ケトン主体食の初心者向けガイド:健康を最適化するための効果的な方法

今回は

早分かり -

  • このガイドはケトン主体食について知っておくべきこと – さらにそれをライフスタイルに適用しそこから得られることについてご説明します
  • 実際のケトン主体食用食品一覧をご覧になる前に、まず今の食事内容を見直し、不健康なものがあればそれを除くことから始めましょう
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糖尿病や肥満等各種の慢性病に罹っている人が多く、その主な原因は食生活にあります。

標準的食生活には過剰なたんぱく質や炭水化物が含まれており、これらは両方ともインスリン抵抗性やレプチン抵抗性につながるので不健康です。その結果体重が異常に増え、炎症が増し、細胞の損傷が起きやすい体質になります。

この問題を防止するには食生活を大幅に変える必要があり、そのための最適な方法はケトーシス体質に改善することです。この状態では身体が糖分ではなく脂肪を主な燃料にします。ケトーシスを達成するにはケトン主体食を摂ることが必要になります。ではケトン主体食とはどんな食事でしょうか?

このガイドはケトン主体食について知っておくべきこと – さらにそれをライフスタイルに応用しそこから得られるよいことについてご説明します。

ケトン主体食の持つ様々な効能

減量 — 減量を試みている方の場合、ケトン主体食にすると体脂肪が燃えやすくなり、従って体脂肪が減るので、最適な方法です。肥満の人は特に、この方法で効能を得られます。ある研究で、肥満の被験者が低炭水化物のケトン主体食と低脂肪食を食べました。24週間後に低炭水化物グループ(9.4 kg)は低脂肪食グループ(4.8 kg)より多く減量したことがわかりました。

抗炎症効果 — 人体は燃料源に糖分と脂肪を使用します。しかし脂肪食のほうが反応性酸素種(ROS)や二次フリーラジカルの生成が少ないので、脂肪のほうがより健康的な燃料です。日常の食事から糖分を除くことで全身の慢性的炎症の発生リスクを低下させることができます。

筋肉量の増加 — 公認栄養士ジェフ・ヴォレック Ph.D,はいかに高脂肪、低炭水化物食が健康とスポーツ成績に効果があるかについてを専門にしている方です。同氏の著作の中で、ケトンが筋肉質量を構成するのに有用な分岐鎖型アミノ酸と同じ構造をしていることを説明しています。ケトンはこの種のアミノ酸を節約し、多くを体内に残しておくので、筋肉質量を増やすのに役立ちます。

食欲を減らす — 常時空腹でいると代謝できる量以上のカロリーを消費する傾向があり、このため、体重が増加します。ケトン主体食をすると炭水化物消費が減り、空腹症状が減るので、この問題を防止できます。ある研究で参加者に低炭水化物食を与えたら、食欲が減り、容易に減量できることがわかりました。

インスリン濃度を下げる — 炭水化物を食べると、体内で糖分に分解されます。このため血糖が増加し、インスリンが急増します。この状態が続くと、そのうちインスリン抵抗性が起き、2型糖尿病にまで悪化することもあります。

ケトン主体食で下がるがんリスク

破壊的病気であるがんは世界中で主な死因になっています。事態をさらに悪くしていることとしては、がんを新陳代謝やミトコンドリアの問題であることが明白な証拠があるにもかかわらず医者が実務的都合のために無視して、従来式のがん治療を続けてその効果が上がっていないのです。

たいていの人が知らない事実として、がん細胞は主にグルコースを燃料にしています。この点で、ケトン主体食は最適な解決策になりうるのです。がんに主な燃料源をやらず、さらにたんぱく質を制約することで、がん細胞は文字通り飢え死にします。

がん闘病に関するケトン主体食の研究はこれまでに増加の一途であり、データが示すところでは、ケトン主体食はがん予防の一形態であるほか、放射線治療や化学療法などの一般的ながん治療を補完しうるものなのです。

試す価値がある異なる種類のケトン主体食

標準ケトジェニック食(SKD) — SKDは極めて効果的なのでほとんどの人にお勧めできる主な方法です。食事は健康的脂肪を大部分にし(食事の70%)、適度なたんぱく質(食事の25%)、炭水化物を僅か(5%)にとどめることに注力します。

目標ケトジェニック食(TKD) — TKDは基本的にはフィットネスに熱意を持って取り組む人のためのものです。このアプローチでは、エクササイズの30~60分前に一回の食事で一日分の炭水化物を食べます。その考え方はケトーシスの妨害になる前に炭水化物が提供するエネルギーを効果的に消費しようというものです。

このアプローチで行っている場合、胃にショックを与えないように血糖インデックスが高い消化のよい炭水化物を食べるようにお勧めします。次に、エクササイズの後には、たんぱく質を食べる量を増やし、筋肉の回復を助け、続けて脂肪を食べます。

