硬直した臀筋の解し方をお探しですか?

よく運動して後で楽しくなる

早分かり -

  • 長時間座っていると股関節屈筋が短縮して硬直し、姿勢の問題や背中の痛みにつながります
  • 臀筋を照準にしたエクササイズで柔軟性が身につき、痛みを和らげ、負傷を防止できます
  • ヒップのエクササイズやストレッチが膝蓋大腿疼痛症候群(PFP)の痛みや腸脛靱帯(IT)症候群を軽減するのを助けます
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Dr. Mercolaより

平均的な運動中に多くの人はヒップを強くすることを対象にしたエクササイズを見落としがちです。臀筋が弱いと体が動きにくくなりやすいのでこの強化運動はとても大切なのです。臀部の筋肉が弱いとお尻の動きが弱まるのを感じるはずです。

そのためヒップや膝、背中の痛みにつながります。ヒップには鍛えるとよい主要な筋肉が数種類あります。大臀筋(お尻や臀部の後ろにある筋肉)とヒップの両脇にある中臀筋がそのうちの二つの筋肉です。

股関節屈筋 — 大腿直筋と腸腰筋 — も、特に長時間座業しているときなど、緊張しきっています。

長時間座っていると股関節屈筋が短縮して硬直し、姿勢の問題や背中の痛みにつながります。さらに、股関節屈筋が弱いと足、足首、膝の負傷につながります。

硬直した臀筋を解すには

座っていると筋肉がほとんど伸びない(運動しても硬直する傾向はあるにしても)ので、ヒップや腿の硬直化につながります。

これらの筋肉を伸ばし、強くするにはBarreAmpedという世界中で教えられているバーテクニックでFitness MagazineやNatural Health Magazineによって2015-15で最適なバー運動として採用されたエクササイズの創始者スザンヌ・バウエンさんが生み出したこの動作をお試しください。

体を支える椅子かキッチンカウンターが必要です。右足を前にして脚を膝で90°曲げたかたちで膝ま付いたランジの姿勢から始めます。左膝は左のお尻より数センチメートル後ろになります。

バウエンさんの勧めるこのエクササイズの方法:

「1.反対側のヒップが若干伸びるのを感じるまで右脚を数センチメートル押し出します。

お尻がとても硬直化していれば、数センチでなくてできる限り押し出してください。(前側の膝がつま先を超えて伸びないようにして保護してください。)もっと効果のあるストレッチをするなら、左脚を後ろへ真っすぐ伸ばし、前へ押し出します。

2.動く態勢になったら、後ろ側の脚を必要なだけ位置を直して、右脚が自分の前へ真っすぐ伸ばせるかたちにします。

背筋を真っすぐにしておき、ヒップから前へ数センチメートル傾け、右の膝腱部分のストレッチ感があるまで傾けます。」

それぞれの姿勢を2~5回深呼吸して止め、反対側で反復します。

8 硬直したヒップに効くその他のストレッチ

1. ハッピーベービー(ヒップを広げる)

仰向けに平らに寝た姿勢から始めます。両膝を曲げ、両手で曲げた足の外縁を掴みます。両腕を両脚の外側にしたまま。

上体の力を使ってそっと両膝を脇の下の先の床面に均等に押し付けます。リラックスしたまま、肩や胸に力が入らないように注意してください。

この姿勢で5回深呼吸します。

2. 拡張ワイドスクワット(両側のヒップを同時にストレッチ)

両足を腰幅より若干広めにして立ちます。膝を曲げていくとヒップがさがっていきます。その際踵がフロアから離れる場合は、タオルかマットの縁を丸めて踵の下に入れて支えにします。

両手の平を心臓の前で合わせて両肘を膝の内側にしっかりと押し当てます。こうするとヒップがさらに広まります。

5回呼吸を数えて、両手をフロアへ放し、足からだんだん離して上げていくとヒップと背中の下部がさらにストレッチされます。その姿勢で5回呼吸を数えます。

3. オープン・リザード(股関節屈筋とヒップ側面の運動)

