専門家がスタチン薬剤のトレンドで命が危なくなると警告しています

スタチン

早分かり -

  • 医薬品の発展にも拘わらず、心臓病や脳卒中の方が毎年増え続け、関連薬剤には高コレステロールレベルに推奨されるスタチン投薬を含みます
  • 薬剤以外の戦略で心臓の健康を管理するのに役立ちこれには、質のよい睡眠、ストレス軽減、ビタミンDの適正量、食品はなるべく生の物をいただくことを含みます
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Dr. Mercolaより

医薬品の発展していても心臓病や脳卒中の方が毎年増え続けています。

残念なことに低脂肪食を食べるという誤解させている推奨はただ事情を悪化させるだけです。心臓血管病は死亡症例のうち33%の根本原因を占めており、相変わらず死因No. 1です。

40秒ごとに誰かは脳卒中を発生し、脳卒中で4分ごとに誰かが死んでいます。American Heart Association (AHA、全米心臓学会)によると、心臓病と脳卒中のリスク増加には喫煙、不活発さ、食生活、高コレステロール、血圧、血糖を含む7要因が関連しているそうです。

喫煙か吸わないかなど一部の要因は明快なものですが、他の要因は単なる計測を超えて複雑なものです。

飽和脂肪と同様に、コレステロールは、高い総コレステロールと心臓病の間の相関性は60年に相当するほどの研究にも拘わらず、悪者扱いされてきました。

コレステロールは身体が細胞を作りホルモンとビタミンDを生産するために使用する最も重要な分子の1つです。薬剤処置による低コレステロール量が記憶喪失やアルツハイマー病と関連しています。さらに、うつ病、脳卒中、暴力的行動に走るリスクを高めます。

新たな研究がスタチン薬の使用を防衛

近年、Annals of Internal Medicineに掲載されたある研究がスタチン薬の使用を継続 — または開始 — するよう勧めたためマスコミで騒がれました。クリーブランドクリニックの心臓血管医療部長Dr.スティーブン・ニッセンによると、ホーリスティックな実践家はスタチン薬に関連する副作用について嘘を広め、この薬剤に対する根拠のない主張をでっち上げています。

しかし、多くの研究がスタチンは心臓血管病リスクを下げるという保証に違反していることを実証してきました。実際には、この種の薬剤はリスクを高めます。

その注目を集めたBrigham and Women's Hospitalによる研究はスタチン薬服用により重篤な異常や反応を報告した28,266症例を評価しました。

すでに重篤な反応が出た人の70.7%が服用を継続しました。それから4年後、この薬剤を継続した人の12.2%は心臓血管の異常が発生しました。この薬剤を止めた人の13.9%は心臓血管の重篤な異常が発生しました。

換言すると、何らかのかたちの重篤な異常を被った人は4年以内に心臓血管の異常がたったの1.7%しか減少しなかったことになります。これと同じ出版物に掲載されたある論説で、ニッセン氏はスタチン薬を止めたための咎めをほとんど栄養補助食品、ライフスタイルアプローチ、正式な臨床検査で立証されていないアプローチに突き付けました。

スタチンの副作用は大きい

CBS Newsとのインタビューの中でニッセン氏はスタチン薬に関連する副作用はほとんどマイナーであり、用量を調節したり別の種類のスタチンに変えれば対応できるとしていました。そこで俎上に上がった副作用は主に筋肉痛でした。

ノースウェスタン大学医学部の予防医学・心臓学教授Dr. ドナルド・ロイドジョーンズ氏は、スタチンに通常関連している筋肉痛がこの薬を飲んでいる患者の年齢によるだけのことであると、軽くあしらっています。

しかし、筋肉痛こそスタチン薬投与が原因のよくある副作用の1つであるにすぎません。アトルヴァスタチン(リイピトール)の健康関連プロ対象の情報によると副作用は極めて一般的(発生率10%かそれ以上)、よくある(1~10%)、あまり見られない(0.1~1%)、稀(0.01~0.1%)、極めて稀(0.01%未満)によってランキングが表されています。健康関連のプロに対して極めてよくある、よくある、あまり見られないと報告されたスタチンの副作用には以下が挙げられます:

  • 全身関連:尿道感染、めまい、知覚的刺激に対する感度の部分的喪失、味覚の異常な変化、健忘症、頭痛
  • 胃腸系:下痢、消化不良、吐き気、鼓腸、便秘、腹部不快感、腹痛、嘔吐、すい臓炎
  • 新陳代謝:異常肝機能テスト、高血糖、肝炎、拒食症、低血糖、体重増加
  • 筋骨格:関節痛、末端部の痛み、筋骨格の痛み、筋肉けいれん、筋肉痛、関節の腫れ、背中の痛み、クレアチン・フォスフォキナーゼの増加、首の痛み、筋肉の倦怠

破壊的な神経筋肉系と心臓血管の副作用

スタチン薬の問題は複雑な組織内で単純な経路でのみ総コレステロールレベルの皮相的問題しか対象にしていないことです。この薬は身体が機能するために必要としているコレステロールを自然に生産している肝臓内でこのための酵素を阻害します。

このため本質的に総コレステロールを削減しても、HDL、LDL、VLDL (極低密度脂質たんぱく)やトリグリセリド濃度といった脂質たんぱく質の密度が異なる点には効能がない。

コレステロール生産の一側面のみを変化させることによりスタチン薬は全身の健康には大きく悪影響を及ぼします。心臓血管死とスタチン薬の間の関連性についてはほとんど取り上げられていません。心臓病予防のために飲んでいる薬が心臓血管死のよくある副作用を患者の10%で発生させていることを認識してください。

もう一つあまりよく報じらてない副作用には筋肉の無駄進行で、これは萎縮性側索硬化症(ALS)(ルーゲーリグ病とも呼ばれる)につながる場合があります。世界保健機関の財団国際医薬品監視共同センターが、スタチン薬を服用している人の間ではALS等の上位運動ニューロン損傷がある患者数が異常に多いことを指摘しています。

ジョンズ・ホプキンズ・メディカル・スクールの研究者らはこうした異常を伝える発見事実に対して、ステロイドその他の免疫抑制薬による処置は可能であり、この人気ある「素晴らしい薬」を恐れることはないと反論しています。ライフスタイルを変えるだけで心臓血管病リスクを大きく削減できることを考えると、このことはほとんの人が納得できるお勧めとはとても思えません。

スタチン薬の統計的効果性はどうか?

薬のリスクに神経筋肉病や「よくある」副作用である心臓血管死が含まれる場合には、薬の効果がリスクを上回るとお望みになりたいことでしょう。

しかしこの場合は、薬のリスクの方が効能よりはるかに高いです。Expert Review of Clinical Pharmacologyに掲載されたある報告の中で、筆者らはスタチン支持者は相対危険度減少(RRR)という取るに足らない効果にしかならないことを誇張できる統計的手法を使用していたと結論しました。

その報告が臨床検査からも患者が体験する重篤な作用の大多数の影響を最小化できたとしています。

上記の重篤な副作用の絶対リスクを考慮すると、人口の1%にしか効能がないスタチン薬を使用することはばかげています。1%の効能確率とはすなわち100人がこの薬を飲んでも1人しか心臓発作が減らないということです。

この統計を相対リスクとすり替えてみると、スタチンの効能が人口の30~50%へ突如として増加したように見せかけることができます。この事情をよく理解するには、200人の男についてのある研究を想定していください。ここで前立腺がんに対する薬の効能を調べるためにその半数が薬を飲み、残りは偽薬を飲むとします。5年後、薬を飲んでいたグループのうち2人の男が前立腺がんになり、偽薬を飲んだグループでは4人がこのがんになったとします。

このデータを使った場合、薬がリスクを50%低下させたと研究者らが主張する可能性があり、または、リスクがたったの2%低下しただけであると主張することも可能であり — 両方とも正しいと主張しうるのです、前者は相対リスク低下、後者は絶対リスクを使っているのです。

Expert Review of Clinical Pharmacologyに掲載された第二の研究においては研究者らが、スタチンがよく言われているほど効果的ではないだけではなく、薬に関連してよくある心臓血管の副作用の説明要因である心臓血管病にも寄与しうることを発見しました。

スタチンと関連する数種類の生理的メカニズムについてそこでは検討されており、それによると、この薬が心臓の健康悪化といかに関連しているかを示しています。その中には以下のものを含みますが、これに限ったことではありません:

  • ビタミンK2の機能阻害
  • ミトコンドリアの損傷
  • 補酵素Q10 (CoQ10)への干渉ないし枯渇
  • セレニウム含有たんぱく質への干渉

CoQ10低下がスタチンの副作用の背景にある起爆剤

スタチン薬の既知の影響の1つは、体内の全細胞の中でエネルギー生産に使用されるCoQ10を身体から枯渇させることです。従って、CoQ10は健全な健康、体力、寿命、人生全般の質のために不可欠です。

