Dr. Mercolaより
喘息、花粉症、湿疹、食品アレルギー、ループス(狼瘡)、多発性硬化症、その他免疫媒介性疾患は増加の一途にあります。
数件の推計によると過去数十年の間にアレルギーや免疫系疾患は二倍または三倍、あるいは四倍にさえ増加しており、いくつかの研究は米国人口の半数以上が少なくとも一つの臨床的に診断しうるアレルギーを持っていることを示しています。
人の免疫系は本来無害なはずの物質に警戒すべき速さで過剰に反応するようになっており、アレルギーを発生させています。免疫系が機能障害を起こし、自分の体の部位を攻撃しています – これこそ正しく自己免疫疾患の定義です。
免疫系に対してこれほどの困難を引き起こしているものはありえない原因のように思えますが、実際にこれは筋の通る原因によるものなのです。
New York Timesでジェフ・リーチ氏が私たちの生活からたいてい失われたものの類似性として簡素な農産品市場の事例を取り上げています。一言で言うと:泥。昔、レタスやニンジンは様々な微生物が豊富におり、誰もそれが問題だと思いませんでした。
今日、食品の大部分は滅菌され、放射線処理や無菌処理され - 善玉菌も含む - 細菌が生き残れないほど処理されています。
食中毒が発生すると責めは、国家機関に食品供給をもっと清潔にすべきとして向けられますが、看過されていることは、人間の免疫系が普通の細菌との接触から保護できなくなったのはなぜかということです。
リーチ氏はこう説明しています:
「過去数十年間にアレルギー性及び自己免疫性障害が急激に増加したことの少なくとも一部は、昔は食品や私たち自身に着いていた微生物と接触しなくなったことによるものであることを示すエビデンスが増加の一途にある。
自然のくれた毛布として、かつて工業化以前の時代には生活のあらゆる側面を覆っていた泥の中にいた潜在的に病原となる無害な微生物が、「清浄な」バックグラウンド濃度で生きて、人間の身体が異物に過剰反応しないようにさせていたその時代ならではの、共存進化的プロセスが確実に存在していた。
手の消毒液や滅菌ワイプ(痩せこけた大豆製バニララッテのダブルトールは言わずもがな当然のこと)が普及したこの世界において、有用な微生物が毎日何兆個も体内に入ってこざるを得なかった工業化以前のライフスタイルをほとんど想像することはできなくなった。
人類史のほぼ全時期、このことは産道を通過するうちに - 母から子へ - 善玉菌が母体から移転することで始まっていた。しかし、帝王切開術が警戒すべきほど増大した今、世代間の微生物叢移転がほぼなくなったことを意味する。
工業化した世界にいる私たちのほとんどにとって、微生物除去は生涯継続している。
自然の泥のフロアはタイルに置き換わり、昔は土が着いたり煤が着いていた身体や衣服はほぼ毎日きれいにされている。泥っぽい水はろ過され、浄化される。腐りやすい及び発酵した食品は冷凍される。さらに牛舎は整然と外から見えないように整備された。こうした衛生や衛生設備の改善は称賛すべきではあるが、これが元で真にマンメードの一連の病気が発生するに至った。」
衛生仮説 – 泥やばい菌に早くから暴露されると、免疫系は脅威を正しく検出し、防御するようにプログラムされるという理論は – ゆっくりとではあるが、過去十年の間に着実に支持されてきました。この理論によると、健康であれば、細菌やウィルスへの暴露は「自然なワクチン」として機能し、免疫系を強化し、長期的な病気に対する免疫力が得られます。
実生活から隔離された無菌バブルの中で生活するように人は作られていません。人体は屋外で過ごしたり、泥の中で遊んだり、活発でいるようにできています - しかも汚れたり、また、潜在的に感染物に直面し、これから持続的免疫を作るようにできています。
このことは当たり前の事のように聞こえますが、今日の偏執的滅菌とカッコよさを売るマーケティングの世界にあっては、多くの人は泥を最大の敵であり、何としてでも壊滅すべきものと見なすように洗脳されています。生活のあらゆる領域に抗菌液が置かれ、カウンターを拭き取らなかったり、抗菌石鹸で手をよく洗わない限り、過度に消費されている抗生物質を飲むような生活になりました。
