短時間のの瞬発的運動をすると病気や死ぬリスクが減ります

短時間の瞬発的運動

早分かり -

  • 近年の研究によると死ぬリスクを低めるのに少なくとも10分は継続して一気に運動する必要はありません
  • 中度から強度の肉体活動を10分だけ頑張るのかより長い時間連続した一連の活動として行うのかに関わらず、この種の活動をするほど死ぬリスクが下がるそうです
  • 中度から強度の肉体活動を少なくとも1日に30分行う人は、どうやって合計30分にするかの構成を問わず、座ることが多い人より死亡率が1/3低いです
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Dr. Mercolaより

フィットネス研究は肉体活動は利用可能な「予防薬」の中で最も優れること、よくある異常(精神衛生の問題、糖尿病、心臓病を含む)が回復するかその発生回数を減らすことを示してきました。

例えば、あるメタ分析 ガイドライン305回のランダム化対照試験を行い運動の効果と薬剤投与による死亡率への効果を比較したら、運動と前糖尿病と心臓病の薬の間に統計的に有意な差がないことが判明しました。

つまり運動はこれらの異常を直すための薬に換わる効果があります。たとえがん患者でさえ運動から大いにメリットを得られ、余命を伸ばし、再発リスクが低下します。

運動は長寿の鍵でもあることは実証されていますが、このことは運動が早死ににつながったほとんどの慢性病の根底にある新陳代謝の問題を治すのを助けるので、特に驚くべきことではありません。問題なのはどんな運動なら最も効果的で、どれほど運動すると「じゅうぶん?」であると言えるのかです。これについては確立した法則もないのですが、研究をサーチすると貴重なそのためのカギやガイドラインが見えてきます。

一般的にいうなら、何もしないより何かしたほうがましで、起きている時間を通して規則的な動きをすることが基礎的フィットネスガイドラインの一つです。言い換えると、できる限り座るのを避けるのがカギで、両脚で体重を支えるという単なる行為だけでも生化学的な仕組みの刺激になり、健康を増進します。

そのことをはるかに超えて、最も効果的運動が何かについては研究からほぼ判明しています。これは強力な健康的効能や時間効率の両面で効果的な高強度インターバルトレーニング(HIIT)がそれです。

長寿のために必要な運動の用量を研究が調査中

死亡リスクを低下させるために必要なことは何かを分析した近年のほとんどの研究の一つによると、活動を小刻みに瞬発的に行うことはより長時間の取り組みによるフィットネス体操と同じ程度に寿命を延ばすための効果があります。

「一回の集中的な運動または短時間の瞬発運動をを一日を通して行うかを問わず、肉体活動の寿命を延ばすメリットは加算されていく」とForbes誌が説明しています。

Journal of the American Heart Associationに掲載されたその研究チームは全米健康栄養試験調査に参加した40歳以上の4,840人から得たデータを解析しました。この研究のうち運動の部分で、参加者は肉体活動レベルを追跡するために最長一週間ウェストに加速計を着用しました。

その装置に記録されたデータをもとに各参加者が行った中度から強度の活動の量についての詳しい情報を研究者らは編纂しました。その調査の目的は「瞬発的な中度から強度の肉体活動を蓄積することが死亡率を下げるのに効果があるかいなか」を確認することでした。

瞬発の継続時間に関わらず毎日活動総量に貴重な効果がある

活動計測では5分以上の活動に費やした合計分数と10分以上続く高強度の瞬発的運動回数を対象にしました(休憩は最長2分を含む)。

その研究後の6.6年間に死亡した人数を見て死亡記録も検討されました。特集記事に次のように記載されています。

「これから得られた情報肉体基づいて、研究者らは肉体活動の合計量と死の間に相関性があるかどうか、また、その相関性は5分や10分を超える中度から強度の肉体活動の瞬発運動のみ計数したときには異なるのかどうかを判断することができた。」

そこで発見されたこととは、中度から強度の肉体活動を数分だけ頑張るのかより長い時間連続した一連の活動として行うのかに関わらず、この種の活動をするほど死ぬリスクが下がるということでした。

活動の少ないほうで見ると、中度から強度の肉体活動を少なくとも1日に30分行う人は、それをいかに蓄積するかに関わらず、座ることが多い人より死亡率が1/3低いことが判明しました。

