筋肉痛予防のための12種類の食品

筋肉痛に効く食品

早分かり -

  • 新たなエクササイズやきついエクササイズをするとき起きる遅発性筋肉痛(DOMS)は食で対応できる身体の反応です
  • きつい運動の後回復するのに最適な食品は、健康な量の炭水化物とタンパク質を含む有機の生の自然食品です
  • 筋肉痛を和らげる食品にはバナナやカカオ、コーヒー、玉子、鮭、ほうれん草、さつまいも、すいか、さらにシナモンや生姜、ウコン等の香辛料があります
  • エクササイズのとき避けるべき二つの物質はアルコールと糖分で、両方とも炎症を起こすからです
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Dr. Mercolaより

筋肉痛という現実(またはそれが怖い状態)はエクササイズをしたくない人や運動をもっときつくしたいと願い人によくある原因です。新しいタイプのエクササイズを始めると遅発性筋肉痛(DOMS)という状態になることはきわめてよくあることですが、日常的にエクササイズをしていてもDOMSは起こり得ます。

DOMSと癒しを速める食品についてよく知れば、筋肉痛や凝りが生じても運動を続けられるようになるでしょう。

運動後に肉体を支持する一つの方法には筋肉の回復や成長を助ける食品を食べることです。筋肉痛に効く食品ベスト12と運動のとき避けるべき2つの物質について以下ご説明します。

運動後の筋肉痛の原因は何か?

筋硬直は新しいエクササイズを始めた後や今のプログラムに新たな運動を加えたり、普段行っている運動の強度を上げたり時間を伸ばすと起きることがあります。この硬直はよく不快感、痛みを伴い、場合によっては痙攣もあります。

しばらくエクササイズをしてきた方の場合、運動で筋肉に微細な亀裂が走り、DOMSにつながることはすでにご存じでしょう。微小な亀裂が筋肉痛や硬直につながり、不快な日が運動後に1日か2日あるときでも、これらの繊維質が回復すると筋肉の質量と強度を増やすことはできます。

どんな運動もDOMSの不快感につながることがありますが、特にジョギング、スクワット、腕立て伏せやウェートリフティングがこうした状態によくなります。起床時ベッドから起き上がるときや、靴を履いたり、体を曲げたり物を上げる必要がある作業をするとき等日常的な活動をするとき、DOMS関連の影響を感じることがあります。

朝の筋肉痛

運動に関連する硬直は必ずしも懸念の種ではなく、自宅で対応できます。単に筋肉を強くし調子をよくするために必要な過程なのです。しかし特に新たな変わった運動をするとDOMSの不快さを感じることはよくあります。

ご参考までに言うと、エクササイズで筋肉が動くとき、同心動作と偏心動作の両方が起きます。同心運動の間は持ち上げる荷重は筋力の最大値には至りません。収縮により筋肉が短くなり、バイセプスカール(上腕筋トレーニング)のときウェートを持ち上げる動作がその例です。

その一方、偏心的筋肉の収縮は筋肉への負荷が筋肉への外部からの作用力が筋肉が生み出せる力を超えるときに起きます。筋肉が完全に活性化していても、外部からの負荷が高く伸びるように強制されます。

バイセップカールについて考えてみましょう: 腕を伸ばすに連れ、筋肉は伸びますが、この延伸動作を制御しようとしてまだ活性化された状態にあります。この偏心動作が筋線維に構造的支障をきたし、微細な裂け目やそれによる筋肉痛や硬直につながります。

筋肉痛を和らげる12種類の食品

カカオ — チョコレートが好きな方ならカカオニブを運動後のスムージーに少々加えるとおいしくいただけ、筋肉痛が和らぎます。

公認食事療法士・栄養士のクリステン・カルルッチさんはブルーンバーグ社ニューヨーク拠点の従業員1600人以上のウェルネスコーチですが、こう言っています:「カカオは抗酸化物質、マグネシウム、ビタミンB群が豊富で、エクササイズによる身体のストレスを軽くし、電解質のバランスを取り、体力を増強します。」