まず右膝を出してランジの姿勢を取ります。左膝をフロアへ下げていき、両手を肩下のフロアに着きます。

右膝をゆっくり右の方に下げていき、右の曲げた脚の外側に体重が乗るかたちにします。腕は真っすぐにしたままで、胸を前へ突き出してストレッチを強くします。

この姿勢で呼吸を5回数え、左も同じように反復します。

4. 大股スプリット(ヒップ、大腿屈筋、腿の内側のストレッチ)

ワイドスクワットから両手を体の前でフロアに突き、踵のほうがつま先より開いたかたちで両足をさらに広げます。足の裏はすべてフロアに着けたままで膝を保護します。

ヒップを下げるにともない、前腕を上げ、次に肩の高さへ下げます。両肩がフロアに着いていれば、頭を片側に回し、頬をフロアに着け、あごを擦らないようにします。

その姿勢で呼吸を5回数え、次に両足を元に戻して真直ぐにします。

5. バタフライ(左右のヒップを同時にストレッチ)

フロアに座り、両膝を曲げ、足を揃えます。両手で両足を本のように広げます。両脚の筋肉を働かせて膝をフロアに向けて押し下げます。

背骨を伸ばし、臍を凹ませます。両肩をリラックスし、正面か両足に視線を向けます。その姿勢で呼吸を5回数え、次にゆっくり前に曲げ、上体を両脚に引き付けます。背筋は真っすぐにしたままです。

両手を両足に乗せ、両膝を両腕で押し下げるか、ストレッチを強くしたいなら、両腕を前へ伸ばします。この姿勢で5回呼吸します。

6. 頭から膝へ(ヒップと膝腱部分のストレッチ)

床に足を投げ出して座ります。右膝を曲げ、足の裏を左腿の内側に当てます。

背筋を伸ばしたまま座り、両手を左足に当て、上体を左腿に重ねます。両手が足に届かない場合、むこうずねか膝に当てて構いません。背中を丸めないようにしてください。

そのまま5回以上呼吸して、両肩は耳から離してリラックスしてください。反対側も同様にします。

7. ハト(膝を片方ずつ開く)

右膝を曲げて座り、左脚を後ろに延ばします。右踵を左ヒップに向けて引き込むか、ヒップが広がっているなら、右足を自分から少し離します。

左ヒップがマットに向かって常に下向きを維持します。もし左ヒップが上へ開き始めたら、右足を体のほうにもう一度引き寄せます。

両手を右腿かヒップに当てたままこの状態を維持するか、両手を自分の前へだんだん出していき、上体が右膝の上に当たるようにします。ここで止めて、5回以上呼吸して硬直感があり張った箇所に向かって呼吸します。

左膝を曲げてこの姿勢を反復します。

8. ダブルピジョン(臀筋の強いストレッチ)

床に足を投げ出して座ります。左膝を曲げ、膝、向う脛、足をフロアに当て、骨盤と平行にします。

右膝を曲げ、両膝の上に置き、向う脛と足首が重なった状態です。両脚が小さい三角になっているのが見えれば正しい形です。

上の膝が上に向かってかなり上がることがあるかもしれません。それで構いません。この状態はヒップが硬直していることを意味し、そのままの位置でよいでので呼吸します。

この姿勢をもっと強くするには、両手をそれぞれの向う脛に置き、胸を両脚に押し付けながら、向う脛をできる限り離していきます。

5回呼吸してその姿勢を保ち、ゆっくり緩めて脚を入れ替え、左膝が上になるようにします。

一日に2~5分ヒップの動作性を改善する

股関節は玉とお椀の形の関節で、最適な機能のためには常時動いていることが必要です。ほとんど座わっている方はヒップの健康や動作性がたちまち悪化します。

上のビデオの中でMen's Health FitnessのディレクターのBJガドゥアさんが、一連のヒップエクササイズでヒップをその可能な動作範囲全体に動かして動作性を改善する方法を実演しています。毎日数分でもこのエクササイズをすれば、ヒップが強く柔軟になります。

