Dr. Mercolaより
絶食は数千年以来人類の健康維持のために利用されてきましたが、私が知る限りこれが最も効果的な新陳代謝への介入です。
これで自己貪食やミトコンドリア分解 — 最適な細胞の更新と機能に欠かせない自然な自浄作用 — が促進されるだけではなく幹細胞の発生を促進もします。定期的な絶食に続いて食べ始めると、ミトコンドリア生合成を大いに刺激します。
絶食すると身体が有毒な残留物を排出するので、認知症の予防やさらには逆転も可能です。インスリンを減らすことにより、筋肉をつけるために必要な成長ホルモン(「フィットネスホルモン」として知られる)や全体的なバイタリティーを含むその他の基幹的ホルモンも増えます。
絶食が肥満防止、インスリン抵抗性や関連のがんを含む病気と闘う強力なライフスタイルであることが研究によって実証済みです。その根拠は、自己貪食が増大すると、身体がアルツハイマー病に寄与していると考えられているベータアミロイドタンパク質を含む古いタンパク質を分解してリサイクルし始めるからです。
食事を再開する段階に、成長ホルモンが増加し、新しいタンパク質と細胞の再生を増進します。言い換えると、身体の自然な更新周期を活性化して加速します。
体重過剰や2型糖尿病と闘っている人のために水しか飲まない断食は極めてメリットがあるのですが、なかなかこれを行うことはできません。幸いにも間歇的絶食すなわち少なくとも16時間何も食べない絶食の食事スケジュールを毎日実行して、一日の食事を8時間以内にすませてしまうことでも(断食ほど深くはないが)同じ効果があることを研究が確認しました。
また、毎週特定の日数はカロリーを大幅に減らして残りの日は普通に食べる間歇的絶食計画もあります。その一例として5対2間歇的絶食計画をご紹介します。
水だけの断食効果を得ることを目的に開発された断食模倣食生活というのもあります。これらの食べ方には全部に当てはまるとは言えませんがおおかた次のようなメリットがあります:
自己貪食とミトコンドリア分解の増進
成長ホルモンを女性で1,300%、男性で2,000%も増大させ、筋肉がつき、バイタリティーが増える
幹細胞を不活性状態から自己再生状態へ移行させる
2型糖尿病の予防、進行遅延、逆転
ミトコンドリアのエネルギー効率と生合成の増進
エクササイズによる心臓血管への効果
炎症の軽減
膵臓機能の改善
循環グルコースと脂質濃度の改善
心臓血管病の予防
降圧効果
危険な内臓脂肪量の変調
新陳代謝効率と体組成の改善
低密度リポタンパク質(LDL)と総コレステロールの減少
肥満の場合は大幅な減量
免疫機能の強化
脳由来の神経栄養因子(BDNF)の増産、これは新しい脳細胞の生産を促進し、アルツハイマー病やパーキンソン病に関連する脳変成から保護する脳内化学物質の生産増大
ケトジェニック食には断食や間歇的絶食によるのと同じ健康へのメリットが多くあり、これらを組み合わせることで、たいていの人は減量(新陳代謝の改善による必然的な効果)や次のようなメリットに限定することなく多くの効果が得られます:
インスリン感度増加、これはインスリン抵抗性や2型糖尿病、関連する病気の予防のためのカギを握る。ケトジェニック食を徹底する糖尿病患者は糖尿病薬を大幅に減らせることが複数の研究により実証されました。この方法で糖尿病を軽減できた人は多くいます。認知症とインスリン抵抗性は密接に相関しているので、インスリン濃度を健康的なレベルにすることでアルツハイマー病のリスクも下がります。
筋肉量の増加 — ケトンは分岐鎖アミノ酸と構造がよく似ており、優先的に代謝されるので、分岐鎖アミノ酸をセーブすることにより筋肉量を増やします。
炎症を軽減 — 身体は糖分と脂肪を燃料源として利用できる新陳代謝的な柔軟性があります。しかし、脂肪は代謝されても反応性酸素種や二次的フリーラジカルの発生が少ないので好ましいのです。食生活から砂糖をなくすことにより、慢性的炎症リスクを大幅に減少できます。
がんリスクの軽減 — 定期的なケトーシスはがんリスクを大きく減らせる画期的な食事のとり方であると私は信じています。それは、がん細胞はエネルギーをケトンから得ることができない一方、健康な細胞はこれができるからです。身体がケトーシスによる栄養摂取を始めると、がん細胞は栄養源を失い、問題になる前に「飢え死に」します。
寿命が延びる — ケトーシスはタンパク質の分解をセーブするので、食事なしでも長時間生き残れます。カロリー制限(絶食)とほぼ同様に、ケトンは機能障害のある免疫細胞を排出し、成長経路を調節し、老化や自己貪食、ミトコンドリア分解において主な機能を果たすIGF-1を減らします。
ケトンの新陳代謝はNAD補酵素の酸化還元分子種にあるマイナスの酸化還元作用も促すので、NADPHを増大させ、FOXO3aの活性化によって抗酸化経路の酵素の転写を促進するので酸化による損傷を抑制します。
簡単に言えば、ケトンの新陳代謝は効果的に酸化ダメージを軽減し、これが健康をよくし、寿命を延ばします。砂糖なしなのでケトジェニック食で寿命が延びます。
砂糖は部分的にはRasとPKAという老化促進の2遺伝子を活性化することにより老化や早死にを極めて加速します。3つ目の理由は、カロリー制限も間歇的絶食も長寿化において主な機能をしているmTOR経路阻害効果があるからです。
