Dr. Mercolaより
繊維質は最適な腸の健康のために欠かせませんが、特定の種類の繊維質が他の繊維質よりはるかに重要な点は発酵能力です。
バナナ、パパイヤ、マンゴ等の末成りの熱帯フルーツに消化されにくいでんぷん — 消化耐性がある低粘性繊維質が含まれこれが大腸の中でゆっくりと発酵します。これらの消化されにくいでんぷんはプレバイオティックとして主に機能して善玉菌の餌になります。
鼓腸やガスの気配を感じることがなく排便量が増えます。最適な点としては、こうしたでんぷんは熟しきった果物やその他のでんぷん系食品とは異なり血糖を急増させないので、インスリン調節を悪化させず、むしろ改善するのに役立ちます。
多くの観点から耐性でんぷんは(溶解性と非溶解性繊維質に加えて)第三の繊維質の種類と見なすことができます。
末成りの果物だけがこの能力がある食品とは限りません。ジャガイモや米、パンやパスタも調理のしかたしだいで消化されにくくできることを研究者らは発見しました。
具体的に言うと、調理や冷却、再加熱の過程でこうした食品の組成が有益に変化し、その結果得られる食の考え方はこれ一つのことに限らずさまざまな食べ方に有用です。昨日のお残りを食べると金銭を節約できるだけではなく、食べ残したでんぷんは実際により健康的で、カロリー密度は低くなっています。
でんぷんはグルコースという炭水化物の主な構成要素からなります。炭水化物は細胞のエネルギー源ですが、グルコースは身体にとっては最適な燃料ではありません。健康的脂肪のほうがずっとよく、燃えたときに発生する活性酸素種(ROS)がグルコースより少ないからです。
パンのサイドディッシュといっしょにパスタ等の高でんぷん食を食べると、血糖が急増します。これが一日に数回など定期的になると、身体にだんだんとインスリン耐性がついていきます。インスリンは血中グルコースの増加に応答して放出されます。
インスリン抵抗性は2型糖尿病,心臓病、がん、認知症等ほとんどの慢性病の根本原因です。その反面、消化耐性でんぷんは分解されないまま消化管を下り、血糖もインスリンも上昇させません。消化耐性でんぷんは結局発酵して腸内の善玉菌の栄養源になります。
腸内発酵の副産物は短鎖脂肪酸であり、これが炎症を軽減し、免疫力を高め、血圧を正常化し、心臓病や心臓発作のリスクを下げます。
繊維質の発酵によってできる短鎖脂肪酸は肝臓でのケトン生産のための基質にもなります。ケトンはミトコンドリアに効率的に燃料を供給し、強力な新陳代謝の信号として機能します。科学研究によると消化耐性でんぷんが大腸がんや腸炎の予防に役立つと考えられています。
別の研究によると、未強化米にココナッツオイルをティースプーン1杯加えて炊き、12時間冷やすと耐性でんぷんが10倍増加し、カロリーが60%も減少しました。
ここで冷やす以外に、ココナッツオイルの添加がキーポイントです。プレスリリースでは以下のように説明しています:
「このオイルが調理中にでんぷんの顆粒に侵入し、構造を変えるので、消化酵素の活性が効かなくなる。このため体内に吸収されるカロリーが減る。
『冷やすのが重要な訳は、でんぷんの溶解性部分であるアミロースがゼラチン化反応の間に顆粒から抜けるからである』と研究チームリーダーのサドヘア・ジェームズ氏が説明している。『12時間冷やすと米粒の外部にアミロース分子間の水素結合を形成し、耐性でんぷんに変わる。』」
興味深いことに、加熱と冷却によりパンさえ健康的にできます。2008年にEuropean Journal of Clinical Nutritionに掲載されたある研究では10人の被験者に4つの方法で調理しておいた自家製と市販の白パンを食べてもらいました:
無作為化して反復給餌した後血糖増分とピークのグルコース応答を測定しました。新鮮なままのパンに比べ — 自家製か市販かを問わない — 冷凍してトーストしたものだと食後の血中グルコースが低下しました。自家製のパンを新鮮なまま食べた場合と比較すると:
同様に、平均血糖値253 mmol min/Lになった新鮮な市販白パンと比較すると、トーストでは183 mmol min/Lに低下し、凍結、解凍後トーストした市販パンでは血糖値187 mmol min/Lに低下その研究の著者によると:
「これら3つの手順―新鮮なパンの凍結/解凍、トースト、凍結/解凍後にトーストした場合、パンのグルコース応答が下がった。
白パンを食べる前の保管条件と調製が変化した結果として血糖応答が低下したことが示された、筆者らにとっては初の研究である。さらに、その研究は食品の血糖指数の決定のために基準食品として使用した場合に白パンの保管条件を定義し維持する必要性を強調している。」
すでにご説明しましたが、未熟なバナナやマンゴは消化されにくいでんぷんを豊富に含んでいます。また、多くの貴重なビタミンも含んでおり、これらはみなおいしい「グリーンな」フルーツサラダの具になります。例えば未熟なマンゴはビタミンCがとても豊富です。
一個の緑(未熟)ラングラマンゴの場合ビタミンCはリンゴ35個分、レモン9個分、オレンジにして3個分あります。インドでは、青マンゴーは以下の生薬として用いられています:
心臓、神経の調子を整え、動悸、神経性緊張、不眠症、記憶力低下などを癒します...生のマンゴーを塩と一緒に食べると喉の渇きを潤し、夏の季節、極端な発汗による塩分や鉄分の喪失を予防します。身体の調子をアップし、過度の熱に耐え得られるようになります。」
しかしこれには但し書きがあります: 余分に食べると喉荒れや消化不良につながるので未熟なマンゴは一日一個までにしてください。また、食べてすぐ冷水を飲まないことです。これではマンゴの樹液が凝集して炎症リスクが高くなります。
グリーンバナナサラダ、グリーンマンゴサラダ、グリーンパパイヤサラダのレシピは私の以前の記事「早生バナナ、パパイヤ、マンゴの想像がつかないほどの健康的メリット」をご参照ください。
パン、米、パスタ、ポテト、フルーツ、野菜はすべて炭水化物です。しかし健康の観点から見るとこれらは等しく創造されたものではなく、「善玉」炭水化物と「悪玉」の差別化点は主に繊維質です。
ほとんどの野菜や一部の果物は繊維質がとても豊富で、つまり正味炭水化物が少量であり、また、炭水化物というときは注意すべきなのは正味炭水化物量なのです。
食品の正味炭水化物量を決定するには、単に総炭水化物量から繊維質量を引きます。通常、野菜が高繊維質分という点でいちばん優れますが、一部の未熟な果物にも多く繊維質が含まれる一方、食生活に新たな要素になります。
通常の炭水化物依存症では主食の米、パスタ、じゃがいも、パンに関しては、煮てから冷やし、再加熱すると耐性でんぷん量が劇的に増えて栄養特性がよくなることをご銘記ください。
ポテトサラダは熱く食べるよりもじゃがいもをたっぷりいただける一つの方法です。煮ても焼いてもけっこうです。または、焼いたじゃがいもを砕いて一晩冷やしてからフライパンで再加熱する方法もよいです。紫ポテトは私の大好きなサラダの具です。
炊いて冷やしたご飯をまた加熱するほうが新鮮な炊き立てのご飯よりはるかによいです。パンについて言えば、凍らせて解凍し、トーストしたとき最もメリットがあることがわかっています。トーストすると有害な発がん物質アクリルアミドが生成されることをご銘記ください。パンのお焦げが多いほどアクリルアミドが多くなります。トーストするならあまり茶色くしすぎないようにしましょう。
概してほとんどの人は繊維質をじゅうぶん食べていません。野菜や有機オオバコからもっと溶解性と非溶解性の繊維質を食べて繊維質の摂取量を増やせば健康的効能があります。
また、でんぷんが多いお米、じゃがいも、パスタなどの食品を消化されにくいでんぷん量が増えるように調理することによって、少なくとも有害性を軽減することはできるでしょう。個人差があっても、通則としては大抵の人に次のことから効能があるでしょう:
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