香辛料の効いた食事は熱以外にもメリットがある

香辛料

早分かり -

  • 減量や体重維持のために利用される香辛料には抗炎症作用や全体的なカロリー摂取量を制限するのによい、心地よい風味の特長等ほかにも健康的効能があります
  • カプサイシンとクルクミンは減量や健康的効能を促す香辛料に含まれる化合物の例です
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Dr. Mercolaより

香辛料は食べごろの優雅な様式も加味するので食品やお飲み物には素晴らしい添加物です。

例えば、ナツメグは、アップルクリスプなどのデザート、ほうれん草などの野菜、風味豊かなインド料理アーグパニアに静かな温かみと複雑さを加味します。

パプリカは肉料理やグラーシュにマイルドな甘みを加えます。

しかし風味は香辛料が料理や食べるために欠かせない要素にしている一つの特徴にすぎません。健康にも想像以上によく、目標体重を実現するのにも役立ちます。

香辛料を食事に加えるととてもよいことの一つは風味が満足感を与え、低カロリーのものを食べても食べ足りなさがない点がよいと、シナイ山病院の上席臨床栄養士ジャクリン・ロンドン氏が説明してくれました。

ロンドンさんはさらに香辛料に関して:「減量や体重維持について私たちが話に取り上げるすべての香辛料には抗炎症作用があり、全体的なカロリー摂取量を制限するのに役立つ風味の特徴がある点が香辛料のかぎです。」それに基づいて減量を追求する方のためにいくつかの香辛料の例をご紹介します。

ウェストを細くする温め系の香辛料

シナモン

シナモンはおいしく、温まるものですが、メタボリズムにも効能があります。2型糖尿病の人の血糖値を下げ、インスリン抵抗性をよくすることを研究が示しています。

イギリスの王室医療協会で食品と健康フォーラムの元会長だった栄養士であり作家のマリリン・グレンヴィルPh.D.が、出血異常の人はワルファリンやヘパリンなどの血液希釈剤を服用中の人は血液希釈効果のある化合物クーマリンを含むのでシナモンを避けるようにと、アドバイスしています。

生姜

孔子が毎食生姜を食べていたという伝承が残っています。なぜそうだったのかについては、「胃運動性,」つまり食物が滞留して問題を起こさずいかに早く大腸へ通っていくかに効果があることを探求したEuropean Journal of Gastroenterology and Hematologyに掲載されたある研究が説明しているようです。

その研究は患者11人を対象にして、一部には偽薬を投与し、結論は生姜が偽薬群と生姜群を比較すると生姜群では腔の収縮を促し、消化が速いことがわかりました。

また生姜はインスリン感度もよくし、ロンドン氏の説明では生姜の抗炎症作用、脂肪酸減少作用、体重安定化作用によるものです。

カルダモン

インドやネパールでは「香辛料の女王」と呼ばれ、カルダモンは最も高価な香辛料の部類に含まれますが、今でも紅茶やコーヒーにはとても人気がある成分です。シナモンと似ており、血糖値を下げ、インスリンを制御し、コレステロール濃度も最適化することを研究が実証していします。

このあまり知られていないスパイスは、発熱性のハーブで、その他に貴重な健康効能や用途が数十種類もあり、抗菌性や抗炎症作用に加え、胃腸系を鎮静化し、新陳代謝機能を盛んにすることが研究からわかっています。

カルダモンはアユルベーダの伝統では利尿剤と見なされてきましたある研究も体重維持、疝痛、下痢、便秘対策の市販薬に匹敵すると結論しています。さらに、腸内細菌叢のバランスを維持して消化を最適化することでも知られています。

