潜在意識がいかに健康のためになり人生を変えうるるか

(英語でのみ利用可能)
催眠術師と患者

早分かり -

  • ほとんどの薬はα脳波を発生させます。催眠術はθ波を発生させ、これは他の脳波よりさらに遅く、極めて暗示にかかりやすい状態になる状態です
  • 催眠術と自己催眠術は健康的ライフスタイル戦略を実行できなくしていると考えられる障壁を克服しやすくするとても有用な手段です
  • 潜在意識は心理的にも肉体的にもほぼすべての要素に影響を与えており、催眠術を利用するとほとんどの健康上の問題に対処できる治療の賦活手段になりえると考えられます。催眠術でT細胞数が増え、出血を減らし、がん細胞の転移に対抗することができます
  • 催眠術を癒しのための手段として検討するなら米国臨床催眠術学会で先端トレーニングを受けた認定専門職をお探しください
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Dr. Mercolaより

今回のインタビューで、心理学者であり「Your Subconscious Brain Can Change Your Life: Overcome Obstacles, Heal Your Body, and Reach Any Goal with a Revolutionary Technique」(潜在意識脳が人生を変える:障碍の克服、肉体の癒し、画期的テクニックでどんな目標も実現)の著者マイク・ダウ氏が先端催眠術によって、いかに潜在意識まで掘り下げると心(マインド)、肉体、魂の癒しになりうるかについてご説明頂きました。

ダウ氏によると「ほとんの薬はアルファです。催眠術は他の脳波よりさらに遅いθ波を発生させます。」同氏は自分の催眠術初体験のことを「深い、すばらしいトランス、ほとんど夢のようなものだった」と言います。

「その状態は魔法にかかったようで、リラックスして素晴らしいものだったたと言えます。自分が寝付く頃になると脳が肉体の制御を止めるに従いこうしたうずきみたいな感覚がしたものです。至高のリラックス状態を感じました。その瞬間、私は改心しました。

催眠術はとても多くのことを自然に癒す力があることがわかりました、その瞬間自分が聞いていたことや受け入れていたこと、さらに、自分の心の中へ、自分の心身に入るのを認めていたあらゆることもわかったからです。それが自分の体験でした。その瞬間、この体験についての本を書こうと思いました。」

臨床催眠術と素人の催眠術の違い

催眠術を癒しの手段として見る場合、適切な研修を受けた人を見つけることです。認定心理療法士のダウ氏は先端トレーニングを米国臨床催眠術学会(ASCH)で受けました。この団体は有資格のヘルスケア専門家のみ受け入れており、臨床催眠術科学を教えます。臨床催眠術は素人に催眠術を教える催眠術学校とは別物です。

健康や癒しの障壁を取り除く

ダウ氏によると、催眠術は健康的ライフスタイル戦略を実行できなくしていると考えられる障壁を克服しやすくするとても有用な手段です。欧米のヘルスケアシステムは私たちの無意識下で症状を意識させるように誘導していると言えます。

「欧米のヘルスケアシステムは本当は私たちの信心を自分のどこが悪いかを監視させるように仕向けています」と、同氏は言います。例えば、薬のテレビコマーシャルを見ているなら、自分に症状があるかと考え始まるでしょう。これと同様に、医者はあなたがいかに健康かを概して問わず、問題を挙げ連ねさせます。

「潜在意識はある意味でその逆をつきます。潜在意識は最も自分がリラックスした状態になれる体内の場所を常時探しています」と、ダウ氏は言います。「次にそのフィーリングをつかみ、全体におしなべて広げていきます。これは一種のウェルネスモデルであり、自分にはとても重宝しており、人は少なくともこうしたリラックスできる日をもっと必要としていると思います。」

無意識の心(マインド)と肉体の間の深い連携

元々認知行動療法(CBT)の専門教育を受けたダウ氏ですが、今やほとんどのセラピーで催眠術を取り入れています。しかも、CBTは症例の70%で成功する確率がある一方、催眠術を加えると効果が抜群に上がります。

ダウ氏は、近年行ったある脳スキャン研究で催眠術によって前頭前野と島のつながりが深まることを発見し、同氏らはこの連携により潜在意識が肉体制御を担うものと考える、と言います。例えば、複数の研究は偽薬効果 — 本質的に潜在意識のプロセス — が処方薬より過敏性腸症候群(IBS)をよく治せることを実証しました。

