研究: 子犬の写真を見ると愛するフィーリングが深まる

子犬の写真

早分かり -

  • 配偶者の写真とポジティブな写真を並べて見ている人はポジティブな光で配偶者をますます見るようになり、夫婦関係の満足度が深まることを報告しています
  • 連れに対するお腹のレベルのフィーリングがポジティブなら仔細なことを気にせずポジティブに関係を保てます
  • 受け身なポジティブな情報を受けるとお腹のレベルの配偶者に対するフィーリングが深まり関係の満足度さえ変わります
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Dr. Mercolaより

脳は不思議な機能の仕方をしており、その大半をようやくわかりはじめてきたにすぎません。日々の習慣の一環として、脳は実際にほとんどの時間はオートパイロット式に機能しているのかもしれません。

実際に研究が示唆するところによると、人は精神的に「チェックアウト状態」だそうで — 今この時や周囲の世界または特定の与えられた任務に集中しておらず、ほぼ半分の時間を自身の考えに没頭しているそうです。

このためこうした精神的に漂白されたような状態は一般的に私たちを不幸せにする傾向があります。その考えられる理由は心が落ち着かない考えや過去の言い合いその他のストレスに向くからで — こうしたできごとは今起きていることではなく、自分でその考えのままにさせてしまうと自分の世界に特定の色を付けてしまうからです。

人間関係の領域において、心もパートナーをプラスかマイナスのフィーリングと関連付けやすいのです。

Psychological Scienceに掲載された記事の研究者らは研究参加者の配偶者に対する目下の反応を「お腹のレベルのフィーリング」として位置づけ、この気持ちが毎日二人の意思疎通のありかたに影響するのだそうです。

連れに対するお腹のレベルのフィーリングがポジティブなら仔細なことを気にしないで、もっと軽い気持ちで関係を保てます。しかしマイナスなお腹のベルのフィーリングは攻撃的スタンスを摂り易くさせ、言い合いをエスカレートさせる傾向があるようです。

どんな人間関係も維持するためには取り組みが必要であるとはいえ、民間人のカップルより軍人のカップルの場合は疑いなくプッシャーが大きいです。実際に、Armed Forces & Society誌に掲載されたある研究から、戦闘への参加が60%以上の別居または離婚率に及ぶリスクを増大させることを明らかにしました。

軍人どうしの結婚生活が直面するストレスを軽減する試みとして、国防総省がフロリダ州立大学の研究者らに何をすれば助けられそうなのかについて見極める研究を依頼したところ、軍人にも民間人にも同様にメリットがありうる興味をそそることが発見されました。

ポジティブな画像と並べて配偶者の写真を見ると関係がよくなりうる

フロリダ州立大学の心理学教授でこの研究の主任筆者であるジェームズ・マクナルティー氏のチームは関係している相手との愛情関係の連想が変化した場合、究極的には配偶者が関係に満足する程度を変えうるかいなかについて分析しました。

簡単に言えば、研究は、関係とポジティブな体験を関連付けると関係に対する気持ちはおそらくプラスに代わり、悪い体験と関連付ければこの反対が言えるであろうということについてでした。

マクナルティー氏はTime誌に「関係を持つ人がいてパートナーとすてきな体験をたくさん共有すると、相手をこうした体験と関連付けることが身につき、パートナーを見ると気持ちよくなります」と説明しています。

パートナーについての思いがこのようなポジティブな気持ちの高まりを自然と呼び起こさない場合、例えばパートナーが軍備で配置されていたり、ストレスが多い状況の中でしか話さないでいる場合がこういうときに当たりますが、パートナーが離れているときでさえ、こういう状況を自ら生み出してしまう可能性があるのでしょうか?

