脱水症状があると倦怠感が出たりむっつりさせ、病気になります

脱水症状

早分かり -

  • 幼児や児童も病気していたり嘔吐や下痢があるときは特に、脱水状態になりやすいです
  • 口臭、砂糖の渇望、注意力欠如も脱水状態のために起こることがあります
  • 飲む必要がある水の量の目安として渇きを使うと個人別の必要性を毎日確実に満たすのに役立ちます
  • 尿の色を見ても水をもっと飲むべきかどうかを見当がつきます。深い暗い黄色をしていれば水をじゅうぶん飲んでいないようです。反対に蕎麦色から薄い色なら適切な水分を摂っていることを通常は示します
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Dr. Mercolaより

あまりにも忙し過ぎて長時間水をすする程度でも飲まずにいたら、信じられないほど喉が渇いてがぶがぶ水を飲みたくなったことがありますか?

喉が渇いているとき身体は水の補給を求めており、このとき水を飲めば脱水状態を防止できます。実際には脱水状態になる前に身体の生理的渇きのメカニズムが発動し、遅すぎないうちに水分を補給するチャンスを与えられます。

しかしこの原則には例外があり、高齢者や子供の場合特に脱水状態になりやすいです。

推定では高齢者の20%~30%はしばしば水にアクセスできないためや、老化にともない体内の水分が自然に減ることから脱水状態にあります。幼児や児童も特に病気していたり嘔吐や下痢があるときは、脱水状態にすぐなりやすいです。

ある研究がアメリカの子供たちの半数以上は脱水状態にある一方、1/4は毎日必ずしも水を飲んでいないと推計しました。米国科学アカデミーの結論によると、健康な成人の「大多数は喉の渇きを目安にして日々の水分補給ニーズを適切に満たしている」そうです。

しかし、渇きをがまんしたり暑い天気のときや特にエクササイズの後、十分水を飲まずにいると、軽度から中度の脱水状態になりやすく、その兆候に驚かされることがあるかもしれません。

身体が水を必要とするわけ

身体の組成の内水が42リットルを占め、これは体重の50~70%に当たります。

血液は85%が水で、筋肉は80%、脳は75%、骨でさえ25%は水です。つまり水がいかに健康のために欠かせないかがおわかりになるでしょう。では十分水を飲まないでいるとどんなことが起きるのでしょうか?

まず何より腎結石の最大要因は水をじゅうぶんに飲んでいないことです。また、じゅうぶん水を飲むと膀胱や直腸結腸など特定のがんリスクが下がることを示す研究もあります。

致死の冠動脈疾患のリスクさえ水の摂取状況に結び付けられており、ある研究は一日にグラス5杯かそれ以上の水を飲んでいた女性は、このリスクがこれより少なくしか水を飲んでいなかった女性より41%低いことを示しています。男性の場合このリスクは54%低かったのです。

また、身体は血液循環、新陳代謝、体温調節、排泄のためにも水を必要としています。

脱水状態にあると、軽度であっても、気分や認知機能は影響を受けています。25人の女性についてのある研究では、1.36%の脱水状態にある人は気分の悪化、おこりっぽさ、頭痛、集中力低下、認識している作業を行うことが困難になることを経験していました。

Physiology & Behavior誌に掲載されたある研究によると、水をじゅうぶんに飲まないと、脱水状態のドライバーは2時間の運転中、じゅうぶん水分を摂っていたドライバーより二倍もミスすることが発見された通りで、道路交通にも危険な存在になります。

脱水状態の身体反応

身体は適切に水分が補給されている限り最適に機能しますが、これが不足すると生物学的にマイナスな変化が起きます。脱水状態のとき、脳組織の液体が減り、脳体積が変化します。

血液も粘度が出てきて循環がよくなくなり、このために筋肉がつったり、腎臓が水分を保持し始めるので、尿が減ります。このほかにも、ニュージーランドのマシー大学でスポーツ・エクササイズ科学上席講師のトビー・ミュンデル氏によると:

「血液が濃厚で濃度が高くなるにつれ、心臓血管系は鼓動を増加させて血圧を維持するのが困難になっていきます。脱水状態の身体でのエクササイズの間や熱中のストレス下などで「無理する」すると過労や虚脱リスクも高くなります。例えばこのためあまりにも速く立ち上がると失神する場合もあります。

水が不足すれば身体による体温の調節機能も阻害され、(体温が平熱よりはるかに高くなる)高熱症も引き起こします。細胞レベルでは血液などの他の貯蔵部分を維持するために水が効果的に借り出されるので「縮小」が起きます。脳がこれを検出すると喉の渇き感を高めます。」

ミュンデル氏は保湿レベルを監視するために体重を追跡することを勧めています。朝起きたときを第一回の測定として午前中に合計3回体重を測り、その平均値を取ります。

これを標準の基線体重として、適度に水分を補給していればこの値から1%以内にとどまるはずです(他の要因が体重に影響していないと想定)。

脱水症の想像以上の兆候

体が脱水状態になると水分の不足は驚くべき兆候や症状となって現れます:

口臭 — 唾液は抗菌性がありますが、脱水状態になると口内の唾液が減ります。このため悪臭を出す細菌が増えます。

糖分の渇望 — 渇きは空腹として知覚される場合があり、このため多くの人は実際には水を飲まなければならないときにスナックを食べたがります。脱水状態になると、グルコースを放出する肝臓はこのための水が必要なので砂糖の渇望が特によく起こります。さらに、ダラス・カウボーイズのスポーツ栄養士エイミー・グッドソン氏がHealthに語ったところによると、「脱水状態でエクササイズすると、グリコーゲン(貯蔵された炭水化物)が速く消費され、蓄積された量が急速に減少します。」

運動中の減少 — 運動のさ中に体重が水のロスによって2%減少すると、最大10%まで成果が落ちることがあると、グッドソンさんは言っています。

注意力低下と倦怠増加 — 2013年のある研究では20人の健康な20代中ごろの女性からすべての飲み物を24時間飲ませないでおきました。生物学的パラメータ(尿、血液、唾液)については臨床的な異常は観察されませんでしたが、渇きと鼓動が増し、排尿量が急減して(暗い色になって)いました。

気分への影響に関して、その著者らが「水分欠如が気分に与える目立つ悪影響には注意力低下、眠気、倦怠感や混同の増大」を挙げています。別の研究では、脱水状態がたとえ1%でも認知機能に重篤な影響を及ぼすそうです。

悪寒 — 原因がわからず悪寒がすれば、水を一杯飲む必要があることを示している可能性が高いです。脱水状態になると身体は皮膚への血行を制限し、このため寒気がします。

便秘は、じゅうぶん水を飲んでいないと起きるもう一つの帰結です。これは不足分が大便からの水分吸収で補われるよう体が吸い取るからで。このため便が乾燥しやすく、硬く、通りにくくなります。軽度から重度の脱水症状の例:

軽度から中程度の脱水症状 重度の脱水症状

喉の渇き、口内がねばねばする

極度の喉の渇き

眠気や疲労感

過敏、意識混濁

ドライスキン

目のくぼみ

頭痛

つねっても元に戻らないハリを失った乾燥肌

頭のふらつき

低血圧

めまい

頻脈

泣いても涙が殆ど出てこないか出ない

呼吸促迫

排尿が殆ど起きない

泣いても涙が出ない

肌が乾き、冷える

発熱

筋肉のけいれん

排尿が殆ど無いか、あっても尿の色が普段より濃い

重度の場合、せん妄もしくは意識喪失の発生

どの程度の水なら十分といえるのでしょうか?

健康を維持するために人が必要としている水の量については議論が分かれています。おそらく1日に236.5㏄の水飲むと健康でいるための最低条件であるとも言う場合がありますが、しばしば科学的な事実であるとも主張される場合があります。しかし、この点はそう単純に割り切れるものではなく、年齢や健康状態、活動量や気候など、人が必要とする水の摂取量には多くの要因が影響しています。

American Journal of Physiologyに掲載されたレビューの中で、ダートマス医学校のDr.ヘインズ・ヴァルティン氏は上記の一日当たり約235㏄を8杯分相当の水を摂取すべきであるという話は科学的根拠がなく、神話にすぎないと語っています。

ヴァルティン氏はさらに、喉の渇きを覚えるときはすでに脱水状態になっているから喉が渇くまで飲むのを待っていないほうがよいという、水消費についての話も神話だとしています。

ヴァルティン氏が言う通り、「渇きはとても感じやすく、速くかつ精確なので、人類の進化過程で水を無理に飲むことで不足を補わなければならないほど慢性的に水不足のままになることは想像しがたい」ようです。結局、自分の身体に必要な水の量を精確に測ろうとしたり、一日に何杯水を飲んだかを追跡するほど面倒なことに煩わされる必要はないでしょう。

身体が必要なら反応してくるのでその面倒なことをする必要はありません。どのくらいの水を飲む必要があるかの目安として喉の渇きを使用することは、自分の必要性を毎日確実に満たすための一つの目安になります。

また、尿の色を目安にすることもできます。濃い暗い黄色の尿ならおそらく水を十分に飲んでいません。蕎麦色や薄い黄色なら通常は適度に保湿されていることを示します。

排尿回数が少ない場合、または数時間排尿していない場合、それも水分を十分取っていないことを示しています。(数種類の研究結果に基づいて言うと、健康な人は平均して約7~8回排尿します。)

自分が喉の渇きを無視しやすく、身体からその兆候が出ているときも飲まない傾向がある方は、より能動的な注意を払い、喉が渇いたら水を飲む習慣にする意義はあります。幼児や子供の場合、脱水症状を見極めるのは難しいことが多いですが、以下のような症状があれば脱水症なので医療処置がただちに必要です:

頭部の柔らかい部分(泉門)のくぼみ

泣いても涙が殆ど出てこないか、出ない

口の渇き

おむつの濡れが少ない

眠気

呼吸が速い