ビタミンD欠乏が過敏性腸症候群やスポーツでの怪我に通じる

過敏性腸症候群(IBS)

早分かり -

  • IBSのよくある兆候や症状には頻繁な腹部の不快感や大腸痙攣、ガス、鼓腸、下痢、便秘があります
  • 過敏性腸症候群(IBS)の人の約75%はビタミンD欠乏で、同約70%はビタミンDのサプリメントを飲んだらよくなったと言っています
  • NFLプレイヤーの約60%はビタミンD濃度が不足しており、怪我リスクが高まっています。ビタミンD不足の選手のうち56%は(20~31ng/mL)は下肢筋肉が攣りやすくまたは怪我しやすいです
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Dr. Mercolaより

IBSは同じ略語の別の異常とは全く異なります: 炎症性腸疾患(IBD)の方は重篤な帰結をもたらす自己免疫疾患です。

IBSはたまらない痛みを発生させる一方、腸の機能障害で、この異常に寄与する目立った肉体的異常はありません。IBSのよくある兆候や症状:

  • 腹部の不快感や腹痛
  • 大腸痙攣(大腸が痙攣して収縮する)
  • ガス、鼓腸
  • 下痢
  • 便秘

IBSは痙攣治癒剤や抗うつ薬などの薬でよく処置されています。こうした薬は症状管理の助けになると考えられる反面、通常は食生活に関連する根本の問題を解決しません。

通常の場合は単にグルテンを避けるだけでかなりよくなります。近年の研究もこうした異常においてはビタミンDの最適化が重要であることに焦点を当てました。

ビタミンD不足に深く関連するIBS

European Journal of Clinical Nutritionに掲載された近年のある論評に、 ビタミンDレベルと蔓延するIBSの関係を見た公表されている7件の研究のうち4件の観察研究が、ビタミンD欠乏はIBSの人に特に目立つこと — 約75%が不足している — また2件の処置に基づく研究はビタミンDサプリメントを飲んだ人の場合は、「IBS症状の改善、生活の質の改善」が見られたことを報告しています。

一件の研究では、ビタミンD処置を受けたIBS患者の70%はよくなりました。その研究の著者によると:

「研究で得られた範囲の根拠に基づいて言えば、ビタミンD低濃度がIBSの人によく見られ、全般的な健康上の理由だけをとっても評価と補正の必要がある。血清ビタミンD濃度とIBS症状の重度の間の反比例関係が見られ、ビタミンD投与で症状を軽くする可能性がある。」

イギリスのシェフィールド大学のガン学上席講師でその研究の主著者バーナード・コーフェPh.D.がレポーターにこう説明しています:「発見されたことからしてIBSの人は皆がビタミンD濃度をチェックする必要があり、その大半の人はサプリメントでよくなるはずです。」

患者の遺伝子発現とセロトニン伝達経路の変動を見た近年のもう一件の研究も、IBS患者のビタミンD濃度が低い傾向なり、IBSの遺伝子生体マーカーの発言がビタミンDによって変調するという結論に至っています。その著者らによると:

「大腸細胞内のビタミンDによって引き起こされる遺伝子制御の方向が驚くことに、IBS患者に観察される遺伝子発現とは「逆」方向であり、ビタミンDが IBSにおいてバイオマーカー遺伝子発現の病理学的方向を「逆転」させるために有用である可能性がある。

従って、研究結果からIBSの病因と病態生理には制御不良のセロトニン生産やビタミンD不足が関わっていると見られる。」

ビタミンD不足のアメフト選手

関連性のあるニュースの中では、その他の近年の研究が約60%の全米フットボールリーグ選手はビタミンD濃度が低く、怪我リスクがこのために高まっていることを発見しました。

ビタミンD不足(血清中濃度20~31 ng/mL)の選手の56%は何らかの形で下肢筋肉の怪我を試合中に受けており、重篤な欠乏 (ビタミンD濃度20 ng/mL以下)の選手の73%は筋肉の怪我に及びました。

対照的に、「正常な」ビタミンD濃度の選手の40%はビタミンD濃度32 ng/mL以上でした。不適正なビタミンD濃度は下肢筋肉のけいれんや基幹的筋肉の損傷リスクがほぼ倍増し、膝腱部分の怪我リスクはほぼ4倍も増えることが分析で明らかになりました。

40 ng/mLこそ全般的健康状態の峻別点であり、60 ng/mLが最適な濃度であることを示す研究を考慮に入れると、選手が40~60 ng/mLの濃度を維持すればスポーツによる負傷が減るでしょう。

病院のあるニュースリリースの中でカリフォルニア州ラジョラのスクリプス・クリニックでスポーツ医療専門の整形外科専門医でありその研究の主著者のDr.ブライアン・ロボレドがこう説明しています:

「ビタミンDがハイレベルなスポーツ選手にとって決定的に重要な筋肉の機能と強度のために重要な機能を果たすことがわかっているので、この人たちのビタミンD濃度に注目しました。

ビタミンD不足の有害な影響に関する過去の研究は大部分が高齢者にのみ焦点を当てていましたが、エリートスポーツ選手におけるこの関連性についてはほとんど研究がありませんでした。ビタミンD不足の監視と処置を行えば、筋肉損傷の予防に有用な方法になりうることをこの研究が示しています。」

胃腸に問題がありますか? GMOを避ける

IBSに話を戻すと、ビタミンDレベルを最適化するほか、食生活をもう少し深く評価するのがよいでしょう。先述のようにグルテン回避はこの異常に対処するための重要な第一歩であると同時に、グリフォセートやその他の農薬がたっぷり入っているGMO食品を避けることも重要です。Naked Food Magazineにも以前次のように説明されていました:

「慢性の消化不良があれば、食物の中に意図的に腸の裂傷を起こすように設計されている遺伝子があると疑うべきです。Bt毒素という農薬を内蔵している遺伝子操作組織を使った食品はこれを食べる者の胃内壁に裂傷を起こす機能があり、これが腸の問題につながっていることはほぼ間違いありません。

Bt植物は遺伝子操作された(GE)物で土中バクテリアBacillus thuringiensis (Bt)から得られる遺伝子を組み込み、植物をBt毒素内側へ成長させます。

Bt (タンパク質とその遺伝子材料)等の植物含有農薬はEPAには農薬として登録されていますが、Bt植物自体は農薬としては規制されていないので、Bt植物が農薬使用量を削減したというような不正な主張がされる結果となりました。

重要な点として、Bt植物の中のBt毒素は植物細胞の一部になっているので、分解されず、食品から除去も洗い流されることもありません。植物が生産するこの毒素の亜種は局部噴霧より高濃度に至り、潜在的にこうしたGE食品は健康の問題の原因です。

Bt毒素には毒性に関する規制が免除されている

Bt大豆の植物に統合されたBt毒素も商品としても最終食品製品の中でも残留濃度許容限度が要求事項から免除されています。2014年2月にこの問題に最終決定がありました

この要件免除は有害性があることを考えると全く疑問に思えます。もともとモンサント社と米国環境保護庁(EPA)は植物の中で生産されるBt毒素は人の消化系で分解されるので、健康リスクはないと主張していました。

この言い分は2011年にケベック州のシャーブルーク大学病院の医師らが、検査した妊婦の93%の血中から、また、その子供の臍帯血の80%、さらに妊娠していない女性の67%の血中からBt毒素を検出したので反証されました。

Bt毒素が実際に体内に生体蓄積し、健康にいいわけがないことをこの研究が暴露したのです。

研究が実証していることには、典型的にアレルギーと感染に関連するIgE抗体とIgG抗体の増大、アレルギー反応や炎症反応に関連するサイトキンの増加を含む多種多様な免疫応答を起こしうることです。

腸の健康のためには食事を清浄化しビタミンDを最適化すること

IBSやその他の腸関連の異常に苦しむ方は、あらゆるGE食品を避けましょう。Bt植物以外にも除草剤耐性を付けたGE植物がこれとほぼ同じ問題を生んでおり、これらの植物には腸内細菌叢を破壊して腸や健康全体に大きな弊害をもたらすことがわかっているグリフォセート等の有毒除草剤が大量に含まれる傾向があります。

ビタミンDに関しては40 ng/mLより60 ng/mLが最適な最低レベルの目安です。60 ng/mLになるとあらゆるがんリスクが大幅に低下し、 乳がんの懸念がある女性の場合は60 ng/mLあれば以下のときよりリスクが83%も下がるとみられます。

全般的な健康のためには40 ng/mLは最低レベル必要であると見られますが、ほとんどのがんはビタミンD血中濃度が10~40 ng/mLでも発生するようであり、これより若干高いレベルを最低レベルとするほうがよいでしょう。

日常適度に陽に当たるのがビタミンD濃度の最適化には最良ですが、特に冬には多くの人がビタミンD3のサプリメントを飲んだ方がよいです。サプリメントが必要なレベルの目安を推量する唯一の方法は、自分の濃度を検査してもらうことで、最適なのは年二回、濃度が高い夏と最低レベルになる冬に行うのがよいでしょう。

Grassroots HealthはD*Action研究の一環で相当安価にビタミンD定量サービスを行っています。また、牛のレバーやキノコ類、野放し飼育の鶏の有機玉子、鱈の肝油、キャビア(卵)、アラスカ産天然鮭やサバ、いわしなどの脂が乗った魚などビタミンDを含む食品を食べるようにしましょう。

IBS症状をよくするその他の方策

食生活を清浄にしてビタミンD濃度を最適化するのに加え、以下の方策もIBSの症状を改善させるのによいです:

寄生虫検査を受ける — IBSを刺激している可能性がある肉体的異常が起きていないことを確認するために、寄生虫検査を受けましょう。ジアルジア属等の寄生虫はこうした腸の異常を悪化させることがあるので治しておきましょう。

腸内の善玉菌を増やす — 食事から砂糖や加工食品を減らすと、腸の中は善玉菌の増殖に寄与する環境に自然となりますが、このプロセスは発酵食品や高品質プロバイオティクスサプリメントを飲むと促進されます。

繊維質を豊富に摂る — さらに繊維質を食べると便秘や下痢といったIBSの症状を管理するのにとても役立ちます。有機サイリウムなどの繊維質は特に有用で、私のお気に入りです。

サイリウムにはアダプトゲン的効能がある、すなわち便秘の場合には便を柔らかくし、排便頻度を高めるのを助け、逆に便が緩く頻便の場合は便の形成を助け大腸運動の頻度を下げる効果があります。

サイリウムを使用することに決めたら、非有機製品の残留農薬リスクは繊維質によるメリットを超す害悪を受けるので、有機製品を選びましょう。もう一つのよい繊維質の摂取源は自然なままの有機麻の実です。粉砕した新鮮な麻の実を一日にテーブルスプーン2~3食べるか、有機の麻の実を一晩浸けておきスムージーに入れるともっといいです。

感情的問題への対応 — これも同様に重要なことで、IBSに罹っている人は未解決の感情的要因があり、これが肉体的問題に反映されている傾向があります。これが抗うつ薬がしばしば処方される理由です。瞑想や祈り、心理学的ツール、勘定解放テクニック(EFT)等を利用する戦略はすべて感情的問題に効果的に対処できます。