この点について見極めようとして研究者らは参加者に一連のオンライン写真を3日おきに6週間見せました。

参加者のなかには、配偶者の写真は中立的なオブジェクトと並べてあり、他の配偶者の場合は子犬や子供、さらに食欲をそそる食べ物などのポジティブな画像と並べて見せました。「素敵」というようなポジティブな単語も写真に載せました。

想像していなかったような単純な介入に効果があったのです。ポジティブな写真を並べて 配偶者の写真を見た人はますますポジティブな光の中で配偶者を見るようになり、関係の満足が深くなったとさえ報告していました。Psychological Scienceに掲載された研究の中で研究者らはこう説明しています:

「ポジティブな刺激と並んでパートナーを見た配偶者は対照群よりポジティブな自発的なパートナーの姿勢を示しました。こうした姿勢は時間がたつうちに結婚生活に満足しているとますます自分から報告するようになっていました。

これらの結果から関係への満足度が変わるメカニズムについて画期的根拠を把握できたわけで、どの程度強く姿勢がパッシブな情報との接触から変化しうるかに関して一歩進むことができ、関係への画期的介入のための糸口がつかめたように見えます。」

不幸な関係は健康リスクにつながる

不幸せな関係の中で生きていると情緒面の健全性をも不安定にさせるだけではなく、肉体的な健康にも危険です。早期に婚姻生活の問題は解決することがますます重要になるわけです。

例えば、ネガティブな結婚生活はうつにさせたり自己破壊的健康上の習慣が増えることで健康に間接的に悪く影響すると考えられます。一方、不幸せな結婚生活は直接的に健康に多くのメカニズムによって影響してきます — これには心臓血管系、内分泌系、免疫系、神経感覚やその他の経路によるものです。

「夫婦喧嘩が多いと心臓血管の感作が増し、ストレスホルモンが変成し、免疫機能障害を起こす」とPhysiology and Behavior誌で研究者らが説明しています。

「慢性的ストレスの生理的インパクトを概念的に構成し直し、結婚生活の機能性に関連する生理学的変化がいかに健康面で長期的に影響してくるかについて説明しようと思う」として、その研究は併存疾患と死亡率とも関連づけて説明しています。

さらに、諍いの際に敵対的な行動を日常的に起こすカップルはポジティブなカップルより怪我の治癒に60%余計に時間がかかること、 高濃度の炎症促進性のサイトキンが検出され、このため加齢にともなう病気を速める可能性があります。

幸せな結婚生活を維持するためによいことは何でしょうか?

結局のところ、関係の満足度は健康や幸せに関して言うと極めて重要なことになり、これらを増進しうる介入が重要になるのはこのためです。

毛がふさふさした子犬や子猫の写真と並べて配偶者の写真を見るのは行う価値がある戦略ですが、その他の方法も多くあります。「The Seven Laws of Love」(七つの愛の法則)の著者デイブ・ウィリス氏はきっとお聞きになったことがあるかもしれない一つの法則に焦点を当てています: 意思疎通の糸口を開く。

大きな課題についての話し合いだけではなく、日々のたわいない仔細なことでよいのです。昼何食べた? 朝のエクササイズどうだった? 連れから離れて過ごしていた間に何かあったのか? みかけはどうでもよさそうな昼食や約束事その他会議のことなどを話し合うだけでもつながり続けられます。

一日中話せない状況があれば少なくともテキストメッセージを1つか2つぐらいは送り、一日の最後にはまたつながるようにしてください。もう一つの大切な側面ですか? 心底一夫一婦制であること。近年あるイギリスで行われたアンケートから専門職者のほぼ半数は「仕事上の連れ」つまり信用しきれる同僚を望んでいることが判明しました。

場合によっては実際の配偶者より仕事上の配偶者のほうに感情的にずっと近い人もおり、肉体関係よりはるかに破壊的になりうる情緒面の裏切りの舞台が整っている場合があります。ウィリス氏はこう説明しています:

「幻想は現実になります。肉体的に一夫一婦制である必要があるだけではなく、心から一夫一婦制でなければなりません。一夫一婦状態の維持は常々確認が必要になるので最も困難な課題に聞こえますが、取り組むだけの価値はあります。」

結婚生活の満足をよくするための実績ある戦略

以下にご説明する配偶者に対する「お腹のレベルの」フィーリングを変えうる手順を今すぐ始めてみましょう。

しばらく付き合っていた後キスするといったような簡単な行為もありえるわけです。抱き合ったり性交するのと同様に、キスすることは、脳にセロトニン、ドーパミンとオキシトシンのような幸せな気分にさせる物質による幸福万能薬を分泌させます。

