瞑想で心と身体を繋ぐ

瞑想している人

早分かり -

  • 心と体が緊密に関連し合っていることを示す根拠があり — 実際に、主観的な精神状態に直接影響されると考えられている数千個の遺伝子が特定されています
  • 健康な食生活を送ると同時に多種多様なエクササイズをし、適正な睡眠を取るほか、瞑想は私が推奨している日々の生活力アップの練習です
  • 瞑想すると血圧、コルチゾール、脈拍を下げ、LDLコレステロール濃度を最適にし、全体的なストレス度を下げることで心臓病リスクを下げることがわかっています
  • 注意力の制御、感情、心の理論等特定の種類の瞑想が脳によい効果があることが実証されました
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Dr. Mercolaより

瞑想は健康や健全なあり方の基幹的部分を成すと私は考えています。瞑想はリラックスするために強力な手段であるばかりではなく、不安の軽減、痛みの管理、病気の予防、ストレス軽減にも有用です。

瞑想で減る心臓病その他のリスク

心身は結びついていること、さらに心の中で起きていることはすべて肉体の健康に影響することの証はますます増え続けています。脳の画像処理から瞑想が脳をよい方向に変えることがわかっており、科学者らは主観的な精神状態から直接影響を受けると考えられている数千個の遺伝子を特定ました。心身の結びつきは本当にあり、考えていることは健康に影響します。

実際に、の研究は心が継続的にマイナスな状態にあると心臓病のリスク要因になることを示しています。これに反し、幸福感、楽観主義、生活の満足感、その他のポジティブな心理的状態は、心臓病のリスク低下と関連しています。研究の筆者は次のように説明しています: 「ここでわかったことから心理的にプラスな健全な状態でいると、伝統的なリスク要因や病気とは関わりなく、心臓血管病から一貫して守られます。具体的に、楽観主義が心臓血管病リスクを下げることはほぼ確実です。」

他の人より明るい気質に生まれついていると考えられる人は存在しますが、瞑想で楽観主義が増し、気分の調節を助けることは実証されています。瞑想はLDLコレステロールを最適化するほか、次の項目を減少させることもわかっています:

  • 血圧
  • コルチゾール
  • 心拍数

こうして発見された事実は、ストレスで過剰に活性化される視床下部–下垂体–副腎軸や交感神経系を落ち着かせる調節効果と整合的です。ストレスは心臓病の周知のリスク要因でもあり、瞑想がなおさら重要になります。瞑想には心臓の健康を促すことに加え次のようなメリットがあります:

感情面の健康や正常な心身の状態を増進

自意識を促す

依存症脱却を助ける

睡眠の改善

同情や親切心が増える

注意力の継続時間が長くなる

不安や抑うつ状態を軽減する

痛みの管理

集中力や記憶力を促進

ストレス軽減

瞑想の脳へのメリット

瞑想は脳の「メンタルエクササイズ」の一形態と見ることができます。その目的は呼吸に継続的に注意し、その他のことを一切忘れることです。心に想念が浮かび始めたら、ゆっくりと呼吸に意識を戻します。Forbes.comによると瞑想で心とつながり、心を高次に引き上げるのに役立つそうです:

「瞑想によって私たちは心の動きをよく知ることができるようになり、環境に私たちの生活体験を支配させず、むしろ環境との体験を調節する能力を増進する。

近年の神経科学研究によると瞑想を練習すると文字通り脳の回路を再構成し、心身の健康がよくなる。これらの瞑想によるメリットは脳が体験により深く変化するという — 「脳の可塑性」として知られることに伴い注目されてきた。」

実際に脳の可塑性によって脳内の神経細胞は新たな状況や環境の変化に適合することができます。瞑想の短期的効果には注意力増進、炎症防止、血圧やストレスの低下が挙げられます。

瞑想の長期的メリットは日常一貫して練習することで時間をかけて収穫できるので、同情や親切心の増加、感情面の強靭性増加、記憶や感情的処理の中枢である脳野で灰白質の増加を含みます。瞑想と人の脳に関するこれまで最大規模の研究の一つが明らかにしているように、様々な種類の瞑想に応じて脳に様々な変化が生じます。