(この事実は、一週間に150分の中度の運動[一日に21分ちょっとだけ]をした人の死亡率が14年の研究期間中に運動しなかった人より31%低下したこと証明されたそれまでに行われたうち最大規模の研究の1つの結果と整合的です。)

死亡率はそこからさらに下がりました。一日に60~99分の中度から強度の肉体活動をした人の死亡率は50%ほど下がり、100分以上これを行い活発でいた人では75%低くなりました。

繰り返すと、そのキーポイントは一日を通して短時間の瞬発的より長い時間集中運動するかに関わりません。

座っている時間を制限することはよい健康の基盤

毎日の肉体活動の総量が(少なくとも寿命延ばすには)最も効果を生むので、瞬発的運動を一日に数回行うか歩いてたくさん動くかして「フィットネスポイント」を貯めることができます。

この研究では早歩きのような意図的運動か掃除機をかけたり階段を上がるといった非自発的活動を区別しませんでした。

どんな肉体活動でもよかったのです。それより前の研究で毎日1時間以上主として歩いていた人が実際には最も長生きだったことが示されました。

このことは日常座っていると喫煙と同じほど健康や死亡率を高めること、つまり肺がんリスクと全要因死亡率が50%ほど高くなることを考えると筋道が通っています。こうしたライフタイルではフィットネスその他のライフスタイルにおける週間とはかかわりなく、早死にリスクを高めます。

少々座るのは問題ありません。私と同じように一日に座るのは一時間未満に限る必要もありません。しかし座り続ける時間は一日に3時間までとして、一日に一万歩さらにそれより多くを毎日の予定に組むことを目指しましょう。フィットネストラッカーは進捗を追跡するために便利なツールで、自己目標を達成できるようになります。

日常生活により多く活動を取り入れるための簡素な方法

以上のことを前提にして、HIITは単に歩くより多くの肉体的効能があるあることは確かです:ヒト成長ホルモン (HGH)を増やし、体力とスタミナをつけます。しかし長期的な死亡リスク低下に関しては少なくとも、自分に合った活動で活発に過ごすことが最も重要な要因です。

普段もっと動くようにする方法は無数にあります。以下にその一部をご紹介します:

  • 車を使わず可能な限り歩くか自転車で行く。ウォーキングは間歇的にペースを速めるだけでどの場で高強度の瞬発的運動に変わります
  • あらゆる理由をみつけてオフィスの椅子から離れて動きましょう。例えば、メールやSMSではなく(歩いて行ける距離なら)同僚にメッセージを届けに歩いていく。電話で話すときは立つ。会議を歩きながら行うか立ち会議にする
  • できる限り手早さを回避する:エレベータではなく階段を使う。店舗の入り口からなるたけ遠い場所に駐車する。芝生刈りは座るカートではなく手押し式を使う。人に支払って任せず自分で葉を摘んだりガーデニングする
  • 子供と遊ぶ、ボール遊び、フリスビーその他家族皆で楽しめるどんな活動でもよい

科学的根拠のある7分ルーチン

関連のニュースでサイエンス特派員のイーリン・ブロッドウィンさんが、米国空軍のフィットネスコンサルタントでもあった運動生理学者クリス・ジョーダンさんが設計したジョンソン&ジョンソン純正7分運動APPを利用した体験談を書いています。各回のHIITは12種類の運動を迅速に続けて行います。

「ブロッドウィンさんがこう書いています:「私が行った最初の4つの運動は各30秒のジャンピングジャック、ウォールシット、腕立て伏せ、クランチでそれぞれ10秒休憩して行ったのは簡単でした。それでもプランクへ進む頃までにはきついと感じるようになっていました。この時点で椅子の上でのステップアップ、スクワット、トライセップディプスもしました。

次は定点で膝をできる限り高く上げる走り、ルンゲス、腕立て伏せとローテーションの交互運動(片腕を空中に上げてもう一方の腕でバランスを取る)、サイドプランクをしました。この7分運動には全体として満足しています。これを自分のヨガに加えてできるだけ頻繁に行ってきました。しかし私の言うことをそのまま受け止めないでください。自分で試すことはそう長く時間をかけずに係りできます。」

