筆者:オリ・ホフメクラー
運動前の栄養に関して私が白黒をはっきりさせようと思います。ただし、惑いやすい話題なので若干の生物学的、科学的概要をご説明する必要があるので、少々お付き合い下さい。
自然は食餌が不足がちな種の寿命を延ばし、余剰に摂っている種のほうは短くするように淘汰していることをますます多くの研究が示しています。ヒトも例外ではありません。人間の身体は栄養面でストレス下で生き残るように進化しました。
この現象が確固たる事実であることは、あまりにも多くの人が食べすぎ(か体重過剰)であり、周囲のものが何でも日常お決まりの普通のことに見える中、受け入れがたいことです。それにも関わらず、食べすぎや絶食しないことに関連する短命化リスクに対して、食餌不足及び絶食による長寿へのよい効果について認識すべきです。しかしこのテーマにはそれ以上のことがあります。
南カリフォルニア大学の最近の研究は、極度の間欠的絶食が軽い絶食や食料不足により強い若返り効果を細胞や組織に誘発しますが、一つの要因 - 極度のエネルギー枯渇による有益な効果によるものと思われることを発見しました。
エネルギー枯渇は実際に重要な生物学的要因です。カロリー制限と間欠的絶食が動物の寿命を延ばす主な理由の一つです。エクササイズが健康のためにそれほど重要な理由をも説明しています。
その研究によると、「極度の食事介入(間欠的絶食)サイクルは細胞保護と組織再生の主な調節要因を調整する強力な手段である」
エネルギーが枯渇すると生物組織は生き残ろうとして超充電状態になるようです。科学研究はこのことを事実として認識してきました。しかし、生物が適合し改善してよりうまく生存できる程度の可能な決定要因がエネルギー枯渇の程度です。
このことはあなたにとって何を意味していますか? すなわち、よりうまく生き残り、加齢に伴う劣化にはエネルギー備蓄を枯渇することで抵抗することができるように自身の体を転換できるということを意味します。
行うべきことはグリコーゲン備蓄を枯渇させ、体がエネルギー不足であるという信号を自身の体に送ることです。エネルギーを最大限に枯渇させるためには、栄養面と肉体面のストレスを印加する必要があります。その意味: 間欠的に絶食して、絶食中にエクササイズする必要があります(間欠的絶食とは1日に主な食事を1回に留めること)。
身体はエネルギー不足に対処して適正に補償すべき生命的な脅威として感知します。これが機能する仕組み: 断続的絶食とエクササイズによればグリコーゲン備蓄が絶食だけよりはるかに速く枯渇します。
例えば断続的に絶食しながら30分の短時間集中エクササイズをすると、一日絶食したのと同じエネルギー枯渇効果を生むことが可能です。
このことはまだ実証されていませんが、経験則から言うと、絶食しながらエクササイズすると、グリコーゲン枯渇のためには絶食のみ(かエクササイズのみ)より明らかに効果的であることがわかっています。
その理由: 絶食中の集中エクササイズは体が補給できるより速くグリコーゲンを枯渇するからです。絶食だけでは体は脂肪とタンパク質をグリコーゲンに変換して補給できる余裕があります。
グリコーゲン枯渇は簡単なプロセスではありません。そのためには規律と困難を乗り越す許容性が必要です。身体はエネルギー備蓄にしがみつこうとするので、この抵抗は確かに感じるはずです。
(絶食しながらエクササイズすることで)肉体的麻痺のレベルに達すると、燃焼と倦怠で筋肉が弱くなり、目まいを感じるようになったとき、正にその時こそグリコーゲン備蓄が実際に枯渇したことを認識できます。
筋肉と肝臓にあるグリコーゲン備蓄が完全に枯渇することこそ、ストレス応答を迅速に起こし、身体を生き残りモードにします。 この極度のエネルギー不足こそ新陳代謝経路がエネルギー利用効率を堅固に改善し、修復活性、ストレス耐性により身体を補わせるものです。
このような状態の下で、身体は炭水化物から脂肪を燃料に利用するように切り替わり、エネルギーは備蓄されるより支出されるようにシフトします。現在では、この脂肪酸酸化のシフトが幹細胞再生や組織修復のための理想的な新陳代謝環境を生み出すことが判明しています。脂肪の酸化(脂肪を燃やすこと)が増大し、脂肪合成が阻害されると、身体は大きく転換します。
