Dr. Mercolaより
ルテイン等のカロチノイドが豊富な濃い緑の葉野菜をじゅうぶん食べると、高齢になってから健康な視力の維持や認知力を正常に維持するために有用です。体内では作られないので食事で摂る必要があるルテインは視力増進の特性があることでよく知られます。
ゼアキサンチンと同じく、黄斑色素と詳細な中央の視力を担う小さい網膜の一点である 黄斑に高濃度で含まれています。
これらのカロチノイドが多いと白内障や高齢者の視力喪失の最大原因である黄斑変性症等の加齢による目の病気を予防するのを助けます。しかし近年の研究はルテインが脳の健康にも重要な機能をしており、認知力衰退の予防に役立つことが明らかになりました。
25~45歳の成人60人を対象にした近年のある研究によると、中年期にルテイン濃度が高い人ほどこれが低いレベルの人より神経応答が若々しいことがわかっています。
その研究はカロチノイドの状態を脳内ルテインレベルと相関性が強い黄斑色素の光学的密度を計測して評価しました。
ほとんどの研究は認知力がすでに衰退し始めた後の食事の効能に焦点を当てています。その中で認知力衰退プロセスは通常期待されているよりはるかに早期に始まることが証明されていることから、ルテインの保護効果を評価しようとしています。
それらの研究を行った研究者らによると認知力の減退は30歳代から始まることもあるといいます。実際にその結果は何を食べるか、このケースではルテインが豊富な食品が脳を若く維持するのを助けることを示しています。
「緑の葉野菜、玉子、アボカド等の栄養価が高い食品を食べるとよい理由がまだあります。これらの食品が他の健康的効能を持つことも知られていますが、これらのデータは、認知力に対する効能もあることを示しています,」と、イリノイ大学で運動学・コミュニティー健康学のネイマン・カーン教授が説明してくれました。
食事の内容は近視リスクや一般的に健康な視力にも影響します。コロラド州立大学フォート・コリンズ校の進化生物学ローレン・コーデイン氏によると、インスリンレベルが高いと眼球を前後の楕円に成長させるので近視につながるそうです。
コーデイン氏は狩猟採集社会がライフスタイルを変え、穀類と炭水化物を導入すると、これらの食事が西洋社会におけるのと同じ程度の発生率で近視を急速に ー しばしば一世代以内で ー 増大させることを発見しました。
その原因は、炭水化物が過剰なためにインスリン濃度が上がり、インスリン抵抗性を増して、正常なら眼球の伸長および水晶体の拡大の調整機能を妨害することです。眼球が前後に長くなると、水晶体はもはや網膜上に鮮明に結像するのに十分平らにならなくなります。
この理論は、過体重であるか2型糖尿病(いずれもインスリン濃度が上がっている)の場合に近視を発症し易いという観察と一致しています。
ルテインは視力や認知力の最適化以外にもその他の方法で健康を促すことが見つかっています。例えば、各種の研究が次のことを発見しました:
ルテインは、主に緑の葉物野菜に含まれており、ケールやホウレンソウはルテインが豊富な食品リストの上位に入ります。ルテインはオレンジ色や黄色のフルーツや野菜にも含まれています。
ルテイン(lutein)という言葉は「黄色」を意味するラテン語の「luteus」が語源です。一般的には濃い緑の葉野菜に含まれる総カロチノイド濃度のうちの15~47%はルテインです。
以下にルテインが特に豊富な食品をご紹介します。ルテイン(やゼアキサンチンなどその他のカロチノイド)は熱で損傷を受けやすいので、最適なのはこれらの自然食品をできる限り生に近い状態でいただくのがよいのです。
ほうれん草
ケール
ニンジン
ブロッコリー
玉子の黄身
赤と黄色の胡椒
スイートコーン
アボカド
ラズベリーとサクランボ
赤唐辛子とパプリカなどの香辛料
ルテインやゼアキサンチンの規定推奨値としての標準用量は定まっていませんが、ルテインの用量が一日に10 mg、ゼアキサンチンが一日に2 mgあれば健康的効能があることを研究が実証しています。
ルテインとその他のカロチノイドは脂溶性なので、最適な吸収のためには、食事に健康的脂肪を加えることをお忘れなく。例えば、 玉子二三個 — ルテインと健康的脂肪を両方とも含む — をサラダに加えると食事全体から吸収できるカロチノイド量が9倍増えることが研究により実証されています。
最適なのは、有機栽培の草を食べて育った平飼いの卵を選びましょう。このような玉子は栄養価が高いだけではなく、草で育った玉子を選ぶことで農薬との接触や遺伝子操作組織も回避することができます。
市販の玉子の大部分は高密度家畜飼養経営体(CAFOs)産で、鶏が草地で草を自然につつくことができない条件下で飼育されています。
通常こうした鶏はコーンと大豆の餌を与えられ、その大部分が遺伝子操作品です。CAFOの玉子はサルモネラ菌汚染による食中毒をはるかに起こしやすいです。
地元の農産物市場は新鮮な平飼い玉子のもう一つの摂取源です。黄身の色を見ると玉子が平飼いかどうかの区別がつきます。平飼いで草で育った鶏の玉子の黄身はルテインやゼアキサンチンを多く含むことを示す明るいオレンジ色です。さえない暗い黄色の黄身は自然食を食べるように放されなかった籠の中の鶏が生んだ玉子であるということの確かな印です。
野菜からルテインの吸収量を増やすためにもう一つの方法は生の有機バターか、オリーブオイルやココナッツオイルなどの健康的油をサラダに少々加えることです。
脳の健康は明らかに単一の栄養素に依存しているわけではありません(ただし、DHAは身体のどの細胞をも構成する要素であるのは事実で、脳内のオメガ3脂肪の大部分はDHAなので、オメガ3脂肪DHAに関してはこれだけでも強力な効能があります)。認知力劣化は多くの要因が根底にありますが、食事対策はしばしば効果的な起点になります。