これは幸福感にとって重要であるだけでなく、絆を深める助けにもなります。ある研究はパートナーとキスすることに特に重きを置いて6週間過ごした人々が、ストレスレベルの著しい減少があったと同時に関係に満足感が増えたと報告していることを明らかにしました。

ある研究では性的関係については週一回のカップルが最も幸せなレベルだと報告していました。性交渉の48時間後に「性的余韻の輝き」をより強くなった人はより結婚生活への満足度が高く、これによって絆が深まるからだと考えられます。

他の戦略は人によって違う人生の段階や事情に固有のものです。閉経期(またはその直前)の女性の場合、閉経期の健康についての話題で夫を教育すると女性の結婚生活への満足感が増すことがわかっています。

しかし結婚して始めの数年間なら日々のたわいなく見える仔細なことを共有することはより強い関係と絆を作り上げるために欠かせません。

「感情資本金」が多額であるつまり共有したポジティブな瞬間の蓄積が大きいカップルほどこの資本が少ないカップルより日々起きる関係への脅威に対して反応度が低く、日々の瞬間を楽しくする取り組みが 幸せな結婚生活を築き維持するために欠かせないことがわかっています。

もう一つの重要な側面として、日常のエクササイズ、正しく食べること、じゅうぶん寝ることを含み自分を大切にするために時間を取ることです。

これらの要因は感情面と肉体面の健康を築くための基本的要素をなし、これらが直接的に関係に響いてきます。きっと想像がつくことでしょうが、ある研究は一緒に長時間睡眠を取った日に夫婦関係の満足が深かったことさえわかりました。さらに、関係を再評価し経時的に変化して進化する余地を生むようにすることです。

結婚生活の満足度は概して経時的に低減する傾向がありますが、共同目標や個人別目標を支持し合うことだけではなく関係から自分が期待することに関して柔軟であることによってもバッファーされます。カリフォルニア大学ロサンゼルス校人間関係研究副所長で社会心理学助教授のベンジャミン・カーニー氏がこのように説明しています:

「時が経つにつれ、関係の具体的な側面が変化するにともない、一部はさらにポジティブになり、一部はさらにネガティブになると、全体として見て最も幸せでいられるカップルは、こういう変化に応じて関係の中で何が重要かについての自分の思いを変える人たちであり、結婚生活の中でネガティブになったことは重要なことではないと決定できる人たちです。」

精神的心の力の証

長距離離れた関係やぎすぎすした関係を直す可能性がある力を超えて、今回取り上げた記事が証明したことには、心の力が自分の感情の状態に影響を及ぼすことです。

配偶者と気持ちよくなる写真を並べて見ることで結婚生活への満足度が高まる可能性があるなら、ポジティブな関連性を応用することも他の生活の局面において有用になりえます。

習慣も連関性学習または行動と刺激の関連付けによっても形成されます(ポジティブなほうを優先)。この取り組みで例えば朝のエクササイズを(前夜に持っていく物を入れてベッドサイドに置いておく)ジムバッグを見ることと関連付けることによって日常的なエクササイズを改善できます。

このほか、香りもたいていは最初に嗅いだときの感情的状況に関連づけられて「学習される」もので、後に人生のある局面においてこの関連性が気分や行動に影響を及ぼします。このためアロマテラピーが肉体的と感情的健康にとても影響しうるのです。

ほぼどんな人でも、時期によっては圧倒されるほどであったりストレスを多く感じるときがあればポジティブな関連性に立ち返って精神面のプラスな姿勢と落ち着きを生み出そうと試みることができるでしょう。

お気に入りのエッセンシャルオイルの香りを一振り手首に付けて不安を和らげたり、その研究が説明しているような、可愛い動物のオンライン写真を見ながら楽しくない任務を行うことができるでしょう。全体が丸く収まるように、生活にもっとプラスの面を付加すればするほど、このことは関係に反映されるようになり、ロマンチックなパートナーを愛するフィーリングを体験しやすくなります。