Dr. Mercolaより
伝統的中国の医療(TCM)において、陰陽とは自然界の対峙する要素を指しており、これらが平衡していると、調和が促されます。気とは一種の普遍的エネルギーであり、陰陽はそれが独自の属性を持っている気の発現です。
陰は冷たい、湿った、冷ます、暗い質、陽は熱い、乾いた、温める、明るい質を表す傾向があります。夏は温度が高く明るい陽射しのため明らかに陽です。
具体的には、TCMでは夏は火の季節であり、火とは極大的陽を表す象徴です。これとの調和を維持するには強力な陽のエネルギーを陰のそれで平衡させることが必要になるわけで、これを食事によって達成することができます。
夏は食生活を「陰」食品つまりその性質上体を冷やす物を主に食べる最適な時期です夏に陰の食品を食べると「夏の熱」を避け易くなり、外が暑いときにむかむか、けだるさ、「だら~」とした感じを起こす過剰な陽と関連する状態です。
体を冷ます食品は夏に豊富な旬を迎えます。野菜や果物を含む大部分の「緑」系食品は中には他より優るものがありますが、概してこれに該当します。夏の陽から身体をリフレッシュして一休みさせられる冷ます「陰」の食品をよく食べましょう。
1. 芽キャベツ: もやしは小さいですがフリーラジカルによる損傷から守るビタミン、ミネラル、抗酸化物質、酵素が詰まっている食品です。これらの食品は本質的に体を冷ましてくれ、サラダに加えても、緑葉サラダに添えたりその代わりに使ってもサンドイッチにしてもよく、新鮮なアボカドと合わせていただくと特に味が冴えます。これなら自分で作る野菜ジュースやスムージーに加えてもよいです。
もっと良いのは自分でもやしを自分でとても簡単に作れ、場所もそうとらずに済み、屋内でも栽培できます。私が個人的によく使うのがヒマワリとエンドウの新芽で、平均して有機野菜のほぼ30倍の栄養価があります。
また、タンパク質も最も多いです。さらに、ひまわりの種には健康的脂肪、必須脂肪酸、繊維質が豊富で、最適な健康のために欠かせないものばかりです。マングビーンズもTCMでよくもやしに使われ、タンパク質、繊維質、ビタミンC、ビタミンAのよい摂取源です。
2. スイカ (やメロン): スイカは91%以上が水です。つまり夏の暑い日に食べるスイカは保湿して脱水を予防し続けるためのおいしい方策なのです。スイカはリコペンが豊富で、半カップ未満でも6,500マイクログラム(mcg)の後半領域に及ぶほどあります。
リコピンの抗酸化作用は、βカロチンなど他のカロチノイドよりも強力であるとずっと以前から示唆されてきました。ある研究では、高齢者や糖尿病患者など、その他の脳卒中リスク要因をコントロールした後、リコピンの血中濃度が最も高い男性群は、リコピンの血中濃度が低い男性群よりも脳卒中の発症率が55%低い傾向にあることが分かりました。
スイカにはさらにシトルリンも豊富で、これが体内で一酸化窒素の先駆物質であるLアルギニンに変換されます。一酸化窒素は血管の緊張を緩和させて良好な血流を維持するのに効果があり、血圧を降下させるのに役立つ理由の一つです。
他にどのような効果がスイカにはあるのでしょうか? 抗炎症物質が豊富に含まれます。例えば、スイカは抗炎症性抗酸化性のリコペンのほかにもククルビタシンEすなわちトリプテルペノイドも含みます。この物質は痛みと炎症を起こす酵素シクロオキシジェナーゼの活性を阻害します。この酵素はアスピリンやイブプロフェン等たいていのNSAID薬物に含まれるCOX-2阻害剤に阻害されます。
スイカはカロリーが非常に低い(1個で約46カロリー)一方で、スイカには次のようなアメリカ人のライフスタイルには不足しがちな重要な栄養素が含まれています:
夏に食べるといいのはスイカだけではなくメロン類例えばカンタループやマスクメロン、ハネデューメロンも効果があります。カンタループは例えば、ビタミンCやビタミンA (カロテノイドとして)等の抗酸化物質の優れる摂取源です。さらに、カリウム、葉酸、銅、ビタミンB、ビタミンK、マグネシウム、繊維質等の必須栄養素も含みます。
その種も食べると(実際に食べられます)、αリノレン酸という形で有益な植物性オメガ3脂肪も得られます。比較的低カロリー(1カップで約54kcal)、低果糖(中粒メロンの八つ切りに2.8g)なので躊躇せずに食べれます。
