前立腺がんを手術無しで克服するには

前立腺がん 超音波

早分かり -

  • 前立腺がんは男性に最もよく発生するがんです。毎年約230,000人の男性が診断されますが毎年約29,000しか前立腺がんで死んでいません。ここで不明確なのは死んだ20,000人のうち何人がこのがんが直接死因で死んだのか、何人が治療で死んだのかということです
  • 従来式の診断や治療にはPSA試験、生検、手術、薬、放射線が含まれますが、これらはすべてマイナス面があり健康へのリスクを伴っています
  • 前立腺がんには非侵襲的で安全な診断法や治療法があり、前立腺がんで生き残った映画監督ピーター・スターがこれについて説明してくれました
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Dr. Mercolaより

高価で危険な手術や薬剤、あるいは放射線を使用しない治療法があればよいとは思いませんか?

受賞実績のある映画監督ピーター・スターが近年、ドキュメンタリーSurviving Prostate Cancer Without Surgery, Drugs, or Radiation(手術や薬剤、あるいは放射線を使用せずに前立腺がんを克服するには)を制作しました。同氏はこのテーマについて本も執筆しました。

2004年に同氏は前立腺がんと診断され、このフィルムや本の表題が表す通り、それから11年後にご本人の話をこれらの作品でいまでも共有しておられます。

ピーターががん治療にあまり知られていない方法を選んだ理由

ピーターは35年間ドキュメンタリーフィルムを制作し、その後はオートバイに乗るスタントマンになりました。1999年に重大事故に遭い、ほぼ9カ月間働けませんでした。その4年後さらにほぼ最近まで前立腺がんであると診断されました。

「その後、がんの発生メカニズムを言わば原因あるいはトリガーとなる感情的外傷について知ったのでこの事態は重大です」と同氏は言っています。

たいていの男性と同じようにピーターは毎年一回前立腺特異抗原(PSA)検査を受けるべきこととして従いましたが、直腸の指診(DRE)により懸念すべき部分が検出されたので、医師の指示通り生検を受けました。

「さて、生検が何であったか、生検で何を行うのか、何がわかるか、試験後の後遺症は何かについて全く説明されませんでした。私も一匹の羊だったのです。私は単にその検査プログラムを受け入れ、生検を行いました。

翌日、泌尿器科医から電話が来て、約8秒以内に『あなたはがんがあります。Dr. パトリック・ウォルシュの書いたこの本を読んで頂いて、その後また診察を受けにいらしてください」』と言われ、電話が切られました。

私の耳に残ったのはがんだけ、あの「C」で始まる単語です。たいていの人と同じく私は仰天しました。これに関しては対処可能であることを把握するまで4日を要しました。私にとってこのがんに対処することはすなわち、『その通り、あの本を読め』ということでした。

図書館や書店、健康関連の書店を数件回りました。そのタイトルの本が見つかりませんでしたが、Dr.ラリー・クラップの本でProstate Health in 90 Days90日で前立腺を健康にする)を見つけました。

その後他に23人の医者から意見を聞きに行きました。私の泌尿器科医師が『あなたは根本的な前立腺切除術を受ける必要があります』と言いましたが、私は受けませんでした。その時点まで私には保険がなく、医師にいくらかかるかを問いました。」

答えは$43,000で、ピーターにはそれを支払うことはできませんでした。ピーターはクリニックを出てからもう振り返りませんでした。医者へ行く代わりに、前立腺がん治療について従来式と非従来的考え方について知ることができる限りのことを知るため読んだり、人に聞いて回りました。

結局自分で治療プログラムを作り、その3年後、前立腺がんの兆候は全く検出されなくなりました。医者たちが検出できたものは軽度の損傷だけだったのです。安全のため、同氏は毎年3Dカラー・ドップラー超音波検査で監視し続けています。

「それから約4年後、懸念すべき物はなくなっていました。しかし私はこれだけ驚くほどの素材が集まっていたのでドキュメンタリーフィルムを制作することにしました。」

56人の医師が代替的前立腺がん治療を支持

三大陸で八カ国へ旅し、同氏は医師に専門分野の様々な側面に関して会見しました。合計するとそのフィルムに56人の医師が登場します—医師として勤務しているMD、DO、NDの他、医業は行っていなくても多くの研究を行う数人のPhDと話しました。