ドイツのマックスプランク研究所人間認知学・脳科学部の神経科学研究者らは300人の参加者を3つの瞑想タイプについて3か月ずつ検査した瞑想プログラムを実施しました。各プログラムの3か月終了時に撮った脳スキャン画像から瞑想の種類別に関与していた脳野で灰白質が対照群より増加していることがわかりました。異なるタイプの瞑想と脳の変化からわかった焦点を以下にまとめます:

瞑想の種類 瞑想の集中対象 灰白質が増加した脳野

注意力 (心する練習)

呼吸と体に心する注意力

注意力の制御に関与している前頭前野と頭頂葉

同情

愛する親切心の瞑想とパートナー間の問題共有で確立した感情的絆

感情の処理中枢である辺縁系と感情を意識的注意に変えるのを助けている前島

認知的技能

パートナーとの瞑想と独自の瞑想の両方を使って異なる視点から問題について考察する

思考、欲望、意志を他者の行為の予測や説明によって他者に割り当てるのを助ける心の理論に関与している脳野

その研究の筆者らは社会的認知が欠如している人(自閉症や精神病)に対する瞑想トレーニングの効果を評価するには追加的研究が必要であると言っています。今後も作業が必要と見られる他の分野は瞑想関連のトレーニングによる企業レベルでの協力関係や健全なあり方、子供の社会的知性を育てることです。現在の結果に関してその研究の筆者らは次のように述べています:

「健康な成人の社会的知性や社会的相互作用関連の能力に構造的可塑性があることが判明したので、メンタルトレーニングの種類が決定要因であると考えられる。

参加者の日常的[瞑想]の練習が社会的感情的能力(同情や社会指向的動機付け)または社会的認知力(人の立場に立つ)のいずれかに応じて、灰白質がそれぞれの機能を支持している野で選択的に増加 した。他の発見事実からは、心する姿勢と社会的知性の異なる側面が養われる潜在的生物学的基盤に資することが示されている。」

瞑想によるストレスの軽減と管理

ストレスは成人が直面する最大の課題の一つであり、多くの人がストレスが精神衛生と肉体の健康に及ぼすマイナスの影響を報告しています。成人の中でもかなりの人々がストレス管理のために十分なことをしていないと感じています。調査対象者のほぼ半数はストレス管理を一月に二三回までしか行わないと回答していました(しかも18%は全く管理しないでした)。

ほぼ40 %の人はストレスのために不健康な食品を食べすぎあるいは食べていると報告している一方、46 %はストレスが高すぎて夜間起きたまま寝そべっていると言っていました。ストレスの程度とその広範な影響を前提すると、ストレスを軽減するために、瞑想はいつでもどこでも練習できる簡単なテクニックです。どこから始めるかよくわからなければ、感謝の心はストレスを下げるためにとてもよい焦点になりえます。

(いらいらさせたり不足なことではなく)自分が感謝できるようなことについて単に内省すると気分を高揚させ、ストレス度を下げるために魔法のように効きます。ほぼどんな活動にも簡単に応用しうる瞑想の一つは「心すること」であり、これは今ここに存在する自分の瞬間に注意することです。想念の赴くままに左右されず、今この瞬間を生きることを積極的に選ぶ一方、気が散る思いにとらわれずに心を通過させることです。

心することは一日のどの側面にも応用でき — 食べたり、家事をしながら、運転や仕事しながらでも — 単に心を引き締め、今この瞬間に体験している感覚に注意します。2017年のある研究によると、全身に及ぶ不安障害のある成人70人が心する姿勢を応用したストレス軽減(MBSR)クラスに参加したら、ストレスを感じる状況でストレス管理テクニックを一人でトレーニングした人よりうまく克服できました。

エッセンシャルオイルは瞑想の素敵なお供

エッセンシャルオイルはリラグゼーションや安静な気持ち、メンタルな明晰性を促すことによって瞑想体験を改善できます。瞑想中に落ち着けない方は、注意欠陥多動障害(ADHD)さえ助けるとわかっているエッセンシャルオイルを利用してみてください。瞑想中のエッセンシャルオイルの利用法:

  • 空気中へ分散させる: 瞑想中にエッセンシャルオイルをエッセンシャルオイル ディフューザーに入れて空気中に放散させると、感覚を刺激し、リラックスできます。
  • 皮膚にオイルを直接塗る: エッセンシャルオイルを脈拍点や脚の裏、あるいは手首に着けると瞑想中に自分で管理できる吸引が可能になります。瞑想中に気が散る元になっている身体の部分に1滴か2滴のエッセンシャルオイルを着けることもできます。

エッセンシャルオイルの芳香を吸引すると、アロマが肺を通って血流に入ります。この点はアロマセラピーが生理的効果を上げるメカニズムの一つであると考えられます。芳香は記憶と感情を共に管理する辺縁系に影響します。

瞑想へのエッセンシャルオイルによるすべての効能を挙げることは困難でしょうが、エッセンシャルオイルはストレス軽減、精力アップ、睡眠改善、記憶力改善、吐気や痛みの軽減、情緒安定には特に有用なことがわかっています。

多くのエッセンシャルオイルには抗菌性、抗真菌性や抗ウィルス性があり、抗生物質とは異なり、エッセンシャルオイルは菌の耐性を促しません。 エッセンシャルオイルは瞑想の体験を高めるために素晴らしい方法であり、最高品質の成分から抽出される100%純粋な治療グレードのエッセンシャルオイルを使う限り、最大限の効能が得られます。

ベルガモット、ラベンダー、レモン、ペパーミント、松、ベチバー、イランイランノキはストレス軽減に効くことがわかっており、クラリー・セージ(シソ科)、ラベンダー、オレンジ、ローマンカモミール、サンダルウッドは不安軽減に利用されるオイルの一例です。

心身のつながりを強める7つのヒント

以下のヒントは心と体の間の対話の健康なバランスを維持するのを助けるでしょう。思考と肉体的自然が調和していると、自分の身体がよく聞こえ、正しく体を扱い、元気な毎日を支持するための選択を行えるようになります。心身のつながりを培うには毎日以下のことを行うとよいでしょう:

  1. 心を落ち着け瞑想する時間を取る — マサチューセッツ総合病院のチームが行った研究によると、たった8週間の瞑想で落ち着きが出ただけではなく、脳がよい方向に変化しました。瞑想の効能が及ぶ脳野には同情、記憶、ストレス調節の中枢が含まれます。
  2. 健康な食事 — 有機の果物や野菜、豊富な健康的脂肪、草で育った肉を適量で構成する食事を摂ることは、身体に栄養が行き渡り、心が元気になるために欠かせないことです。心して食べ、よく咀嚼しましょう。
  3. 毎日エクササイズやエクササイズ以外の動作を行う — エクササイズは身体にメリットがあるだけではなく、心を元気にし、情緒面の健全なあり方を促します。何を選ぶにしても、プログラムには体幹運動、高強度インターバルトレーニング(HIIT)、ストレッチ、ウェートトレーニング等いろいろな活動を含めましょう。
  4. 適正な睡眠 — じゅうぶんな高品質の睡眠を毎晩取ることの重要性は強調してもし足りないほどです。適正な脳や免疫系のためにはほとんどの成人は約8時間寝る必要があります。さらに、適正な睡眠を取っていればストレスが掛かる状況をうまく乗り切れます。
  5. 毒のある感情を解放する — 怒り、失望、傷心等未処理の気持ちがわだかまる癖がある方は毒のある感情で知らぬうちに自分自身を心も身体も引きずられる毒のある感情で毒していると考えられます。感情解放テクニック(EFT)は感情面の毒素を解消するために素晴らしいツールです。EFTは不安を和らげるために特に有用であることが実証されています。
  6. 愛情関係を養う — 強力な社会的支持のネットワークはメンタルな健康と肉体の健康ともに必須のものです。孤独感は肥満や喫煙よりはるかに健康に害があることがわかっています。友達のネットワークが小さい方はボランティアを検討しましょう。
  7. 笑いを楽しむ — 笑いこそ最良の薬だと言う人もおり、笑いが免疫系を強くし、ストレスホルモンの生産を減らすことを科学研究は支持しています。しばらく笑っていない方は下のビデオの笑っている赤ちゃんはこの医者が自分の気分に耳を傾けるように勧めている好例です。