全米心臓学会最新ガイドラインが現在では130/80 mmHgを高血圧の判断基準にしているけれども、通常は140/90 mmHgを超えている場合高血圧と見なされます。収縮期血圧が高いと心臓血管病や脳卒中、認知症のリスク要因です。
薬は高血圧に最初に用いられる治療ですが、これには多くの問題がある副作用を伴います。例えば、2017年に公表されたある研究から、ヒドロクロロチアジドが — 高血圧の治療に世界中で最もよく使用されている薬の一つ — 皮膚がんのリスクを7倍上げることがわかりました。
高血圧にこちらもよく処方されている利尿剤はナトリウムとカリウムを体外へ浸出するという副作用があり、血圧の正常化のためには健全なナトリウム/カリウム比の維持が本当に重要なのです。
カリウムは心臓の収縮を含め清浄な筋肉の動きのためにも必要であり、カリウムが枯渇すると、筋肉が攣ったり、心臓の問題が発生する場合があります。そこで、毎日の錠剤を呑む以外に何をしうるでしょうか? エクササイズが血圧を正常にするために有用であることはよい知らせです。
肥満と高血圧の相関性は多くの報告書で認識されています。確かに全てのというわけではなくても、大部分の高血圧患者は体重過剰であり、こうした状況では減量は降圧と関連しています。
高血圧の方の最初の戦略とは新陳代謝の柔軟性を回復することで、再度脂肪を主な燃料にすることができるようになることです。こうすればインスリン抵抗性が軽減し、体重の最適化を助けるばかりではなく、心臓病、がん、神経萎縮性疾患のリスクを根本的に下げます。
不活発さと血圧も密接に関連し合っており — その密接さは世界保健機関等のいくつかの健康当局によってエクササイズが実際に第一線の治療であると見なされているほどです。
不活発な人は活発な人より高血圧リスクが30~50%高いことを研究が裏付けています。エクササイズと高血圧に関するAustralian Family Physicianに掲載されたある文献検証の中で次のような説明があります:
「アメリカン・カレッジ・オブ・スポーツ・メディスンが行った証拠をベースとした文献の分析が、孤立的なエクササイズ(急激な効果)でBP[血圧] を平均5~7 mmHg下げることを示している。文献の検証中に薬剤治療では正常にならなかった高血圧患者向けの通常の持久運動による平均的BP減少量が7.4/5.8mmHgだった。
薬物治療による患者のBPの正常化の程度によっては、日常的な有酸素運動がBPを1等級の降圧剤(長期的効果)に匹敵するほど大きく下げる。
全体としてみて、筋力トレーニングは安静時BPに有利な長期的効果を及ぼすが、BP減少の度合いは有酸素エクササイズプログラムについて報告された減少度より少ない。
大部分の高血圧患者にとってエクササイズはかなり安全である。注意を要するのは50歳を超えた人や心臓血管病(CVD)と確定した人(またはCVDリスクが高い人)の場合であり、これらの患者の場合は、臨床的運動生理学の専門家によるアドバイスが推奨される。」
血圧に効果を与える鍵は鼓動が増す肉体的運動であり、心臓が速く打つようになり、血行が増加します。これは心臓血管運動とか有酸素エクササイズとしても知られます。有酸素エクササイズの種類:
早歩きやランニング — 2013年に発表されたある研究が適度の強度の早歩きがきついランニングと同じく血圧を下げることを特定しました。
水泳や水中エアロビクス — ある研究で、50歳以上で週に3~4回12週間泳いだ人の血管機能がよくなり、収縮期血圧が平均9ポイント下がりました。
サイクリング — 2016年のある研究では40代から60代の自転車で通勤する人が高血圧や高脂血症、前期糖尿病になりにくいことが判明しました。
ウェートリフティングと自重エクササイズ — 以前に週2時間未満しか運動したことがなく、降圧剤を使用していない高血圧と診断された中年男性を対象にした2012年のある研究では、45~60分(7種類のエクササイズごとに12回反復を3セット)ウェートトレーニングした後、収縮期血圧が平均22 mmHg下がり、拡張期血圧は平均8 mmHg下がりました。
スキー
スケート
ボート漕ぎ
ダンス
テニスやサッカー等のスポーツ
アイソメトリック握力計エクササイズも高齢者の血圧によい効果があることがわかっています。興味深いことに、2013年のある系統的検証が握力増強が従来式の持久運動や筋力トレーニングプログラムよりも収縮期血圧を下げるのにはるかに効果的であるという結論に至りました。
他の複数の研究も握力運動とレッグエクステンションエクササイズの血圧に与えるよい効果を確認しています。これらの研究の中の一つが次のように説明しています:
「アイソメトリック握力計トレーニングは[収縮期血圧]、[拡張期血圧]、平均動脈圧を下げる。その効果の程度は動的有酸素トレーニングや筋力トレーニングの場合に以前報告されていたよりも大きい。」
もう一つの素晴らしいエクササイズは一酸化窒素ダンプです。この運動とその他の高強度エクササイズをすると一酸化窒素が体内で生産され初めて血圧の正常化を助けます。
この運動は4つの動きをするだけで — スクワット、腕の交互上下、飛び上がり姿勢伸ばし、ショルダープレス —、10回ずつ繰り返し各4セット行います。合計でたったの3~4分しか要しません。最適にはこれらのエクササイズを一日3回、数時間の間隔をおいて行うことです。
