Dr. Mercolaより
スウェーデン脳卒中データベースに基づくある新研究が軽度から中度の肉体活動でさえ不活発な類似の成人より脳卒中の重度が軽くなりうることを示しています。その研究者らは少なくとも4時間毎日歩いたり毎週2、3時間泳ぐことが脳卒中重度を軽減するための潜在的な方法になるとして推奨しています。
エクササイズで健康がよくならないということはめったにないので、これらの事実は特に驚くに値しません。心臓血管健康の保護という観点から見ると、日常的エクササイズには多くのメリットがあります。歩くことがいかに全体的な健康や健全なあり方をさらによくしうるか、特にこのことが脳卒中に効果があることについてさらに詳しくご説明します。
Neurology誌の2018年9月号では肉体活動と脳卒中の間にある潜在的関係に関する研究を特集しています。平均年齢73歳(20歳から104歳の人々)の脳卒中後成人生存者925人を登録してあるスウェーデンの2つの脳卒中登録データベースからデータ抽出したところ毎週エクササイズすると脳卒中重度が軽減することと関連することが判明しました。
脳卒中の前の肉体活動分類の点でその研究が参加者に脳卒中前の日常暇なときの活動やエクササイズについて訊ねました。スンナーハーゲン氏の研究チームはエクササイズの時間と強度に関する質問に基づいて参加者ごとに平均肉体活動量を推計しました。以下にこの研究に関していくつか追加的な事実をご説明します:
そのデータに基づいて研究者らは脳卒中の前に軽度から中度の肉体活動を行っていた人々が肉体的に不活発な人より脳卒中が起きても軽度ですむ確率が二倍あることに注目しました。その結果に基づいて、軽度から中度の肉体活動は同様にメリットがあり、すなわち、どんなエクササイズでもする限り脳卒中の重度を軽くするのに有用です。
脳卒中その他ほぼどんな健康上の異常に関しても、少しでもエクササイズをするほうが何もしないよりはましです。実際に、日常規則的にエクササイズをしない限り最適な健康を得ることはできなくなります。(健康的な食生活や十分な睡眠は全体的に健常な状態を維持するために重要なその他二つの要因です。)
スウェーデンの研究に付随する論評の中で、 ニコル・スパルターノPh.D.(ボストン大学医学部内分泌学・糖尿病・栄養学・体重管理医療研究助教授)とジュリー・ベルンハートPh.D.(オーストラリアのメルボルン大学神経科学・精神衛生フロリー研究所で物理療法士かつ脳卒中部門臨床部長)は脳卒中予防のために肉体活動が有効であることを強く裏付ける疫学的根拠を強調しています。
全米心臓学会(AHA)は(週に)中程度のエクササイズなら150分、強度運動なら75分または、これらのエクササイズを組み合わせて行うことを推奨しています。中度の運動に関しては、一日に30分、週5日は歩きさえすれば済みます。サイクリングやランニング等の激しい運動のほうがよい方の場合、一日少なくとも25分を週3日以上行うことを目標にするとよいでしょう。
「たとえかなり軽い肉体活動 — 一日に少なくとも30分は歩く等 — であっても不活発な人よりは脳卒中が軽くて済む確率が高くなる」と、スンナーハーゲン氏がMedPage Todayで説明しています。
AHAもさらに中度から高強度集中筋肉強化トレーニングを少なくとも週2日は追加するように勧めています。私が好きな高強度エクササイズには4分の一酸化窒素ダンプエクササイズが挙げられます。最適な成果を得るには、このルーチンを毎日少なくとも一日に3回行うようにお勧めします。一度でも試せば、毎日のエクササイズレジメンの一環にしやすくなるでしょう。
概して言えば活動が激しいほど必要な時間は短くて済むことを念頭に置きましょう。従って、高強度インターバルトレーニング(HIIT)等の高強度活動なら週に数分だけでも大きく健康にメリットがあります。
エクササイズの頻度を増やすこと以外にも、座り続ける時間に注目することも欠かせません。座りがちな生活が今慢性病の大きなリスク要因になってきました。現在の研究に関してDr.ロバート・グラッター(ニューヨーク市レノックスヒル病院救急医療部)がこうForbesで注釈しています:
「エクササイズ及び活発でい続けることは加齢に伴い必須です。自己報告データによるバイアスのために限定的ではあってもその研究がよいアドバイスを示していると言えるでしょう。エクササイズは加齢に伴いますますメリットがあると考えられ、身体不自由や認知機能低下につながることもある壊滅的脳卒中が起きる可能性を下げます。
肉体的不活発さこそ最大の敵であることを明確に示す医学文献はますます増えています。座っていたい気持ちと闘い、立ち上がり、終日そして一生もっと活発になる必要があります。」
脳卒中リスクに影響することがわかっている変更しうる要因についても注意するようにグラッター氏が指摘しています。注意せずに放っておくと以下のような条件が脳卒中リスクを高くしうることを同氏は指摘しています:
AFibを例外として、グラッター氏は他の要因が冠動脈疾患リスクも高め心臓発作が起きやすくなるることが判明していると説明しています。AFibをよく知らない人のために説明すると、これは血栓、心不全、脳卒中につながりうる心拍の不規則性や震え(不整脈)です。
AHAはAFibを放っておくと心臓に起因する死亡確率が倍増し、脳卒中リスクは5倍高くなると言っています。また、約270万人のアメリカ人はAFibに罹っています。AFibやその他のリスク要因のうち1つやそれ以上が実際に起きている方の場合、脳卒中になりやすいという現実に取り組むことが重要です。