「今や、突如として、潜在意識がほぼあらゆることに影響しうるので、これは精神衛生や心理的側面ばかりではなく、統合的治療モデルにおけるあらゆることに影響します。線維筋痛から慢性疲労症候群までとても多くの異常に効果があります。

催眠術はT細胞の数を増やします。がん生存者の免疫系T細胞を増加させるなら、潜在意識脳はすばらしい治療戦略です。」と同氏は言います。「この事実は血液検査で計測できます。

人がこのことを聞けば本当にエビデンスに基づいたことなのだと思います。従って、これならだいじょうぶ、悪性細胞を攻撃している免疫系を視覚化しましょうと、言うことができます。この方法が実際に効果があることを確認済みです。実際に計測することができました。研究で実証されたもので、人がこのことを知れば本当に興奮させるものだと思っています。」

脳波と暗示にかかった状態

脳波は速いものから遅いものの順に列挙すると次のようになります:

  • γ — 「閃き!」の瞬間。洞察の瞬間
  • β — 普通の覚醒状態、鋭敏な意識、例えば仕事に集中しているときや、論理的な思考の最中、あるいは何かを心配している状態
  • α — 深いリラグゼーション、瞑想的意識
  • θ — 夢を見ているとき(急速眼球運動(REM、レム))
  • δ — 深い眠り

催眠術、自己催眠術、意識的視覚化テクニックを利用すると、βとθの間、つまり起きているでもない寝ているでもない状態ですが、自分が今何をしているかを意識し気づいている状態です。

ダウ氏独自のEEG(脳波計)スキャンから同氏の脳内は大部分がθ 脳波であることがわかり、例外は、後頭葉の後部だけはβ 脳波があったことで、これは脳が何かを見ていると思っていることを意味します。

「θは実にすばらしい脳波です。この脳波は脳内の削除と編集ボタンがよく機能するようになるので、何にでも効く脳波です」と、ダウ氏は言います。

「ある事があったその日のうちにまたは10年前にあった自分の気に食わないことを思い出すとき、そのファイルを削除または編集したいときまたは、物事を再構成し別の見方で見直したいとき、自分が正しく行ったことをすべて強調したいとき、突如として、この脳波が再構成するのに有用です。

θ脳波は本当にそのためによく機能します。θは脳が記憶にアクセスするのを助けることにも、とてもよい機能を果たします。意識しているβやαの状態で覚醒している間はアクセスできない記憶が見つかります。これはたいていの人にとって一種の魔法のような脳波です。」

覚醒により誘発する明晰夢(WILD)

この催眠状態はときとして覚醒により誘発する明晰夢(WILD(ワイルド))とも呼ばれることがあります。これは寝付く直前の瞬間に似た、とても印象を受けやすいθ状態にそっくりです。

「私はあるテクニックを患者に施します - 夢を見ているかのように想像させます。時としては患者に夢を見ている最中だと言います。患者の目の前に白紙のキャンバスがあるように想像させます。この白紙のキャンバスは患者が見たいと望む夢が映るので、患者が夢の中に入り、この意識状態だけが患者の持つ意識になります。

人は潜在意識によって脳が活性化した状態では、肉体がないように感じるとよく言います。時空の感覚がなくなるのです。ちょうど夢見の最中に肉体を意識しないし、夢見の最中どこに自分がいるかに気づかないのと似ています。」

催眠術で出血の速ささせ変えることができます。ダウ氏は催眠術の間に患者に出血が減ると言うある研究を引用して言います。対照群はこの暗示を受けませんでした。各自の出血を測定したら、催眠術グループは本当に出血が減りました。

潜在意識の暗示に従う率を高める

健康になり健康でいるにはフォローアップが必要で、これには食生活の変化や運動の増加あるいは睡眠の増加が挙げられます。実行できないほど困難なライフスタイル戦略は実際にほとんどありませんが、それを継続することがいくつもの理由で課題になります。

生活の変化には新たな習慣を確立できるまで、はじめのうち少々規律に従うことが必要です。こんなとき、自己催眠術は本当に価値ある手段です。ダウ氏はその本の中で同氏の言う潜在意識的視覚化テクニックの要領を説明しています。さらに、いくつかの見本原稿のテキストファイルやオーディオファイルも用意されており、自己催眠術を利用して変更することができます。

