電子レンジで加熱した玉子を避ける

マイクロ波で加熱した玉子

早分かり -

  • 電子レンジは食品に化学変化を起こし、栄養を減らし、マイクロ波の電磁場がミトコンドリアの機能障害を引き起こし、健康によくない
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Dr. Mercolaより

玉子は最適な食品ともいえるほどよいものです。玉子の黄身にはビタミンA、D、E、K、B12、オメガ3脂肪、葉酸塩、抗酸化物質が豊富です。多用性に富みます。どの食事にも合い、子供が好きで、殻付きでも殻無しでも調理できる。

1920年代まで、鶏はほぼ玉子を取るためにのみ飼育されていました。鶏肉は季節によっては売られていましたが、高価であまりおいしくありませんでした。この状況は1923年、突如として偶然に農家の妻セシール・スティールが誤って50個ではなく500羽の雛を注文したことから変わりました。

農夫は余分な雛を食肉用に販売しました。その「ミス」はあまりにも成功を博したので、それ以降毎年この発注が繰り返されました。その後、1948年にりおいしい鶏肉を育てるコンテストが開催され、今日では20世紀初頭より多くの鶏肉を食べるようになりました。

1960年代に低脂肪のまやかしが人気を博すにつれ、医者が誤謬であるにもかかわらず黄身はコレステロールが高いと言われているので玉子の白身だけ食べるとよいと推奨していたのです。メディアは玉子で体内のコレステロールが増え、心臓病リスクが高くなると警告しました。

マイクロ波での超加熱は爆発の元

固ゆで玉子

固ゆで玉子を電子レンジで再加熱すれば事故が起きます。イギリスである9歳の女の子が玉子を40秒加熱してテーブルへ持っていく間に玉子が爆発したことでこのことを体験しました。超加熱された玉子の断片が角膜を引き裂き、水晶体の置換手術が必要になり、数か月後に視力が復活しました。

眼科医らはこの事故を事例に取り上げ、電子レンジに玉子の破裂の危険について警告ラベルを貼るように電子レンジメーカーに要求しました。メーカーは玉子を最初に数か所穴を開けてから電子レンジで加熱するように警告しています。

しかし、こうした警告は電子レンジの取扱説明書に記載されているだけであると、イギリスのクィーンメリー病院眼科医でメーカー宛て手紙の連名筆者の一人Dr.ソラブ・ゴイヤル氏が説明しています。

2001年に公表されたある文献の論評が電子レンジから取り出したら玉子が破裂して火傷事故に至った13件の事故を紹介していました。これらの事故の中には殻や黄身に数回穴を開けても発生したものがありました。2002年に、イギリスで2,700人が電子レンジ関連の負傷を負い、その半数は熱い液体によるものでした。

その後、近年にはあるレストランで電子レンジで再加熱した玉子を噛んだ客が提訴する事態がありました。玉子が口の中で破裂して大きな音を立て、火傷を負ったからです。

玉子の破裂で聴覚損傷は起きない

その後の法廷審理でサンフランシスコの音響専門会社が破裂した玉子のノイズで聴覚損傷が起きうるものかどうか検査するよう依頼されました。その会社は検査結果を第174回全米音響学会で発表しました。

その実験のさなか、科学者らはサウンドレベル、玉子の内部温度、異なる玉子の種類やサイズの文書化を含む変数を制御しました。固ゆで玉子を水に沈めて3分電子レンジで加熱しました。中間と最後に水温を計測しました。

玉子を水から取り出し、床に置いて急速に刺せる肉用温度計を玉子に刺し通し、黄身の内部温度を計測しました。

玉子を取り出した水中温度より玉子の内部は一貫して温度が高いことが発見されました。その結果、玉子は周囲の水よりマイクロ波加熱を受けやすいことがわかりました。科学者らは次のような仮説を立てました:

「...玉子のタンパク質母材が黄身の中で水を小さいポケットを閉じ込め、このため水の普通の沸点よりはるかに高い超加熱状態になる。これらの超加熱状態のポケットに何かが突き刺さって支障を受けたり、黄身を口に入れて噛むと、水のポケットが激しい連鎖反応で一瞬に沸騰して破裂する。」