また、食事も食品 - 及び自分自身 - を健康にする自然な最近がおそらくほとんど除去され、現在消費されているものの大部分は高度に加工され、洗練及び無菌されています。こうした細菌やウィルスの偏執的な回避には高い代償が伴っており、それは以下のようないくつもの関連する病気が増大していることです:
神経科学者のチャールズ・レーゾン氏が次のように説明しています:
「古代から軽微な微生物は、時に『古き友人』と呼ばれることもあるが、免疫系が他の無害な微生物をいかに寛容するかについて教えたものであり、この過程において、がんをはじめうつ病に至るまで大部分の現代病の蔓延に関連づけられてきた炎症応答を軽減します。」
ごく簡単に言うと、身体が「清潔すぎる」と、身体が炎症を起こさずに済むようにし、本来の脅威が発生したとき適切に応答するために必要な細菌に自分で暴露しないようにしています。答えは「汚い」食品を食べるべきではないが、健全な土壌で育ち、善玉菌を含む食品こそ想像以上に重要なのです。
誕生後最初の20日間での腸内細菌叢の確立状況は、赤ちゃんの免疫系の適正な成熟のために決定的な役割を演じています。腸内細菌が正常に形成されずにいる赤ちゃんは免疫系が弱いままで、通常はワクチンで処置しますが、これが災いを招く場合があります。ワクチン接種は本来免疫系が正常な子供のために開発されたものですが、Dr.ナターシャ・キャンベルマクブライド氏によると、腸内細菌のバランスが崩れた子供は標準的ワクチン処置ではワクチンに対応できる体の状態ではありません。
その結果、自閉症や学習障害、神経障害、精神障害、免疫障害、消化異常の子供が益々増加し続け、これらはすべて幼い時期に適正な細菌に暴露されていなかったことによるものです。
出産適齢期の女性の多くは善玉菌が欠乏しており、この欠乏が子供に移転し、いくつもの問題につながります。その解決は簡単です:プロバイオティクスが豊富な食生活で腸内細菌を養うこと。善玉菌の抜群な摂取源である発酵食品の例を以下に挙げます:
これらの発酵食品を日常的に食べると身体の善玉菌を「植え直す」ことができ、善玉菌は抗生物質、塩素処理水、抗菌石鹸、ストレスによる代謝副産物、貧疎な食生活特に砂糖の消費により常に攻撃を受けています。砂糖を食べると実際に悪玉菌や病原菌酵母及び真菌が腸内で増えます。つまり、庭の花の世話をするのと同様、腸内細菌の世話は日常継続して行うべきことです。
日常的に伝統的な発酵食品を消費しない場合、高品質のプロバイオティクスサプリメントは私がお勧めする数少ないもののひとつです – 私の栄養計画で説明しているもののような健康的食事を食べることで得られる成果の一つは、腸内の善玉菌に自然に繁栄するように刺激を与えることです。
多くの人が「古い友人」と呼ぶいくつかの永遠に文明の一部を成してきた善玉菌と慣れ親しむなら今です。子供の免疫系の将来は親で決まるので、このことは自分だけではなく、子供にも大切なことです。次のことにより子供の免疫力が自然な抵抗力を養うことができるようにできます:
リーチ氏の見解を私も支持するので最後のアドバイスとして言わせていただくと、同氏の指摘通り、地元の農産物市場に単に行くだけでももっと気さくな触れ合いの機会が得られます:
「透き通るほどクリーンな食品や手の滅菌剤に代表されるような「脱現代」時代にますます突き進むにつれ、むしろ地元の農産物市場にもう少しは触れるべきでしょう。そこだけが忘れるのがもったいないような「古い友人」との絆を持てる場所のようです。」
以下の参照先情報は、医療専門誌や法律専門誌その他の専門誌を含む公開フォーラムで議論されているワクチンの科学、政策、法規や倫理関連の健康トピックを巡る意見や見解をご紹介しています。
読者は国家ワクチン政策勧告の策定を担当する連邦機関の見解参照先として米国の保健社会福祉省(DHHS)、ワクチンの安全性及び効果に関する規制情報については疾病管理予防センター(CDC)、ワクチンの使用に関する研究については食品医薬品局(FDA)、新ワクチン開発に関する情報については国立衛生研究所の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のウェブサイトをご参照ください。
世界保健機関は「ワクチンを受けたがらない姿勢」が世界の公衆衛生への十大脅威の一つであるという声明を出しました。
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