Dr. Mercolaより
感情的に食べることと食事依存症は極めて現実的な問題で、感情的食事が食依存症につながり易いです。感情的に食べることはどこにでもある現象であり目先特に害はありませんが、日常的に慰め食に手が出るようでは、肉体的にも心理的にも大きな問題につながることがあります。
肉体的には、感情的に食べることで肥満やこれに関連する健康の問題につながることがあり、心理的には、本当の気持ちやストレスの原因への対策が遅れたり阻止される場合があります。臨床心理学者スーザン・アルバーズさんが Huffington Post でこう説明しています:「気持ちに直面するのをかわすために食べることは「骨折した腕に絆創膏を貼る」ようなものです。」
感情と食品を食べる行為はともに何重もの生化学反応を引き起こし、これらの化学物質が強い効果があります。Dr.パメラ・ピーキーの著作「The Hunger Fix: The Three-Stage Detox and Recovery Plan for Overeating and Food Addiction」(空腹の解決:3 段階のデトックスと食べすぎ及び食事依存症からの回復計画)で説明されていますが、神経伝達物質のドーパミンは食事依存症を含むあらゆる形態の依存症に決定的な機能をしています。
ストレスホルモンのコルチゾールと神経伝達物質セロトニンも重要な役割を演じています。Huffington Post の報告によると:
「コルチゾールは私たちの主なストレスホルモンで闘争・逃避反応を引き起こします。また、身体による炭水化物、脂肪、タンパク質の利用も調節します。ストレスを感じたり不安が起きるとコルチゾールが放出されるので炭水化物をたくさん取り入れたくなります。
「ストレスを受けているときコルチゾールが身体にあふれます」と、アルバース氏が説明しています。「このため砂糖系や油っぽい、塩っぽい食品を渇望するようになります。」次に、ドーパミンという報酬について学習させる神経伝達物質が関わってきます。この神経伝達物質は自分が大好きな食品を食べる等の何かいいことが起きようとしているということが約束されると多く放出されます。
とてもおいしいので手が出る慰め食がドーパミンを放出させ、その心地よさをさらに求めるようになり、そこで、セロトニンまたは「幸せの化学物質」のことを思い出しましょう … セロトニン自体は食品には含まれておらず — セロトニンを作るために必要なアミノ酸トリプトファンが食べる物なのです。
七面鳥の肉とよく関連づけられるトリプトファンはチーズにも含まれます … 炭水化物はセロトニン濃度も増加させ、これが気分を高めますが、チョコレートもセロトニンの急増につながります。」
Huffington Post のインタビューした食事障害に関する専門家によると、感情的に食べることは主にストレスや退屈が引き金です。本質的に、食べる行為が「何かに勤しむことになります。これで時間が充実し、後まで延ばす手段になるのです」と、アルバート氏が説明しています。
2011 年に Psychoneuroendocrinology(心理神経内分泌系専門誌)に公開されたある研究が慰め食によるストレス低下効果について確認しており、カロリー密度が高い食品は腸間膜脂肪 — お腹の肥満の主な要因 — の蓄積を促し視床下部–下垂体–副腎(HPA)軸の活性を阻害します。
HPA 軸は中枢神経と内分泌系を結びつける主なストレス応答システムです。研究者らによると、「高密度カロリーに直面すると慢性ストレスへの長期的適合の過程でより一層内臓脂肪を蓄積させ(カロリー密度が高い食品の摂取による)、このため HPA 軸の応答を変調し、その結果コルチゾールが減ります。」
言い換えると、慰め食をたくさん食べるとストレス反応が低下します。残念ながら、このため不健康な脂肪の蓄積にもつながります。たいていの人なら落ち込んだときリンゴやニンジンに手は出しません。慰め食はおおかた不健康な物が多く、ケーキ、クッキー、アイスクリーム、チップスが最もよくあるこの種の食品です。
時につれ、食べることは安堵の気持ちに関連するようになります。これが一時的に自分を感情的な不愉快さから紛らわせ、ストレス体験のバッファになります。認定臨床ソーシャルワーカーであり食の心理学専門家のカレン・R・キーニッグ氏が Huffington Post でこう説明しています:
「感情的不快感と意識的と無意識的なものがあります。ときどき[私たちの気持ちを]自分で知っていますが、ときどき知らず - 単に不安であったり快くないだけでこれを処置していません。そうせずに、単に食べているわけです。
その後は自分でわかっていることが起きます:恥ずかしさ、呵責、後悔です。感情的に食べた後によくある気持ちより最初の不快感のほうを選び、これはおそらく慣れていないことで、私たちがより多く恐れていることなのです。」
2015 年に公開されたある興味深い研究が、ある意味で孤独感を持つとき慰め食に手が出る人がいますが、これは対象の食品が過去にあった強い感情的絆を思い起こさせるからであることも研究が示しています。この研究の主な要点には次のような発見された事実が含まれます:
ここでは、ニューヨーク州大学バッファロー校の学部生グループに緊密な関係が脅威に晒されたときや疎外感を感じ孤独だと思った瞬間のことを思い出してもらいました。別のグループにはこの指示を行いませんでした。
その後、感情的ストレスを感じた頃のことを思い起こしてもらったグループのほうが感情を和らげるために食べていなかったグループより、慰め食を食べる傾向が強く、こうした食事をよりおいしいと評価していました。Huffington Post がこう説明しています:
「食事を食べていたすべての幸せで心が慰められる思い出のことを考えてください。もしかするとあなたの家族はお祝いの機会にアイスクリーム店へ出かける習慣だったとか、両親が夫婦げんかのあった日を和らげるためにマカロニとチーズを食べるのが習慣だったということも考えられます。今拒絶されたり不安な気持ちなら、こうした食品のどれかを食べると心を和ませる当時とすぐにつながれるのです。」
感情的に食べることにはときどき襲われることがあれば、おそらくそのために自分に害悪はないでしょう。真の危険は慢性的に感情的に食べることにあり、これをすると健康及び感情面の健全な状態を損ないます。それではどうしたらよいのでしょうか?Huffington Post がインタビューした専門家によると感情と食事を切り離すことが大切だといいます。Huffington Post にこう説明されています:
「まず食品の本当の目的 - 栄養を摂ること - を念頭におく必要があります。実際に、キーニッグ氏は「慰め食」という言い方自体に問題があると思われると言います。「混乱させやすい下手な名づけ方がもしあったら、正しくそれに該当するもので、慰安は食品と関連し続ける物ではありません」と、キーニッグ氏が言いました。
「食品は脳内では栄養とときどき楽しむための物として整理する必要があります。慰安を求めるなら友人と、あるいは自分に対して親切な物事をしたり、内部のストレスを減らす健康的活動をすることです。食品を探し出し始めたら、そこで止めてください」と、アレン氏がアドバイスしました。
「『自分は空腹なのか?』『何か食べる必要があるのかそれとも何かの起爆剤に点火されたのだろうか?』『自分は今何を必要としているのだろうか?』と自問してください。」アルバース氏もキーニッグ氏も実際に食事がしたいほど空腹なのかそれとも自分の気持ちに対処するために別の行動が必要なのかを自問すべきだと言います。」
日記をつけるのも一つの方法です。アレン氏は食べた物、その理由と時間を書き留めておくと感情的に食べるパターンを把握しやすくなるとアドバイスしています。キーニッグ氏による別のヒントははい/いいえの流れ図に従って考えることです。『自分はお腹が空いているのか?今何を食べたいのか?今どんな気持ちか?』というようなことを自問するのです。
自分が食品をマイナスな感情が元で探しているとすれば、対処するために建設的な方法を見つけましょう。心して食べるというコンセプトも有用です。食べるときは、食べるという行為に真に集中してください。特集記事に次のように記載されています:
「単に食べまくってもう味なんかわからなくなるほど感情的に取り乱しており、さらに満腹の兆しを無視して不快になるまで食べれば最も味のよいおやつでさえ何のためにいいのでしょうか?