循環式ケトジェニック食(CKD) — TKDはフィットネスを熱意を込めて行う人用である一方、CKDはスポーツ選手やボディービルダーを対象にしています。CKDの場合普通のケトン主体食の次に、一定の日数を高炭水化物食にし、これで「炭水化物負荷」状態にします。

ここでの考え方は炭水化物の利点を活用して運動やトレーニングで失われた筋肉内のグリコーゲンを補うことです。

高たんぱく質ケトジェニック食 — この方法はSKDの一種です。高たんぱく質ケトジェニック食では、たんぱく質の消費割合を10%増やし、健康的脂肪の消費を10%減らします。この方法を試した肥満の男性が参加したある研究で、この食事方法にすると空腹が減り、大幅に食べる量が減ったので、減量できることを研究者らが発見しました。体重過剰や肥満の方の場合、この方法がまず役立つようで、次に体重が正常な範囲になってからSKDに移行するとよいです。

制限型ケトジェニック食 — すでに述べましたが、ケトン主体食はがんに対する効果的な武器になりえます。これを行うには制限型ケトン主体食にする必要があります。炭水化物とカロリー摂取量を制限することにより、身体はグリコーゲンを失い、健康な細胞がエネルギー源にできるケトンを生産し始めます。がん細胞はケトンを利用できないので、飢え死にしていきます。

ケトン主体食に移る前に止めるべき食品

実際のケトン主体食用食品一覧をご覧になる前に、まず今の食事内容を見直し、不健康なものがあればそれを除くことから始めましょう。つまり、ケトン主体食は本物の自然食品を食べることに焦点を当てるので、糖分、でんぷん、パッケージされたり加工された食品を食生活から無くすことです。

さらに、牛乳は炭水化物であるガラクトースを含むので避けましょう。牛乳をグラス一杯飲むだけで一日分の炭水化物割当量を原則的に消費してしまいます。さらに、牛乳を避けると乳糖不耐性の人がケトン主体食に移行しやすくなります。

その他、加水分解サラダオイル(カノーラ)、大豆製品、ソーダなど多くの製品を避けるべきです。これらの製品は炭水化物が少ないでしょうが、不健康なので、健康をだめにします。

ケトン主体食で食べるとよい最適な食品

ココナッツオイル

野生捕獲したアラスカサケやいわし、アンチョビ、オキアミなど健康的摂取源から取れる動物性オメガ3脂肪。

オリーブの実やオリーブオイル(ほとんどのオリーブオイルはサラダオイルで希釈されているので、第三者による認定品を必ず使用しましょう)

牧草で育てた生バター

マカダミア、アーモンド、ピーカン等生のナッツ

かぼちゃ、ゴマ、クミン、麻の実などの種子。

アボカド

牧草で育てた肉

ラードや獣脂

ギー(浄化バター)

生のカカオバター

放し飼いの有機玉子

ケトン主体食の計画を立てる際、繊維質、抗酸化物質、種類豊富な栄養素を多く含む緑の葉野菜を一貫して食べてください。最適なのはブロッコリー、ほうれん草、パセリ、芽キャベツ、ズッキーニが挙げられます。

フルーツは基本的には健康的ですが、その多くは糖分が多いのでケトン主体食から除くべきです。それでもブラックベリーやブルーベリー、クランベリーなど週種類のベリーは適度に食べる限り安全です。この種のベリーには健康を支持しうる抗酸化物質が豊富です。

飲み物については数種類を選ぶとよいです。最も重要なのは水ですが、抗酸化物質が豊富な有機のブラックコーヒー(甘味料やミルクを入れない)なら飲むに適しています。ココナッツミルクも飲むことができ、さらにいろいろな抗酸化物質や栄養素が豊富なハーブ茶もよいです。

ケトン主体食をしてはならない人は誰でしょうか?

妊娠中の方 — 妊娠中は様々な食糧から取るべき栄養素を必要とする多くの変化が身体では起きています。従って、健康的炭水化物を厳しく制限してしまうと胎児の健康によくありません。

母乳の授乳中 — 母乳の授乳中の女性は母乳の授乳中期間を一環してケトン主体食を避けるべきです。そのわけは、女性は赤ちゃんの成長に欠かせないオキサロアセテートという母乳の乳糖を作るために欠かせない化合物が必要だからです。

新シーズンに入るときのスポーツ選手 — スポーツ選手はケトンが生産するエネルギーの効能をたいへんよく受けることができますが、ケトーシスに体が変わるまで約4~6週間かかります。この期間中、身体はまだ脂肪を主なエネルギー源にすることに適合しておらず、間もなく来る競技での成績に悪影響します。

ケトン主体食を活用するには、オフシーズン中に早めに計画して身体の調整時間を取りましょう。

胆嚢切除後 — 胆嚢は胆汁を回収して濃縮しており、このため消化管は食事から得た脂肪を正しく吸収できます。これがないと、食べた脂肪は吸収されにくくなり、ケトン主体食が大部分を脂肪食に依存することから、栄養失調につながります。そのための解決策はいとも簡単です。脂肪を食べる毎食時に2種類のサプリメントを必ず飲むことです:牡牛の胆汁とリパーゼ。牡牛の胆汁は脂肪を乳化するのを促すので、吸収できるようになり、胆嚢が本来分泌している胆汁を代替する効果があります。リパーゼは脂肪消化酵素です。