CoQ10の枯渇に関してスタチン薬にはブラックボックスの警告を付けるべきという提案がありましたが、2014年に米国食品医薬品局(FDA)はこれを採用しませんでした。

CoQ10の還元形態がユビキノールですが、これも細胞呼吸やアデノシン三リン酸(ATP)の生産に欠かせない構成要素です。心臓こそ体内で最もエネルギーを必要としていることを考えると、細胞エネルギーの主な取得源を逓減させることがいかに破壊的なものか想像がつくでしょう。

スタチン薬を服用している方は、CoQ10やユビキノールサプリメントも取ることは欠かせません。私はユビキノールのほうが体内に吸収されやすいのでお勧めします。

ニューイングランド心臓病センターの心臓科医師で同センターの創設者Dr.スティーブン・シナトラ氏は毎日高品質のCoQ10かユビキノールを少なくとも100 mg、ベターなのは200 mg服用するように勧めています。ユビキノールはLDLコレステロールが身体を損傷できなくし、スタチンによる細胞のダメージを効果的に修復させ、筋肉細胞を筋疾患から保護します。

薬を使わない戦略で心臓の健康を守る

重要な点として、心臓の健康管理に役立てるために他の戦略を始めずに、薬を単に止めてしまうことのないようにしてください。心臓の健康を増進する薬以外の方法をお探しの方のために私が最もお勧めしたい項目を以下に挙げます:

食生活から穀類や糖分を削減していき、結局は一掃しましょう。グルテン含有の穀類と砂糖、特に工業果糖を一切摂らないようにすることが決定的に重要です。

食品の大部分を生で食べるとなお効果的です。

含有水銀が少ない脂肪の多い魚から高品質の動物性オメガ3脂肪を摂ることです。その好例にはいわし、アンチョビ、ニシン、サバが挙げられます。代替方法として、オキアミ油等高品質の動物性オメガ3サプリメント。研究が示すところによると、毎日たった500 mgのオキアミを食べるだけでも総コレステロールとトリグリセリドを減らし、HDLコレステロールをおそらく増加させるはずです。

有害なサラダ油や合成トランス脂肪の代わりにオリーブオイルやバター、ココナッツオイル等の健康的な脂肪を摂ることです(オリーブオイルは冷たいままでしか使わず、煮たり焼いたりする加熱調理にはココナッツオイルを使用し、バターは認証を受けた草で育てた有機的に飼育した牛から取れるものにすることをお忘れなく)。

日々の食事に発酵食品を含めてください。これなら腸内細菌叢を最適化できるだけではなく、口の中にも善玉菌が入ります。腸内細菌叢が改善されると全身の免疫力が高まります。口内衛生がよくなくても心臓病リスクが高いことを示します。

ビタミンD濃度を最適にしましょう。これは、日光を適度に浴びることで実現でき、また、体内にビタミンD硫酸塩を生成します。これは、動脈プラークの形成を予防する上で、重要な役割を果たすものです。

鉄濃度を少なくとも年一回は検査したり、フェリチン濃度が80 ng/mL以上あれば年2~3回献血しましょう。成人男性や閉経後女性の最適濃度は40~60 ng/mLの範囲です。20 ng/mL未満や80 ng/mLを超えないように維持しましょう。

もう一つ行うべきテストとしてγグルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)テストが有用です。GGTで肝臓の酵素を計測します。このことは肝臓の損傷がある場合、過剰な遊離鉄のリスク.を示すスクリーニングマーカーとして使用できるほか、突然心不全死のリスクをよく示す指標でもあります。

女性にとって、健康なGGTレベルは約9U/L(1リットル当たり単位)です。しかし一般に「通常の」GGT検査の女性の最高値は、40~45U/Lです。男性の場合、16 U/Lが最適ですが、普通のラボ検査範囲が65~70 U/Lになることもあります。

定期的に運動しましょう。高強度インターバルトレーニングエクササイズを取り入れましょう。そうすると、成長ホルモン(HGH)の生成も最適になります。

喫煙を全く止め、アルコールを飲み過ぎないようにしましょう。

質の良い、元気を回復できる睡眠をたっぷりとりましょう。

日常的なストレス管理テクニックを実践してください。