人工甘味料でがんになる

人工甘味料

早分かり -

  • スクラロース(スプレンダ)を投与したオスのマウスのがん性腫瘍が大幅に増加した
  • がんリスクは投与量に比例にして高くなった
  • 特に投与量が多い場合にオスのマウスの白血病リスクも著しく増加した
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Dr. Mercolaより

人工甘味料スクラロース(ブランド名スプレンダ)は砂糖に代わる健康的な代用品だと考えて食事に使った場合は、危険な誤解を受けています。ラマッズィーニ(Ramazzini)研究所のある研究はこの普及した砂糖代用物質ががん特に白血病を引き起こすことを発見しました。

その新たな事実が2012年にロンドンがん会議で初めて発表されたのを受けて、Center for Science in the Public Interest (CSPI、公益科学センター)はスプレンダを「安全」から「注意」物質に格下げしました。

今やその研究は専門家の見直しを経た後で公表されたので、CSPIはスプレンダを「注意」から「回避」物質へさらに格下げしました。

スプレンダで高まるマウスのがんリスク

研究者らはスプレンダをマウスの誕生直前から生涯に渡り連続的に食べさせました。マウスに異なる濃度の人工甘味料を食べさせました: 0 ppm (パーツパーミリオン)、500 ppm、2,000 ppm、8,000 ppm、16,000 ppm。

オスのマウスでは特にがん性腫瘍が大幅に増大し、そのリスクは用量に比例しました。オスのマウスでは白血病リスクも大きく増大しました、特にスプレンダ用量範囲2,000~16,000 ppmで発生しています。この研究は次のように述べています:

「以上発見された事実からしてスクラロースが生物学的に不活性であるという以前のデータを支持することはできない。スクラロースの安全性を証明するためには、ラットに対して新たな多くの適正な発がん生体分析を行い、さらに研究が必要である。

数百万人が暴露されている確率が高いことを念頭に置き、継続研究は緊急の課題であ る。」

スプレンダについて実施された長期研究はそのメーカーによるものしかないと、CSPIは説明しています。新たな研究の中でこう説明されています:

「子宮内ではなく成長段階に動物をこの物質に接触させ始め、実験動物の一生の内でも早い時期に食べさせるのを止めた、業界が出資した数少ない動物実験よりはるかに強力である。」

その実験から10年以上経過してから、やっと、CSPIは消費者がスプレンダを回避すべきことを勧告しました。しかし、念頭に置くべきことは、CSPIのガイドラインは注意して受け止める必要があることです。

例えば、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン等の人工甘味料を回避すべきと勧告しつつも、普通のソーダよりダイエットソーダを飲むほうが安全であると未だに見なしています。

4,500種類の製品に含まれるスプレンダ

警告に従ってスプレンダを食事から除くつもりなら、4,500以上の製品に含まれることをご銘記ください。スプレンダは賢いマーケティングにより販売されてきた物質であり、「砂糖から作っているので砂糖のような味がする」という宣伝文句がもっともよく知られています。

アスパルテーム等他の人工甘味料よりいくぶん安全であるという定評が確立しており、PepsiCoがアスパルテームをDiet Pepsiから2015年に廃止し、スプレンダを代わりに使用してきました。

スプレンダはたちまち最も売れ行きの良い人工甘味料の一つになりました。2000~2004年の間にスプレンダ製品を使用する世帯の比率は3%から20%へ急増しました。2012年までにはスプレンダの売上高は$2億8800万に達しました。

しかし、間違ってはいけません。スプレンダは開始剤が技術的には砂糖分子であっても全く自然な物質ではありません。スクラロースを製造する5段階の特許製法で3つの塩素分子をスクロースすなわち砂糖の分子に添加しています。

スクロースの分子はグルコースと果糖が結合した2つの単価砂糖を含むジサッカライドです。スクラロースを製造する化学反応が砂糖の化学組成を変成し、果糖ガラクトース分子に変換されます。

この種の砂糖分子は自然には存在せず、身体にはこれを正常に代謝する能力がありません。この「固有な」生化学的組成の結果、メーカー各社はスプレンダが体内で消化すなわち代謝されず、カロリーゼロになると主張します。

