Dr. Mercolaより
記憶障害は欧米人には共通する普通のことで、多くの人が不可避の事実としてあきらめています。認知症の重篤な形態であるアルツハイマー病が今では540万人のアメリカ人に発生しています。アルツハイマー病はじょじょに悪化して悪化が進行し続ける壊滅的な病気です。
最初は軽い記憶障害で始まりますがこの病気が悪化するに従い、会話ができなくなったり外界に応答できなくなります。予測によると今後20年以内にアルツハイマー病はアメリカ人の4人に1人に発生する見込みで、現在の蔓延した肥満や糖尿病と並ぶかっこうになります!
しかし記憶障害は—重度に関わらず—「正常な」老化では全くなく、「高齢者によく起きること」やより重篤な認知症への回答は一つです。これらの異常はライフスタイルが原因であり、全体としては、完全に予防できるわけではなくても、健康的な食生活とライフスタイルにより予防は可能です。
その研究は、ビタミンE(アルファトコフェロール)とアルツハイマー病の薬メマンチンの効能を比較して軽度から中度のアルツハイマー病の進行を遅くするためにどちらが効果的かをアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を摂っている患者について評価しました。
アルツハイマー病は脳内神経伝達物質アセチルコリンの不足によるものです。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬はアルツハイマー病の対症薬としてよく利用されています。
軽度から中程度のアルツハイマー病と診断された患者561人をこの無作為二重盲検プラセボ対照試験で評価しました。参加者を次の投与内容別に4つのグループに分けました:
その後2年以上フォローアップしました。その結果、アルツハイマー病の進行はプラセボよりビタミンEを飲んだグループでは一年で19%遅くなりました。(この遅延率とは二年のフォローアップ中に6か月ちょっと進行が遅れたことを意味します。)
この研究がナメンダブランドで売られているメマンチンが軽度から中度のアルツハイマー病に効かないことが証明されたことは初めてではありませんでした。この薬は中度から重度の症例を対象に認可されたものですが、医者は軽度のアルツハイマー病症例に指定外でよく使用しています。軽度認知障害(MCI)というアルツハイマー病の前哨症状についてこの薬は指定外なのに頻繁に使用されてきました。
1922年に発見されて以来どの種のビタミンEが最適かについては大いに議論されてきました。これはマスコミや医者がこうした新研究に反応するときに患者には伝えることがほぼないような情報です。「ビタミンE」という用語が実際には少なくとも8種類の脂溶性ビタミン抗酸化化合物からなり2群の分子に分かれる群を意味することを多くの人が知りません:
トコフェロールとトコトリエノールごとにまだ4つの形態に分かれます:
身体は自然のビタミンと合成ビタミンを容易に区別でき、いくつかの研究が自然なビタミンEは同量の合成ビタミンEより2~3倍生体活性が高いことを証明しました。最適に言えば、ビタミンEは自分が食べる食品からのみ摂るようにしましょう。こうすれば身体が利用できる種類のものを得られます。トコフェロールやその亜種は特定のナッツ類及び緑葉野菜に含まれます。トコトリエノールの摂取源としてはヤシ油、米糠、大麦油が挙げられます。しかし多くの成人は貧疎な食生活を選択しているので十分に栄養素となるビタミンEが摂れていません。
処置はごく限られ、未だ治癒できる療法がないことから実に唯一確実なソリューションしかなく、それは最初から発症しないように予防するすることしかありません。私の最適栄養計画の美とはアルツハイマー病を含むほぼ全ての慢性萎縮性疾患の予防と治療に有用であることです。神経科の医師Dr.デービッド・パールマターが説明しているようにアルツハイマー病は主にライフスタイルが原因であることを特徴とする病気であり、その二つの原因は過剰な糖分とグルテンの消費です。
食生活に関していうと、アルツハイマー病予防のためには以下の注意事項が最も大切なことであると言えるでしょう:
オキアミ油等の動物性オメガ3脂肪も十分に摂るように注意してください。(ほぼすべての魚は水銀で重度に汚染されているので、魚には当然オメガ3が多く含まれてはいても、大部分の魚を避けるようにお勧めします。)オメガ3脂肪EPAやDHAを多く摂るとアルツハイマー病に起因する細胞破壊を防止でき、病気の進行を遅延させ、障害発生リスクを下げることになります。
認知症の予防や治療に特に効能があることで価値があるいくつかのサプリメントの推奨リストをご紹介します。痴呆予防のための基本戦略はライフスタイル全体を変えるアプローチであるべきなのは当然ですが、以下の自然な食材に特に注目するとよいと思います。以下4種類の自然食品/サプリは加齢による認知力減退の予防に関する確固とした科学的根拠によるものです:
• アスタキサンチンは固有の特性及び多くの臨床効果がある天然色素で、現在までに知られている最も効能がある抗酸化活性があります。アスタキサンチンは脂溶性栄養素なので血液脳関門を容易に通過します。ある研究はこの物質が酸化性ストレスに伴う神経退化を予防し、効能がある天然の「脳食品」としてよいことも発見しました。
最適な吸収のためには脂溶性なのでオキアミ油や脂肪含有食と共にアスタキサンチンを摂るようにしましょう。
• イチョウ:多くの科学研究により判明したところでは、ギンナンには痴呆予防のよい効果があります。JAMAに掲載された1997年のある研究は認知症の人のためにぎんなんが認知力や社交能力を高めることのエビデンスが示されています。2006年のある別の研究は、ぎんなんが軽度から中度のアルツハイマー病型認知症の処置には認知症薬アリセプト(デネペジル)と同様の効果があることを特定しました。2010年に行われたメタ分析では、ギンナンが多くの形態の痴呆に対して効果があることも判明しました。
• アルファリポ酸(ALA):ALAはアルツハイマー病患者の認知力安定化に役立つことが証明されており、この疾患の進行を遅める可能性があります。
• ビタミン B12:Neurology誌に掲載されたあるフィンランドの研究が、ビタミンB12の豊富な食品を食べる人は高齢になってからアルツハイマー病リスクが軽減することを特定しました。ビタミンB12マーカーの投与を1単位増やすごとに、アルツハイマー病発現リスクが2%ずつ減少しました。ここで、メチルコバラミンの舌下投与が最適な選択肢になりうることを念頭に置いてください。
すでにご説明した通り、食生活は解決策の一つにすぎません。毒素を避けつつ日常規則的に日光に当たったりエクササイズするなどのライフスタイルの選択も最適な脳の健康を維持するためには重要な要因です。次に私からいくつかのライフスタイルについてのヒントを挙げさせていただきます:
• 安全な日光浴でビタミンD濃度を最適化する — アルツハイマー病患者のビタミンD濃度が低いことと認知力テストの悪い成績の間には強い相関関係があることが判明しています。研究者の考えるところによると、ビタミン安全な日光浴D濃度が最適であれば脳内の重要な化学物質の量を増やす可能性があり、損傷したニューロンを回復させる際にグリア細胞の効果を増進して脳細胞を保護するようです。
ビタミンDもその抗炎症作用と免疫促進特性によりアルツハイマー病に対する有益な効果があるようです。免疫系がアルツハイマー病に関連する炎症と闘うためにはじゅうぶんなビタミンDは欠かせません。
• 定期的に運動しましょう — 運動によってアミロイド前駆タンパク質の代謝に変化が生じ、アルツハイマー病の発病や進行の遅延につながる可能性があることが示されています。運動するればタンパク質PGC-1 αの濃度も増加します。研究によると、アルツハイマー病患者は脳内のPGC-1 αが低下していること、このタンパク質をより多く含む細胞によるアルツハイマー病に関連する毒性アミロイドタンパク質の生産が減ることもわかっています。ピークフィットネステクニックを私は強くお勧めします。
• 水銀を回避し体から解消する — 重量比で50%が水銀の歯の詰め物アマルガムは主要な重金属毒性源の一つです。しかしこの詰め物を取り去る前に健康になることが必要です。私の最適な栄養計画に説明されている食事を続けられるようになったら、水銀解毒手順を開始して、次に歯科医にアマルガムを取外してもらいましょう。
• 発汗防止剤やこびりつかない調理器具、ワクチン賦活剤といったようなアルミニウム含有物質を避ける。
• インフルエンザワクチンを回避する — 大部分のワクチンには神経毒性、免疫毒性物質である水銀とアルミニウムが含有されています。
• 抗コリン薬やスタチン薬を回避する — 神経系伝達物質であるアセチルコリン阻害薬は痴呆リスクを高めることが証明されています。こうした医薬品には一部の睡眠中鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、睡眠薬、一部の抗うつ薬、失禁予防薬、一部の麻薬系鎮痛剤が含まれます。
• 毎日心に課題を与える — 知的刺激、特に楽器の演奏や外国語の学習など何か新しいことを身に着けるとアルツハイマー病リスク軽減に関連しています。脳を作り上げるのに役立つ精神的課題・チャレンジがアルツハイマー病関連の障害を防ぐ傾向があると研究者らは考えています。
覚えておきたい事実は、予防こそ最善の望みになることです。推奨される食生活の変更として、炭水化物の代わりに健康的な脂肪をより多く、適度な高品質タンパク質を最優先することです。その他のライフスタイル要因、特に日光に当たることやエクササイズがあらゆる形態の認知症に対する有力な防御措置になるのです。
アルツハイマー病 - 予防できます!
工場式農場の感染した畜産肉がアルツハイマー病の別因子である可能性
レスベラトロールとアルツハイマー病進行遅延の連関性
視力喪失とアルツハイマー病の間の不思議な相関性
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する