Dr. Mercolaより
二つの豆型の器官である腎臓は胸郭のちょっと下、脊椎の両側に 1 つずつあります。腎臓上部には副腎があります。毎日、腎臓は血液約 142 ℓ をろ過して老廃物を尿中に排出しています。
水を十分飲む必要がある理由の一つは健康的な腎臓機能を維持することです。実際に、慢性的軽度の脱水状態が腎臓結石の最もよくある原因の一つです。
腎臓機能不良は2 型糖尿病、高血圧(血圧上昇)、心臓病を含むその他の重篤な多くの健康の問題にも関連しています。腎臓の問題のよくある兆候:
腎臓の良好な機能は血液組成に始まる体内のホメオスタシスを維持するために必須です。例えば、腎臓は適正な pHレベルと電解質のバランス維持を担っています(ナトリウム、カリウム、リン酸塩)。腎臓は赤血球を作るためと血圧調節を助けるためのホルモンも分泌します。
食生活は腎臓の健康に圧倒的な影響があり、日常的に消費した場合には問題を起こすことがわかっている食品成分のリストの最上位に糖質や過剰なタンパク質が挙がっています。
大部分のアメリカ人は必要量の 3 ~ 5 倍のタンパク質を食べており、安全と見られる量の 2 ~ 4倍(またはそれ以上)の果糖を消費しています。これら 2 つの栄養面の要因だけでも特に組み合わさった場合、腎臓に大きなストレスを及ぼし、腎臓病や腎臓結石を促します。
暑い日に無理しているとき渇きを癒すためにソーダを飲むと腎臓機能に急性の有害作用を及ぼすことを近年の研究が実証しています。American Journal of Physiology — Regulatory, Integrative and Comparative Physiology に掲載されたある研究が 35 ℃ の天気の中で肉体労働をした後ソーダを飲むと脱水症状が起き、腎臓病マーカー値が増すことを特定しました。Science Daily が次のように説明しています:
「ボランティア参加者はトレッドミル運動を 30 分、次に 3 種類の運動すなわち 5 分ずつウェートリフティング、器用さ、大つちを振り回すことを行った。エクササイズを45分した後、ボランティア参加者は 15 分休憩しながら、高果糖、カフェイン含有のソフトドリンクまたは水を約473 mL 飲んだ。
休憩の後、このサイクルをもう 3 回、合計 4 時間行った。実験室から立ち去る前に、ボランティア参加者はその後の飲み物を飲む前に割り当ててある飲み物を多く飲んだ。その量は 1 ℓ または発汗で失われた体重の 115% に相当する体積のいずれか多い方とした。」
体幹温度、心拍数、血圧、体重、腎臓損傷マーカーをエクササイズ前、直前、 24 時間後に測定しました。7 日後に、ボランティア — 平均 24 歳 — に同じテストを受けてもらいましたが、グループを入れ替え、最初にソーダを飲んだ人は水にして、その逆はソーダを飲むようにしました。
ボランティアがソーダを飲んだときそのうち 75% は腎臓損傷のマーカーである血中クレアチニン濃度が高くなりました。クレアチニン濃度が高くなったのは水で試験した参加者の 8% しかいませんでした。ソーダを飲んだとき、ボランティアには次のような特徴が見られました:
その研究の筆者らは次のように説明しています:
「暑中のエクササイズ中及び後にソフトドリンクを飲んでも保湿回復効果はない。従ってソフトドリンクを運動中の保湿回復用飲料として飲むのは適さない...
