Dr. Mercolaより
エクササイズしてカロリーを減らし始めると何が体内で起きるでしょうか?
「減量」や「もっと健康になる」という人もいると思います。これでも確かに正解とは言えますが、ぶどうの皮やブルーベリー、パープルベリー、ダークチョコレートに含まれる化合物レスベラトロールは運動や小食に切り替えるのと同程度の神経保護効果があると考えられます。
実際に、新研究によるとレスベラトロールは2型糖尿病によく処方されている薬剤メトフォルミンに匹敵するそうです。この物質は老化にともない破損していく筋線維を保持するのに役立ちます。また、シナプスとして知られるニューロン間の神経筋接合部(NMJ)も保護します。
シナプスは脊髄内のニューロンから筋肉へ送られる動作コマンドを中継するので随意運動に欠かせません。マウスとしては高齢者に相当する2歳のマウスで実験した科学者らによると、こうした情報が結局老化にともなう損害を軽減するのに役立ちそうであると期待を寄せています。
この実験ではマウスに一年間、レスベラトロールを与え、この期間中にNMJが通常の餌を与えたマウスとの比較でどのように変わるかを観察した結果、レスベラトロールを与えた群では加齢に伴う症状が減ることを発見しました。実際にそのマウスの筋肉や神経は3か月の若いマウスに近かったのです。
エクササイズをしてよい食生活を送ると加齢にともなうシナプス損傷から保護する二重効果があることをすでに発見していた、その研究を行ったバージニア技術工科大学カリリオン研究所助教授グレゴリオ・ヴァルデスPh.D.はここで取り上げた研究の主任です。こう説明されています:
「加齢にともない私たちは皆鈍くなります。歩行や平衡感覚の問題さらに運動協調の障害は健康の問題、事故、可動性欠如、生活の質低下につながります。
加齢にともなう可動性低下を遅くするための分子レベルの変化をつきとめようとしているところです。ニューロン回路の老化による委縮を遅くするためのメカニズムを解明しかかっている段階にきたと思います。」
レスベラトロールは植物系食材のなかでもぶどうの皮、赤ワイン、ラズベリーやざくろ、生カカオ、ダークチョコレートに含まれる効能がある抗酸化物質として機能します。
病気や気候の急激変動、過剰な紫外線などへの抵抗力を増大させて植物の寿命を延ばす組成を持つポリフェノールです。
レスベラトロールが人間に対してどのような効果があるかを探求し始めたのは科学者の直観によるものなのでしょうが、その見当は当たっており、極めて植物に似た保護効能があります。しかしこれを読んだ後で神経保護的、老化防止的効能が赤ワインをたくさん飲むと得られると思うのは間違っています。ヴァルデス氏が説明しています:
「ワインに含まれるレスベラトロールはとても僅かなのでレスベラトロールを投与して効果があったマウスの効能を一生のうちに得られるほど十分に摂ることはできません。これらの研究はマウスで行ったものなので、形態を問わずレスベラトロールを大量に摂取しないように注意を促します。
レスベラトロールによるシナプス保護効果のメカニズムを特定するのが次の段階です。このメカニズムがわかればレスベラトロールを変成させるかシナプス保護にもっと効果がある他の分子を探すことができます。」
さらに、ワインなどのアルコール飲料は脳や器官を損傷し、それ自体が神経毒素であり、このためやその他の理由で赤ワインを飲み過ぎれば無責任であり生産性がなくなります。米国国立医学図書館の記事がこのことを裏付けます:
「アルコールの飲みすぎは思考能力の悪化を速くし、脳を損傷する。長期的にはアルコールを飲み過ぎると数種類のがん、心臓病や脳卒中、肝臓病につながる。」
レスベラトロールの効能を得るための一つの方法としては特にその皮に食品の中でも最大の濃度で含むミュスカディン・ブドウを食べることです。マルベリーやブルーベリーはその他のよい摂取源です。
但し、フルーツには果糖が含まれるので一日の消費を半カップにしておきましょう。ミュスカディングレープの皮を少々含む自然食品レスベラトロールサプリももう一つのオプションです。
レスベラトロールの効能の中でも最も劇的な優位性は通常の新陳代謝過程で体内に発生するフリーラジカルをやっつけるパワーがあることです。このフリーラジカルの発生は芝生の肥料、ペットのノミ除け首輪、食品添加物や薬など日常体内に入る環境毒素に対する自然な生体応答なのです。
身体が毒素の攻撃と闘えなくなると、細胞は酸化し始め、このプロセスは「生物学的錆」といわれてきました。フリーラジカルはDNAを損傷し、病気をおこし、免疫系全体を弱くします。
これに対して抗酸化物質はフリーラジカルによる損傷から保護し、レスベラトロールがこの点では顕著に優れる理由です。皮膚から細胞レベルまで老化さえ防ぐ効果もあります。レスベラトロールが有用であると考えられているいくつかの機能をいかに一覧します:
神経保護効果
脳の血流改善
脳の炎症抑制
アルツハイマー病につながるプラークを阻止すると考えられる
抗酸化性、抗菌性
フリーラジカルと闘う
うつからの保護
学習能力や記憶力をよくすると考えられる
レスベラトロールで脳に欠かせないもう一つの機能はこの物質が血液脳関門(BBB)を通過できることです。Examined Existenceの説明によると、一世紀前に科学者らが動物の組織に注入した青染料が組織を青くしたが脳または脊髄にまで浸透しないことを発見しました。
レスベラトロールは血液脳関門(BBB)を通過できるので中枢神経系の炎症を抑制できます。脳の炎症がほとんどの神経萎縮性疾患の発生で一要因となっていることも、こうした機能が重要な理由の一つです。