その研究チームは玉子の破裂で聴覚損傷が起きるほどの圧力が生じるか否かを解明するよう依頼されました。その結果、大きい音であっても、一回の破裂では聴覚を損傷するほどではないことが判明しました。環境内の機械的振動を対象とする国際規格の審理と注釈を担当する米国技術顧問部会の委員アンソニー・ナッシュ氏がその結果についてこう説明しています:

「聴覚損傷リスク基準と比較できるように、破裂する玉子によるピーク音圧を計量化する必要がありました。マイクロ波で加熱した玉子から来るピーク音圧は1フィート離れた所で86~133 dBの範囲でした。

検査した玉子の30%しかマイクロ波の加熱サイクルに耐えられず、鋭い物で刺すと破裂しました。統計的には、破裂する玉子と聴覚損傷の確率はかなり低いです。玉子のルーレットを遊ぶくらいのことに似ています。」

化学的変質により毒素が発生し栄養的効果が減少する

聴覚保護の確率はたいへん低い一方、電子レンジで加熱した食品の化学的変質確率ははるかに高いです。電子レンジで加熱すると食品の化学組成が変わり、最も水濃度が高い個所で変質し始めます。

水は食品内部では均一に分布していないので、加熱には通常むらがあります。電子レンジで加熱すると食品が変成することについての知識は電子レンジが初めて導入された当時から各段に進歩しました。

例えば、いかなるプラスチック容器でも電子レンジで加熱するとBPA等の化学物質が発生し、食品をホルモン阻害化学物質で汚染しやすいです。電子レンジ等の高熱では発がん物質の複素環アミン類(HCA)、多環芳香族炭化水素(PAH)、糖化進行による最終生成物(AGE)も発生することがあります。

マイクロ波で解凍、加熱、再加熱することに関連する栄養素の変性に関する研究から、電子レンジの放射線で食品の化学的組成を変成させることで栄養素も損傷しうることがだんだんわかってきました。

ある研究は電子レンジでブロッコリを加熱すると有益な抗酸化物質の最大97%が失われ、電子レンジでたった60秒にんにくを熱すると抗がん活性物質アリナーゼが壊滅されることを発見しました。

スカンジナビアのある研究がアスパラガスを電子レンジで調理したらビタミンCが減り、ある日本の研究は電子レンジで6分加熱すると牛乳のB12の最大40%が不活性化することを発見しました。

マイクロ波では従来の加熱法より「タンパク質展開」度が高くなり、赤ちゃんを病気から保護する母乳内の物質を破壊することが研究からわかっています。

この理由により、さらにマイクロ波加熱でミルクが熱くなりすぎて赤ちゃんが火傷しかねないので、ミルクをマイクロ波では決して加熱しないでください。

マイクロ波放射による重篤なミトコンドリアの機能障害

マイクロ波放射は携帯電話、WiFiルーター、電子レンジでは周知の一種の電磁場(EMF)放射です。

EMFは細胞レベルで最も悪影響を与える危険リスクであり、過酸化亜硝酸によるフリーラジカルに起因する重篤なミトコンドリアの機能障害を引き起こします。マーティン・ポールPh.D.のショートビデオにEMFで生じる損傷について私と話して頂いた一時間にも及ぶインタビューの導入部をご紹介しています。

ポール氏はEMFがいかに動植物や人に有害であるかに関する分子レベルのメカニズムを特定し、これについて説明している研究を公表しました。EMF放射線に接触すると細胞膜に電位開口型カルシウムチャネルを開き、細胞内に大量のカルシウムが流入することを実証しました。

細胞内にカルシウムが過剰に存在すると、カルシウム信号伝達が増大し、一酸化窒素(NO)が過剰に増加して過酸化物と反応します。NOは微量なら健康にメリットがありますが、大量になると極めて強力な酸化ストレス要因である過酸化亜硝酸が形成されます。

必ずしもすべての酸化性ストレスが有害であるとは限りません。身体には最適な健康のためのフリーラジカルの基線量が必要です。例えば、NOは適度に生産される限りいくつかのメリットがあるフリーラジカルです。

NOは降圧効果があるほか、免疫系を支持し、心臓発作や脳卒中リスクを下げる血小板集積を自然に削減します。マイクロ波EMF放射に暴露されたとき過度の酸化性ストレスが起きると問題になります。

