Dr. Mercolaより
マグネシウムは生物的機能と最適な健康のために決定的に欠かせません。これは体内で4番目に豊富なミネラルで、研究者らは3,750サイト以上のマグネシウム結合個所があることを人間のタンパク質から発見しています。
また、300種類以上の酵素が正常な機能のためにマグネシウムが必要です。すなわち生体プロセスのためにマグネシウムは大きな影響があり、その多くは正常な代謝機能のために欠かせないものです。これには限定することなく次の項目が挙げられます:
細胞にマグネシウムが欠乏すると、細胞の代謝機能が障害を起こし、このため雪だるま式に多くの重篤な健康上の問題につながります。
これには偏頭痛、不安、鬱病(マグネシウムはセロトニン等の気分調節神経伝達物質のために触媒として機能する)、線維筋痛症、心臓血管病、突然心臓死、あらゆる原因による死亡が含まれます。
マグネシウムは体内のデトックスプロセスには役割があり(グルタチオンの合成を含む)、毒素との接触による損傷を最小限にするために重要なのです。
おそらく最も重要な点としては、マグネシウムはミトコンドリアの最適化のために必須であり、これが特にがんの予防等健康に莫大な影響を及ぼすだけではなく、全身のエネルギーや運動実績のためにも欠かせません。
ミトコンドリアは細胞内にあるバクテリアから派生した小さい組織です。身体の器官は正常な機能のためにはエネルギーが必要で、アデノシン三リン酸すなわちATPというエネルギー源はほぼ全てがミトコンドリアで生産されます。
大部分の健康の問題がミトコンドリアの機能障害を根本原因としていることを示すエビデンスが山ほどあり、ミトコンドリアが最適に機能するために必要な正しい栄養素や前駆物質を摂り込むことは健康、病気の予防、エクササイズの実績のために極めて重要です。
上のビデオでミトコンドリア研究者のロンダ・パトリックPh.D.が説明している通り、マグネシウムが基幹的な機能を果たしています。これがないと、ミトコンドリアの健康改善を目指すその他の戦略はうまくいかないだけです。
運動の実績を例に挙げましょう。これは部分的には身体の酸化容量に依存しており、つまり、筋肉細胞が酸素を消費する能力にかかっており、酸化容量はミトコンドリアの細胞内で酸素を使ってATPを生産する能力に掛かっています。
酸化容量は2つの方法で増やせますが、二つともマグネシウムが必須です:
一世紀前の人々は食品が栽培されていた土壌の栄養分が豊富にあったので一日に食事からマグネシウム500 mgを摂っていました。今日では食品から毎日摂れる量は150~300 mgしかないと推定されます。
食品のマグネシウム濃度は栽培された土壌のマグネシウム量に依存するので、未加工の有機食品なら最適な選択のようですが、これも十分に多いマグネシウムが摂れるかは保証されません。
大部分の土壌は栄養素が激減しており、この理由からマグネシウム専門家の中にはマグネシウムのサプリが誰でも必要であると考えています。推奨一日摂取量(RDA)は年齢や性別に応じて310~420 mgですが、研究者の中には最適な健康のためには600~900 mg/日が必要ではないかと考える人もいます。
「The Magnesium Miracle」(マグネシウムの奇跡)の著者Dr.カロリン・ディーンによると自分の腸の反応を見るのが自分にとっての最適用量を示すマーカーになるのだそうです。一日200 mgのクエン酸マグネシウムから始め、うんちが少し緩くなる頃まで用量をだんだん増やします。
体内にマグネシウムが多すぎるとうんちが流れるようになり、この方法によると自分の用量を見極められます。(下剤効果があるクエン酸マグネシウムを必ずお使いください。また、一回にたくさん摂らず、一日に2~3回に分けて飲むのもよいです。)
マグネシウムのサプリでは私の個人的好みはトレオン酸マグネシウムです。この物質はミトコンドリアを含む細胞膜を通過しやすく、このためエネルギーレベルが上がります。さらに血液脳関門も通過し、記憶力改善に有用です。
頭痛や偏頭痛をお持ちの方はスレオン酸マグネシウムはこの理由により優れる代替品になるでしょう。(頭痛や偏頭痛の場合は十分なビタミンB12と補酵素Q10も摂ることをお忘れなく。)
マグネシウム欠乏の主なリスク要因は加工食品の食生活で、その理由はマグネシウムがクロロフィルの分子の中心にあるからです。緑葉野菜やその他マグネシウムが豊富な自然食品(下記参照)をめったに食べない人は食事からマグネシウムを十分に摂れていない可能性がかなり高いです。
マグネシウムはストレスや睡眠不足、アルコールの消費、処方剤(特に利尿剤、スタチン薬、フルオロキノロン抗生物質等のフッ素化合物含有薬)によっても失われ、さらに、インスリンが多いと減少する傾向があります。
残念ながら、どんなラボ検査をしてもマグネシウムの状態がわかる精確な数値は得られません。これは、体のマグネシウムの大半は、骨および軟部組織で検出されるためです。血液から検出されるのはそのうち1 %だけです。一部の専門研究所が適切な結果がわかるRBCマグネシウムのテストを提供しています。おそらく、状況を把握する最善の方法は、症状を観察しながら慎重に評価することでしょう。
マグネシウム欠乏の初期症状には「チャーリーの馬」(と英語に言うが、両脚をストレッチしたときに起きる筋肉痙攣)、頭痛や片頭痛、食欲不振、吐気と嘔吐、倦怠や虚弱が挙げられます。これらは、マグネシウムの摂取量を増やす必要性があることを示す、すべての警告サインです。