これらの事実は暑中でのエクササイズ中及びその後にソフトドリンクを飲むとおそらくバソプレシンが媒介するメカニズムによると考えられるAKI [急性腎臓損傷]を誘発することを示す。」
ソーダは高果糖分コーンシロップとカフェインともに通常多く含むので、どんな時に飲んでも有害である一方、暑い天気のときは特に有害であると考えられます。
この理由は、暑い天気の中で無理すると身体は血圧を調節し、腎臓への血流を減らして水分を保持するからです。腎臓への血流が急激に減ると腎臓へ行く酸素量が減るので急性腎臓損傷につながることがあります。
以前の研究が暑い気温の中でエクササイズして脱水状態になると、急性腎臓損傷の生体マーカーが — ソーダを添加せずとも — 上がり、高果糖飲料は脱水状態の場合急性腎臓損傷リスクが高まることを実証しました。このため二つの要因が重なる — 暑中での無理とソーダを飲む — と健康な腎機能を阻害し、急性腎臓損傷リスクが高くなります。
この他にも、鎮痛剤も過剰かつ/または長期間飲むと腎臓を損傷することが知られています。これには、アルコールの量は少なくてもアルコールと一緒に飲んだ時は特に、アスピリン、抗炎症薬、イブプロフェン、ナプロクセン、アセタミノフェンを含みます。
アルコールとアセタミノフェンをいっしょに摂取するとこえらを個別に使用したときより、腎臓損傷リスクが 123% 高くなるので、暑い午後庭で作業しながらソーダ、アルコール、鎮痛剤を混ぜて飲むのが、想像しうる最も有害な組み合わせの一つであると考えられます。
急性腎臓損傷は血流が突然下がるときに発生し、腎不全につながります。実際に、二つの用語は同義です。重度の脱水状態、事故、手術、さらにアセタミノフェンやイブプロフェン、ナプロクセンの過剰投与累積(または故意の大量服用)により発生する可能性もあります。
糖尿病や心臓病患者、感染(敗血症)、閉塞、アレルギー反応において生じる現象などの慢性炎症が腎不全につながる可能性もあります。
急性腎臓損傷を受けた人のおよそ半分は永久損傷なく治療可能ですが、残り半分は腎臓移植または血液を機械でろ過する透析のいずれかが必要になる可能性が高いです。症状には痛み、衰弱、頭のふらつき、食欲不振、吐気や嘔吐、極度の喉の渇き、排尿減少を含む場合があります。
腎臓機能を保護うるには以下の基本事項を念頭に置きましょう:
特にインスリン/レプチン抵抗性がある人の場合果糖を一日 25 g (小さじ約 6)かそれ以下に制限する。
タンパク質は身体需要量に留める — 最適なタンパク質摂取量は総体重ではなく正味体重キロ当たりタンパク質 1 g となっています。この求め方の場合、最初に体脂肪を除いた体重を求める必要があります。
これを行うには、体脂肪率パーセントを 100 から引きます。例えば、体脂肪率が 30% の場合、70% が体脂肪を除いた体重です。このパーセント(ここでは 0.7)に現在の体重を掛け合わせると体脂肪を除いた体重(キロかポンド)が求まります。
一例として体重を 77 kg とすると: 0.7 x 77 の 54 kg が正味体質量です。「タンパク質 0.5 グラム」ルールによれば、1 日にタンパク質を 59.5 グラムすなわち 60 グラムよりちょっと少な目が必要ということになります。全米腎臓基金は腎臓病の人に対してタンパク質の摂取量を最大 50 g に制限するよう勧めています。
純水を飲む — ソーダやフルーツジュース等の甘い飲料ではなく純水を飲むだけでも腎機能と全身の健康をよくするために役立ちます。必要な水分摂取量を測定する最善の方法は、尿の色(通常は薄い黄色のはず)とトイレの頻度(最適なのは約 7 〜 8 回/日)を観察することです。
最適には有機の新鮮野菜を豊富に食べる — 腎臓によいことの一つとしては毎日野菜や果物を 3 ~ 4 回分食べることです。腎臓は血圧に影響を及ぼす動脈や静脈の収縮を調節するホルモンを分泌します。循環する血液量も調節しています。これら二機能がいっしょに働いて血圧を正常な限界範囲に維持しています。
高血圧は実際に腎不全の第二の主要原因です。興味深いことに、 単に野菜をもっと食べるようにすれば腎臓病患者の最高血圧を降圧剤よりも効果的に下げられることが研究により実証されています。