「ドキュメンタリーに登場する全員は高度な資格と地位のある方々です。最近PBCで放送されたそのドキュメンタリーフィルムの短編がありましたが、登場しているのはいんちき医者だと苦言を呈する医師がいましたので、この特殊な放送局のディレクターに『登場人物の肩書を見てください! 』と言いました。

従来式の思考法は彼らが儲ける方法であり彼らはそれしか身に着けていなかったので、従来式の考え方を批判することはほぼできないようなものでした。その枠から出る気構えがない人ばかりでした。私は誓って言いますと、こうした人々の中に前立腺がんになった人がいれば、私が学んだことを研究すればこの病気に対する考え方を改めるでしょう」と、ピーターは言っています。

前立腺がんはよくある一方、診断後の生存率はほぼ90%あります。毎年このがんを診断される221,800人のうち、27,500人が死亡しています。ピーターはこう説明しています:

「最近イギリスで行われたある研究が、前立腺がんに対して全く何もしなければ、従来式治療を受けるのと同じ余命になるでしょう。

これはあくまでも統計であり、死ぬ人や死なない人がいることは確かです。しかし、この統計をよく見ると、医学が全面的に無視していることがあります。」

生検はリスクのない診断ツールではない

ピーターはPSAスコアがほぼ4に近くなると行う生検を含む診断プロセスも見直します。生検のためには一本の針を十数回前立腺に指すので、ひどく出血する傾向があります。

多くの医者はいまだに粗超音波を使って前立腺の疑われる部位を見極めようとしているので、がん部位を見逃すリスクがあります。3Dカラー・ドップラーまたはMRIで前立腺をもっと明瞭にみることができます。

興味深いことに、欧州ではグリーソンスコアが6でも治療が実施されません。むしろ欧州では「注意して経過を見る」ことを推奨します。ピーターのグリーソンスコアは7でしたので、米国では手術が極めて推奨されるレベルです。実際に彼の主治医は手術しないと死ぬであろうと彼に言いました。

死に直面していると言われればたいていの人が搬送車に飛び乗って医者が勧めることなら何でもするほど十分な効果があります。ピーターによると、70%の男性は診断を受けてから48時間以内に手術を決心するが、このシステム全体がこの方向に誘導するように仕組まれています。

前立腺がんのより優れるスクリーニング方法があるでしょうか?

PSA検査をスクリーニングに用いることには多くの異論があります。PSAは炎症の標識であり前立腺炎、軽度の過形成やがん以外に健康の問題があることを示す可能性があります。ピーターの説明する通り、PSA検査は最終判断ができるような検査では全くなく、生検を実施する意思決定のためにこれだけに基づいてはならず、生検自体が重大なダメージを起こす可能性があります。

同氏は調査を行った結果、毎年指診を受けるほうがよいと考えています。指診は医師が前立腺の感触を探り、硬くなっているか、顕著な小結節が発生しているかを調べます。次に、すぐ生検へ進む前に3Dカラー・ドップラー超音波検査を最初に検討すべきであるとピーターは勧めています。

前立腺がんの従来式治療では死んでしまう多くの患者

ピーターの父親も前立腺がんと診断され、結局死んでしまいました。ピーターの説明によるとガンによってではなく治療によって死んだそうです。父親の診療記録を入手することができ、フルタミドという薬で治療されたことを発見しました。

「フルタミドは基本的に宦官になることを意味する米国で使用されるルプロンやカソデックスと用法としては同じイギリスで使用されている薬です。この薬で化学的に去勢されます。テストステロンを遮断します。父が死んだのは実際には心臓発作のためでした。死亡診断書には心筋梗塞とありました。

「フルタミドを投与され続けた年数を通して父の体は縮み、筋肉が縮小し、骨が減少し、心臓が停止したので心臓発作で死んだのです。しかし心臓発作で死んだのではなく、抗テストステロン薬の継続投与が原因で死んだわけです。」

テストステロンの派生物質であるジヒドロテストステロン(DHT)という前立腺がんの増殖を触媒すものと考えられる物質があるので、こうした薬はときどき推奨されています。しかしこれは正常な自然のテストステロンとは全く異なります。ピーターは研究の結果、遊離テストステロンが多い男性は前立腺がんにならないことを発見しました。テストステロンが少なく、エストロゲンが多い男性に前立腺がんが発生します。