スプレンダは身体を単に通り過ぎるだけのものであるはずだということになっています。しかし、研究(動物実験から主に推定)は約15%のスクラロースは実際には消化系統に吸収され、最終的に体内に貯蔵されます。

スプレンダは腸内細菌叢を枯渇させる

がんを引き起こす潜在性があるという事実だけではこの有毒な人工甘味料を避けるには不足するなら、スプレンダが腸内細菌叢を破壊し、健康にまだ不明な多くの影響を持ちます。

例えば、Journal of Toxicology and Environmental Healthに掲載されたある動物実験を行った研究は、スプレンダがラットの腸内善玉菌を50%削減すると同時にpHを高くすることを発見しました。また、体内で特定の薬が代謝されるメカニズムに影響を及ぼす糖タンパク質にも影響します。

スプレンダは神経毒性があり、水中に存在する

2014年に発表されたある研究がスプレンダの酸化効果を詳細に説明しており、甘味料が神経毒性があると考えられるとしています。

ミジンコに対するスクラロースの影響を評価した研究者らは次の結論に至りました: 「スクラロースと接触すると動物の行動や生理に重大な影響をともなう神経的、酸化的メカニズムが誘発されると考えられる。」

酵素アセチルコリンエステラーゼはあらゆる動物に存在し、スプレンダ等の人工甘味料が動物や人間に及ぼすと考えられる影響を研究する者にとって、この新たな情報は懸念をさらに抱かせるものでした。

それ以外の原因がないと仮定すれば、こうした化学物質は米国や欧州の都市排水や表面水系からすでに検出されているので、これこそスプレンダとの接触による帰結をできる限り早期に特定することが重要な理由です。

スプレンダはインスリン濃度を上げる

全く不活性物質ではないスプレンダは身体のインスリン応答に影響することも研究が実証しました。研究参加者がスプレンダで甘味付けした飲料を飲むと、彼らのインスリンレベルは、グルコースチャレンジ試験前に水分のみを摂取した場合に比べ約20%上昇しました。

血糖値もまた、より高いインスリンレベルでピークに達したので、「人工甘味料は、血中インスリンとグルコース応答の強化に関連していたのである」と、研究者は述べ、さらに次のように続けました:

「我々は、スクラロースが、グルコースやグルコース摂取に応答するインスリンに影響することを発見したが、そのメカニズムは分かっていない。スクラロースが影響を持つことを示しただけだ。糖尿病ではない肥満の人では、スクラロースが、口に何か甘いものを入れて何の影響もないでは済まないことを示した。

ただ、それが日常生活のシナリオにとって何を意味するのかはまだ分かっていないが、我々の発見は、もっと研究が必要であることを強調している。こうしたスクラロースの急性な作用がいかに人間の身体が長期的に砂糖を処理するかについて把握すべきである。」

人工甘味料でかく乱される新陳代謝

何か甘い物を食べると通常の場合は脳がドーパミンを分泌し、脳の報償中枢を活性化します。食欲を調節するホルモンであるレプチンも分泌され、このため一定量のカロリーが取り込まれると脳に満腹感を伝えます。

しかし、人工甘味料のように甘くもノンカロリーな物を食べると、脳の快楽経路はまだ甘い味によって活性化されます。ところがカロリーが全く来ないから活性化すべきものが存在しません。

人工甘味料は身体を砂糖(カロリー)を摂取すると思うように騙しつつ、実際には砂糖が入ってこないために身体はさらに欲し続ける信号を出し、これが炭水化物の渇望につながるのです。

業界の主張とは反対に、これまで30年間の研究 — 数件の大規模前向きコーホート調査も含む — が、人工甘味料は食欲を刺激し、炭水化物渇望を増幅し、様々な新陳代謝機能障害を発生させ、これが体脂肪蓄積や体重増加を促したことは研究者らをおおいに驚かせました。

例えば、Yale Journal of Biology and Medicineに掲載された2010年のあるレビューによると、食品や飲料に人工甘味料がまずます使用されることと肥満増加の相関性が明らかになりました。この研究では9~14歳の11,650人を超える子供たちも含まれていました。ダイエット飲料を毎日飲むと体格指数(BMI)の増加0.16 kg/m2に関連していました。

Yale Journal of Biology and Medicineに掲載された下記の図からわかる通り、人工甘味料入りのダイエットソーダで減量できるという飲料業界の主張が反証されています。

より安全な人工甘味料はあるのか?