食べるとき、その目的は座って食事と風味を真に味わい、満腹したらそれがわかることです。クッキーはときどき楽しめますがクッキーを食べる楽しみのために食べようとするべきであり、自己療法の一形態としてではだめです。」
感情的に食べることを管理せずにしておくと食事依存症になりやすいです。感情的要素がこの行動に走らせているだけではなくクッキーやアイスクリーム等の慰め食には癖にさせる物質がたくさん入っています — 砂糖はその中の主なものです。感情的に食べることがなくても、食事依存症は問題になりえます。
食事依存症とリクリエーションのための薬依存症の間の相関性は実際にかなり想像以上に強く、ほとんどの人の考えるよりおそらくはるかに強いです。甘いか依存性にする薬かを問わず報酬を処理する脳野の間は高度に重複していることを研究者らが特定しました。
脳がいかに反応するかに関して言うと、砂糖やお菓子はコカイン等の薬の替わりになりうるだけではなく、これらはもっと報酬を得られるものになりえます。砂糖による脳への劇的影響があるので砂糖で甘い食品ばかりを食べているとその消費を制御するのが困難になる理由の説明が可能なようです。
米国国立薬物乱用研究所(NIDA)所長で依存症精神科医 Dr.ノーラ・ヴォルコウさんがいかに食事依存症になるかについてこれまで大変必要とされてきた光を当てました。
脳の高品質な画像が得られる機能性磁気共鳴画像処理(MRI)と陽電子放射断層撮影(PET)スキャンを利用しボルコウさんはドーパミンがその受容体 D2 に結合するやいなや脳細胞内で変化が起き、喜びや報酬に「打たれる」ことを実証することができました。
どんな食品でも喜びを生じさせることは可能ですが、「超口当たりがいい」食品、つまり精製糖、塩、脂肪が多い食品しか日常的に食べた場合には依存症につながります。その理由は体内の生存本能に関係しています。
ピーキーさんの説明によると、心身の一次的指令とは生き残ることであり、生き残りが脅威に晒されるといくつかの興味深い適合過程を経ます。超刺激剤それがコカイン、砂糖、アルコール、性交であるかに関わらず、やりすぎに耽溺すると、脳の報酬中枢はあなたが過度に刺激されていることを検出し、この刺激を脳は生存のために不利と受け留めるので、喜びと報酬の感覚を低下させることにより補償します。
これは D2 受容体を不活性化することにより、基本的にはその一部を抹消してこの補償は行われます。しかしこの生き残り戦略が別の問題を生みます:この時点ではかつては食品か薬かを問わず自分の依存症が始まった頃に感じた喜びや報酬を感じなくなっているからです。
その結果、耐性が生じる、つまりもっと自分の解決策が欲しくなってもかつては得られた「ハイな気分」はもう得られないのです。この間にずっと依存症的渇望がさらに強くなります。ヴォルコウさんの研究はさらに、薬中毒者の脳内で起きている変化が食品依存の人で起きている変化と同じであることも解明しました。
その依存症の源泉に関わらず、ドーパミンが脳内で D2 受容体とほとんど結合しなくなっており、この理由はこれらの受容体の数が依存症の物質/プロセスに継続的に暴露されていることによって劇的に減少したからです。重要な点として、依存症になると「脳の CEO」としてよく譬えられる前頭皮質に影響が及ぶこともヴォルコウさんは特定します。
前頭皮質は衝動の制御、興奮性、せっかちさ、戦略的計画その他多くのことを司っており — 比ゆ的に言うと禁断と依存症の間の窓から出ていくすべてのことを担っています。このため依存症の人はとても自制が効かなくなっており、依存症からとても脱却しにくいのです。
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