腎結石の病歴がある — 腎結石の既往症がある人はケトン主体食で再発リスクが高まる場合があります。ケトンは本質的に酸性なので、尿酸が増え、結石を促すからです。

その反面、葉野菜から摂れるカリウムの量を増やし、アボカドなどの高脂肪食品をもっと食べるようにする限り、ケトン主体食をしていても腎結石は予防できます。一日を通して体内の水分を維持することも結石リスクを低下させます。

身体がまだ成長期の人 — ある研究で、てんかんの子供にケトン主体食を導入したら、症状が軽くなり、認知力がよくなりました。しかし、Developmental Medicine & Child Neurology(発育医学と小児神経学専門誌)に掲載されたある研究によると、ケトン食では長期的に子供の身体の成長に悪影響があるそうです。

ケトン主体食がインスリン様成長因子1 (IGFT-1)という子供や十代の骨と筋肉の発育に欠かせないホルモンを減らすからだと研究者らは考えています。お子様がどうしてもケトン主体食でなければならない場合、潜在的な発育上の問題について医師に相談してください。

本来痩せた人 — 体格指数(BMI)20以下の自然に痩せた人はさらに減量する可能性があるのでケトン主体食は避けるべきです。全体的な健康によくありません。

稀な新陳代謝障害がある人 — ゴシェ、テイサクス、ニーマンピック、ファブリなどの異常は脂肪代謝を阻害し、エネルギー生産に影響します。

これらの異常がある人はエネルギー源の大部分を脂肪から摂るケトン主体食はお勧めできません。

拒食症 — 拒食症の人はカロリー消費を本来制限しており、ケトン主体食の主な構成要素である脂肪を食べることを極端に恐れているので、ケトン主体食を続けると急激に飢餓状態になるおそれがあります。

ケトン主体食計画をこういう人たちが始めると、ケトン主体食は燃料の大部分を食事から摂る脂肪に依存することから、エネルギーが不足するおそれもあります。しかし慎重に医療や精神科の監督があれば全体的健全度はケトンでメリットを受けられると考えられますす。

膵不全 — 膵不全とは、膵臓が消化管の中の栄養素を分解して吸収するのを助けるための酵素をじゅうぶんに作れない異常です。

酵素が欠乏していれば、まずこの問題を解決してからケトン主体食を始めるべきです。消化系が食事から摂る脂肪分を吸収するのが困難だからです。

ケトン主体食の副作用

口臭 — ケトン主体食を始めると、体内のアセトン濃度が上がるので不快な口臭に自分で気づくことがあるかもしれません。

アセトンはケトーシスの際生産されるケトンの一種で、尿に排出されるほか、一部は息といっしょに排出されます。

プラスの面として、息にアセトンの臭いがすればケトン主体食がうまくいっていることを示します。ココナッツオイルで歯をみがいたり口をゆすぐと口臭を解消するのに役立ちます。

短期的倦怠 — ケトン主体食を始めた頃は倦怠感が起き始めることもあるでしょう。このことは多くの人が効能を享受できるよりはるか早期にケトン食をギブアップしてしまう主な原因です。

最初のうち倦怠感を覚えるのは身体がエネルギー源を炭水化物から健康的脂肪に切り替えている期間だからです。

この移行は一夜にして起きるのではなく、7~30日の間をかけて身体が完全にケトーシスになっていきます。

頻尿 — ケトン主体食を始めた頃数日間、頻繁にトイレに行くようになることに気づくかもしれません。そのわけは身体が肝臓の中や筋肉中のグリコーゲンを尿として排出しているからです。

さらに、血中インスリン濃度がさがるにつれ、過剰なナトリウムも尿として排出されます。

消化異常 — 今までと大きく異なる食事を摂り始めると消化の問題が起きるリスクは増えます。ケトン主体食に変えるときも例外ではありません。

ケトン主体食を始めた頃によく言われるのが便秘症状ですが、体がより健康的な食事に慣れるに従い、治ります。

糖分の渇望 — 身体が砂糖燃料から脂肪燃料に切り替わるにつれ、強い糖分の渇望を覚えることがあるかもしれません。しかし、その誘惑にかられないでください。

感情解放テクニックやヨガなど様々なリラックス法を日常行って、糖分系の食品を意識しなくできます。

脱毛 — ケトン主体食に切り替えて初めの数時間はヘアブラシに髪が普段より多く取れるのに気づかれるかもしれません。

しかしこれは心配には及ばず、脱毛は食習慣を大きく変えるときは頻繁に起きます。これは身体がケトーシスに切り替わると治まります。

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