香辛料の効いた食事は熱以外にもメリットがある

チリパウダー

「有効成分。」とよく言われますね。唐辛子の粉の有効成分がカプサイシンなのです。唐辛子の粉は精力を増し、ゆっくり食べさせる効果があります。

さらに、唐辛子の粉を少しお食事に振り掛けるだけでより健康的な植物系の食事を食べる気にさせ、パンやご飯といった余分な食物が不要になります。

これらのメリットがすべて、食べる量を減らすのによく、このことを正しくお望みの方に合います。カプサイシンはさらに、カロリー燃焼を助けることにより熱を発生する一種の脂肪である褐色脂肪も刺激し、これが減量、健康な新陳代謝その他の効果を促すためのツールとして探求されてきた理由です。

黒コショウ

脂肪生成という新たな脂肪細胞の形成を阻害する機能があるピペリンがウェストサイズを減らし、体脂肪を減らし、コレステロール濃度を最適化するのを助けることを近年の動物実験が示しています。カプサイシンと同様の効果がある黒コショウは欧州で数千年来伝統医療で炎症や消化異常の処置に使用されてきました。

クミン

南西部の料理に風味を加えるので知られるほかにも、クミンは食欲を抑える効果があり、さらに減量後のリバウンド脂肪細胞の出現を阻止します。

人参

シベリア種を中心とする人参は新陳代謝を加速し、体力にもう一押しを与えることで知られ、このためアジアや欧州全域では人参を入れたお茶が何世紀も大切なものであり続けてきた理由なのかもしれません。

シベリア人参は適応促進薬として知られ、Daily Mail紙が「身体のニーズに従って機能する。」ものと記述しています。グレンヴィルさんは人参がエネルギーを必要なときに供給でき、プレッシャーが掛かっているときにストレスや倦怠を克服しやすくなると、言っています。

赤唐辛子

赤唐辛子は発熱現象が特徴的で、体内の酸素を消費して減量につながります。その成分カプサイシンは熱を生む以外にも、酸化を促し、16%さらに脂肪燃焼率を高めます。

カプサイシンは新陳代謝や血管の健康によい潜在力があることはわかっています。さらに同じ研究がカプサイシンにはアテローム性動脈硬化、高血圧、糖尿病、肥満、非アルコール性脂肪肝、心臓肥大、脳卒中リスクに「有効な効果」があることを実証しました。

香辛料は想像だにしていなかった経路で減量目標を促す

にんにくの粉

実際的に言うと、にんにくの粉がなぜ減量の役に立つかの理由は、強い風味のために一度の噛む量が減り、食べるのも遅くなるので、食べすぎないようになるからというものです。にんにくを食べると、体温が上がり、これは新陳代謝が盛んになっている確かな兆候であることも研究が示しています。

ウコン

どんなインドカレーにも実際に欠かせない要素で、有益な香辛料の中で一等星的存在です。ロンドン氏によると減量に関していえば、ウコンは脂肪細胞の分化を阻止し、サイズを小さくする機能があることで脂肪細胞の分化を促します。グレンヴィル氏はその重要性の理由を次のように説明してくれました:

「その有効成分はクルクミンであり、研究からはまだクルクミンが減量を助けることがわかっていませんが、減量後の脂肪リバウンドを抑えると考えられています。多くの人はダイエットの後に削った体重分また太ってしまうのでこれが役立つようです。」

ウコンは肥満や減量不能力に大きく寄与すると考えられている炎症を軽減するのも助けます。ある研究では次の様に報告されています: 

「クルクミンはウコンの有効成分である。クルクミンは肥満やその合併症の発生で主な機能をしている脂質新陳代謝を調節することを示す根拠がある。このレビューはクルクミンが肥満を減らし、関連の異常からの影響を軽減するために機能しているという証拠と仕組みについて検討している。」

カラシの種

脂肪の燃焼と新陳代謝を促すカラシの種に含まれる化合物がここでも再びカプサイシンであることはおそらく想像がつくことでしょう。グレンヴィルさんが次のように説明しています:

「カラシはアブラナ科野菜の一種であり、多くの健康効能があると考えられています。その他のアブラナ科野菜にはキャベツ、カリフラワー、ブロッコリ、花キャベツが挙げられます。市販のからしを買うときは砂糖が含まれていないことを確認してください。砂糖がある商品は減量に効きません。」

イギリスのオックスフォードポリテクニック大学で行われた別の研究が、からしの種ティースプーン1杯で新陳代謝率が25%上がり、食べた後数時間この効果が継続することを発見しました。

この効果は風味も出す植物性化合物イソチオシアン酸アリルによるものです。但し書きがあります: からしがネオンイエロー色をしていたり、砂糖を含んでいると健康への効能がありません。

食事の「トリック」がいかに継続的減量を見せかけの物にしてしまうか

栄養士のモニーカ・レイナジェル氏は「体外へ不純物を洗い出し、新陳代謝を超充電する」ことによって減量に役立てるように設計した新しい食事を探求しました。その減量効能の秘訣とはコリアンダー、クミン、コショウ、シナモン、黒コショウなどの香辛料であると伝えられていました。

ウコン、にんにく、生姜の抗炎症作用とシナモンが血糖値を安定化することに注目しつつ、レイナジェルさんは減量第一週で3.17~5.44kg減ってもこれは脂肪が減るのではなく、水分を失うからにすぎず数週間以上継続する軌道には乗らないと、主張しています。

正味炭水化物量(総炭水化物ー繊維質)を一日40~50gに制限し、その分健康的脂肪を摂るのが継続的減量に欠かせず、こうすると身体が脂肪を主に燃料にして燃やすようになります。

正味炭水化物量を制限し続けない限り、減量のはずみは低下し新陳代謝も低下します。運動を最優先しない限り、筋肉組織もだんだん減っていき、新陳代謝をさらに低下させます。

いかに速く体重を落とすかに関わらず、前の通りの食生活に戻ってしまっては、削った体重は戻ります。

減量後にリバウンドさせない方法

減量後の食生活を持続できるものとはかけ離れた劇的に異なる食事に取り組んだ人が直面する最大の障害は、あまりにもよくある話ですが、減量後間もなく起きるリバウンドです。

以下に減量方法と減量後にそれを維持するための方法をご紹介します:

間歇的絶食をすると身体は脂肪を燃料として燃やしやすくなり、インスリン感度やミトコンドリアの健康、エネルギー生産を最適化するのを助けます。間歇的絶食は、カロリーを全てまたは一部落とし、週のうち数日や、一日おきとか毎日でさえ行うことができます。

例えば朝食と昼食のどちらにするかまたは昼食と夕食のどちらにするかを選び、朝食と夕食を両方ともとるのは避けるようにして一日のうちの6~8時間の枠内で食べるように制限することができるでしょう。この方法は体重を正常にするために最も効果的な介入措置です。

食事に占める繊維質の量は全体的な健康のためばかりではなく減量のために必須の要因です。野菜、ナッツ類、チアシード等の種子類といった食品が大腸をスムーズに進むようにする食品を食べましょう。

ビタミンDまたはその不足は、ある程度まで何を食べるかまた一日のうちにどれだけ日射に当たれるかにより決まってくるものですが、このビタミンは減量や体重維持の能力に影響があります。65歳以上の女性4,600人以上について行ったある研究は、ビタミンDレベルが低いと体重増加気味になることを実証しました。

インスリン/レプチン抵抗性の逆転は肥満や、2型糖尿病などの新陳代謝異常、リューマチ性関節炎などの炎症疾患の予防において重要な機能を担っています。精製糖と加工果糖に代えて健康的な脂肪を摂るようにするとインスリンとレプチン濃度の最適化に寄与します。

運動は減量のを求める上で極めて重要であり、また落ちていく筋肉を鍛えしっかりと強く維持するために欠かせません。運動はインスリン/レプチン受容体の感度を最適化してグルコース、インスリン、レプチンレベルにメリットがあり、慢性病を予防するのに有用です。