3. きゅうり: スイカ同じくきゅうりの大部分(95%)は水分なので保湿や体を冷ます食品です。きゅうりも生食推進者のデービッド・ウォルフ氏が言うように体内の炎症反応を「冷やす」のを助けます。動物実験によると、きゅうりエキスは、炎症誘発性酵素(シクロオキシゲナーゼ-2、つまりCOX-2など)の作用を抑制するなど、好ましくない炎症性反応を低減するのに役立ちます。
きゅうりには、ビタミンCやベータカロチンとして既知のものを含め、多数の抗酸化物質も含まれています。これらの抗酸化物質には、ケルセチン、アピゲニン、ルテオリンおよびケンフェロールなどの、更なる効能を提供する抗酸化フラボノイドも含まれます。
例えば、ケルセチンは、多くの人がヒスタミンの放出を防止すると信じている抗酸化物質であることから、ケルセチンが豊富な食品は「天然の抗ヒスタミン」と呼ばれることがあります。一方で、ケンフェロールはガンと闘うのを助けたり、心臓病など慢性疾患のリスクを低減する可能性もあります。
きゅうりにはビタミンB1、ビタミンB5、ビタミンB7(ビオチン)などのビタミンB群も含まれています。ビタミンB群は不安な気持ちを和らげたり、ストレスの影響によるダメージを多少緩衝する働きがあることで知られています。
4. トマト: もう一つの冷やし系食品トマトを日常食べるとよいのは、抗がん性その他健康を増進する特性をもつフラボノイドおよび他の植物化学物質が豊富に含まれるからです。
トマトはまた、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群、カリウム、マンガン、リンに加え、種子を取り巻くゼリー様の物質に最も集中して含まれるルチン、ゼアキサンチン、ビタミンCの優れた供給源です。それほど知られているわけではありませんが、次のような他の植物栄養素がトマトの中に発見されています:
トマトもリコペンの濃度が特に高い摂取源でもあります。脳卒中のリスク軽減効果に加え、トマトに含まれるリコペン(甘味を着けていない有機トマトソースを含む)も前立腺ガンの処置に効果があると見なされてきています。
トマトを食べる場合は有機のものを選びましょう。ある研究では、有機栽培規格に従ってトマトを栽培した場合、農薬を使用した従来どおりの栽培によるトマトと比較して、フェノール含量が劇的に上昇するそうです。
5. ルバーブ: ルバーブは繊維が豊富で、TCMでは胃の異常緩和や便秘の解消のために伝統的に利用されてきました。.ルバーブ1カップだけでもビタミンK、ビタミンC、ビタミンA、カルシウム以外にも葉酸、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB、パントテン酸も含みます。ルバーブはマンガン、鉄、カリウム、リンを含むミネラルも含みます。
ルバーブはすっぱいので砂糖やその他の甘味料とともにレシピによく入っています。しかしこれをより健康的に(もっと冷やす)食べる方法は生をジュースにしてフレッシュ野菜ジュースに混ぜて飲むことです。覚えておいてほしいこととして、茎は食べれます。ルバーブの葉はシュウ酸が多いので有毒です。
6. たんぽぽの葉: たんぽぽの葉にはビタミンA、C、K、さらにカルシウム、鉄、マンガン、カリウムを含んでいます。この葉には抗酸化性もあり、イヌリンやレブリンとならび、タラキサチンやタラセリンという苦い結晶化合物を含みます。これらの化合物には治療に効く特性があると考えられています。
タンポポの葉は、サラダ、スープ、ジュースやほうれん草と同様に調理したり、乾燥(花付き)してタンポポ茶を作るのに使います(夏は冷やす!)。
たんぽぽには以下のような栄養素を豊富に;含んでいます:
ベータカロチンを最も多く含むハーブの一つである(100gに10,161 IU、つまりRDA(推奨一日当たり必要量)の338%)
多くのフラボノイド、これにはブロッコリーの4倍ものベータカロチンのほか、ルテイン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチンも含まれます。
ビタミンK1の最も多いハブのひとつで、RDAの650%を得ることができる
ビタミンとしては葉酸、リボフラビン、ピロキシジン、ナイアシン、ビタミンEとCなどを含む
マグネシウム、カルシウム、カリウム、マンガン、鉄を含むミネラルがとても豊富