研究によるとカカオの中の 抗酸化物質(フラボノイド)は体内で一酸化窒素を増やします。一酸化窒素は血管壁を解し、開くので、血圧が下がります。カカオの他、アルグラや緑葉野菜も健康的な窒化物のすばらしい摂取源です。

コーヒー — 大学生女子の年代に匹敵する女性を対象にしたある小規模研究では、適度なカフェイン用量 — 約コーヒー2杯分 — で運動後の筋肉痛を偏心運動では26%、等量収縮性のエクササイズでは48%削減することがわかりました。

JAMAによる10,000人以上の患者が20年間参加した30件の臨床研究に関する批評からカフェインが「鎮痛剤」として効果を持つことが判明しました。同じ鎮痛効果を得るのにカフェインと合わせて鎮痛剤を投与した場合、薬剤が40%少なくて済むことが研究から判明しました。コーヒーは有機のフェアートレード産品を選びましょう。

玉子 — タンパク質は筋肉の主な構成要素なので、玉子等のタンパク質摂取源を運動後の食事に加えるとDOMSが和らぎます。玉子が有機で草で育った鶏のもの(滅菌処理していない)であることを確認しましょう。

American Journal of Clinical Nutritionに掲載されたある研究から、自然食品に含まれるタンパク質やその他の栄養素はタンパク質のみ食べるより筋肉成長を促す効果があることが判明しています。具体的に言うと、その被験者グループは自然な玉子を3個(18 gのタンパク質と17 gの脂肪に相当する)食べました。ついでに言うと、有機の放し飼いの鶏から取れた玉子のみ私はお勧めしています。

ショウガとシナモン — 60人の13歳から25歳の健康な女性のテコンドー選手を対象にしたイランのある研究では、ショウガやシナモンが運動後の筋肉痛に対して抗炎症効果を持つことが明らかになりました。

その女性たちを無作為に3グループに分け — 3 gのシナモンかショウガまたは偽薬を6週間毎日食べた3グループ —、筋肉痛を研究の開始時と終了時に評価しました。シナモンとショウガを食べたグループでは筋肉痛が軽くなっていました。

緑茶 — 有機ブランドである限り緑茶は為になりますが、カルルッチさんによると、「緑茶には抗炎症性の抗酸化物質が豊富に含まれており、運動後の飲み物としては最適にエクササイズ関連の筋肉や細胞の損傷予防に効果がある」そうです。運動選手は体内を保湿でき、これがトレーニングや回復に欠かせません。

2018年にPhysiology & Behavior誌に掲載されたあるブラジルの研究は、緑茶の効果を、DOMSを発生させるようにトライセップエクササイズを繰り返したトレーニングされていない20人の男性が酸化した15日間の研究で評価しました。視覚的尺度と血液標本を使い、緑茶の筋肉痛や筋肉の損傷、酸化ストレスに及ぼす効果を評価した研究者らの結果はさまざまでした。

マヌカハニー — マヌカハニー は抗炎症剤として長い歴史があります。この貴重な(高価な)単一の花から摂れた蜂蜜はニュージーランドにあるマヌカ灌木から取れる花蜜を餌にしたものです。マヌカハニーは普通の蜂蜜より粘度が高く、独特の風味があります。

「マヌカハニーは体内のエクササイズによる炎症を抑える効能がある抗炎症剤です」とカルルッチさんは言います。「さらに、炭水化物も豊富に含まれ、これはグリコーゲンの備蓄を補給し、筋肉にタンパク質を供給するために必要です。」

市販のマヌカハニーは偽物が多いので、ブランドを調査し、成分ラベルを注意してご覧ください。

ナッツや種 — 植物系オメガ3脂肪酸の健康的な摂取源として、炎症を抑える有機のナッツや種類も筋肉の合成や成長に必要なタンパク質を提供してくれ、その電解質は保湿効果があり、亜鉛は免疫力を高くします、とカルルッチさんが説明してくれました。

U.S. News & World Report紙によると、植物系栄養素のエキスパートで著作「スライブ」シリーズの筆者ブレンダン・ブラジェ氏(健康への貢献者)によると、一握りのアーモンドやレーズン等の乾燥果物などの高炭水化物、低タンパク質な食品は運動後のグリコーゲン備蓄を補給しやすくするそうです。(注意を要するのは、乾燥フルーツには果糖が高濃度に入っているので、適度にお食べください。)