ヒップ運動で膝の痛みを和らげる

体の一部が痛むときは別の部位に問題がある場合があります。膝が痛む場合、実際にはお尻に問題がある場合があります。

膝蓋大腿疼痛症候群(PFP)はその一例で、これはランナーに頻繁に起きる問題で、走っているとき大腿骨が膝のお皿の裏に当たり始める異常です。

あるパイロット実験でこの種の痛みはヒップのストレッチにより和らげるまたは解消できます。その研究の参加者はヒップ強化運動を週2回6週間行ったところ、痛みが大幅に減りました。

腸脛靱帯(IT)症候群に効くストレッチ

IT(腸脛靱帯)は脚の外側にあり、臀部につながり、膝の若干下の外側と結合しています。これは動いている間膝関節を安定化するのを助けます。

特にランナーを始めスポーツでよく起きる負傷の一つが腸脛靱帯(IT)症候群で、この靭帯が硬直したり炎症を起こすことで発生します。殿筋が硬直するのがその主な原因です。腸脛靱帯(IT)が硬直すると、どんな膝の動きも痛みを起こします。これは腸脛靱帯(IT)が膝を正常な整列状態から異常に引いているためです。

次にこの異常を防止するためのストレッチをご説明します:

クロスレッグストレッチ — フロアに立ち、左足を右足の後ろに掛けます。腰から前へ上体を曲げ、左足の親指をフロアの中に入れるつもりで押し付け、体を若干左に回しながら両手で右脚をつかみます。

これを正しく行うと腸脛靱帯(IT)が右脚外部で伸びるのを感じるはずです。しばらくそのストレッチ状態のままにして、交差した脚を解き、反対側で反復します。

ウォールストレッチ — 壁から腕の長さだけ離れて立ちます。左脚を一歩出して、右脚を一歩下げます。左膝を曲げ、右踵まで押し下げます。20~30秒そのまま維持して、脚を入れ替えます。

高齢者の場合ヒップの動作範囲を増やすことは必須です

高齢者においてはヒップの動作性が低下していることが転ぶ最大の原因であり、日常のヒップエクササイズは自立性と健康の維持のために必須です。

以下のエクササイズでヒップを強くし、柔軟にしてください — 股関節変形性関節症の方にも効きます。実演についてはCTC Healthcare制作の上のビデオをご覧ください。

ヒップのための柔軟エクササイズ

片膝ハギング — 仰向けに寝て、右膝を掴み、ストレッチしていると感じるまで胸に引き上げます。20秒そのままにします。左側も同様に繰り返します。

両膝ハギング — 仰向けに寝て、両膝を掴み、胸に引き上げます。20秒そのままにします。

「コブラポーズ」 — 床にうつぶせになり、両手は肩と平行にします。両腕を伸ばし、上体を床から起こします。背中下部が反り、骨盤が床に当たります。20秒そのままにし、次に体を元の位置に落とします

外転/内転によるヒップの柔軟運動 — 仰向けに寝て片膝を胸に引き上げます。両膝を両手で抱え、20秒間膝を片側から反対側へ回します。反対側も同様に繰り返します。

ヒップの外転 — 仰向けに寝て右膝を胸に引き上げます。右手を膝に置き、左手は足首に置きます。右の足首をそっと頭の方へ引きます。30秒そのままにしてから右脚も反復します。

ヒップの内転 — うつぶせになり、膝を90°曲げ、両足を外へ落とすかたちにします。30秒そのままにします。

ヒップの強化エクササイズ

「貝」 — 横ばいになり、両足を揃え、両膝を若干曲げます。上になった膝をできる限り上げ、元に降ろします。これを15回繰り返し、反対側も繰り返します。

ブリッジ — 仰向けになり、両足をフロアにぴたりと付け、ヒップを天井に向けて上げます。数秒そのままにしてから元に降ろします。5回反復します。

膝旋回 — 横ばいになり、両足を揃え、両膝を若干曲げます。上側の膝と足を上げます。膝を上げたままにし、足を上下に旋回させます。これを15回繰り返し、反対側も繰り返します。

踵旋回 — 横ばいになり、両足を揃え、両膝を若干曲げます。上側の膝と足を上げます。脚を空中に上げたままにし、膝を上下に旋回させます。これを15回繰り返し、反対側も繰り返します。