50~88歳の男性に昼寝で管理するようにしたら、昼寝は24時間通算での睡眠時間が大幅に増える傾向にあるので有用であり、認知力がよくなることが判明しました。

さらに、昼寝 — 一日に二時間まででさえ — はその男性参加者の夜間睡眠に悪影響がなく、研究者は、昼寝一時間はほとんどの人が容易に費やせる時間であることを示しました。昼寝は記憶の定着及び学習を推進し、感情的処理を支持することも判明しました。

昼寝は必ずしも常によいこととは限らない

逆説的ですが、昼寝すると高血圧や次のような異常のリスクが高齢者を中心に増えることさえ含む悪影響と関連することを示す研究も中にはあります:

微小血管異常

うつ病

糖尿病

骨粗鬆症

機能制約

一般的な罹患率増加

死亡率増大

認知力低下

昼寝がこうした健康の問題の直接原因であるとは考えられない一方、関連性はあるので、昼寝でメリットを受けられる人、そうでない人、その理由についてさらに研究が必要です。Sleep Medicineで「最近の仮設が炎症は昼寝と健康の異常を媒介していることを示しているが、さらに研究を擁する」と、研究者が書いています。

昼寝時間もかなり違いを生むと考えられることも示されており、 30分までしか寝ないと覚醒状態が冴え、実績や学習力が伸び、長く寝る人は高齢者の死亡率増大を含む健康の問題に関連するようです。

「昼寝のメリットは短時間のうたた寝で目が冴えるように心身を鍛えることで最適に得られると考えられます」と、研究者らはCurrent Opinion in Pulmonary Medicine誌で説明しています。

血圧を下げる最も効果的な方法

昼寝が結局よいのか悪いのかについてまだ審判できる段階ではありませんが、一酸化窒素(NO)レベルをよくすると血管が解れるので血圧を下げるために行える最も効果的な方法であることは明らかです。

NOは血管内壁(内皮)に貯蔵されている溶解性ガスです。NOはアミノ酸のLアルギニンをもとに内皮細胞内で生産され、全身の重要な信号伝達分子として機能します。

NOは健康的な内皮機能や心臓の健康を増進するのに伴い、静脈や動脈を拡張し易くして血流をさらさらにします。このため生命維持に欠かせない酸素と栄養分が全身を自由に流れる - 循環及び脳の健康に有益 - ようになります。

NOは免疫機能もよくするほか、血液を希釈するのを促し、血液の粘度を下げ、このため血小板凝結が減り — 究極的には生命に危険な血栓発生リスクが削減されます。

一酸化窒素ダンプ等の自重系の筋トレがNO生産を促します。たった4つの動き — スクワット、腕の左右交互上げ、飛躍しないでする背伸び、ショルダープレス — を10回ずつ反復するのを各4セットするだけです。

エクササイズに3~4分しか要さず、一日に3回反復し、各回の間に少なくとも2時間置きます…下記にご参照いただけるようなDr. ザック・ブッシュ開発の方法を私は通常行っています。この他、血圧レベルを健康的に維持するには、包括的エクササイズプログラムも必須です。

不活発な人は活発な人より高血圧リスクが30~50%高いことを研究が裏付けています。「アメリカン・カレッジ・オブ・スポーツ・メディスンが行った証拠をベースとした文献の分析が、孤立的なエクササイズ (急激な効果)で血圧が平均5~7mmHg下がることを示し」ています。

食生活で血圧を下げる

緑葉野菜やビートは高血圧の方に重要な食材で、これらは体内でNOに転換される天然硝酸塩が豊富だからです。ビートは糖質が多いので、発酵ビートジュースあるいはビートクヴァスはこれよりずっと優先すべき食材で、その糖分の大部分は発酵中に無くなるからです。

私の場合発酵ビートの根の粉サプリメントに加えて、生ビートをだいたい28~56g毎日飲むスムージーによく混ぜます。ニンニクは硝酸塩は少ないですが、一酸化窒素合成(NOS)を増加することでLアルギニンをビタミンB2やB3等の共通因子の存在下においてNOに変換するから、NO生産を増やします。

ウイキョウの種は体内のNO生産を増やすもう一つの健康食材です。カリウムも体内で動脈壁を弛緩させる働きがあり、筋肉のけいれんを防止し、降圧効果があります。29件の検査結果についてのある分析が、カリウム不足で最高血圧が上がることを示しました。緑葉野菜やアボカドはカリウムが豊富な食材の例です。

しかし、より広い視野で見ると、高血圧は炭水化物が多く、加工食品が多い食生活への反応としてのインスリンやレプチンの過剰の結果であることが多いです。周期的な低炭水化物、高脂肪のケトン食を摂ると主燃料としてグルコースではなく、身体が脂肪を燃やすようになるので、解決策になります。絶食はケトン食に自然に平行して行えることであり、インスリン/レプチン感度を正常にするために最も効果的な方法です。

ある3か月行われた研究で参加者は好きな物を好きなだけ午前10時から午後6時まで食べてもよく、残りの16時間は水かカロリー0ドリンクのみ飲むことにしました。

その結果を前の絶食試験に参加した管理しない対照群と比較しました。全体として、参加者は一日のカロリーが350カロリー減っただけではなく、体重が3%弱減り、血圧も7mmHg落ちました。

健康的なライフスタイルは最適な血圧のための秘訣

血圧はライフスタイルから影響を受ける生体機能の一つであり、健康的な生活をすれば血圧を最適範囲にとどめることができます。睡眠はこの方程式の一部を成すことは明白であり、人によっては、昼寝すると睡眠時間が増え、全体的な健康メリットがあります。

睡眠の質と通常の薬剤が効かない抵抗性高血圧という高血圧の一種の間の密接な関係は以前から判明しています。

抵抗性高血圧の女性は睡眠品質が5倍悪い傾向にあることがわかりました。この研究での平均睡眠時間は一晩に6.4時間(ほぼ半数は毎晩6時間も寝ていなかった)であった一方、高血圧リスクに影響すると見られるのは睡眠量ではなく睡眠の質でした。

従って、健康的な血圧のためには夜質のよい睡眠を取ることは欠かせませんが、正しく食べることや運動、ストレス対策、さらに大気汚染等の環境毒素を避けることも重要です。さらに詳細については、高血圧を正常にするためのこちらの情報をご参照ください。