Dr. Mercolaより
新鮮な産物なら有機か従来式生産方法によるかを問わず、最も健康的な食品の1つです。
しかし有機産品なら従来式生産による産品より栄養豊富で味がよく、重要な点として残留農薬を含まない傾向があるので、有利です。
実際に、人々が有機を選ぶ最大の理由は農薬やその他の化学物質を避けることであり、アメリカでは大多数が少なくとも時折有機食品を食べます。
予算の都合で100%いつも有機食品を買うことができない — またはお住まいの地域では適切な物が選べない場合 — どの食品を他より優先するかを知っておくと便利です。つまり、どの従来式食品が最も汚染されており、このため有機を買うのが最も重要なのはどれでしょうか?
毎年、環境作業グループ(EWG)は「Dirty Dozen」(汚い12種類)という産品リストを公表しており、そこに掲載されているものは農薬で最も汚染されています。2018年はお馴染みの苺が最も汚い産品の首位を3年連続で獲得しました。
EWGはほぼ70%の従来式生産方法による産物の試料に残留農薬が含まれていることを明らかにした米国農務省(USDA)による試験を分析しました。全体としては、230種類の農薬や殺虫剤の分解生成物が38,800個の非有機試料から検出されました。
食品農業経営連合(Alliance for Food and Farming)という大規模農産品生産者と農薬や肥料の供給者の利害を代表する業界団体が果物や野菜に含まれる99%の残留農薬は環境保護庁(EPA)が設定した安全基準未満であると直ちに指摘しましたが、欧州議会が委託したある報告書は現状の農薬暴露レベルでさえ子供にはマイナスな健康への影響が起きうることを発見しました。
問題の一部は農薬の「安全」限界値は一回に一種類の農薬による影響を検査した動物実験に基づくことで、実際には人間が複数の農薬(や化学物質)の残留物に同時に暴露されています。
例えばJAMA Internal Medicineに掲載されたある研究は、残留農薬が多い果物や野菜を多く食べると不妊症の治療中の女性が妊娠できる確率が下がることに関連することを実証しました。
具体的にみると、残留農薬が多い産品を毎日2回かそれ以上食べるとこれより少なく食べた人より26%妊娠確率が下がることがわかりました。残留農薬が多い果物や野菜を食べると男性の場合精液の質が下がっていました。Human Reproductionに掲載されたその研究がこう説明しています:
「平均して、残留農薬が多い果物や野菜を最も多く食べた四分位に含まれる男性(≥1.5 食/日)はこの摂取量が最も少ない(<0.5 食/日) 四分位の人より精子数が49%、形態が正常な精子数の割合が32%少なかった。… 残留農薬が少ないから中程度の果物や野菜を食べた人は形態が正常な精子の比率が高い傾向にあった。」
2016年と2017年に続いて今年も、苺は1粒の実に最大22種類の農薬が検出された残留農薬量第一位にランクされました。
苺の試料のほぼ全て(99%)は少なくとも1種類の残留農薬が検出された一方、20%には10種類以上が含まれていました。様々な組み合わせの農薬81種類の残留物が苺試料から検出され、試料1粒当たり平均7.8種類が検出されたと、EWGが指摘しました。
比較までに、他の産品には一試料当たり平均して2.1種類の農薬が含まれていました。カリフォルニア州で栽培されている苺の1エーカー(約4047平米)に農薬が約300ポンド(約136.2g)噴霧されている通り、苺が最も大量に農薬を噴霧されている作物であるだけではなく、害虫や雑草を殺すために植え付け前に土壌に対して神経ガスも使用され使用しています。苺に使用される最も懸念される化学物質の数例:
すでに取り上げましたが、有毒燻蒸処理剤も植え付け前の土壌滅菌に投入されています。防水シートはガスを地中に保持するために使用しますが、ときとしてはガス(催涙ガスの有効成分であるクロロピクリンや発がん物質の1,3-ジクロロプロペンを含む)が漏れ、大気を汚染し、農場の作業者や近隣の住人をリスクに晒します。
輪作を含め有機的な代替措置はあるので、これでも害虫を減らせ、嫌気性土壌駆除(ASD)という米ぬかや糖蜜を地表に混ぜ水を加え、防水シートを被せて病原菌を殺すことができます。
残留農薬が最も検出されたその他の果物や野菜は何でしょうか? EWG Dirty Dozenリストに以下が挙がっています:
苺
ほうれん草
ネクタリン
リンゴ
ブドウ
桃
サクランボ
梨
トマト
セロリ
じゃがいも
アマトウガラシ
さらに「パン屋さんの12種類」の13位に今年から登場したものが唐辛子です。その分析によると特定の作物には禁止されている有毒な殺虫剤アセファートクロルピリフォスとオキサミルが一部の唐辛子から検出されました。
これらの薬剤が含まれている可能性が高いので、EWGは頻繁に食べる習慣がある人は有機唐辛子を買うか、有機が見つからない限り少なくとも熱して残留農薬を減らすように推奨しています。
