Dr. Mercolaより
身体はエネルギーとしてグルコースを継続的に消費する必要があるという考えは深く根付いた神話です。こうした誤解を招いたアドバイスの結果、心臓病やがんが増加し続け、世界的ではなくても国家的な病気の蔓延を促しました。
真実はといえば、たいていの長期的低脂肪高炭水化物食はミトコンドリアの機能を阻害し、ほとんどの人が考慮しようとしない一方で病気をますます増やしています。
実は、脂肪食は人のメタボリズムにとって優先すべき燃料なのです。2016年にBritish National Obesity Forum and the Public Health Collaboration(イギリスの国家肥満フォーラムと厚生省の協業プロジェクト)が43本の研究を分析した結果、低脂肪食を勧めることは「健康に破壊的インパクトがある」という警告を発した肥満共同レポートを発行しました。その筆者らによると、現行ガイドラインは食品飲料業界の売り上げのために操作された汚職の賜物で似非科学に基づいています。
その報告書は結論として、低炭水化物、高脂肪食 — おやつを食べず、食の回数を減らすことで — 肥満の蔓延を解決できそうであると示唆しています。
このタイプの食生活の利点は私が最近出した本「Fat for Fuel,」(脂肪を燃料にする)の中心的課題であり、私の無料のオンラインコースはこの中心的課題に基づいて7種類の取り組みレッスンを通して、肉体が分子レベルでどのように機能しているかについてといかに異なる食品が身体にインパクトを与えているかについてご説明しています。
従来式の減量アドバイスはカロリーを減らし、より少なく食べ、もっとエクササイズするだけでした。これより若干よいアドバイスは特に糖分を減らすことを勧めます。しかしこれで最初は減量できる人が多い反面、リバウンドするまでそう時間はかかりません。
気づかぬうちに、ヨーヨーのようにこれを繰り返す羽目に陥ります。もっとよい方法があります。以下のメリットについて情報を提供することにより今日私たちが直面している病気の蔓延を減らすことができるかもしれません:
カロリーはどれでも等質なわけではないので、減量のためにカロリー値だけ見ていても長期的な健康に効果がありません。カロリーの新陳代謝的効果はその摂取源によりけりです。ポッキー(砂糖と炭水化物の塊)から得られるカロリーはアボカドやナッツから得られるカロリーとは異なります。
この点をお断りしたうえで、余計なおやつは肥満におおいに寄与するので、減量して肥らないようにするには、食事の頻度を減らす必要があります。
私のお勧めは1日2食に限ることで、朝食と昼食か昼食と夕食の2回を6~8時間の枠内で済ませることです。この食事のタイミングは間接的絶食の一形態に相当します。毎日特定の時間帯にのみ食べるようにすれば残りの時間は絶食時間になるからです。
何日間も水だけの断食もパワフルな健康的メリットを得られますが、これはだんだん慣れていく必要があります。
私が極めて有用であると認識している一つの戦略は間歇的絶食の時間をだんだん長くしていき、結局一日の内20時間絶食している状態にもっていくことです。これをおよそ一か月行うと、長い間食べないことに慣れているので、4~5日間水のみの断食がそれほど苦にならなくなります。
長年私は水のみの断食には懐疑を抱いていましたが、その新陳代謝へのメリットを知り、比較的安全で、自分で試してからは、ほとんど利用されていなかったが今やパワフルな手段であると確信するに至りました。およそ3~4日目に起きる思考力の明晰さだけとっても行う価値があります。
実際にはメリットはまだほかにもあります。重要な点は、水だけの断食はオートファジーを活性化するので、身体は自己浄化でき、幹細胞の再生を促します。顕著な点としては、水だけの断食をすると通常皮膚のだぶつきが起きません。低カロリーダイエットがひどい肥満の人に皮膚のだぶつきを発生させ、これを大幅に減量した後手術で除去する必要があるほどです。身体は水だけの断食をすると効率的な再生モードに入るので、行うにつれて余分な皮膚を新陳代謝します。
1日に200~300kcalしか摂らなくてもオートファジープロセスが中断されてしまうので、完全に水だけの断食を自分で始めたのです。今や私は毎月5日間は水だけの断食をしており、以前私が一日に20時間の間歇的絶食をしていた経験から、特にたいへんお腹が空くことがありませんでした。最初から何の苦も無くできました。
重篤な肥満や2型糖尿病の患者には水だけの絶食がよいかもしれません。近年の研究4では比較的短期の絶食で2型糖尿病を回復させたことが確認されました。その研究では、2型糖尿病患者は8週間一日に600kcalしか摂らない厳しく制限したカロリーダイエットを行いました。
その絶食が終わる頃までに全員の病気が治り、その3か月後、通常の食生活に戻った11人の参加者のうち7人が再発しませんでした。絶食すると1型と2型糖尿病患者5ともに膵臓の再生を促しますが、これこそ絶食すると体内で再生力が促されることの根拠です。
