Dr. Mercolaより
どぎまぎするようなミスをしたり人前で作法を誤ったりしたときや、唐突に人々の注目の的になった、または自分が魅かれている人に見られたときに赤面する方は、身体が自分自身に対して発情している状態で、最も本音の気持ちを世の中に露わにしているのです。
赤面は全く自然な現象であり、他者からどう見られるかに関してはよい面さえあるものです。ピンク色に染まる頬はストレスや当惑その他強い感情への交感神経系の反応なのです。
交感神経系は闘争・逃走反応を引き起こし、アドレナリンというホルモンを分泌させ、これが鼓動や呼吸を早めるのに加え、顔の血管と静脈を拡張させるので、血流と酸素が前進で増加させると同時に、赤面と呼ばれる頬の特徴的なピンクの色合いを生じさせるのです。
赤面は非自発的反応なので、止める手立てはありません。しかし止めようとしても無駄なわけではありません。赤面しそうになったとき止めたり、赤面してもすぐ消すために試せる戦略は多くあります。この点について詳しくご説明する前に、止めたい気持ちを見直す必要があります。
ほぼ誰でも赤面するという事実にも拘わらず、科学者らはその目的を把握しようとして今でも研究を続けています。一つの理論として、赤面は間違いを犯したときの癒しの意義があるというものがあります。
温度変化、辛いまたは暑い食品、飲酒など環境要因が原因で顔は赤くなることがありますが、赤面は自意識感情によって起きるのが普通であり、しばしば当惑や恥ずかしい思いをしたときに出ます。Emotion(というジャーナル)に掲載された研究者らの記事は次のように指摘しています:
「数人の理論家は当惑や恥を表現する赤面の機能的特性を強調し、こうした表現が過ちや行き過ぎの後に赤面する者の対人的イメージを修復するのを助けるのではないかと言う。つまり、人前で当惑や恥の感情を表すとその本人は人前でまたは道徳的な過ちを犯したのでそれを悔しいと思っていることを認めたことを意味するようである。」
赤面とは「人前で当惑を伝える」というテーマに最もよく合うもので、研究者らが研究参加者に赤面している人としていない人の写真を見せたところ、赤面している人のほうにより同情や信頼感等の項目で高いスコアを付けたのです。
「赤面は望ましくない反応であるとしばしば人は見なすが、研究結果からは行き過ぎや過ちという文脈から見ると、赤面が面子を救う特性を持つ有用な身体からの信号であるという結論に研究者らは至りました。」
コンピュータゲームを使った同様の研究は、参加者が仮想の逃走する敵と対戦し、参加者にお金を損させるように仕組んだもので、これから赤面した敵は赤面しなかった相手より信頼され、より肯定的に判断され、再度逃走しないだろうと見なされました。
当惑しがち(赤面の最も典型的なケース)な人はより寛大で利他主義的であるとさえ見られます。皮肉にも、赤面に癒しの力があるといっても自分で制御できないから、その一部は多くの人がひどく嫌います。カーディフ大学レイ・クロジャー(Ray Crozier)教授がThe Guardian紙に次のように説明しています:
「赤面は当たり前のことで、言外の謝辞を表すので社会的にとても有用です。商店で商品をひっくり返してしまったり、他の人の足を踏んでしまったとき、謝ることはできますが、もし赤面すると、a) 済まないと思っているのだ、 b) 制御できないのだから私が誠実な人なんだということを人に示すことになります。」
誰かに見られるだけで赤面しがちなタイプの人は赤面が他者にどう受け止められるかをおそらく過大評価している自分に気づくと赤面しがちでなくなるために役立つかもしれません。
以上でご紹介した研究が示すように赤面はあなたをより信頼できる人に見せる傾向がありますが、研究によると赤面を怖がる人の場合、赤面し易さと共に赤面を表す社会的コストを過大評価している傾向が共通しています。
デューク大学学際的行動研究センター所長のマーク・リアリー心理学教授(Mark Lear)はTodayに、赤面がたいていの場合「望んでいない社会的注目への反応でありその注目を反らす一種の方法である」と説明しています。想像がつくことですが、他の人があなたの赤面と公の場でどぎまぎしているのを見れば、目を反らす確率の方が高いです。
しかし、悪循環に陥る場合もあります。赤面を意識すると実際に赤面してしまうのに十分であり、その結果人からどう見られるかについての懸念が一部の人をますますもじもじする感じにさせるようです。誰でも赤面するものですが、中には頻繁に赤面する人がいます。次に該当する方はおそらく頻繁に赤面していませんか:
The Atlanticもある一人の男性について報告しています。その人は頻繁に赤面するので人間関係がまずくなったし仕事での昇進においても不利になったと思っており、赤面が一部の人にとっていかに深刻になりうるかということを強調していたのです。その男性は次のように語っていました:
「私は素晴らしい理解力のある妻が現在いてくれるので幸運です。長年赤面のため誰かに出会うことなど本当にできませんでした。人は女性が赤面すると可愛いと思いますが、男が赤面すると単にしらけさせると思います。人から注目を浴びることを避けるべきだと思っていなかったらならば、現在自分のキャリアでもっと昇進できていたはずです。小さい会議で発言することさえどぎまぎして心配になるのです。しかも私が赤面すると顔がみっともなくなります。」
赤面を止めたければ、皮肉にも赤面しようと思うのが最適な方法です。リアリー氏は可能な限り赤面しようと思うと赤面できなくなるのが普通であり、まず起きそうになっていた赤面の原因をおそらく意識しなくなるからであると示唆しています。
「Painfully Shy: How to Overcome Social Anxiety and Reclaim Your Life」(痛々しいほど恥ずかしがりや:世間的不安感を克服し自分の生活を取り戻す方法)の著者であり心理学者バーバラ・マークウェイさんもこの戦略を勧めており、Todayに「我慢するとその対象がかえってつきまといます。赤面をするなするなと思えば思うほど、赤面し易くなります … [この方法なら]赤面しにくくなります」と説明しています。」
自宅にいるときか自分だけのときに、赤面するような状況について思い起こしてみてください。結局、その発端になることがあまり問題でなくなっていきます。
同様に、赤面しないようにと我慢しないことです。赤面についてストレス感を持てば持つほど、悪化するばかりで、闘争・逃走反応を高めるだけです。その一方、リラグゼーション戦略で落ち着くと赤面を鎮静化するのに役立ちます。この戦略には次のようなものが挙げられます:
感情解放テクニック(EFT)
呼吸運動
イメージ療法
段階的筋弛緩法
自己催眠
分節運動
瞑想
ヨガ
太極拳
マッサージセラピー
バイオフィードバックリラクゼーション療法
自律訓練法、ここでは、体内の身体感覚に焦点を当てる
興味深いことに、赤面を止めるもう一つの方法は周囲の人と目を合わせないことです。目の接触は当惑や不安とは関わりなく赤面の主な原因であることはわかっています。ある研究で、参加者はストレスを感じさせるようなクイズを行い、個人的なことを回答しなければなりませんでした。
個人的なことを回答する段階では、参加者がサングラスをかけていたり部屋から出て行ったときとは反対に、研究者の目を見ると赤面が増えました。従って、赤面しそうになったら、室内の他者から目をそらすか一瞬目を閉じて気を落ち着けるとよいです。
対人恐怖や当惑は赤面の主な2要因であり、赤面を恐れるほど、悪化する傾向があります。むしろ赤面は当たり前のことで、自然なことであり、他者から可愛らしく人間的で、傷つきやすく、愛着感さえ抱かせる人だと見られることを受け入れてください。
自意識を感じる方は周囲の人に赤面していることで謝る必要はなく、「私の頬はよく赤くなり易いのです」というような軽い一言を加えて、次の新たな話題に移るとよいです。
胸郭内視鏡手術(ETS)という赤面を止めるための手術がありますが、これは顔面の血管を閉塞したままにするように神経を切断するもので、神経損傷、発汗、感染等の重篤なリスクがあります。
これよりはるかに非侵撃的方法に認知行動療法(CBT)というのがあり、不安にかられる状況をより効果的に処理できるようにするように設計されています。赤面が特にこれがために落ち込むのを止められる点で日常生活の支障になっている場合役立ちます。
究極的には人一倍赤面しやすい人がいますが、ほぼ誰でも自分の頬が赤くなり始めているときの気持ちはよく知っているものです。赤面が自分自身を貧弱にするような反映ではなく、心理的応答にすぎず — しかもより人からよく見られやすくするものでさえある — ことを認識することこそ、生活の中で赤面に圧倒されなくなる大切な点です。
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