その成果: 体脂肪減少、炎症軽減、インスリン感度改善、修復促進、免疫力改善。間欠的絶食とエクササイズを行うと身体でこういうことが起きるのです。しかしそのすべては運動前の栄養次第で台無しになることもあります。
残念ながら大部分の運動前の食事 – シェーク、バー、ドリンク類は全く間違っており、反効果的です。その燃料が間違っているのです。特に高糖分の燃料です。
高糖分のつまり炭水化物が豊富な運動前の食事は単にエネルギーを枯渇する能力を打ち砕きます。エクササイズ前に炭水化物を摂っておくと脂肪代謝を阻害し、短期的実績は上がってもエクササイズ効果を失くしてしまいます。
不正な燃料は体脂肪を落とし、エネルギーを利用し、インスリン感度をよくし、若返らせる能力に支障をきたします。では、運動前の栄養としては何がよいでしょうか? 体脂肪を燃やしてよくなる機会を無駄にせずに、トレーニング前に筋肉に栄養を与えてエネルギーをアップするにはどうすればよいでしょうか?
特定の栄養素は絶食やエクササイズにとても似た効果があることはわかっています。これらの栄養素はストレス活性食品栄養素つまりSAF栄養素と呼ばれる一群の物質です。
これらの食事要素は生きた食品種類がストレスに応答して生産します。これらの要素は生物、植物、細菌、動物を飢餓、放射線、熱中症、感染症、捕食等のストレス要因から保護します。
SAF栄養素を摂取すると、動物や人間の生存力が高まることが実証されています。これらの栄養素の一部はエクササイズや絶食の身体に対する抗肥満、抗糖尿病、老化防止効果にとてもよく似ていることが判明しています。
これらのエクササイズと同じ効果がある栄養素が豊富な食品が運動前には最適なことがポイントです。エクササイズによる脂肪代謝やインパクトからの癒しの支障を阻止するだけではなく、実際にこの効果を強化すると考えれます。
最も強力なSAF栄養素の一部が食事から消えたことにご注目ください。これらの見つけにくい栄養素は通常は私たちが食べていない樹皮、根、種、皮に存在します。
しかし入手できる一部の食品にはエクササイズと同じ効能があるフェノール、カフェイン、テオブロミン、カテキン、免疫タンパク質等のSAF栄養素が豊富であり、肉体トレーニングと強力な相乗効果を上げる潜在性があります。
その中でも注目すべきは、非GMOコーヒー、ココア、緑茶です。放牧した草で素だった牛から摂れるホエイタンパク質はもう一つのこうした食品です。しかし、グリコーゲンの枯渇に支障がないようにするには、こうしたたんぱく質でも少量しか摂らないことが必要です。
放牧した草で育った牛は栄養面でストレスを受けており、定期的に餌が不足している動物であるので、免疫タンパク質や抗炎症性ラクトキン類等のSAF栄養素が特に豊富な高品質の「ストレスで活性化された」牛乳を提供してくれます。(この点は穀類を過剰に食べさせている牛とは異なります。)
上記すべての栄養源は運動前に有用です。これらは次のような固有のエクササイズ補完効果がある、絶食やエクササイズで活性化されるのと同じ経路や細胞要因を作動させる栄養素を含んでいます:
コーヒー、ココア、緑茶、牧場で草を食べさせて育てた牛のホエイは運動前の栄養分を摂るのに有用です。これらをそれぞれだけ摂っても組み合わせて一緒に飲んでも構いません。しかし、その効果を相殺して反効果的にしてしまうような砂糖あるいはいかなる高糖分成分と合わせて摂ってはなりません。
オリ・ホフメクラー氏(Ori Hofmekler)は「The Warrior Diet, The Anti-Estrogenic Diet, Maximum Muscle Minimum Fat, and Unlock Your Muscle Gene」(戦士の食生活、抗エストロゲン食、最大筋肉、最小限の脂肪、筋肉遺伝子をアンロック)の著者です。
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