Dr. Mercolaより
オリンピックの水泳ファンはどこでもカッピングについて語っています:これはマイケル・フェルプスやコディー・ミラーの紫のむらがある両肩がきっかけで起きたディスカッションです。 オリンピックの体操選手アレックス・ナドゥールもキスマークに似たマークがあるのが見られ、その他多くの世界クラスのスポーツ選手はカッピングを利用していると認めています。
Reutersによるとカッピングセラピー機器はフェルプスの大優勝の後の3日間で20%伸びました。
国際カッピングセラピー協会もその同じ期間中に「カッピング証明書の取得を目指すヘルスケア施術者が50%増えた」ことを報告しています。鍼医師もカッピング治療の問合せが増えたと伝えています。
カッピングは300から400 A.Dに遡る中国起源の古代治療です。エジプトや中東文化にもカッピングを行っていた古代の記録が残っています。
カッピングは中国の病院やその他の施設では伝統的中医(TCM)で今日でも普通に行われています。サイズの異なるサクションカップを身体に付着させ、サクションが血液を皮膚表層へ引き上げます。このためあざの様なマークができます。
この処置で血行が盛んになり、治癒を速め、痛みを和らげ、筋肉痛を和らげると言われています。ニューヨークのマウントシナイ病院でペイン管理専門医のDr.ヒューマン・ダネシュ氏によると、カッピングが「身体の自然な治癒を突如として開始させる」そうです。」
フェルプスさんとナデゥールさんは二人ともこの治療がいいと言っています。プレスカンファレンスでフェルプスさんはほとんどの競技前にカッピングを受けていると語っており、ナドゥールさんはUSA Today紙に、カッピングは「自分の健康を維持してくれた秘訣で、他の何に費やしたお金よりもお金の使い甲斐があった」といっています。」
マスコミの中には運動選手が「似非治療」を勧めていると冷笑しているメディアもありますが、研究はその効能を実証しています。例えば、2014年のあるレビューはカッピングについての16本の研究が痛みに効くことを示していると結論しています。執筆者達は次のように述べています:
「カッピングは鍼と組み合わせると鍼だけより処置後に痛みを和らげる効果があり、他の単一研究の結果は従来の薬剤や普通の治療と比較するとカッピングに際立った効能があることが示された。…
このレビューからカッピングセラピーには治療無し、熱セラピー、通常のケアや従来の薬剤と比較して痛みを減らす短期的効能があることが示された。」
Evidence-Based ComplementaryとAlternative Medicineに掲載されたある研究はカッピングで慢性的首や肩の痛みが介入しないときより大幅に減ることを発見しています。
カッピングを行った群では、首の痛みの強度スコアは9.7から3.6へ減少しました。対照群の痛みは9.7から9.5へ減りました。その研究は皮膚表面の温度や血圧の変化を含む計測可能な肉体への効果も評価しました。
カッピングを受けた人の場合統計的に有意な改善が見られました。カッピングを進行性筋肉弛緩と比較したそれ以前のある研究はどちらの処置も12週後に慢性的首の痛みを持つ患者から同様な痛みの軽減効果があることを発見しました。
しかし、カッピングを受けた人は進行性筋肉弛緩法を行った人より多くの「全身の快適さ」や痛み閾値が大幅に上がったことを報告しています。2012年に掲載されたある研究も膝関節炎による痛みがある患者に効能があることを報告しています。
その同年PLOS Oneに掲載された550本の研究についてのあるメタ分析は、カッピングが「痛みの異常、帯状ヘルペス、咳、呼吸困難に効能がある」ことを発見しました。」執筆者達は次のように述べています:
「メタ分析からカッピングセラピーと他のTCM処置を組み合わせたら他の処置のみの場合よりはるかに優れる効能があり、帯状ヘルペス、顔面麻痺、頸部脊椎症等の異常がある患者が多く治癒された。その臨床検査で重篤な副作用は全く報告されなかった。」
運動選手のトレーナーの間ではカッピング処置を筋膜減圧セラピーと呼んでいます。
TCMの施術者は通常ガラスのカップを使用します。肉がカップの中に吸い込まれるので過剰な摩擦と痛みを軽減するため最初に皮膚に油を塗ります。ガラスカップを使う場合、アルコールに浸したコットンボールに点火してカップの中で保持することで真空を作ります。