葉は便秘解消の効果以外に食物繊維が豊富
7. 柑橘(かんきつ)類: オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム(スダチ)はすべて夏のお食事に加えるとメリットがあります。繊維とビタミンC、フラボノイドとして知られ心臓病、がん、炎症に効果がある他の抗酸化物質が豊富です。
柑橘類は日ごろ食べやすいです。野菜ジュースに混ぜやすいほか、野菜の上にしぼって掛けるサラダドレッシングとしてもいいし、初めての方にはレモン/ライム水を作るにも適します。適量なら皮をむいて実を(オレンジとグレープフルーツ)食べることは当然できます。
8. バナナ: バナナには気分を高揚する天然の報酬化学物質であるドーパミンが含まれます。バナナはビタミンB群、特に神経系を和らげるビタミンB6、さらにプラスの気分と関連するもう一つのマグネシウムが豊富です。さらに、バナナは繊維質、ビタミンA、抗酸化物質の優れる摂取源です。
また、一種のプレバイオティックであってカルシウムを吸収する能力を促進すると同時に体内の善玉菌に栄養を与えるフルクトオリゴ糖(FOS)も豊富です。
9. クレソン: 最後になりましたが、クレソンは、夏の暑い日に最適なもう一種類の冷やす野菜です。実際に最も栄養密度が高い野菜で、ブロッコリーやひまわりのもやしより高密度な栄養素を提供してくれます。
17種類の栄養素:カリウム、繊維質、タンパク質、カルシウム、鉄、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、亜鉛、ビタミンA、B6、B12、C、D、E、Kに関して、クレソンは満点の100点を「Defining Powerhouse Fruits and Vegetables: A Nutrient Density Approach」(パワーハウスといえるフルーツや野菜:栄養素密度によるアプローチ)というある研究で得ました。」
からしの葉、キャベツ、アルグラの仲間であるクレソンは生野菜でも食べることができるほか、蒸したりスープやサンドイッチの具にもなるほか、私のお気に入りとしては新芽を食べることができます。
この植物にはヒポクラテスが初の病院の立地には患者のために新鮮なクレソンを収穫しやすい流れに沿ってコス島(クレソンは水の中で生える)を選んだほど強い治癒効果の実績があります。ギリシアの兵士が戦闘前に血気盛んにするための気付薬として食べたとも言われています。
メロンは夏に体温を下げる効果があるフルーツですが、それだけで食べるのが最適です。2013年に、私は自然療法医師Dr.ウェイン・ピカリングと食品の食べ合わせについての原則をテーマに会見したとき、同氏がひとつの大切なヒントをくれました。
食べ合わせが悪いとガス、鼓腸、胸やけ、胃のけいれんが起きる主な原因になります。さらにひどいのは消化不良だと適度な食事をしていると思っていても栄養失調につながります。次の原則を念頭に置いてください: 「メロンはそれだけで食べること、そうしないと胃がうめく。」
端的にいうと、メロンはその他の食品と混ぜると消化がよくなくなり、それだけで食べないとしばしば問題が起きます。メロンを楽しむのは自由ですが、空腹のときに食べるのが最適です(カンタループとヨーグルトやプロシュットハムを一緒にたべたい衝動を抑えてください)。
また、下の一覧のフルーツやメロンは果糖成分に注意し適量にとどめることをお勧めします。カンタループ等その一部は比較的低果糖のフルーツ(メロン1/8カットに果糖3g未満)ですが、他の食品から果糖を摂ればあっというまにこのグラム数が多くなります。
バナナも適度にいただくのがよく、1本のバナナには平均7.5gの果糖が含まれるからです。健康な人は一日の総果糖摂取量を25g未満、肥満気味、高血圧、糖尿病の状態にあるのであれば15gを上限とすることを推奨します。
最後に、種類豊富にいただくのがよいです。ここに挙げていない多くのさらに効能がある夏の食品が存在します。一覧のものではご満足できない方は中国伝統医学が勧める他の食品として次が挙げられます:
ほうれん草
夏カボチャ
レタス、ほどんどの緑葉野菜
キャベツ
チンゲン菜
セロリ
ミント
アスパラガス
シラントロ
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