野生の鮭 — 抗炎症性動物性オメガ3脂肪、抗酸化物質、筋肉を作るタンパク質のすばらしい摂取源はアラスカの野生捕獲鮭です。オメガ3の運動選手による消費に関する研究はこうした鮭ならDOMSや炎症を予防することがわかっているので、最適な運動後の食品であると考える人もいます。

カルルッチさんがこう言っています:「鮭には抗炎症性のオメガ3脂肪酸に加え、無駄がないタンパク質が豊富です — これは筋肉の回復と構築のための主成分です。タンパク質は運動後45分以内に食べると適度な回復や強度につながります。」野生捕獲されたもののみ選び、いかなる養殖鮭も避けましょう。

ほうれん草 — ほうれん草は体内のフリーラジカルによるダメージを治すことが知られており抗酸化力旺盛です。ほうれん草はがんや心臓病等の重篤な病気を予防するほか、健康的な緑の葉は窒素成分のおかげできついエクササイズの後の回復に有用です、とカルルッチさんにご説明いただきました。

ほうれん草にはマグネシウムも含まれ、これが正常な筋肉や神経の機能を助けます。有機のもの、最適なのはほうれん草を自分で作ることです。

さつまいもやヤム — でんぷんが豊富で炭水化物がたくさんある野菜として有機のさつまいもやヤムをきついエクササイズの後食べるとグリコーゲンの備蓄を補給するのに最適です。

さらに、さつまいもやヤムは血糖指数が低いので、血流に糖分がゆっくりと放出され、エネルギーを持続させやすいです。また、ベータカロテンやビタミンCも豊富な摂取源です — これらは免疫系を支持し、酸化ストレスを軽くする抗酸化物質です。

酸っぱいさくらんぼ — 酸っぱいさくらんぼ(タートチェリー)は運動選手のパフォーマンスをアップし、耐久力と回復力をつけ、エクササイズ後の炎症や痛みを和らげます。酸っぱいさくらんぼとチェリージュースで関節炎や痛風の軽減や予防に有用です。

これと同じ効果があるアンソシアニンや抗酸化物質は心臓血管病や糖尿病を軽減すると考えられています。しかしさくらんぼ1カップに果糖が13.6 gもあるので、食べすぎないように注意しましょう。

ウコン — ゴールデンスパイスと呼ばれるウコンの有効成分 — 強力な抗酸化物質クルクミン — に関するある研究が、クルクミンのサプリメントでDOMS関連の痛みが和らぎ、負傷リスクが下がり、筋肉のパフォーマンス復活を速めることを示しています。

ウコンのクルクミンは吸収性が悪いので、ウコンを食品に添加した場合は吸収できるクルクミンが1%しかないことにご注意ください。クルクミンの吸収率を高める方法:

  • ウコンの粉を沸騰する — テーブルスプーン1のウコンを約1Lの水に入れて10分煮沸し、12%溶液とし、これを直ぐ飲む
  • 微粒子乳剤 — テーブルスプーン1の生ウコンの粉に玉子の黄身2個分とココナッツオイルティースプーン2を混ぜて飲む
  • 高品質クルクミンサプリ — 有機100%認証の成分の商品で95%以上のクルクミノイドがあるものをお探しください。添加剤やフィラーを使用していない持続性認証調製品をお選びください。

Bodybuilding.comでは毎日3~4 gを勧めていますが、これにピペリンをクルクミンサプリに加えて飲むと生体利用能が高まると注意しています。

身体をエクササイズ後補充するために以上の豊富な健康的食品をご紹介したうえで、最後に必ず避けるべきもの2つは、アルコールと糖分です。これらはエクササイズや健康的な生活に合わない炎症性物質です。

身体は回復中に炭水化物が必要ですが、炭水化物とタンパク質とも含むものを上記の自然食品から1つか複数選ぶようにお勧めします。きつい運動後に身体が回復しやすいように正しく食品を選ぶと、気持ちもよくなり、筋肉痛も少なくなるでしょう — これらはより頻繁に運動するとよい要因です。