HIITでフィットネスを最適化する

フィットネスについては競合する見解が多くありますが、最適なアプローチはバランスと種類の豊富さに焦点を当てることです。

従って日常の運動以外の動作がよい健康のための基盤をなしますが、もっと集中的に激しい運動をして肉体のフィットネスを真実最適化し、その他のよいライフスタイルから得られる健康的メリットを最大に生かすことができます。

最適なフィットネストレーニングは狩猟採集していた先祖の動きを模倣することで、身体は本来これらの動きのパターンのためにできています。例をあげましょう:

  • 日常バラエティーに富む肉体活動をする(歩く、ウェートトレーニング、瞬発的カーディオ運動、ストレッチ)。一般ルールとして、HIITを週に一二回にして、ウェートトレーニングを週に少なくとも二回行うとよい
  • 高強度集中運動の日とあまり強い運動をしない日を交互に混ぜる
  • 肉体的負荷を掛けたら休憩をじゅうぶんとる

HIITがこれほど身体の組成や全般的フィットネスと長寿によいのは従来式のエアロビクスによるカーディオトレーニングより多くの筋肉組織を使うからです。筋線維には低速、高速、超高速の三種類があります。

超高速筋線維のみHGHの生産に寄与し、このホルモンは「フィットネスホルモン」とも呼ばれます。これが体力、健康、長寿の鍵で、HIITこそこれらの超高速筋線維を効果的に使うための唯一の方法なのです。

あなたが30歳以上であり特に、ますます座ったライフスタイルになっている方の場合、身体休止状態(加齢に伴う成長ホルモン欠乏)として知られる段階に入っている確率が高いです。HGH濃度が減るに従い、インスリン様成長因子1も減少します。これは加齢を促進するもう一つの重要な要因の一つです。

HIITには筋肉内の抗炎症性マイオキンを生産するという極めて大きい効能があり、この成分がインスリン感度、筋肉内のグルコース利用度、前脂肪細胞からの脂肪放出と燃焼を増大させることによりメタボリックシンドロームから極めて効果的に回復させます。

マイオキンは体脂肪が生産する炎症性のサイトキン放出とその影響を阻害する化学物質としても機能します。マイオキンはまた、阻害効果によってカロリー摂取量に関わりなく体脂肪を減らします。

4分運動を1日3回が最適

(英語版のみ)

終日できる限り活発でいましょう。1日のうちに動き、ストレッチをする機会があるときは必ず行うようにしましょう。

そうはいっても、最適なフィットネスのためにはもう少々の取り組みが必要です。この点HIITは短時間で済むのでよいです。上で取り上げた7分運動のほか、数分でできるほかにも多くのものがあります。

私が最近好んで行っているのが酸化窒素ダンプという4分運動で、これはミトコンドリアの健康をよくし、加齢に伴う筋肉減少を遅延します。酸化窒素(NO)は血管内壁(内皮)に貯蔵される溶解性ガスです。アミノ酸のLアルギニンをもとに内皮細胞内で生産され、前進の重要な信号伝達分子として機能します。

NOは健康的な内皮機能や心臓の健康を増進するのにともない、静脈や動脈を拡張しやすくして血流をさらさらにします。このため生命維持に欠かせない酸素と栄養分が全身を自由に流れます。

NOはまた、細胞のエネルギー備蓄場所であるミトコンドリアの健康のために保護的役割を果たしており、全ての新陳代謝機能のために必要なエネルギーがここで利用されます。

運動すると90秒たらずで血管は貯蔵していたNOを使い果たし、さらに生産するプロセスの引き金になります。これが主な筋肉群を90秒鍛えるのが限られたようにしか見えなくても実際にはとても効果がある理由です。酸化窒素ダンプはDr.ザック・ブッシュ(Zach Bush)が以上の前提に基づいて開発した運動です。

身体のNO生成パワーを養う方法がわかると短時間で実際により多くを得られます!短時間の瞬発的高強度活動は最も効果的です。また、毎回の瞬発運動の間に2時間以上は間を取ることが必要で、この時間こそNOが体内で合成されて次に放出されるのに要する時間なのです。

酸化窒素ダンプは1日3回行うとよいでしょう。また、これなら機器が一切不要なので、どこでもできます。運動のデモは上のビデオをご覧ください。