「私は最初はオーディオトラックを聞くようにお勧めしています。このテクニックをうまく使えるようになってから、自分に合うように修正するとよいです。私はいつも自分専用の原稿を利用していますが、いつも編集します。」

以下にその骨子をリストアプします:

まず、悲観的考え、壊滅的考え、最悪の状況の想いとか両極端に分化した考え等の意識的発想パターンを思い浮かべます。ダウ氏は、意識的発想をしやすくする7つの落とし穴の発想パターンを説明してくれました。

「意識した覚醒的生活を一貫して知りたいことは『この周期の原因になっている意識的脳がしていることは何か?』です。私が処置する多くの人は、分析の発想パターンによりマイナスのマヒ状態にはまると、壊れたレコードのようだと言います。

そのマイナスの発想が止められなくなるのです。意識的脳は単にこうした発想を幾度も繰り返すのみです。そのことで実に速いβ脳波を湧かせ、そこから抜け出れなくなります。従って、最初のステップは意識的脳において何を変えようとしているかをはっきりさせることです」と、ダウ氏は説明します。

次に、ダウ氏の言う「3-12-7テクニック」を使ってまずよく心する姿勢の瞑想から始め、潜在意識を活性化させます。まず、3つの聞こえる音に注意します。次に、二色に注目します ― 一つは目を閉じたときに目ぶたの裏の色、もう一つは息を吸い込むとき頭頂部にあると思い浮かぶ色。

次に息を吐くとき、目が下に向くようにすると、普通なら軽いトランス状態になります。次に、自分の息遣いに集中し、12段を降りていくことを想像し、一段毎にリラックスしていくようにします。「この段の最後になるにつれて、潜在意識脳が本当に活性化されます」と、ダウ氏は言います。

次に、7つ数えつつ自分が浮き上がるのを思い浮かべると、体が暖かく、軽く感じるようになります。「7つまで数えるうちに、本当に、実際の深い無意識的活性化状態になっています」と、ダウ氏は言います。

ステップ3:自分で選んだ記憶の中へ浮かんで戻っていきます。潜在意識脳が活性化したら、記憶が現実のように感じられるようになっていきます。この時点で、再度想像してその記憶を編集します。この時点では、ダウ氏は2方向の刺激を取り入れており、ここでは、両目をREM睡眠のときと同様に、左右に行ったり来たりさせます。

次に、時間の中を前へ浮かんで現在に戻るのをイメージします。今日の自分を見ると、変わったことに気づきます。

次に、未来へ浮かんで進み、自分ができるようになりたいこと - 何でもいい - が見えている状態をイメージします。これは恐怖症でも、ある食生活を徹底するでも、ジムへ通うのでもよいです。自分ができるようになりたい活動を自分がしている姿をイメージします。ダウ氏によると、潜在意識が脳の特定の部位を結びつけ、別の部位は切り離れるるとき、ものごとが楽に起きるかのごとく感じられることを研究が実証しました。

まず最初に、潜在意識と意識する心に橋を掛けます。ダウ氏がこのプロセスを説明してくれました:

「体に触るポイントを私が指示します。利き手の人差し指に小さいボタンをあげますと、意識的生活の中で今日ここで見つけていただいたことを思い出す手がかりが必要な時、そのボタンを押すと、プラスの記憶の一部、つまりイマージュが蘇り戻ってきます。」

催眠術に関する神話と誤解

多くの人は人格的転換が起こり得るこうした状態に入れるほど自分が暗示にかかりにくいと思っていますが、ダウ氏によると、これは単に間違っています。「自分のテクニックで催眠術が効かない人にまだ出会ったことがありません」と、ダウ氏は言います。もう一つの神話は自分が催眠術にかかる人間かかからない人間かのいずれかであるということです。しかし現実はこれほど白黒はっきりしたものではありません。

「これがスキルの一種であることを銘記してください」とダウ氏は言います。「使うに連れてうまくなっていきます。深くなっていきます。使うたびに効果が強くなり、私のプログラムを週に二三回ご利用になることをお勧めします。」

もう一つよくある誤解は、意識がはっきりしているときなら普通自分ならしないようなことをするように誘導されるあるいは動機づけられるかもしれないという恐れです。