玉子の栄養は鶏の飼育方法で決まる

ほとんどの生物学的プロセスと同様、最終結果は組織を構築するために使用された物の帰結です。

玉子の場合、集約家畜飼育企業(CAFO)で飼育され、ビタミンや抗生物質を補充したGE穀物を食べて育った鶏卵 — スーパーマーケットの平均的玉子 — と放し飼いの有機の玉子の間にはたいへん大きな栄養の違いがあります。

黄身の色を見ると玉子が放し飼いか野草を餌にした鶏のものか区別がつきます。野草で育った鶏はオレンジ系の豊富な黄身のある玉子を生み、閉じ込められた鶏は暗い元気のなさそうな黄色い黄身の卵を産みます。

Cornucopia Instituteは28種類の有機基準を用いて玉子生産者の格付けをしているエッグレポートとスコアカードの中で玉子の栄養価という課題の中のいくつかについて取り上げています。この情報を参考にすればスーパーマーケットで玉子を買うときにもっと情報を得たチョイスをできるようになります。究極的には、最適な方法は玉子や草で育てた肉は地元の信頼できる農家から直売で買うことです。

または、自宅の裏庭で鶏を飼うことは検討に値するでしょう。この方法は人気がでてきており、これに対応するため多くの都市は区画規制を調整しています。

当局の要求事項は自治体により異なり、一部は飼える羽数の制限であったり、四半期ごとの査察や許可証(費用が発生する)を要求事項としているところもあります。お住まいの都市について調べると、想像以上に鶏はすでに許可されていることがあります。自分で鶏を飼えなくても生みたての卵が欲しい方はいくつか方法があります。

都市部の方なら地元のヘルシーフード店が通常は高品質な地元産の玉子が見つかる手っ取り早い方法です。生産者市場や生協は生産者に会えるもう一つのよい方法です。

直接生産者と対面して買えるので質問に答えがすぐ返り、自分が買う物について正しく知ることができます。さらによいことは農場を訪問して — 見学を依頼することです。隠したい部分がない限り、経営内容を見せたいと思われるでしょう。

コリンとの関連性

玉子はコリンの豊富な最適な栄養摂取源です。コリンは細胞膜の機能を維持するのを助け、神経系の通信のために機能を果たしており、慢性的炎症を和らげます。これを元に記憶を保持するために脳で利用されているアセチルコリンが体内で作られています。妊娠中は母体がコリンを利用して奇形児を防止し、脳の発育に一役を演じています。

しかし、この栄養素が健康のために欠かせないにもかかわらず、アメリカの成人の8%しか十分に摂っていません。コリンは玉子やサプリメントを摂らない限り十分に摂るのが「極めて困難」であることが研究から判明しています。玉子を規則的に食べる人の57%は適量を摂れていますが、玉子を食べない人では2.4%にしかなりません。

この物質が不足することによる症状には早期の認知症や閉経症状に似ており、記憶障害、昏睡、持続性脳霧を含みます。体内では微量しか合成されないので、コリンは日常よく摂る必要があります。

玉子の最も健康的な食べ方

多用性がありながらも、調理方法しだいで玉子の抗酸化物質が減少します。ある研究によると、玉子を冷蔵庫に保存しても栄養価は変わりませんでしたが、茹でたり玉子焼きにすると酸素基吸収能力(ORAC)値(総抗酸化能力を計量化するテスト)や遊離アミノ酸、ルテイン、ゼアキサンチンが大量に減ることがわかっています。

栄養価を再度見直したところ、加熱によりビタミンAが17%~20%減ります。全体的には加熱時間が短いほど、栄養価が残ります。半熟から固ゆで程度が栄養価を維持するのによい方法です。

しかし、高品質な放し飼いの有機鶏から得る限り、玉子は生で食べるのが最も健康的です。

玉子を40分焼くと61%のビタミンDが無くなり、短時間茹でるか揚げると18%のロスで済みます。抗酸化物質を食べると細胞の酸化損傷を軽減し、健康によいことを別の研究が報告していました。周知の栄養面でのよい効果に加え、玉子は抗酸化食品としても欠かせません。