燃焼のためにカップの中から酸素が消費され、火を取り除いてカップを皮膚に当てるとこの真空に肉が吸い込まれます。サクションが強すぎればカップの縁に小指を少し挟んで空気を入れて調節します。
カップはそのまま置いておけますが、ゆっくりと動かすこともでき、この場合はカッピングマッサージと呼ばれ、効果は組織に深く届くマッサージの効能と同じです。通常の場合、カップを3~5分置いておきます。その結果発生するみみず腫れはあざ同様に数日で消えます。
イスラエルのネゲフにあるベングリオン大学上級講師のレオニド・カリチマンPh.D.は物理療法やリューマチ治療について150本以上のペーパーを書きました。局部の炎症を起こすことでカッピングがサイトキン生産を促し、このため免疫系の応答を変調できるそうです。
Journal of Bodywork and Movement Therapiesに掲載された同氏の近年のカッピング研究に関するレビュー論文の中で、カリチマン氏と共著者のエフジェニ・ローゼンフェルド氏が次のように説明しています:
「力学的にはカッピングが血行を盛んにするが、生理学的にはカッピングで免疫系を活性化し、機械受容線維を刺激するので、痛みが軽減される。
カッピングが筋骨格の痛みを減らすことが実証された初期科学研究がある。カッピングは安価で非侵撃性かつ低リスク(訓練を受けた施術者が行えば)な治療方法なので、筋骨格医療で採用されるべきである。」
カッピングの治癒力の根拠となっている精確なメカニズムを説明しうるさらに深い研究があるとよいですが、いかにとかなぜとか問う以前に多くの患者がカッピングの効能に満足しています。国際カッピングセラピー協会の執行理事ジェシカ・マクリーンさんが指摘する通りです:
「この処置を受けた糸が実際に速く回復するので、科学的根拠にはこだわっていません。結果が出ることが重要だと人は思っています。」
以下の逸話的成功談はDesert News Utahによって報告されました:
「マスター・ルーで鍼治療とカッピングセラピーを背中下部のヘルニアを起こしていた数枚の椎間板のために受けた33歳のマリアに効きました。それまで多くのことを試したが痛みがあまりにひどくなり動けないときもあったほどです。カッピングと鍼を受けたとたんに緩和されたそうです。『それ以外の処置にはもう決して戻りませんでした。』とマリアは言っています。
マリアは多くのボックスを持ち上げ動かすうちに背中を痛めたのです。彼女は痛みがすぐに和らぎ、しかも長続きする効能がある鍼とカッピング処置は「リラックスして」受けることができると言っています。施術者のルーさんは、彼女が一週間中に3回のアポを受けた後、次に使い過ぎのため痛みがまた起きたとき戻ればいい状態になります」と言っています。」
カッピングは容易に行え、バキュームセットをオンラインショップから$30足らずで買えます。しかし、訓練を受けたTCM施術者に掛かることを強くお勧めします。TCM認可を受けた医者なら最小3,000時間のトレーニングを受けており、安全かつ効果的にカッピングを行う方法を心得ています。
部位によっては過度のサクションを適用しないように注意する必要があります。背中と腿はサクションが強くても安全に処置できますが、自分で行っていることをよく把握していない限り、首回りはカップリングによるリスクを伴います。
カッピングは顔面や頭に対しては行いません。頭痛がすれば首肩や背中の筋肉を処置するのが普通で、カップをこめかみやおでこに当てることはしません。カッピングは特定の重篤な病気の場合も禁忌となっています。
結局カッピングはあなたには効くでしょうか? 試さずに諦めるよりまず単に試すことです。カッピングが痛みに効く他のセラピーに代わって役立つ療法であrことを研究や逸話的証拠が示しています。また、症例によっては標準外ですがカップリングのみによる処置も効きます。よい知らせは、効いていることを実感できることです。効いていなくても、何らの害もありません。
カップリングの手順自体は(過剰なサクションでない限り)通常痛みがなく、あざ - 溜まった血液が組織から表層へ引き出されたもの -は数日で消えます。血液滞留が問題でない方の場合はあざが発生しません。
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