ケトーシスという栄養形態 — 肉体が糖分ではなく脂肪を主な燃料源にする食生活 — について重要でありながらほとんど議論されていない側面は食と飢餓の周期です。その理由は、長期的な継続的ケトーシスという栄養形態ではインスリンレベルを極低げることで血糖を上げるという事実に関連しています。
この逆説的状況が起きるのは、インスリンの主機能が細胞の中に糖分を送ることではなく、肝臓によるグルコースの生産(肝臓内糖新生)を抑制することにあるからです
血糖が慢性的かつ過度の低インスリンのために高くなると、一個のフルーツやその他の糖分を含む食品を食べると血糖が増えずに減ります。慢性的低炭水化物食は腸内細菌叢に最適な栄養を供給しないので、長期的には細菌叢にも支障がある可能性があります。
この状況はケトーシスという栄養形態を基本的には週一日ペースの絶食と週1~2日の通常食で正味炭水化物量を倍増から4倍増してもよいことにより周期化することで防止できます。
身体は新陳代謝的にグルコースと脂肪を燃料源として利用できる柔軟性があります。問題は高炭水化物食を長期続けると、身体は脂肪を燃やす機能を失うことです。しかし食事の炭水化物対脂肪比を逆転させるとこれを回復できます。
肉体が脂肪を燃料として代謝できるようになると、肝臓はケトンという水溶性の脂肪を生産し、これが炭水化物より効率的に代謝されるので、副産物の反応性酸素種や二次フリーラジカルがはるかに少ないです。
このため効率のよい脂肪代謝の体質になるのが最適な健康のために重要なのです。ケトンでグルコースの新陳代謝がよくなり、炎症を軽減します。
最近のある研究によると、ケトジェニック(高脂肪低炭水化物)食が脳卒中やその他の脳の外傷のほかにも脳の炎症を削減するためにさえカギを握っていることが示唆されています。慢性的炎症は関節炎等の痛みを伴う異常を含む大部分の慢性病の典型的な兆候です。ある研究で指摘されている通り、ケトジェニック食は次の点で炎症関連の痛みを和らげるのに有用です:
ケトジェニック食を実行する最初の手順はパッケージされた加工食品を一切食べないこと。本物の自然食品、豊富な健康な脂肪を主体にし、最初は(繊維質以外の)炭水化物をできる限り減らす。
これには全ての穀類や果糖と同時に乳糖(牛乳に含まれる)やその他の砂糖であって添加したものも天然産の糖も含めあらゆる糖分が高い食品を大幅に減らすか一時的に全く食べないことです。
基本的には正味炭水化物を一日に20~50 g以下まで下げ、タンパク質を体脂肪抜きの正味体質量1kg当たり1 gに制限すること。最も精確な栄養素トラッカーの一つwww.cronometer.com/mercola等のオンラインの栄養素トラッカーを利用して、栄養素の必要条件を満たしているかどうか、また最適な栄養素の比率を維持するようにしましょう。
このトラッカーはケトーシスという栄養形態に向けて設定されているので、ご自分の入力する基本パラメータに基づいて、ケトーシスという栄養形態を実現するために必要な正味炭水化物量、タンパク質量、健康な脂肪の最適比を自動で計算します。これなら糖分ではなく脂肪を主な燃料として肉体が代謝し始めることが可能になるので、ミトコンドリアの機能を最適化でき、全身の健康や元気な状態も最適になります。
この食生活を成功させるもう一つのカギは典型的なアメリカ式の食事(加工食品や揚げ物に使われている加工脂肪、植物油)によくある脂肪ではなく、高品質のよい脂肪を食べることです。
動物系か植物系かを問わず食品に自然に含まれている脂肪なら何でも健康的なメリットがあります。例えば、動物製品やココナッツオイルに含まれる飽和脂肪:
もっと食べるとよい健康な脂肪の例:
オリーブやオリーブオイル(第三者機関の認証を取得した製品のみとすること。市販のオリーブオイルの80%は植物油と混ぜて劣化したもの)
オリーブオイルは調理に使わなず、冷たいまま利用する)
ココナッツオイル(酸化せずに高温でも安定なので調理に最適)
動物系オメガ3脂肪:水銀が少ない油の乗った魚、例えば、野生捕獲のアラスカ鮭やイワシ、アンチョビ、オキアミ油
生の草で育った有機のミルクから作るバター
マカダミアやピーカン等生のナッツ
黒ゴマやクミン、カボチャの種、麻の種
アボガド
牧草で育てた肉
MCTオイル
ギー(浄化バター)、ラードや獣脂(調理によく合う)
生のカカオバター
放し飼いの有機玉子
避けるべき有害な脂肪は全て加工脂肪です。これには酸化を促進するトランス脂肪、高度に精製された多価不飽和サラダオイルが含まれる:これはオメガ6が多く、加熱すると環状アルデヒド等の有毒酸化反応生成物を生む。サラダオイルは酸化されたコレストロールを増やすので、これがLDL粒子に入ると破壊的な影響がある。
また、オメガ6多価不飽和脂肪 — 特に工業的に精製された製品 — を大量に消費すると燃料として効果的に代謝されない。その代わり、細胞やミトコンドリアの膜から入り、そこで酸化損傷を受けやすくなるので、究極的にはメタボリズムを害する。これらの有害な脂肪は次のことを起こします:
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