栄養失調は脳の機能を損なわせるだけではなく、腸の健康も重要な役割を果たしており、食事や環境からの毒素との接触も原因のひとつです。最適なのはこうした課題すべてに対処することでしょう。
基本的には本物の食品、有毒な農薬を避けるために最適な地元産の有機食品で全てではなくてもほとんどの栄養を摂るように私はお勧めしています。しかし個人別に状況や条件が異なるので、サプリメントを1種類か複数必要になることもあるでしょう。以下に脳の健康的機能のために特に重要な栄養素を含む食品を挙げました
動物性オメガ3脂肪のドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)
いわし、アンチョビ、ニシン、サバ、野生捕獲したアラスカ鮭等の低温水に生息する脂肪の多い魚。
魚油やオキアミ油。オメガ3の必要な摂取量は定められていません。健康関連の機関では、健康な成人では、DHAとEPAを250~500 mg摂取することが推奨されています。
オメガ3指数検査は極めて重要な健康のスクリーニングであり市販品を利用できます。
ビタミンDと同じく、血中濃度を検査することで自分に必要な用量を知ることが重要です。オメガ3の必要量はライフスタイルに応じて変動し、例えば、脂肪の多い魚を食べる量や肉体活動量に依存します。
この指数は8%以上あれば最適です。従って用量を自分に合わせるには、ご自分の濃度を計測してもらい、8%になるまで調整してください。
ビタミンD
ビタミンD濃度を最適化するためにもっともよい方法は食事ではなく、適度に日光を浴びることです。
そのことを前提にしたうえで申しますと、ビタミンDを豊富に含む食品には、イワシ、鮭、サバ等の脂肪の多い魚、牛のレバー、玉子の黄身、シイタケ、生牛乳、チーズなどがあります。
ビタミンD3サプリメントが必要かどうかを確認するには、ビタミンD濃度を少なくとも一年に二回検査し、血中濃度40~60 ng/mLを通年で維持できるために必要な用量のサプリメントを摂るようにしましょう。
ビタミンDのサプリメントを摂るときは、ビタミンK2も対応して増やすことも必要になるので、組み合わさって栄養素が機能するので、マグネシウム対カルシウム比にもご注意ください。
ナイアシン(B3)
レバー、チキン、子牛肉、ピーナッツ、唐辛子の粉、ベーコン、日干しのトマトはナイアシンが豊富です。
その他のナイアシンが豊富な食品にはパン酵母、パプリカ、エスプレッソ、アンチョビ、スピルリナ、アヒル、シイタケ、醤油が挙げられます。
Food and Nutrition Board(食品栄養委員会)が発表している基準栄養素摂取量は成人で一日に14~18 mgです。
個人別の状態に応じてこの量を増やすことをお勧めします。推奨用量リストについてはマヨ・クリニックのウェブサイトをご参照ください。
ニコチン酸欠乏症(ペラグラ)に関しては日量50~1,000 mgの範囲で変動します。
ビタミンB6
七面鳥、ビーフ、鶏肉、野生捕獲鮭、さつまいも、じゃがいも、ヒマワリの種、ピスタチオ、アボカド、ほうれん草、バナナ。
食用酵母はビタミンB群特にB6が豊富です。一回の用量(テーブルスプーン2杯)にビタミンB6が10 mg含まれています。
ビール酵母やその他の活性酵母と混同しないでください。食用酵母は糖蜜で育つ微生物を基に作られ、これを回収して乾燥し、酵母の活性をなくしています。
心地よいチーズ風の香りがし、多くのお料理に添えられます。
B8 (イノシトール/ビオチン)
肉、玉子の黄身、魚、レバー、鶏肉、ナッツ類、豆科。
B8は必須栄養素としては認識されていないので、推奨日量は設定されていません。
それでも一日に300 mcg程度は必要であると考えられています。ビタミンB8はサプリにはときとしてビオチンとして掲載されていることがあります。
ビール酵母は天然の補完的摂取源です。
葉酸(B9)
新鮮で生の有機の緑葉野菜特にブロッコリ、アスパラガス、ほうれん草、かぶの葉、さらに各種の豆、特にレンズ豆のほかのも、ピントマメやひよこ豆、インゲン豆、シロインゲン、黒豆にも豊富。
葉酸はサプリメントに使用されている合成ビタミンBで、葉酸塩が食品に含まれる天然の成分です。(ヒント:葉酸塩という言葉は食用葉野菜を示す葉の豊富な植物を意味します。)
葉酸を活用できるには、その生物学的活性化形態(L-5-MTHF)に先ず変換されなければなりません。
この形態の葉酸は血液脳関門を通過でき、脳に効果をもたらします。
全人口のほぼ半分は酵素活性の遺伝的低下のため、葉酸を生物活性型に変換することが困難です。
このため、ビタミンBサプリメントを摂取する場合は、合成葉酸ではなく、天然葉酸が含まれていることを確認してください。食用酵母は優れる摂取源です。
ビタミンB12
ビタミンB12はビーフ、牛のレバー、羊肉、 フエダイ、鹿の肉、鮭、蝦、ホタテ貝、鶏肉、玉子、乳製品等の食品二しか含まれていません。
B12を含んでいる一部の植物性食品は実際には真のB12の吸収を阻害する疑似B12です。
食用酵母もB12が豊富で、菜食趣味の方や完全ベジタリアンに特にお勧めです。
1回の用量(テーブルスプーン2杯)には天然のビタミンB12が8 mcg含まれています。
舌下ファインミストスプレーやビタミンB12の注射も大きいB12分子を血流に直接吸収させる点では効果があります。
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