Dr. Mercolaより
ニンジン特にベビーキャロットは成人子供を問わず人気のあるスナックです。親は子供のお弁当に昼食の栄養価を高めようとして口に入りやすいサイズの甘い物を使います。ディップしやすいスナックで、調理の手間があまりかかりません。
今日見られるベビーキャロットはオリジナルのニンジンとは別の商品で、破損したり変形した大型ニンジンの皮を剥ぎ、形を整えたものです。カリフォルニア州のニンジン生産者マイク・ユロセック氏は1980年代にニンジンついての消費者の認識を変えた企業家です。
ユロセック氏の皮剥ぎと整形方法はその後に進化したので、この製品の人気が高まりました。今や、皮を剥いたり洗う手間を省けるバッグから取り出してすぐ使えるフレッシュなスナックを望む消費者ニーズに応えるように設計されたハイブリッドニンジンが生産されています。しかしこれ全てが値段相応の効用を伴っているのでしょうか?
ベビーキャロットは加工食品を潜在的に多く食べる食生活に追加的栄養素を提供してくれるよい味わいがありので人気があります。ニンジンはオレンジ色の根菜です。ベビーキャロット以外には、紫、黒、赤、白、黄色の品種も開発されてきました。
現在の2インチ品種は細く成長して柔らかく留まるような特殊品種から収穫しています。ニンジンの切り落とし部分をジュースに使用したり牛の餌に加工されています。
ベビーキャロット用のニンジンは密集して栽培され、根が深くかつ細く成長するように促しており、フルサイズの品種より40~60日早く収穫されます。
ベビーキャロットはかつてとは異なり、皮も剥かれません。その代わり、ニンジンは特徴的な薄い色の芯がない小さい細いニンジンから成型され、タービンドラムの中で研磨されて仕上げられます。
米国農務省国家標準参照リリース用栄養素データベースに見られるベビーキャロットとフルサイズニンジンの比較によると、ベビーキャロットのほうが若干水分が多く、若干カロリーが低いです。
どちらもほぼ同じ糖分を含みますが、ベビーキャロットには鉄、硫黄、マグネシウムが少ないです。両方のタイプのニンジン100gを比較したところ、ベビーキャロットはビタミンAもビタミンCも少ない反面、 大型品種より葉酸がかなり多いです。
両方の品種のニンジンの栄養価は等しくなくても、大きく太いニンジンよりベビーキャロットをたくさんたべたい誘惑にかられる限り、その相違は相殺されます。
がん
ニンジンの抗酸化物質はがん予防効果があるようです。喫煙者が一週間に一回以上ニンジンを食べると肺がんリスクが下がることを研究が実証しました。ベータカロチンが豊富な食事は前立腺がんも予防するようです。
ベータカロチンと大腸がんリスク低下や白血病に対する効果増大、胃がんリスク低下との間の関連性を別の研究が実証しました。
ニンジンが菌による病気から守るために生産する天然毒素ファルカリノールは抗がん機能を刺激するようで、ラットの腫瘍リスクを軽減する機能があることは証明されています。
視力
ビタミンA欠乏は目の受光体を悪化させ、視力障害につながります。ベータカロチンが豊富な物を食べると視力が回復し、ニンジンが目によいという古い格言が真実であることになります。
ニンジンは老化による筋肉委縮や白内障発生率を下げます。さらに、一週間に2食以上ニンジンを食べる女性の緑内障リスクが64%下がる可能性を示す研究があります。
心臓の健康
深いオレンジ色をした果物や野菜が冠動脈疾患 (CHD)リスクを下げることと関連づけられています。ニンジンはCHDリスクを32%低めることと関連づけられ、女性の心臓発作リスクを下げることとも関連づけられています。
メタボリック症候群
ニンジンに含まれる二種類のカロチノイド、ベータカロチンとリコペンは中年男性のメタボリック症候群発生率を下げることと関連づけられています。メタボリック症候群は心臓病、脳卒中、2型糖尿病と関連します。
皮膚
ベータカロチンが豊富なオレンジ赤系野菜は細胞の損傷や皮膚の早期老化を予防します。
長年の喫煙や飲酒が原因の白斑症つまり口内や舌の白変損傷がある人はベータカロチンのサプリメントで症状が軽減されました。
皮膚を硬化させる結合組織障害である強皮症の人はベータカロチン不足であることも研究者らは発見しました。
口内衛生
ニンジンは虫歯の数を減らすのに役立ち、歯を清潔に保ちます。唾液はアルカリ性の物質で歯の表面の細菌や歯垢を減らすのに役立っています。ニンジンを食べると唾液の生産が促され、歯茎を刺激します。
脳の健康
ニンジンエキスに認知障害の管理にプラスの効果があることは実証済みです。ニンジンのような根菜をたくさん食べると中年男女の認知力低下を削減します。
肝機能
ニンジンエキスは環境から来る毒素からも肝臓を保護します。ニンジンの肝臓保護機能は野菜でもエキスでも判明しています。
老化防止効果
抗酸化物質はフリーラジカルによる損傷から保護し、老化防止の強力な力があります。ニンジンはこうした抗酸化物質の貴重な摂取源です。
抗炎症効果
ニンジンの抗炎症効果はアスピリン、イブプロフェン、ナプロクセンなどの抗炎症薬よりはるかに優れます。
ベビーキャロットは皮が剥かれているので、有効期限を延ばすには冷蔵が必要です。冷蔵庫に入れても収穫して処理してから30日以内に腐り始めます。
ニンジンの健康効能の多くは強力な抗酸化活性によりますが、これは料理や刻むことでさらに強まります。