注目すべきは98%以上の「最も汚い」上位6種類の試料(苺、ほうれん草、桃、ネクタリン、サクランボリンゴ)には少なくとも1種類の殺虫剤が検出され、ほうれん草には重量当たりでは他の作物より1.8倍多い残留農薬が検出されました。
ほうれん草の場合、76%の試料にペルメトリンが残留していました。ペルメトリンは菊に含まれる天然化学物質から作られた派生合成化学物質であるピレトロイド系殺虫剤です。
動物実験によるとピレトロイドは神経や免疫系、生殖能力に損傷を与える一方、カナダのある研究が、ピレトロイドは子供の行動障害につながっていることを示唆しています。
ある研究では、1種類のピレトロイド分解生成物の尿中濃度が10倍増加すると注意散漫や活発性過度等の異常行動を親が報告した頻度が高くなるといったように子供へのリスクが二倍に増えました。EUではペルメトリンは食物作物には禁止されています。
80%のリンゴ試料から検出されたジフェニルアミンにも注意すべきです。殺虫剤として登録されていながら昆虫や雑草、カビを殺さないこの化学物質は収穫後のリンゴに噴霧され、保管中に表皮に暗い斑点が発生しないようにしています。
EUはこの化学物質で処理されたリンゴの輸入を禁止しており、ジフェニルアミンで処理した果物に発がん性のニトロサミンが形成される潜在性についての懸念を表明しています。
米国ではEPAがこの化学物質は安全だと主張しており、アメリカ人は非有機のリンゴを食べるたびにこの化学物質に暴露されていると考えられます。EWGが「アメリカ人は毎年平均約4.54kgの生のリンゴを食べるので、低濃度ニトロサミンであっても人の健康にはリスクとなる可能性が高い」としています。
どの従来の産品なら残留農薬が最も少ないかについてもEWGがリストアップしています。次に、2018年の残留農薬が最も検出されにくかったClean 15です:
アボガド
スイートコーン
パイナップル
キャベツ
タマネギ
ジャコウエンドウ(冷凍)
パパイヤ
アスパラガス
マンゴ
ナス
ハニーデューメロン
キウィ
カンタループ
カリフラワー
ブロッコリー
アボカドとスイートコーンのうち試料の1%未満しか農薬を含まず、80%超のパイナップル、パパイヤ、アスパラガス、オニオン、キャベツも残留農薬がありませんでした。
Clean 15リストに挙がっている試料のうち4種類を超える農薬がある物は皆無で、5%のみ2種類以上(4種類以下)含んでいただけでした。
有機産品を食べれば体内の農薬濃度が下がることが研究からわかっています。ある研究では、5人家族が2週間有機品だけにしたら、体内の残留農薬濃度が大幅に低下し、従来の6.7分の一に減ったことが示されています。Environmental Health Perspectivesに掲載されている別の研究でも同じ結果になりました。
こちらの研究は約4,500人の米国6都市の住人の食生活を分析したもので、米国の農場では最も一般的に使用されている殺虫剤である有機リン酸エステル(OPs)の体内濃度を計測しました。
従来農法で生産された産品を食べていた人はOPの代謝生成物が高濃度に検出された一方、有機産品を食べていた人からは大幅に低濃度しか検出されませんでした。「しばしばまたは常に」有機食品を食べる人は残留殺虫剤レベルが有機農産物をほとんど食べない人よりも約65%低いことがわかりました。
遺伝子操作品すなわち遺伝子組み換え生物(GMO)の使用は有機産品には禁止されているので有機品を食べれば体内の残留農薬が減るのに加え、GMO無しの物も食べていることになります。
GE(遺伝子組み換え)産品が禁止されているだけではなく、有機農場で飼育される家畜にGEアルファルファやGEコーンを給餌してはならないのです。有機なら食費対栄養価が高くなります。例えば、あるイギリスの研究は有機作物には従来品より「はるかに」多くの抗酸化物質が含まれ、これには心臓病や神経萎縮性疾患、一部のがんを含む慢性病リスク低下につながる有用な化合物を含むことを実証しました。
有機野菜と従来農法による野菜の化学成分と栄養価を比較したあるハンガリーの研究も同じ結論に達しました。有機品のほうがはるかにビタミンCやポリフェノール、フラボノイド、ミネラルの量が多いのです(残留農薬や硝酸塩、重金属系汚染物質)。
総じて言うと、どの産品についてはどちらかというと有機を必ず選ぶようにすべきかに関して、有機の動物性食品を最優先し、次にEWGの「Dirty Dozen」リストを参考にするよう私からお勧めします。
非有機産品を食べるなら、w重曹の水溶液で洗うと野菜や果物の表面から農薬の一部を除去しやすくなりますが、表皮の下まで侵入した残留化学物質までは除去できません。
皮を剥くことは残留農薬を減らすもう一つの方法ですが、これでは皮に含まれる栄養素を捨てることになります(果肉にまで浸透した残留農薬はそれでもあります)。以上の理由により、食品の中の残留農薬を回避するための最適な方法は最初から農薬と接触していない物を選ぶこと、つまり有機産品を選ぶことです。
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