減量 — 減量を試みている方の場合、ケトン主体食にすると体脂肪が燃えやすくなり、従って体脂肪が減るので、最適な方法です。ある研究で、肥満の被験者が低炭水化物のケトン主体食と低脂肪食を食べました。24週間後、低炭水化物グループ(9.4 kg)は低脂肪食グループ(4.8 kg)より多く減量しました。
周期的なアプローチがいい理由が少なくとも2つあります:
• インスリンは肝臓によるグルコース生産(肝臓内糖新生)を抑制する。インスリンが長期的に抑制されていると、肝臓はその不足をグルコース増産により補い始めます。その結果、炭水化物を食べなくても血糖値は上がりやすくなります。
この状況下で炭水化物を食べると炭水化物がインスリンを活性化するので肝臓のグルコース生産を抑制し、実際に血糖が減少します。インスリンの長期的抑制は不健康な代謝状態ですが、これは周期的ケト食によって簡単に防止できます。
• さらに重要なことは、ケトーシスに関連する新陳代謝へのメリットは主に食事を再開する段階で生じることです。絶食中は損傷した細胞や細胞要素の浄化が行われますが、実際の若返りは食事再開段階に起きます。
言い換えると、正味炭水化物量が増えるに従い、細胞と組織が再構築され、健康な状態に復旧します。(食べ始めたときに起きる若返りは、食と飢えを周期的に通過することで間歇的絶食に効果がある理由の一つでもある。)
1. 間歇的絶食スケジュールの実行 — 一日分の食事 — 朝食と昼食か昼食と夕食 — を毎日8時間の枠内で済ませる。後の16時間は食べない。これがあなたにとって全く新しいことであり、食生活や食習慣の変化はとても無理だと思える場合、この時間枠ルールで日常の食事をすることから始めてみましょう。
この方法が日常化したら、ケトジェニック食へ進み(ステップ2)、定期的な絶食(ステップ3)へと進みます。ステップ3に到達できれば週一回程度は自分の好きな健康的炭水化物の一部をこの周期的食生活の中で再開することができるので気楽にできます。
絶食の健康メリットを最大限に得ようと思えば、定期的に5日間水のみの断食に進むことを検討しましょう。私はこれを年に3~4回行っています。この過程を楽にこなすには、20時間食べないでいる時点までだんだん慣れていき、一日二食を4時間以内にすませるようにします。これを一か月行ったら、5日間水のみの断食が辛いとは思えなくなるでしょう。
2. 有意な量のケトンができるまでケトジェニック食に切り替える — その3つのルール: 1) 正味炭水化物(総炭水化物から繊維質を控除)を一日に20~50gに制限、2) 一日のカロリーの50~85%を脂肪から得るように健康的脂肪で炭水化物の不足を補充、3) タンパク質摂取量を脂肪抜きの体質量約450g当たり0.5gに制限する。(脂肪抜きの体質量は100から体脂肪率を引き、このパーセントに現在の体重を掛けて計算する。)
繊維質が豊富な野菜なら制限なく食べることはできます。減らす必要がある主な炭水化物は穀類と果糖が多い果物を含むあらゆるタイプの糖分です。(ケトーシス段階に入ってからなら健康的正味炭水化物を再開できます。)
健康的脂肪源の例としては、アボカド、ココナッツオイル、脂肪の多い魚から得られる動物性オメガ3、バター、生のナッツ類(低たんぱくで健康的脂肪が豊富なマカダミアやピーカンが最適)、種子類、オリーブやオリーブオイル、草で育った家畜製品、MCTオイル、生カカオバター、有機飼料で育てた鶏からの卵黄が挙げられます。トランス脂肪や高精製多価不飽和サラダ油を避ける。
こうした有害な脂肪は過剰な炭水化物より有害なので、「脂肪豊富」なものだからといって何でもよいわけではありません。ケトーシス段階になり、身体が燃料源を主に脂肪にできるまで、以上の正味炭水化物、脂肪、たんぱく質の比率で食べます。ケト検査試験紙を利用するとケトーシス段階に入ったことを確認でき、その量は血中ケトンの範囲が0.5~3.0 mmol/Lです。
以上の栄養素の比率は正確に守ってください。正味炭水化物が多すぎると身体は早く代謝できるグルコースから利用するので、ケトーシス段階に入りにくくなります。
どの食事でも脂肪と正味炭水化物、タンパク質の量を正確に推定することはほぼできないので、基本的な目安になる追跡ツールをお手元にご用意ください。これにはキッチン用秤、計量カップ、栄養素トラッカー(www.cronometer.com/mercolaは栄養面でのケトーシスを測るために構成されている無償の正確な栄養素トラッカーです)が挙げられます。
3. ケトーシス段階になったことを確認できたら、週に1~2回は正味炭水化物量を増やしてケト状態に周期的にします。高炭水化物の日には正味炭水化物量を3倍にするのが一般的な推奨量です。
これを行うには2、3週間から2、3週間かけ、身体が脂肪を効果的に燃やせるようにします。繰り返しますが、ケトーシス状態を周期的に繰り返すことで細胞再生と更新による生物学的メリットを最大化でき、ケト連続による潜在的デメリットを最小化できます。
この段階では週に1、2回は正味炭水化物量を増やすことはできますが、健康的なものとそうでない物に注意してください。最適にはポテトチップやベーグルを避け、消化されにくいでんぷん等のより健康的代替物を追加することを念頭に置きましょう。
じゃがいも、米、パン、パスタ等正味炭水化物量が多い物は調理してから冷やし、また加熱すると消化されにくくなるので、たくさん食べても少しは健康のためによくする方法の一つです。
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