より慢性的マグネシウム欠乏は心拍異常や冠動脈痙攣、発作、しびれとうずき、人格の変化等はるかに深刻な症状につながる場合があります。
Dr.ディーンの「マグネシウムの奇跡」には網羅的な兆しや症状の一覧が掲載されていますので、それをご覧になれば自分がマグネシウム欠乏かを知るのに有用です。また、同氏のブログポスト「Gauging Magnesium Deficiency Symptoms」(マグネシウム欠乏症状を計る)に掲載の指示もフォローすると、数週間ごとに自分でできるチェックリストが掲載されています。
これで欠乏症状の解決に必要なマグネシウムの量を計るにも有用です。
健康的なマグネシウムレベルを維持する最適な方法は濃い緑の葉物野菜を豊富に食べるようにしてください。葉物野菜のジュースを作るとマグネシウムやその他多くの重要な植物系栄養素を増やすために最適な方法です。
また、有機の自然食品を食べ欠乏の兆候がなければ、食品からおそらく十分に摂れています。よく食べているのにまだ欠乏の兆候があれば、サプリメントも摂るようにするとよいでしょう。葉物野菜の場合、次のものにマグネシウムが多く含まれます。
ほうれん草
スイスチャード
かぶの葉
ビートの緑葉
コラードグリーン
ブロッコリー
芽キャベツ
ケール
チンゲン菜
ロメイン・レタス
マグネシウムが特に豊富な食品の例を以下に挙げます:
生カカオニブ・無糖ココアパウダー — 生カカオニブ28 gには約64 mgのマグネシウムが含まれ、その他多くの貴重な抗酸化物質、鉄、プレバイオティック繊維質が含まれ、腸内の健康な細菌に栄養を与えます。
アボガド — 中玉のアボカドにマグネシウムが58 mg含まれるほか、健康的脂肪や繊維質、その他のビタミンもあります。またカリウムの豊富な摂取源でもあり、このミネラルがナトリウムによる高血圧効果を相殺してくれます。
種子やナッツ類 — かぼちゃの種、ごま、ひまわりの種には最も豊富であり、1/4カップにマグネシウムのRDAの推計48%、32%、28%も含まれています。
カシューナッツ、アーモンド、ブラジルナッツもよい摂取源です。カシューナッツ28 gにマグネシウム82 mgが含まれ、これはRDAの約20%に匹敵します。
脂肪の多い魚 — 興味深いことに、野生のアラスカのサケやサバなど、脂肪の多い魚はマグネシウムも高くなっています。鮭のフィレ半切れ(178 g)にマグネシウム53 mg、すなわちRDAの13%が含まれます。
カボチャ — 冬カボチャ1カップにマグネシウム27 mg、RDAの約7%が含まれます。
ハーブや香辛料 — ハーブやスパイスには少量のパッケージに多くの種類の栄養素が詰まっており、マグネシウムも含まれます。最もマグネシウムが豊富な品種は、コリアンダー、 チャイブ、クミンシード、パセリ、マスタードシード、フェンネル、バジル、クローブです。
果物とベリー類 — マグネシウムが豊富なものの例: パパイヤ、ラズベリー、トマト、マスクメロン、イチゴ、スイカ。例えば、中玉パパイヤ1個にマグネシウムがほぼ58 mg含まれます。
様々な食品を取る食事療法からの栄養素を得ることの主な利点の 1 つは、偏った栄養素の比率を調整できることです。一般的に食品はすべての共通因子と最適な健康なための適切な割合で必要な栄養素が含まれています。基本的には、母なる自然の叡智は完璧なのです。
サプリメントを利用する場合は、問題が起きないように、栄養素を補給することで、互いに影響を及ぼし、相互に作用する方法について精通する必要があります。
例えばマグネシウムとカルシウム、ビタミンK2、ビタミン Dの適性なバランスを維持することは欠かせません。これらの4つの栄養素は相互に相乗的に働き、バランスを欠けば、カルシウム栄養補助食品が心臓発作とストロークの危険増加に関係し、ビタミンDが毒として働く理由です。
残念ながら、これらの栄養素の精確な最適比は未だ解明されていませんが、一般的な参考や考慮のためには以下を挙げておきます:
マグネシウムの需要は老化やストレス、睡眠不足、アルコール消費、インスリン抵抗性、糖尿病、処方箋の使用、腸内細菌のアンバランス、腎臓機能低下その他多くの要因によって増加します。これらのリスク要因が自分に該当する方や、加工食品をよく食べる方の場合、a)食生活を見直すか、b)マグネシウムサプリメントを検討するとよいでしょう。
マグネシウムを食品から摂るのが最善であるとはいえ、ミネラルが枯渇した土壌で栽培される多くの食品にマグネシウムやその他のミネラルが欠乏している可能性が高いことを念頭に置いてください。グリフォサートなどの除草剤がキレート剤とし機能し、ミネラルの摂取と利用を妨げています。
そのためほとんどの人はマグネシウムサプリメントを摂るほうが賢明であると思います。または、野菜をジュースにすると自然のまま食べるよりはるかに多くの野菜を一度に消費できるのでよいでしょう。
私の場合、有機を食べて日常ジュースにしていますが、それでもマグネシウムのサプリメントを摂ってています。マグネシウムレベルを改善するために有用なもう一つの戦略は日常エプソム塩のお風呂や足風呂を使うようにすることです。エプソム塩は皮膚から吸収できる硫酸マグネシウムです。
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