当然のことながら、どんな潜在的な基本的原因を掘り下げるために時間を費やすだけの価値はあります。例えば、AFibに関しては、甲状腺機能亢進が不整脈を促す可能性があります。もしそうなら、甲状腺の異常を治すとAFibを解決するためにじゅうぶんであると考えられます。同様に、高血圧が主に肥満によるものなら、食生活を根本から変える時です。加工食品と糖質を減らすか食べなくすると健康的な体重に戻せて、このため血圧が下がる可能性大です。
2型糖尿病も食生活やライフスタイルの変化によって逆転しうることが判明しています。前記糖尿病や糖尿病の方は、果糖消費量を減らすのが健康をよくするためにできる最適な第一歩です。自然のフルーツその他の摂取源からの果糖を一日15 g未満にするよう取り組んでください。最後に、コレステロール濃度のバランスを取るために有用な情報は私の「コレステロール濃度の把握方法インフォグラフィック」をご参照ください。
エクササイズすると脳の耐久力がアップするとスパルターノ氏とベルンハート氏が考えますが、私もそう思います。「肉体活動は脳内の血管新生、ニューロン生成、シナプス生成を誘発し、脳の耐久力、脳の認知予備力をこうしたメカニズムによって促す確率が高い」と、彼らは説明しています。
さらに、毎日軽く歩くと高齢者の海馬の体積保持と認知機能維持を助けることを示した以前のある研究に彼らは注目しています。スパルターノ氏とベルンハート氏はその研究が「認知予備力に対する肉体活動の影響を支持する最も説得力のある根拠の一部を証明した」ことに注目しました。
私にとって、エクササイズは全身にメリットがありうるミトコンドリアの変化を促すのを助ける意味でメリットがあります。歩く等の軽度のエクササイズでさえ老化にともなって典型的に発生するミトコンドリアの生体生成やミトコンドリアのタンパク質品質の低下に対する「療法」になりえるのです。
エクササイズは脳内のミトコンドリア生体生成も促進することができ、加齢に伴う認知機能の減退ないし寛解や脳卒中後の脳の損傷修復の支持に潜在的につながると考えられます。虚血状態にした実験用ラットに対するトレッドミルエクササイズの効果を評価した研究者らはこう説明しています:
「その結果はエクササイズが虚血性障害後のミトコンドリア生体生成を促しうることを示す。このことはエクササイズに誘発される脳修復のメカニズムにおける画期的要素として有用であると考えられる。
エクササイズに誘発されるニューロン保護の分子的基盤を把握すると虚血性障害からの脳回復のための治療アプローチ開発のために効果があるものと考えられる。この研究からわかった事実に基づく限り、ミトコンドリア生体生成の刺激あるいは増強が今後の画期的ニューロン保護戦略となりうる。」
エクササイズが脳内血管系の冗長性促進と脳卒中重度の軽減につながるという効果を複数の動物実験も実証したと、スパルターノ氏とベルンハート氏は説明しています。
「活発なライフスタイルの維持はこうした付帯的循環の維持に有用であると考えられるほか、完全にまだ解明されていない認知予備力を保護するその他の効果もある」と、説明されています。「従って、脳卒中の起きた肉体的に活発な人は保護される可能性がある。」総じて言うと: 肉体的なエクササイズは脳によく、脳卒中に効く潜在的な「保険証書」です。
自分の歩き方についてよく考えたことがないかもしれませんが、PeerJ — Life & Environmentに掲載されたある研究は、この共通した肉体活動には国ごとに固有の側面があることを示しました。米国北西部とウガンダ中部の数百人の歩き方を観察した結果、シアトルパシフィック大学の研究者らは歩き方が居住地や歩く相手によって異なることを特定しました。ワシントン州シアトルでは次のようなことが観察されました:
ウガンダのムコノで観察されたこと:
その研究が観察研究であるため - 研究者らは参加者とインタビューはしない 、歩く人たちの歩く動機となる要因が不明です。これを断ったうえでいうと、主任研究者カラ・ウォールシェフラーPh.D.(シアトルパシフィック大学生物学教授)がある仮説を立てました。
「ウガンダの人は社交や絆のためにグループで歩くときは時間をかけることは妥当な推定である。」このことは他の人といっしょに歩くときは遅くなる理由を説明していると考えられると、同氏は説明しています。
ウォールシェフラー氏と同僚の学部研究者リーチ・ブタースィー氏は米国でグループで歩く人のペースはウガンダで観察されたこととはかなり異なることを発見しました。「子供と一緒のとき、[米国では]歩くことはむしろ任務指向になるように見える」と、ウォールシェフラー氏が説明しています。「物事を片付ける必要がある。従って急ぐことになる。」
グループか一人で歩くかのいずれを選ぶにしても、歩くことはほとんど場所を問わずできるエクササイズであり — しかも、上のビデオで説明されている通り、歩くと身体が良い方向に変化します。以上からたとえ軽く歩くだけでも脳卒中が起きなくなる、あるいは脳卒中の程度を少なくとも軽減するのに潜在的に有用であると考えられることを把握できたので、靴の紐を結んでいざ歩き始めるときは今です。
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