一酸化窒素は内皮細胞に貯蔵されている溶解ガスであり、全身で重要な信号伝達分子として機能しています。一酸化窒素は健康的な内皮機能を促進するほかにも、静脈や動脈を拡張するのを助け、心臓の健康も支持し、健康的な血流を促します。
一酸化窒素はまた、細胞のエネルギー備蓄場所であるミトコンドリアの健康を保護する機能をしており、全ての新陳代謝機能のために必要なエネルギーがここで利用されます。ミトコンドリアが1%~2%程度しかない骨格筋でさえこれらのエネルギー生産要素に依存して毎日の全身の動きに燃料を供給しています。
エクササイズして筋肉痛が起きれば、酸素が体内に不足するからで、これを身体が一酸化窒素の放出により補償するのです。しかしよく知られていない秘密がここには存在します:運動すると90秒たらずで血管は貯蔵していた一酸化窒素を使い果たし、これをさらに生産し始めます。
大きい筋肉グループを90秒足らずでも働かせるのがとても効果的なのはこうした理由のためです。一酸化窒素を増やす野菜の硝酸塩(一酸化窒素の前駆物質として機能する)の力も活用できます。アルグラが最も豊富に含みますが、発酵したビート粉は硝酸塩濃度が最大500%多い場合があります。
一般的な推奨としては、一日 30分、少なくとも週5日は中度の強度運動を目指しましょう。エクササイズの強度が高いほど、頻度を低くする必要があるので、よりきつい有酸素運動をするなら、週3回でもだいじょうぶでしょう。それに加え、週二回の何かの筋肉強化エクササイズを行うことが推奨されます。
高血圧の方の場合現在十分に運動していない可能性が高いです。その場合はのんびり始めてだんだん増やしていくとよいです。例えば、週に数回の散歩を始め、より気楽にできるように感じ始めたら頻度を上げます。時が経つにつれ、強度を増して、アイソメトリック握力計エクササイズ以外の何らかの形の筋力トレーニングを追加するようにしましょう — 特にインスリン抵抗性がある方。
運動の間には鼻で呼吸をしてください。運動の間に鼻呼吸ではなく口呼吸をしてしまうと、心拍数と血圧が上がり、疲労とめまいが起こることがあります。
エクササイズ以外にも血圧を自然に下げるのに有用であると考えられるいくつか追加的なヒントがあります。
ビタミンD濃度の最適化 — ビタミンD欠乏は動脈硬化と高血圧ともに関連します。最適な健康のために、ビタミンD濃度を60~80 ng/mLに通年維持しましょう。
ナトリウム/カリウム比に注意 — Dr.ローレンス・ アペルによるとあなたの全体としての食生活こそ高血圧管理のためのカギを握っており — 減塩だけが意味あるのではありません。
同氏の考えるところによると、この方程式の主要な部分はミネラルのアンバランスです。アペル氏によると「カリウム濃度が高いとナトリウムの影響を軽くします。ナトリウム摂取量を減らすことができない、または減らさない場合は、カリウムを加えることが役立ちます。しかし両方とも行うほうがよいです。」
実に、正しいカリウム対ナトリウム比を食生活の中で維持することは極めて重要であり、高血圧はこの不均衡の多くある副作用の一つです。加工食品が多い食生活はナトリウム対カリウム比が大きく偏ることほぼ請け合いです。加工食品から生鮮食品に替えると、自然に比率が改善します。
間歇的絶食と部分的絶食 — 間歇的絶食は高血圧の根本原因であるインスリン/レプチン感受性を正常にするために私が見つけた最も効果的な方法の一つです。
裸足で歩く — 屋外で(大地を)裸足で歩く(接地)と血液がさらさらになりやすく、血行がよくなり、このため血圧調節がしやすくなることが実験からわかっています。
また、接地は心拍数の変動を正しくする交感神経系を落ち着かせます。自律神経系のホメオスタシス、すなわちバランスを促進します。心拍変動を改善することができる点は重要です。全身およびそのすべての機能を改善できるのです。
ストレス対策 — ストレスと高血圧の関連性については豊富な資料がありますが、本来この事実が強調されるべき程度にはまだ注目されていません。実際に心臓病の人がストレス管理を身につければ、帰結的な心臓の異常リスクを70%以上削減しうることがわかっています。
抑圧された否定的な感情を速くかつ効果的に転換し、ストレスから解放してくれる複数の戦略が存在することはよい知らせです。私が優先して行っている方法は学習し易く使い易い否定的感情の解消テクニックである感情解放テクニック(EFT)です。EFTは、静かでリラックスした呼吸で視覚化を組み合わせ、体を軽く叩き、深く座り、感情パターンを「再プログラム」します。
エッセンシャルオイル — ラベンダーやイランイラン、マルジョラム、ベルガモット、薔薇、フランキンセンス、ローズマリー、レモンバーム、クラリーセージ等の 多くのエッセンシャルオイルも有用な場合があります。ある研究で科学者らは一時間エッセンシャルオイルを吸引すると患者の心拍数と血圧の減少として軽量化できたストレスの効果的軽減につながることを発見しました。
しかしその効果は一時的でしかありませんでした。もう一件の同様な研究でラベンダーとイランイランネローリ、マルジョラムのエッセンシャルオイルを吸引すると降圧効果があり、ストレスの際に増える傾向があるコルチゾール分泌を下げることがわかっています。
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