植物には原始的な形態の通信機能と保護機能があります。ある研究ではタバコの葉が害虫の被害に合ったとき、その植物から害虫を食べる虫を引き寄せる化学物質を放出し、自己防衛することを研究者らが発見しました。この同じ化学的変化プロセスによって刻んだニンジンに抗酸化物質の濃度が高まります。
ヒトも植物も抗酸化物質を利用して酸化反応と細胞内のストレスによる損傷効果を制限します。酸化ストレスにより心臓病やがんなどの病気にかかりやすくなります。
植物系のフェノール性抗酸化物質がこうした異常のリスクを削減します。植物が生産するフェノール性抗酸化物質の中には血漿や組織に存在するものがあり、こうした抗酸化物質の体内での機能を強くしています。
刻んだりみじん切りにしてニンジンを傷つけることで抗酸化物質がさらに生産されることを研究が示唆しています。
ニンジンを傷つけたりストレスを与えるほど、細胞レベルでは抗酸化物質の生産がさらに増加することを研究者らは発見しました。損傷の強度が高いほど、4日の実験期間中にニンジンは抗酸化物質をより長い期間生産しました。つまりニンジンはフェノール性抗酸化化合物の豊富な摂取源になるわけです。
ニンジンを煮るとベータカロチンとフェノール酸がさらに生産されます。生のニンジンは丈夫な細胞壁をもつので、25%のベータカロチンはビタミンAに変換されます。
料理する間にセルロースの細胞壁が溶解し、栄養素を放出します。蒸気で蒸した後に総カロチノイドが増加することは実証されています。脱水すると、カロチノイドは保護されても増加しません。
別の研究は野菜の中のカロチノイドを煮る、蒸す、フライにする効果を評価したところ、蒸した野菜が最も組成の質を維持しているが、どの調理法でも栄養価が高まることを発見しました。煮る前はニンジンを刻む衝動を抑え、吸収可能な抗酸化物質が増えるようにしましょう。
ベビーキャロットが店舗に出荷される前に減る工程に塩素浴があります。最大のニンジン農場Grimmway Farmsは、塩素を全ベビーキャロットに使用して食中毒を予防していると報告しています。塩素浴の後ゆすがれ、梱包されて出荷されています。
塩素はベビーキャロットの有効期限を延ばすのにも使用されます。ベビーキャロットが古くなるにつれて外面の層に白い物が現れ始めます。これはニンジンの栄養価に影響しませんが、おいしそうには見えなくなっていきます。ベビーキャロットの皮むきと処理工程のために腐り始める率が速くなり、脱水による外面の白いむらが出始めます。
この白いコートが現れる速さは処理前のニンジンの状態や工程の研磨度、貯蔵中の湿度により異なります。ニンジンの洗浄と保存に使用する塩素は水道水、農薬、紙、プラスチックに含まれる普通の物質です。これまでの30年間に、塩素とその副産物が健康によくないことを実証した研究がますます増加してきました。
ベビーキャロットに塩素は僅かに含まれているが、他の摂取源から来る毒素全体の負荷を増します。問題を起こすのは塩素自体ではなく、塩素が有機物質と反応してできる消毒副産物(DBPs)に問題があります。
これらの副産物にはトリハロメタンやハロゲン化酢酸を含む塩素より毒性があります。この例で有機という用語は炭素系のものであることを示します。
つまりこうした副産物は全てのニンジンで生産され、栽培中に有毒農薬が使用されたかどうかを問いません。DBPに長期的に接触すると過剰なフリーラジカル発生が含まれ、これが老化を早め、遺伝子突然変異やがんに対する脆弱性を加速します。600種類を超すDBPが発見されており、その一部は肝臓障害、動脈硬化性損傷や神経萎縮障害と関連します。
塩素系化学物質の長期的と短期的影響について最近ようやくわかり始めてきたにすぎない段階です。最も健康的なのは自然の未処理な — 最適には有機の — ニンジンを買ってきて、洗い、皮を剥き、自分でカットすることです。
生姜、ウコン、ニンジンという三つのスーパーフードが数種類のがんの治療や予防上いかに効果があったかを示す3つの研究からの抜粋をいかにご紹介します:
• 生姜:「生姜の医学的特性は数千年来知られてきたものですが、さらに多くの試験管内、生体内、疫学的研究が生姜とその有効成分は胃腸系のがんを含む人間の多くの疾患に対して効果があることを示す重要な証拠を示しています。
生姜は胃がん、すい臓がん、肝がん、直腸結腸がん、胆管細胞癌等の多くの胃腸系がんに対して効果があることが発見されました。」
• ウコン:「クルクミンは近年調査されている予防化学物質としてよく機能する物質のひとつであり、がん予防の人体検査段階にまで進んでいる。クルクミンの活性メカニズムは複雑で多要素が関わっているようである。クルクミンが驚くほど細胞や組織内の鉄代謝タンパク質を変調することが偶然発見され、クルクミンには鉄のキレート剤としての機能があることが示唆された。」
• ニンジン:この研究はニンジンエキスが白血病細胞株の細胞死を促し、細胞周期を停止させることを発見しました。
一つのおいしい食事でこれらの3種類の抗酸化物質を摂るとよいです:テーブルスプーン数杯の水で数カップのニンジンを歯当たりがある程度に柔らかくなるまで蒸します。ティースプーン二三杯のバター、海塩を加えて味付けし、これにティースプーン半分ごとの削ったウコンと生姜を混ぜます(または削ったものはこの半分の量)。食べるときに軽く叩くかそのままワイルドに健康的でおいしいおかずとしてお召し上がりください。
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