Dr. ニムリット・ゴラヤ(研究の筆者でありテキサス州テンプルのベイラー・スコット&ホワイトヘルス社の腎臓科プログラム部長)は腎臓病患者 — またはこれを予防したい人 — にとって薬に頼らず正しい食品を食べる意義は「たいへん深い」と言っています。
腎臓機能に基づいてカリウム摂取量を調節する — 腎臓は体内の適正なカリウム量の維持を担っています。腎臓機能が不良だと、実際にカリウム濃度が異常に高くなる場合があります。カリウムの必要量を評価するためには腎臓機能に配慮することは欠かせません。
腎臓が正常に機能していれば、成人のカリウム需要量は一日 4,700 mg ですが、この量はナトリウムとバランスしていることも必要です。原則的にカリウム:ナトリウム比は約 5:1 であることが必要です。この比を満たすのに最も容易な方法は最適には地元産有機の新鮮野菜を豊富に食べて最適な栄養分を確保することです。
自然食品生活のタイプは自然にカリウムのほうがナトリウムよりはるかに多く供給する一方、加工食品の食生活ではこの比が崩れることはほぼ確実です。
腎臓病の方はカリウム濃度と栄養分の摂取によく注意する必要があります。腎臓病の治療を受ける人の大部分はカリウム濃度を毎月測定して監視し、カリウム制限食生活では通常カリウム摂取量を一日約 2,000 mg までとするのが推奨されています。
以下の食品を食生活に加えることで最適な腎臓機能を促進するのも助けます。
赤ピーマン — カリウムは少なく、ビタミン A、B6、C、葉酸、繊維質が豊富
キャベツ — カリウムは少なく、フリーラジカルによる損傷から保護するビタミン C や K、繊維質、植物性化学物質が豊富
カリフラワー — ビタミン C、葉酸塩、繊維質が豊富
ニンニク — 抗酸化、抗炎症、抗血栓特性
玉ねぎ — カリウムは少なく、抗酸化物質特にケルセチン(自然な抗ヒスタミン特性がある)が豊富
リンゴ — 繊維質、抗酸化物質、抗炎症性化合物が豊富。有機の生リンゴ酢は腎臓結石の予防に有用
ベリー類 — ブルーベリー、ラスベリー、イチゴ等
さくらんぼ — 抗酸化物質及び植物性化学物質が豊富
赤ブドウ及び紫ブドウ — 抗酸化物質が豊富、種皮は特にレスベラトロールが豊富
スイカ — 水分が豊富で、利尿効果があり、毒素を排出するように尿量を増やす
レモンジュース — 腎臓結石の発生を減らすのに有用
かぼちゃの種 — 抗酸化物質、ビタミン、ミネラル特に腎臓結石リスクを軽くするのを助けるマグネシウムが豊富
ケール — カリウムが少なく、ビタミン A と C のよい摂取源
さつまいも — ベータカロテン、ビタミン A、C、繊維質が豊富なほか、B6 とカリウムも摂り易い
多くのハーブには腎臓をきれいにする特性もあり、この中には次のようなものがあります:
生姜 — 血液及び腎臓のデトックス
ウコン — 腎臓の感染や炎症の予防及び処置に有用な防腐及び抗炎症性があります
たんぽぽ — 腎臓の強化や尿路の問題緩和を助ける自然な利尿剤
イラクサ — 血液の解毒や尿路感染の治療を助ける自然な利尿剤。鉄分も豊富で造血にメリットがあります。鉄分がすでに多い人は避けましょう
マシュマロの根 — 尿路感染、腎臓結石、膀胱感染を助ける自然な利尿剤
セイヨウネズ — 腎臓機能をよくし、尿路感染及び腎臓結石、膀胱結石の治療に有用です。
禁忌 — 腎臓感染した人や妊婦はセイヨウネズの実を避けましょう。また、4 週間以上連続で摂取しないでください
ノコギリソウの根 — 防腐及び抗炎症性がある自然な利尿剤で、尿路感染に有用です
赤クローバー — 腎臓からの廃棄物除去を刺激する利尿剤
チャンカピエドラ — 腎臓結石を粉砕するために南米で利用される(このスペイン語の意味が実際に「石ブレーカー」)
アジサイの根 — 腎臓結石のアメリカ原住民の治療薬
ウワウルシの根 — 排尿の問題や膀胱の問題を処置するのを助ける
Eutrochiumの根(ヒヨドリバナ) — 尿路及び腎臓の健康のためのインドで用いられる治療薬
アキノキリンソウの根 — アメリカ原住民の尿路と腎臓の健康を支持するために伝統的に利用されている治療法
食事による腎臓病の予防と治療
最も危険な食品添加物とは?
ハイビスカスティー:気持ちを落ち着ける錬金薬
63%の人が積極的にソーダを避ける
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する