レスベラトロールが脳内血流をよくするという事実からすると脳機能も改善しうると考えられます。ジョージタウン大学の医療センター(GUMC)によるある報告書には次のような説明があります:
「アルツハイマー病患者にレスベラトロールを投与すると血液脳関門の完全性を復活させ、免疫細胞が分泌する悪性免疫分子の体内から脳内組織に侵入する能力を低下させるようである。
ニューロン炎症の軽減により、同じ障害がある患者に偽薬を投与した対照群より患者の認知力低下が遅くなった。」
レスベラトロールの機能を脳内秩序において一種の「群衆管理」になぞられて科学者らは説明しています。この意味は脳の炎症を悪化してニューロンを殺す悪性免疫分子を遮断することです。
GUMCの翻訳神経治療プログラムで科学・臨床研究座長のDr.チャーベル・ムッサさんがこう説明しています:
「こうした事実はレスベラトロールが脳に計測できる程度まで関与していること、また、アルツハイマー病への免疫反応の一部が脳の外から起きていることを示した点で顕著な発見です。」
Medical News Todayの説明によると、アルツハイマー病を悪化させる脳の炎症はAbeta40とAbeta42を含む脳内蓄積たんぱく質への反応が原因となって発生すると考えられます。
初期研究では炎症が脳内の免疫細胞にのみ起因すると考えられていました。この研究はその段階での結論を表面的には覆したものです。そのメリットは他にもあります:
「研究者らにとっての主な興味対象の分子はマトリクス・メタロプロテイナーゼ-9 (MMP-9)という酵素であった。研究チームはレスベラトロール用量を毎日服用した人のCSF (脳脊髄液)内のMMP-9が50%減少することを発見した。」
マウスに投与したレスベラトロールに関する別の研究が、有酸素活性増加、走れる時間の延長、食事に起因する肥満やインスリン抵抗性からの保護、新陳代謝機能の調節、全体的に安定した健康の増進を含む注目すべき効果があることを発見しました。
炎症はほぼどんな病気でも関与しています。世界最大規模の機能性医療クリニックの1つエクソドス・ヘルスセンターの創設者Dr.ジョセフ・アクスさんはほぼどんな健康の異常とも関連していることも発見されたとしています:
「炎症は長い間喘息、関節炎、クローン病などのアレルギー性疾患である機能をすることは知られてきましたが、アルツハイマー病、がん、心臓血管病、糖尿病、高血圧、高脂血症、パーキンソン病はすべて体内の慢性的炎症に関連しているものと考えられます。
炎症は必ずしも悪いばかりではなく、細胞の損傷、ウィルス、細菌などから守るための身体の自然な防御反応です。炎症によって有害な闖入者や異物を除去し、自然治癒できるようにしています。」
レスベラトロールは抗酸化性と抗炎症性がある抜群の機能性により、そのサプリメントやこれを含む食物を摂ることで炎症を低下させるためにおおいに有用です。
しかし、炎症に対処するためのもうひとつの直接的かつ有意義な方法とは、食事から炎症を起こしやすい物を一切除くことです。その主な4つの悪化作用がある食品には次のようなものがあります:
ハーブやスパイスの中には効能がある抗炎症性が豊富なものもあります。Bulletproof 360に引用されている実例はシナモンパウダーをティースプーン半分でもブルーベリー半カップ分と同じ抗酸化効果があり、乾燥オレガノティースプーン半分には生のほうれん草3カップ分に相当する抗酸化物質が含まれていることを示しています。以下その他のよい物を挙げます:
四つ葉
オレガノ
セイロンシナモン
マジョラム
セージ
タイム
黒コショウ
ウコン
生姜
赤唐辛子
スペインで行われたある研究はフリーラジカルが病気やDNA損傷で主に機能していること、発がん物質ががん発生の基礎を確立しやすくすることについて報告しています。事実は:
「疫学研究ががん発生率と特定の食品消費の間に相関性があることを実証した。食糧に含まれる抗酸化物質はがん発生率を下げることが判明した。
実際に、化学的予防はがん専門家や分子生物学研究者の注目をがん発生率を下げるために集めた。化学的予防用の薬剤はがん発生を阻害するかがんの増殖や進行を停止または逆転させるかのいずれかによってがんを発生させない。」
レスベラトロールは食品に含まれる5大化学予防物質の1つで、他の化学予防物質にはクルクミン、リコピン、カプサイシン、ルテイン、ベータカロチン、セレニウム、ビタミンE、フラボノイド、繊維質、その他もろもろが挙げられます。
さらに、炎症を抑えるレスベラトロールの効能により悪性腫瘍発生を促しうる特定の酵素を作らせなくすることもわかっています。レスベラトロールは細胞の増殖を抑制するので、がん細胞の成長につながりそうな細胞分裂数を低下させます。
レスベラトロールの機能例をミズーリ大学で行われたある臨床研究では2つの方法が示しています。悪性腫瘍は最初にレスベラトロールで処置した後に放射線治療に掛けると破壊されやすいことが発見されました。顕著な例として、レスベラトロールのみを使用しても、がん細胞の44%は細胞死つまり予定された細胞の壊滅に至ることがわかっています。
デンマークで行われたあるとても興味深いレビューは、サプリメントと食糧から摂るレスベラトロールをエクササイズを混ぜてバランスさせることで血糖値が一定に維持され、炎症を最小限にしtげ健康を増進するのに有用であることを明らかにしました。
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