どの種の人工甘味料も固有のリスクがあるので、摂り入れないようにお勧めします。アスパルテームは人工甘味料の中でおそらく最も危険です。少なくともこれは最も普及しており、最も重篤な作用が報告されている物質です。その有害性については数百件の科学研究が実証しました。

糖アルコールは市販のもう一つの選択できる製品です。この物質は例外なく名称の末尾に「-オール(-ol)」があることから識別できます。例えば、キシリトール(xylitol)、グルシトール(glucitol)、ソルビトール(sorbitol)、マルチトール(maltitol)、マニトール(mannitol)、グリセロール(glycerol)、ラクチトール(lactitol)が挙げられます。これらは砂糖ほど甘くなく、低カロリーですが、ノンカロリーではありません。これらの甘味料が入った食品のラベルに「砂糖ゼロ」などとあっても混同してはなりません。

糖アルコールのほうが砂糖より低カロリーな理由の一つは、完全に体内に吸収されないからです。このため、糖アルコールを含む食品を食べすぎると鼓腸や下痢を引き起こすことがあります。また、普及している糖アルコールであるマルチトールはでんぷんが多い新鮮なじゃがいもと同じほど血糖を急増させます。

キシリトールはこれより血糖にあまり影響しないので、こちらのほうが食べてもまだましです。適量であれば一部の糖アルコールのほうがスプレンダやアスパルテーム等の人工甘味料よりましです。様々な糖アルコールの中でもキシリトールは優れています。純粋なキシリトールでは、副作用の可能性は低く、虫歯予防などの良い効果があります。

総合して、キシリトールが最も安全で、良い効能もある甘味料だといえるでしょう。(ただし、キシリトールは犬やその他の動物に有毒なのでペットと接触させないようにしましょう。)

しかし、自然な砂糖代替物のうち二つは植物界から得られます:ステビアやラカンカ (羅漢果)。ステビア米のステビア植物の葉から得られるとても甘いハーブがサプリメントとして売られています。自然な形態では全く安全で、ほとんどの料理やお飲み物を甘くするのに利用されています。

ラカンカもステビアと同様ですが、高価で市販品を見つけにくいです。中国ではラカンカは何世紀にも渡って甘味料として利用されきた、砂糖の200倍の甘さがあります。

人工甘味料を絶つ方法

砂糖への渇望を解消することから始める人工甘味料をあっさり断ち切るのが最適な方法です。甘い物が食べたいと思わなくなれば、人工甘味料に手が伸びなくなります。

そこで私は、ターボ・タッピングというエネルギー心理学的テクニックを試すことを強くお勧めします。これは、多くの「炭酸飲料中毒者」がその習癖を克服するのを助けたもので、あらゆる種類の甘味の渇望(あるいはダイエット・ソーダへの渇望)に効きます。その糖分への渇望を抑えるための幾つかの他の方法があります:

運動 — 定期的に熱心に運動をしている人は誰でも、心血管運動を熱心に行うことが、食物への渇望を抑える最良の「治療」の一つだと知っているはずです。私は、きちんとワークアウトをした後、食欲、特に甘いものへの要求が、劇的に減少することにいつも驚きます。

私は、このメカニズムは、運動後に起こるインスリンレベルの劇的な低下に関係があると信じています。さらに、運動に際して糖分や果物を食べても、それが燃料として代謝されるので、血糖値は上がりません。

有機ブラックコーヒー — コーヒーは、強力なオピオイド受容体拮抗薬であり、カフェストールのような化合物を含みます。カフェストールは、カフェインを含むコーヒーとカフェイン抜きのコーヒーどちらにも多く発見されます。それは、オピオイド受容体に結合、占有し、基本的に他のオピオイド放出食品による中毒を防ぐことができます。これにより、砂糖などの中毒性を大きく減らします。

酸っぱい味、例えば、栽培した野菜からの酸っぱい味も甘味への渇望を減らすのに役立ちます。このことは二重のメリットがあります。なぜなら、発酵野菜は、内臓の健康を増進するからです。水を飲むときレモンやライムジュースを加えるのも良いことです。