「男性ホルモン八種類全てについて唾液検査を行い、医者にその結果を見ともらうことは私がお勧めしていることの一つです」と、同氏は言います。「次にホルモンが多いか不足か、どんな対策が必要なのかについて医者のアドバイスを受けることです。」例えば、Dr.アブラハム・モルゲンターラーはテストステロン(経口または注射)を前立腺がん患者に投与し、重篤な副作用もマイナスの作用もなく生活の質を改善できました。

前立腺がんの感情的要素

感情面の要素が前立腺がんの発症にも治療の成功においてもそれほど大きなインパクトを持つことに多くの人は驚かれるかもしれません。この感情面についてピーターは最初はDr.ライク・ヘールト・ハマーのGerman New Medicine(GNM)における著作について読んだのがきっかけで知ることになりましたが、Dr. ジルベール・ルノーに会うまでは完全には納得していませんでした。

ピーターは後に感情がいかに遺伝子発現を調節しうるかに関する先端の権威の一人であるDr. ブルース・リプトンにも会見しましたが、この遺伝子発現については卓越した著作The Biology of Belief(信念の生物学)」で詳しく説明されています。

通常は、最悪の感情的侮辱は7歳か8歳以前であり、この頃、こうした問題を克服させてくれる合理的思考の大脳皮質がまだ成熟していないので最適には機能していません。このため体内回路を深淵に損傷し、50年や60年後に死につながります。こうした理由をすべて鑑み、ピーターのプログラムは感情的外傷に対処して解放させることに大きく焦点を当てます。

ピーターはHealing Arts Education Foundation(癒しの美学教育基金)を創設し、男性に前立腺の健康や自然な治療方法について情報提供するために、男性指向のロータリークラブ等の会にプログラムを提供して取り組んでいます。予防は明らかに最良の選択ですが、前立腺がんの診断すなわち死の宣言ではないことを把握することは重要です。

ほとんどの男性は手術前に代替的治療方法に取り組むだけの時間があります。前立腺がんと診断された場合にピーターの基本的推奨事項を以下にまとめました。

前立腺がんの自然治癒に向けた4つのステップ

1. 血液 — 最初のステップにピーターは62項目血液検査を推奨します。栄養素欠乏が特定された場合、サプリメントで補正することが推奨されます。ビタミンD欠乏は前立腺がんと強い関連を示すのでビタミンDが特に注目すべき項目です。がんがあれば、ビタミンDの濃度を約70~100 ng/mlに維持するのが最適でしょう。

インスリン抵抗性の検査も重要です。インスリン抵抗性がある方の場合は砂糖を削減するように特に注意すべきです。理想的にはあらゆる摂取源から得る合計果糖摂取量を1日に15g未満に抑えることです。

封鎖式家畜飼養経営体(CAFO)から生産される家畜製品を避けましょう。これらの動物は日常的にホルモン、抗生物質、グリフォセートに汚染されたGMO穀物で飼育されているからです。加工食品はいい健康のためには食べない方がよく、特にがんの治療中は全く摂らない方がよいものです。

ピーターは絶食も勧めていますが、これは私の考えではインスリン抵抗性がある場合は特によい忠告であるといえます。私のお勧めは間歇的絶食であり、これが一生の取り組みである必要がありません。一たびインスリン抵抗性が解消したら、普通に食べ始めても構いません。

2. 毒素 — 次に彼が勧めるのは尿検査と検便による毒素検出です。毒素が検出されたら、デトックスプログラムを作成します。重金属は懸念事項ですが、多くの男性は解消すべき前立腺の石灰化が見られるのでカルシウムも要因として重要です。前立腺から石灰化を除去する戦略にはビタミンK2やデトクサミンという製品が含まれます。

3. ホルモン — 唾液検査ではホルモンについて分析します。

4. 感情 — 4番目そして最後のステップが感情的外傷への対処です。男性は自分の感情面について取り組みたがらないのですが、本当はすべきなのです。多くの代替手段はありますが、私が気に入っている一つが効果ありと科学的に実証済みの感情解放テクニック(EFT)です。

この非侵襲的で身に着けやすいタップテクニックで、外傷の原因をよく把握していなくても体内に溜まった感情を解放し易くなります。